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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「月がきれい」 6→6

 リア充カップルがいちゃいちゃする姿を延々アニメで見せつけられると本当にイライラするんですが、そこは何とか「こいつらは中学生、こいつらは中学生……」と念じることでグッとこらえることが出来ました。我々は大人ですので。まぁ、そんなことを考えている時点で大人じゃないんですけど。

 とんでもなく図太い作品である。何が図太いって、マジで「中学生男女の初々しい恋愛模様」をただ描いただけの作品だからだ。そこに大きな事件も、意外な展開も何も無い。ただ、「ひょっとしたら身の回りにもあったかもしれない、青春のほんの1ページ」が転がっているだけなのである。これをアニメの脚本として企画立案し、作り上げてしまうスタッフが何ともふてぶてしい。そして、これが割と面白く見られてしまうのがまた憎らしい。事件も無く衝撃も無く、ネタも無く笑いも無いこの作品が、何故苦も無くスルリと1クール見られるものになっていたのだろうか。

 まず外的要因から埋めていくと、独特の映像美術が常に興味深いものだったというのが1つ。1話目から気になっていた「白が強烈な色彩」は最後まで徹底的に維持されており、他のアニメには無い明るさ、まぶしさにつながっていた。写実的ではないのに、どこか薄皮一枚を通して眺めた近所の中学校みたいな不可思議な近さがあり、お話の眩しさも相まって、ついつい見守ってしまう空気が出来上がっている。 

 そして、そんな美術で描かれたメインとなるラブストーリーが、かえって飾らないことで他の作品との差別化を図っている。インドア派の作家志望少年が、陸上部で頑張る内気で健気なヒロインとの恋愛を少しずつ育んでいき、人並みの恋愛を全うするだけのシナリオライン。告白のタイミングとか、キスのタイミングとか、その他諸々の距離感が、ありそうな、無さそうな。見たことあるような、無いような。自分も経験したような、してないような。いや、絶対してないんだけど……。そんな不思議な「ほっとけない近さ」を醸し出す。途中、小太郎が茜ちゃんと他の男が話してるのを見て突然へそを曲げてイライラしてしまうシーンなんか、「何でそんなんでスネるねん。肝っ玉の小さい男やなぁ!」と思いつつも、「でも中学生だもんな……確かにこんな風になるかもな……」という気にもなるし、2人が多用するLINEでのコミュニケーションも、「この若者世代がぁ! メールとかあるやろ! 面倒だからもっと中身のあるトークでもしろやぁ!」と思いつつも、「でも、このちょっとずつの感じが楽しいのかもしれんな……リアルタイムでメッセ来るからワクワクするやろしな……」とか、おじさんが自分の青春時代になかったツールにまで思いを馳せたりする。うーむ、なんかね、やっぱり「ほっとけない」って気がするのよね。

 ただそれだけの作品であるなら、白身魚をそのまま焼いたような淡泊な仕上がりにもなるのだろうが、今作はそうしたメインの筋書きでしっかりと「生っぽさ」を出しつつ、他の要素は脇キャラのサブストーリーなんかで埋め合わせて世界を広げているのが小憎らしい。小ネタ劇場は割と「普通のアニメ的ネタ」なんだけど、これがメインの2人のいじましい恋愛と対比的に見られて、どちらも退屈せずに済むという効果をもたらしている。制作側がどういう意図でCパートの小ネタを盛り込んだのかは分からないが、塩サバに大根おろしをつけるかのように、実にいいアクセントになって行間を埋めてくれていた。多分、狙った通りの効果が出ていたんじゃなかろうか。

 何もかもが「地味」ではあるのだが、どこか不思議と惹かれる部分がある。そんな何ともいえず不思議な作品でございました。とりあえず、千和ママに栄光あれ(いつもの結論)。

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