声優名鑑 2020→2021 差分チェック

　今年もやるよ、やったよ、声優名鑑チェックだ！　すでにネットニュースなんかにもなってたので「ネット界隈どんだけ暇なんだ？」と思ったが、報道の責任も無いのにひたすら声優の数を数える趣味を持つのが俺という個人だ。よろしくな。まぁ、恒例行事になっちゃったからなぁ……。それにしたってさぁ、この数はさぁ……。

 

　毎年言っているのでもう飽き飽きではあるのだが、「まだ増えるんかい」と突っ込んでいた昨年からさらに爆増のトータル955名。東京都の人口が約1000万人なので、東京都民１万人の中には大体女性声優1人が含まれる計算になる。なんだその計算。一応数字で確認しておくと、昨年の907名からの48人増。上げ幅は昨年の＋60には及ばないが、過去５年ほどを見ると、毎年50人前後のペースで声優が増加していることがわかる。いや、分かんねぇよ。どんな業界だよ。ちなみに去年分から転載して数字を付け加えておくと、2010年以降の数字の変遷はこんな感じ。
536→ 536→ 548→ 596→ 644→ 680→ 
703→ 751→ 800→ 847→ 907→955。

　まぁ、数字が増えてることに関しては毎年愚痴ってることだからもういいや。この数字は「食っていけない声優がどんどん増えている」と見ることもできるし、「声優の業種が増えて、いろんな木っ端声優も死なずに食えている」と見ることもできる。まぁ、どう考えても前者だと思うのだが、とにかく裾野が広がり、垣根は低くなっている。例によって、今後声優を目指そうとしている人は、そんな無間地獄みたいな業界に飛び込むのだという気概で頑張っていただきたい。

　ちなみに今年は増加分よりも減少分の方に注目したくて、毎年必ずなんらかの訃報が関わってくるゾーンなのだが、今年はそれが１件も無い。コロナの影響下で不思議なものだが、少なくとも女性声優において、去年は悲しい報せは聞かずにすんだということである。そういう年が、あってもいいじゃない。

　とりあえず、増加分からどのような状態かを簡単に確認していこう。

 

 

IN（５５名）

相川奈都姫　青山なぎさ　荒井瑠里　岡田夢以　各務華梨

柏山奈々美　加藤里保菜　嘉陽光　菅野真衣　小林星蘭

佐古真弓　佐々木琴子　佐々木奈緒　志崎樺音　渋谷彩乃

進藤あまね　鈴木杏奈　鈴木毬花　高橋菜々美　田嶌紗蘭

伊達さゆり　集貝はな　反田葉月　つんこ　都丸ちよ

豊嶋真千子　西尾夕香　貫井柚佳　根岸愛　野口瑠璃子

葉月杏奈　葉月ひまり　春瀬なつみ　引坂理絵　平嶋夏海

深川瑠華　船戸ゆり絵　ペイトン尚未　ボンジュール鈴木　前島亜美

松岡美里　岬なこ　三村遙佳　三宅晴佳　宮下早紀　

もものはるな　森なな子　矢野妃奈喜　山田美鈴　結城萌子　

吉咲みゆ　夜道雪　ラマルファミッシェル立山　Liyuu　渡瀬結月　

 

 

　なんかもう、字面だけで面白いのちょっとズルいよな。名前見てるだけで見取り図の漫才みたいになる。「ほんでペイトン尚未て誰〜〜〜！？」みたいに叫びたくなる（ラマルファミッシェル某については、直前に「WIXOSS」で確認している）。例によって、今年の新規増加分もソシャゲ界隈というか、ユニットひとまとめというか、なんらかの新規コンテンツが立ち上げられ、そこに含まれる名前が大量投入されているケースが多い。まぁ、ぶっちゃけＤ４ＤＪがとにかく多い。フォローしてなかったので知らなかったんだけど、Ｄ４ＤＪ関係で加わった新しい名前、割と前歴のある「芸能人」が多くて、ＡＫＢだのなんだのと賑やかなラインナップになっている。この辺の「引っ張ってくるしたたかさ」は流石のブシロードといったところか。転じてアイマスやラブライブなどの新キャラ投入で加わった名前の場合は、新しい事務所が立ち上げられていたり、これぞまごうことなき「新人声優」と言った参加が多い。この辺りの「稼ぎ方」の差が、今後の声優文化にどのような影響を及ぼすことになるのだろうか。個人的には「あみた、お前まだ入れてもらってなかったんか……」ってのが一番驚きでしたけどね。あと野口瑠璃子もかなぁ。前作のアイレーン様の時にはまだ登録されてなかったのね。

