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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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Sonny Boy」 6→8

 あっぶねぇ……また感想記事忘れるところだったわ……指摘してくださった方、どこのどなたかは分かりませんが、本当にありがとうございます。危うくオッドタクシーの悲劇の二の舞を演じるところだった……まだ放送終了から1週間ちょいだから普通に感想がまとめられるはずや。ちなみになんで最近になってこういうミスが出始めたかというと理由が2つあって、1つ目は、各クールの境目が曖昧になってるので作品リストから「はい、これで今期おわりー!」というけじめを見つけにくくなったこと。実際、夏クールに終わるはずのグループも、現時点ではまだ(我が家のスケジュールだと)「ジャヒー様」「ラブライブ」「EDENS ZERO」の3本が残っており、これらが終わるまでは区切りがつかない。おかげで終わった作品・終わってない作品の管理が杜撰になって抜けが生じてしまっているのだ。そしてもう1つの原因は……多分加齢による処理能力の減衰だ……。

 閑話休題、こちらの作品の話をしよう。ただ、「感想がまとめられる」とは言ったものの、なかなか一筋縄ではいかない作品だったので上手いこと着地点は見出せていない。現時点で間違いなく言えることは「刺激にあふれた面白い作品だった」ということだ。何を「面白い」と感じたのかを綺麗に区分けすることはこれまた難しいのだが、多分1番大きな要因はその圧倒的な画作りのセンスだろう。もともと夏目監督の特徴として「刺激的な作画スキル」というのを挙げており、過去作でも「スペースダンディ」みたいなとんでもない作品があったわけだが、今回は脚本まで全てに携わっていることもあり、制約なしで自由自在の画面を展開することが可能になった。「制限の無い自由」というのは「拠り所のない空虚」と背中合わせであり、どこまで作り込んで、どんな風に見せたらいいのかってのは本当にクリエイターの一存に任されることになってしまうわけだが、それを完全に武器として捉え、野放図に広がる「漂流」の世界を作り上げたというのが最大の功績なんじゃなかろうか。間違いなく「アニメでしか実現し得ない映像」であり、今作くらいのレベルになると「最近はアニメに負けないくらいなんでも描ける」なんて言われることもある実写+CGの作品なんかでも太刀打ちできないはず。アニメの絵だからこそ生み出せた世界。それが確固として存在したことに疑いを挟む余地はないはずだ。江口寿史によるレトロなキャラクターデザインも、それを歪ませたり、引き伸ばしたり、ちぎったり、丸め込んだりととにかく野放図にイメージが移り変わっていくこの世界においては、「調理しやすいシンプル素材」として重宝した。のっぺりとした真夏の孤島の風景が、超現実の描写で次々に異界へと姿を変えていくその様子は、これ以上ないほどに「異様」を体現していた。画面を見ているだけで面白いし、その中に無限の可能性が見える。こんなにも愉快な映像快楽があるだろうか。

 そして、そんな振り切れたカオスワールドでもって描かれたのは「中学生たちの精神世界」である。漂流という現象自体が瑞穂の能力や長良の能力からスタートしたと言われているが(詳細は今や闇の中だが)、結局陳腐な言い方をすれば、今回の漂流は「思春期の不安定さの顕現」と捉えることができるだろう。まぁ、今作においては「そんな安易な言葉で説明した気になるな」と怒られてしまいそうだが、主要キャラクターが全て中学生で、彼らの自尊心や克己心、そして恋心にいたるまでの心理的な揺らぎの足場の悪さが「漂流」という現象となったことは事実であろう。漂流者が全員中学生だという触れ込みについても、そうした思春期特有の特別感が世界を分断したことを裏付けている。完全に言葉遊びだが、思春期って別な言い方で「春機発動期」っていうんだよね。「発動期」って言葉、まさに今作のためにあるようなフレーズに思えてきません?

 物語の構造も想像の埒外に及ぶことが多く、あまたの「1クールアニメ」の構成になれていると、1週間後には予想を裏切られて何度も足をすくわれることになる。印象深かった回はやっぱり猫回かな。「1キャラ1エピソードでいろんなクラスメイトの話を繋いでいくんじゃないの?」と安易なことを考えていたのだけど、気づけば物語はどんどん「長良と瑞穂(と希)」に収束していく形になっていた。終わってみればそれはごく当たり前の構造とも言えるのだが、いちいちこの二人に帰ってくる時に予想もしない切り口から新しい展開に持っていくのがいちいち新鮮なのだ。冒頭から猫がしゃべる話、やまびこ先輩の思い出話、そして偉大なるモンキー・ベースボール……。「これなんなの、説明して」と言われても上手いこと説明できる自信はないが、毎週見始めた時の「は? なんやこれ?!」という困惑とワクワクは代えの効かない感情だ。これだけの「なんやこれ!」を毎週鮮度を落とさず叩きつけるなんてこと、そんじょそこらのアニメーションでは出来ないだろう。個人的には、構造の妙の類似もあるせいか、我が人生最高のアニメと掲げている「妄想代理人」に近い何かを感じ取った気もする。おそらく、どちらの作品も徹底的に計算づくで、自分の描きたい世界を磨いて磨いて研ぎ澄ませた結果という作劇法は共通しているんじゃなかろうか。

 機会があればまた1から見返して1つ1つの断片の意味を考えてみたい作品。世界中でたくさんの人に頭を抱えてほしいね。

 

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