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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ここで特殊エンディングは色々とクるな、第8話。いつも通りの「Los! Los! Los!」でもこの作品らしいといえばらしかったのだろうが、流石にそこは空気を読んだか。

 戦争ものにはかかせない、戦争の悲惨さがダイレクトに描かれたお話だが、今作最大のポイントは、誰がどう見ても主人公サイドに正義がないということである。よく「正義の反対は別の正義」なんて言葉が出てくることがあり、互いの主義信条がぶつかり合う戦争行為に簡単に正義だの悪だのという烙印を押すことは出来ないのだが、いくら何でも今回のお話でターニャさんに義があると見る人間はいないのではなかろうか。もちろん伝家の宝刀「上からの命令」なのでターニャさんに直接責任があるとは言えないわけだが、そうして「言われたから」という理由を免罪符にして、ターニャさんはベストな生き方を模索しているのである。

 今回の任務は、奪還作戦とは銘打たれているが、事実上の「2度目の侵略」。一度武力制圧した地域が再び火種になったので、今度はもう二度と息を吹き返さぬよう、徹底的に叩き潰すという方策である。最初の占領ならば単なる武力衝突だけで片付くが、一度手を入れたはずの街が反旗を翻したとなれば、民も官もごちゃ混ぜにして、街の全てが敵ということになってしまう。となれば、そこを「落とす」手段はもう掃討作戦しか残されていない。諸々の国際法の網の目を擦り抜けてはいるが、形式的に飾っているだけで、ルールに則った振りをした単なるホロコースト。普通に考えると、ラノベの主人公がやっていい仕打ちではないだろう。しかし、ターニャさんは平気でゴーサインを出してしまえる人なのである。

 戦争の勝利のため、自国のためにどこまで冷酷に、倫理を覆せるかというお話については、全体像を見ても仕方がない。今回のお話で注目すべきは、やはりターニャさん個人としてのモチベーションの部分だろう。今回の作戦を断行した理由として、ターニャは大きく2つの「生き残り」がかかっている。1つは、彼女が部下に話していた通りの非常に現実的な部分での「死の危険」の排除。補給線を断つような敵の動きを叩くのは生きながらえるために当然の行為であるし、非戦闘員を区別せずに殺戮を繰り返すことも、将来の反乱の芽を摘むという意味がある。後ろから狙撃されないための、ひどくリアルな理由である。しかし、それだけの「リアル」が理由だとしたら、今回涙した部下の新兵ように、ターニャも懊悩してしかるべきである。彼は、上官(ターニャ)からの命令でもその非人道的な行為に異議を申し立てた。つまり、ターニャだってやろうと思えば上からの命令に異議を唱えてこの殺戮を思いとどまる選択肢はあったはずなのだ。しかし、ターニャはそのことを考えていない。

 そうなると、彼女にとって目の前の命よりも大きな「理由」がもう1つあるということ。それこそが、彼女の地位の問題。与えられた任務は「責任」であり、「権利」である。「上から言われたからやらなきゃいけない」と捉えることも出来るし、「上から言われたから堂々と出来る」と捉えることも出来る。こうして、普段なら出来ないことをやってのければ、彼女の存在意義は軍部内でますます高まっていく。ここまでの不運は彼女が軍というシステムの中層に位置していたからこそ起こったこと。それならば、軍内部で功を立て、上りつめてしまえばきっとゴールはあるはずなのだ。「夢の後方生活」が待っているはずなのだ。そのためならば、目の前の命の1つや2つや3つや100くらい、大した問題ではないということ。元々現世では理不尽な方法で命を失った身。生き残りのために他人を犠牲にすることに何の迷いがあるものか。かつては日本のヒネたサラリーマンだった男が、「生きる」ということの真実を知り、気付けば眉1つ動かさずに虐殺を指揮することになる。劇的過ぎる変化だが、彼女(彼)の中では、案外1つにつながった道理なのかもしれない。

 そうして黙々と任務を遂行し、「反乱の芽」を潰していくターニャ。戦場であれだけの荒事をやっておきながら妙な話ではあるが、彼女はこうして、1つ1つ「不安の芽」を潰していくしかないのである。それが完璧ならば、幼女は天寿をまっとうできるはずなのだから。しかし、今回Cパートでは早くもその「摘み忘れ」が発覚している。フィヨルドの激戦で討ち取ったはずのあの隊長……生きてましたね。しかも神を見てますね。その神って、もしかして……あの神?

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