　そして、今年顕著だった傾向として、「流石に……お前は声優名鑑に登録されるなよ」みたいな人材がちらほら混ざっている部分である。流石にさ、ボンジュール鈴木は違くない？　本人はここに名前載せたいと思ってるんだろうか？　他にもコスプレイヤーが載ってるのも謎だし、プロフ欄を見ても「アニメイベントなどで活躍」とかしか書いてなくて「なんでもありやんけ」ってなる。鷲崎健が男性声優にクレジットされてるみたいなもんやん。もう、この名鑑は「声優名鑑」というよりも「アニメ関連で、何か活動してる人名鑑」になりつつあるのかもしれない……。

　その他、確認しておくことがあるとするなら、例えば小林星蘭ちゃんがいよいよ正式に名鑑にエントリー。遠藤瑠菜ちゃんよりもだいぶ遅れての参加だが、子役→声優っていう線引きをどこでやるかってのも個人の裁量だろうね。毎年恒例の「吹き替え畑では大ベテランだけど何故か突然登録」っていうパターンなのが佐古真弓さん。最近はちょいちょいアニメでも名前を見るようになり、こういう自然なシフトにも注目したい。森なな子もすっかりアニメ声優として定着したが、実は今年が初登録だ。ちなみに「何故か一度削除されたけどまた戻ってきた」枠なのが豊嶋真千子と柏山奈々美の２名。まちりんに関しては、なんかもう、名鑑には出たり入ったりでフラフラしっぱなしなので、もしかしたらそういう芸なのかもしれん（06年out,11年in, 翌12年再びout）。事務所は青二だから理由がなきゃいちいち削除されないと思うんだけど……。

　すごくどうでもいい情報を付け加えておくと、去年「伊藤美華→伊藤美紀→伊藤美来の並びが好き」って話したんだけど、今年チェックしててなんかツボったのが「田中ちえ美→田中真奈美→田中真弓→田中美海」のライン。早口言葉か。ラマルファミッシェル立山が加わったことでラ行のページが「ラマルファミッシェル立山／Liyuu／劉セイラ／Lynn／レニーハート」っていう訳のわからない国になってるの好き。あと、すみぺの宣材写真のバックが何故か今年から真っ赤になってるのも好き。なんのアピールだ。

 

 

　

　さておき、「去年掲載されていたけど今年は載っていなかった」のが以下の７名である。

 

OUT（７名）

あかいとまと　伊月ゆい　井上奈々子　河上英里子　阪田佳代

鈴木美咲　桃瀬あやみ　

 

 

　一応全員ざっと確認してみたが、多くは活動停止、もしくは事務所の退所や移籍が理由。事務所移籍に伴って一時的に名前が外れる現象は名鑑ではよく観察されるものだ。ただ、よく分からないのは阪田佳代。彼女は特に退所した様子もないのだが、ずっと掲載され続けていた名前が何故か消えた。まぁ、あんまり活動はしてなかったみたいだが……「ぱにぽにだっしゅ」直撃世代（？）の人間からするとちょっと気になるんですよね。確認したら裏名義の仕事もそこそこある人みたいなので、そっちとの関係もあったりするんだろうか？　あと、知らないってのは恐ろしいもんで、伊月ゆいについて調べてて初めて「えっ、電気式華憐音楽集団って妖精帝國だったの？！」って初めて知った。言われてみりゃ、そりゃそうだって気づけるんだけど、今まで全然そこのラインが繋がってなかったわ。

　あと、井上奈々子がいなくなったことで、井上喜久子＆ほの花の母娘の距離が近づいた（間にまだ井ノ上奈々がいる）。潘恵子と藩めぐみは当然今年も隣同士である。

 

 

　以上、声優グランプリ編集部は、そろそろ情報の取捨選択をして「この人は削除してもいいかな……」みたいな調整を各事務所と行ってほしいもんである。