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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 なんかもう、なんか、こう……第10話。言葉を失いますわ。

 導入があったおかげで「さて、どんなオチになるものやら」って色々と悪いことを考えながら見ることになるお話。キノが実際に国内で受けている「どう見ても親切にしか見えない待遇」が、最終的に前評判のように「絶対に行きたくない」「最悪の国民性」っていう形になるためには一体どんなどんでん返しが必要なのか。それをずっと考えながら視聴しなきゃいけない。しかし、純真そうな子供がおり、欺瞞があるようにも見えないし、どこまでいっても「タネ」は明かされない。最後に「充分町から離れてからこの袋を開けるんやで」って言われたところで「さぁ、いよいよ翌日にネタバラシか」と思っていたら……エェェェェ。

 これまたなんとも言えない舞台設定だったなぁ。ものすごくざっくりまとめると、今回の国は「これまでどれだけ悪行三昧だった人が最期を悟り、かりそめの善行を重ねただけだとしても、そこだけしか見ていない第三者には善人に見える」という不可思議な設定だ。いわゆる「不良が雨の日に子犬を助けていたら」ともちょっと違う。あの国の人たちは、「もう明日がない」と言う極限状態になったおかげで「善人」になったわけで、結局のところそれが本当の意味での「善」なのかどうかはわからないからだ。キノが聞いていた噂が本当なのだとしたら、今回の顛末の前には本当に辟易した旅人たちが山ほどおり、そのたびに、国民は意地悪でひどい扱いをしてきたと言うことになる。トータルで見れば、あんまりいい奴らではないはずなのだ。

 しかし、我々視聴者はキノと同様にこの国の人たちの「善」(偽善?)の部分しか見ておらず、「こんな人たちが無情に殺されてしまうなんて」というどうしようもない儚さを感じてしまう。ただ純粋に「優しい国」が消えてしまったと言う情報だけが残っている。はてさて、この国は一体どんな国だったと、後世に語り継がれることになるのだろうか。

 また、この国の大人たちが下した判断にも賛否は分かれるところで、例えば子供を黙って巻き込んだことなどは身勝手さとも映るわけだし、死をただ受け入れて何もしようとしなかった姿勢が怠惰に映ることもあるだろう。しかし、そうした「この国はそんなんでよかったのか?」という疑問に対し、作者はちゃんと周到な予防線を張っており、最後にさくらちゃんが残していた手紙には、「子供だって自分の意思でこの国と運命を共にすることを選んだのだし、この国ではそれが幸せなのだ」という根拠をはっきり示す形になっている。そう言われてしまえば、もうこの国のあり方に文句を言うわけにもいかない。挙句、キノに至っては国の人たちの善悪を問題にする以前に、「自分は一瞬でもことの顛末でホッとしているから悪だ、エゴイズムの塊だ」と内省を始めてしまい、完全に国の選択が清く尊いものであるように祭り上げられているのだ。冷静に考えれば勝手にわがまま言って勝手に死んだだけの連中のはずなのに。この辺りの倒錯した死生観、言うに言われぬもやっとした印象こそが、今回の話で作者が見せたかった焦点だったのではなかろうか。えぇ、もやっとしていますよ。やるせねぇよ。後になって見返すと、結婚式をあげた人達が「こんなに早く結婚するの?」って聞かれて「今やっておきたかったんです」って言ってたこととか、そこに群がっている「次の幸せを狙いたかった女性たち」がいたこととか、なんかもう、色々ずるい。拳銃売ってたおっちゃんとかもなぁ。結局、師匠は何をしでかしてたんでしょうかね。

 火砕流の設定とか、冷静に考えれば「そんな無茶な」と言う部分は多いのだが、そのあたりは全部「舞台設定」として処理されるのは便利なところ。まぁ、星新一作品に「そんな適当な宇宙人とかいないだろ」ってツッコミ入れるのとおんなじだからね。そう言う意味では、やっぱりこの作品のエピソードのまとめ方はうまいなぁ、と思うのである。個人的には、ずっとオチを考えながら観ていて思いついた「実は全員が完全な演技をしている国で、後になってからたっぷり録画した『旅人と作る嘘だらけの我が国』っていう番組を放送して馬鹿笑いする国」っていうのが一番いやらしいと思うので、本当に俺ってやつぁ最低である。

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