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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ママ味あふれるかやのんにいだかれて頭を撫でられたい人生だった、第5話。もしくは久野ちゃんとお手々繋いで保育園から帰りたい人生だった。その場合、まず久野ちゃんを保育園に入れる必要があるけど、まぁ、何とかなるやろ。

 毎度の事ながら川本家の多幸感を導入にしてみたものの、今回はあんまりそっち方面は関係無く、ついに明かされた零の過去のお話。おおよそ予想していた通りの内容ではあるが、家族をいっぺんに失った原因など、かなりダイレクトでどうしようもないものだった。あの年齢の子供が、両親と妹をいっぺんに失ってしまったら、普通は一体どうなってしまうのだろうか。

 零の場合、様々な不幸が折り重なって、現状が構築されていったことが描かれている。一番の不幸は親族関係がグダグダだったことであり、病院の長男だった父親と、その座を狙っていた叔母の存在など、まぁ、ここまでは典型的な昼ドラ展開だ。そのまま施設送りになっていたら、おそらく桐山零の人生はその後も一切の起伏を持たず、ただただ陰鬱に、何の救いも、悲劇も無いままに収束していったのではなかろうか。しかし、彼には幸か不幸か、そうはならないルートが用意されていた。それが、父親のライバルだったいう幸田の存在。友人の友達を引き取り、実の息子同様に育てるという幸田の決断。それだけならばいっぱしの美談であるが、残念ながら、このルートにも3つの大きな不幸が折り重なっていたのである。

 1つは、幸田が「将棋を何よりも優先する」という行きすぎた人物だったこと。もちろん、人の心を持ち合わせぬ将棋マシーンなどではないのだが、問答無用で才能も好みも問わずに実子に将棋をやらせていたことはどこか歪んでいる。零を引き取った条件にも「将棋をやる」ことが暗に含まれていたようであるし、傍から見れば「実の子ではない零も分け隔てなく育てた人格者」になるのかもしれないが、幸田の存在は零をただ救い出したというだけではないのが難しいところだ。

 2つ目の不幸は、いざ引き取られる際に、零が「生きるための嘘」をついてしまったこと。つまり、彼は決して将棋が好きではなかったこと。そうなのだ、物事の上手下手は、好き嫌いと直結するわけではない。元々「忙しい父との接点」というやむにやまれぬ事情で将棋を始めた零は、才能こそあれ、別に将棋が好きなわけではなかった。しかし、葬儀の場では異様な親族間の雰囲気があり、そして何より、将棋盤を通じて心の対話が出来た幸田との繋がりを切ってはいけないという焦燥感もあったのだろう。子供ながらに、それを「契約である」と捉えた零は、ここで初めて嘘をついた。それが彼にとっての生存戦略であり、施設送りになったときの「ホッと出来ない」生活とを秤にかけた上での結論である。それが果たして正しかったのかどうか、答えはまだ出ていない。

 そして3つ目の不幸は、こうして嘘をついてまで「契約」した零に、将棋の才があったことである。もし、これで芽が出ない程度の才能、性格だったのなら、多少なりとも幸田との関係は変わっていたかもしれない。彼とて冷血なわけではないのだし、平々凡々とした「家族」として、かえって上手くやっていけた可能性すらある。しかし、幸田の性格を畏怖した零は、彼の恩に報いる意味もあったのだろう、将棋に真剣に取り組み、身につけてしまう。そしてそのことが幸田の家族をバラバラにし、彼自身の人生にも障害を生む結果となってしまった。将棋をやれば他人が不幸になる。しかし、その「他人」に迷惑をかけないようにするためには、もっと将棋をやるしかない。一度選んでしまった「契約」の中で、零は選択の余地を持たなかった。かくして、桐山零は今でも一人、寒々としたアパートの一室で将棋盤に向かっているのである。

 こうした零の生い立ちが語られることで、現在彼を取り巻く川本家や二階堂といった人々の重要性が改めて確認出来る。川本家とは、「家族を失った者どうし」という慰みがある。二階堂は、零の前に現れたまた別な「将棋を指す理由」を与えてくれる人物である。今はまだ澱のように淀んだ彼の将棋人生も、少しずつまわりに広がる「家族」の輪を経ることで、明るいものになっていくことを願うばかりである。

 今回は陰鬱な内容がほとんどだったために、久しぶりにいかにもシャフトらしい画面が多く見られた。そんな中でも川本家の猫軍団や、モモを襲った犬の謎のテンションなんかは相変わらずの抜け方で実に愛らしい。詰めるところは詰めて、抜くところは抜く。こういう作劇に助けられる部分は多いですね。しかし、「犬 小林ゆう」っていうキャスティングは何とも……あと、零の幼少期の声がゆーみんなんだけど、今回ゆーみんボイスも色んなところから漏れ聞こえて来てスーパーサブキャラ声優の面目躍如。

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