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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 緊迫のクライマックス、第11話。事実上の最終回といってもいい、「落とし前」的な節目です。

 クライマックス、とはいっても、シナリオ自体は「そらおと」にあるまじきベタベタで分かりやすい愛情・勝利の物語。それ故にシンプルに伝わってくるものもあり、物足りなく感じる部分もあり。しかし、形はどうあれこの作品は1クールのシリーズ作。カオスを巡る物語には、決着を付けなければならない。

 今回は智樹など人間側の活躍はほとんど無く、相変わらず「会長と英四郎の科学力と行動力は中学生じゃねぇよな」と思うくらいなので、大空を飛び回ったエンジェロイドたちの活躍を見ていくべきだろう。まずはアストレア。彼女はすっかり会長の「弟子」として定着したようで、襲撃してきたカオスを相手に、最も危険な斥候役を引き受けた。3人の合流後はその機動性と破壊力を活かしてとどめの一撃を任されるも、カオスの予想以上の成長に飲み込まれ、初太刀では仕留め損なってしまった。しかし、智樹の一言で復活したニンフと共に新たなマスターとの可能性を見いだし、最終的には、カオスに物理ダメージをたたき込んで動きを止めることに成功する。流石、ダイダロスをして「最大の武力」と言わしめた性能である。ダウナー社会からすれば最も「新参」の彼女であるが、下界に新たなマスターと師匠を見いだし、自らの特性を最大限に引き出すことに成功した。そして、自らとどめを刺せと懇願する「後輩」を目の当たりにし、自分がこれまで下界で触れてきた「愛」について思いを馳せる。彼女は、カオスにとどめを刺すことはしなかった。

 次に、前回ラストで記憶のデリートを開始してしまったイカロス。彼女の演算処理は、智樹との関係性というイレギュラーを抱え込むよりも消去した方が効率が良いと判断してしまったのか、肉体的な負荷は、記憶の抹消をより加速する結果となってしまう。しかし、消えつつある記憶を必死にたぐり寄せ、智樹の愛した「平和」を守らんと立ち上がるイカロス。ウラヌスクイーンとしての能力は機能せず、ただその思いだけでカオスに挑んだ。愛する人を守る為には、その記憶を犠牲とすることも厭わない。それこそが、イカロスの選んだ結末だったのだろうか。

 智樹の叫びを聞き、遂に目覚めることになったニンフ。今期はやはり彼女の物語であったことが改めて意識される、新たな羽の芽生え。小さいながらも美しい翼を得たニンフは、自分の最大特性である演算能力とハッキングフィールドで戦況を打開する。マスターを得ること、明確な愛情を与えられることで、エンジェロイドは初めて羽ばたくことが出来る。長らく苦しんだニンフの目覚めにより、二人の仲間は、カオスを圧倒することが出来た。

 そして、ただひたすら孤独と探求心とで己を突き動かし続けたカオス。深海で成長を続けた彼女は、自らの経験から得た「愛」の答えを、3人の先輩相手に突きつける。圧倒的な武力と信念は、ただ孤独だったからこそ得られたもの。そして、孤独であるが故に、その愛は最後に実ることがない。全てを手に入れた「下界の」天使たちに打ち砕かれた信念は、最後にはへし折られるのではなく、穏やかに眠りについた。

 カオスの思いにニンフの思い、そしてイカロスの願い。すべてが予定調和のように折りたたまれていった今回。シナリオラインとしてはいささか陳腐さが際立つものの、特に文句の付けようもない。おそらく「そらおと」に望まれるべきはこうした展開であったろうし、今までのテイストを損ねることなく、ちゃんと広げた風呂敷をたたんでいる。現時点ではイカロスの記憶のことだけが未回収だが、おそらく最終回はそれ絡みでもう一山あることを期待していいのだろう。

 ただ、今回はちょっと戦闘描写が固かったのが惜しい。8話では短いながらも見応えのある戦闘パートを見せてくれていたのだが、3対1の大規模なクライマックスとなる今回は、ややもっさりしていて、中割の質もちょっと不足気味。普通のアニメならば不満が出るようなものではないのだが、この作品は普段の画面の質が高いだけに、最大級の見せ場がちょっと足りなかったのは勿体なかったか。イカロスや英四郎の組んだ戦略プランも盛り上がりに乏しかったし、復活して最大の敵となったカオスの晴れ舞台としてはちょっと消化不良。むーん。

 まぁ、この作品にそこまで明確なバトル要素を求めている人も多くないかもしれないので、「ニンフの覚醒」や「イカロスの決意」といった心情面がちゃんと描けていたなら問題無いとも言えるんですが。個人的に一番勿体なかったのは折角バージョンアップしたアストレアのソードが何の役にも立ってなかったことなんですよ。こけおどしの「強そうに見えるだけ」が残念でね。8話のクリサオル一刀両断シーンがかっこよかっただけに、なんだかやけに心残りである。

 もちろん、そんなことはいってもキャラの魅力は落ちてはいません。今回のMVPはやはりカオス。気付けば豊崎愛生が「ラスボス」キャラを演じるのはこれで2つ目なんですが(1つ目は黄金のクェイサー)、前回までの「子供カオス」と今回の「覚醒カオス」の微妙な声音の差とか、「悲」と「喜」の絶妙に入り交じったクレイジーな感じとか、全力投球でやってくれているのが分かって本当に気持ちよかった。あとはニンフの「どれだけ聞きたかったか!」とかイカロスの「忘れたくないのに」とか、印象的な台詞も多くて、本当にいい「泣かせ」でした。野水伊織は着実に良い経験を積んでいるなぁ。そういや今回はモブに合田彩と高橋夢波が出演していたのだが、随分プロダクション・エースの息のかかったキャストだったな。

 そして、今回嬉しかったのはオープニングの「ハートの確率」早見沙織ver。「ハートの確率」は今期の数あるアニソンの中でもお気に入りの1本で、是非fullで聞いて欲しい名曲。そんな主題歌のカップリングバージョンで収録されている早見バージョンだが、こちらも吉田仁美verと違った味わいがある。イカロスの感情が揺れ動くこのタイミングで持ってこられると、歌詞の意味も相まってインパクトは絶大である。エンディングも再びの「帰るから」で、イカロス押しで固めた1本となりました。こういう気配りが出来る構成は大好きです。

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