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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ……疲れた……。ハイ、劇場アニメでございます。知ってる人はどういう試みか知ってるでしょうし、知らない人は知らないだろうから適当にググってください。ちょっと前にどこかで宣伝を見て、流石にどんなギミックか気になったので観に行くことにしたんですが、悩ましかったのは「どうやって観るか」なんですよ。私のポリシーというか、致し方ないルールの1つに「劇場アニメは1日1本まで」というのがある。これはブログに記事を書く前提で視聴するため、2本観たらおぼえきれない、処理できない。だから1本まで。ただ、この作品(群)についてはそうも言ってられない。いや、1本観てから日を改めて観に行くのも可能だろうけど、そうすると今度は「1本目の記憶が薄れる」という問題が出てくるし、そもそも今作を1本だけ観た時点で書く感想に意味があるのかどうかも定かじゃない。脳に負担をかけて頑張るか、それとも多少の取りこぼしを前提に分業するか。幾らか悩んだんですが、やはり前者を取りました。100分+100分の200分作品ですよ。まぁ、洋画の長いやつだったら1本でこれ以上の作品とかもあるからねぇ。アニメ1クールが20分×12話だとしたらギリギリ耐えられる量……かどうかは分からない。

 てなわけで、私史上最も感想をまとめるのが難しい作品になっています。いくつか理由があるが、最大のハードルは今作最大の「順序転倒」効果をどこまで想像できるかという部分。1本目視聴後に2本目を観つつ、脳内では1本目の情報をもとに「2本目」として追いつつ、さらに「もし1本目を観てなかったらどう感じるか」を想像しながら観なければいけないのだ。ぶっちゃけ、無理でした。今までやったことのない試みだが自分の脳のキャパで処理し切れるかと思ったんですが、いくらなんでも無理や。この失態については、「もう一回、今度は逆順で観る」というチャレンジをすればある程度は解消されるのかもしれないが……いや無理だよ。他にも、両方の作品はかなりの部分で共通するカットがあり、文字通りに世界を「挿入」していく形をとってるんだけど、その際に「あれ、あっちではなかったカットがこっちではちょっと足されてる……そこにどんな演出意図が?」とか考え始めると、もう負荷が天元突破しました。諦めて、以降はほぼ今作を「1本の200分映画」として処理することになるかと思います。

 ちなみに折り返し前にネタバレ無しの大枠だけまとめておくと、面白い試みだったことは認めます。映画料金2本分を払うことに躊躇いがない人は体力に余裕がある時にチャレンジしてもいいですし、私と違って1本ずつゆっくり観るのもアリといえばアリかもしれません。ちなみに私はあんまり事前情報がない状態で、記事タイトル通りの順番「君愛」→「僕愛」と視聴しました。これは、単に劇場の上映順がそうなってたから。確認したらちょうど今日までが「君→僕」のセットを昼と夜にやっていて、明日からは「君→僕→君」という1セットになるみたいです。なるほど、それならちょっと時間をずらせばどっちのパターンも見られるからね。

 私同様になんの事前情報も無い人が一番気になるのは「本当に順序云々に意味はあるのか」という部分と、「各々1本だけで作品として成立しているのか」という部分かと思われます。まず1つ目の疑問への回答としては、「おそらくあるだろう」が僕の答え。ただ、上述の通りに私は途中から「逆順だったらどう感じていただろう」というイメージを半ば放棄してしまったので、逆順で観た場合にどれくらい後味が変わるかはあんまり言及できません。一応、自分が体験したからそう思うだけかもしれないけど、僕は「君→僕」の順で見ることをお勧めします。「僕→君」で観た時の視聴後感、いいものになる気がしないんだよなぁ……どうかなぁ。2つ目の疑問に対してはちょうどいい例えが思い浮かんだんですが、だいたい「シュルシャガナとイガリマ」くらいの関係性だと思ってください。え? わかりにくい? いや、そんなはずは……。まぁ、分からん人は確認してください。シュルシャガナイガリマも、単体ならば問題なく1つの作品として成立していると感じるとは思うけど、微妙に「なんか空いてるパートがあるな……」って感じるじゃないですか。それがEdge Worksになったのが2本連続視聴した状態ってことです。

 あと、ざっくり評価ですが、ぶっちゃけ「君愛」だけ視聴し終えて休憩に入った時点では4点くらいでした。そもそも映像クオリティはあまり高くない作品なので「この感じで後半戦……お察しじゃね?」って思ってたんだけど、後半に観た「僕愛」で巻き返してくれて6点くらいまで一気に上げてきました。ただ、これが単純に2本の面白さが違ったのか、「2本目」が強くなる効果だったのかも定かではないです。いっそ逆順で観た人の感想も聞いてみたいところだ。

 

<というわけでようやくここからネタバレありです>

 




 いや、マジで「君愛」はキツかったんですよ。まぁ、「君愛」で世界観と前提知識をもらった状態で入った「僕愛」が有利なのは間違いないと思うんですが、これ、各々を単体で評価した時にも「僕愛」はドラマとしてある程度成立してると思うんだけど、「君愛」単体だとどうにもポカーン要素が多い気がするんだよなぁ……いや、そこはやっぱり逆順だと改善されるのかなぁ。

 まず、パラレルワールドをめぐる物語の科学前提というか、世界設定を把握するまでに結構な時間を使う。「世界線を飛べるんだよ」という説明を受けて「はいはいシュタゲ設定ね」っていう理解で進むのだが、それだけの前提だと「無限にある世界線のどこに飛ぶか分からない」っていう理解じゃないですか。「さっき飛んだのと戻ってきたのが全部同じでいいの? 今飛んだのは前に飛んだのと同じ世界線なの?」とか。その辺の疑問も「君愛」の終盤あたりで、「あ、この作品って結局2つの世界線を行き来するだけのお話なのか」って了解することができるんだけど、当然作品内では「そうじゃない可能性」も検討しなきゃいけないので理解が追いつかない。演出としても「ハイ今変わったよ! 世界線飛んだよ!」というのはなるべく分かりやすくやろうとはしてくれているのだが、「無くしたものが見つからないことあるじゃないですか、あれ、実はちっちゃいパラレルシフトが原因なんですよ」とか言われてる状態なので、「もしかしたらアニメ的演出が入ってないところでもこっそりシフトしてるというトリックでは?」みたいな可能性も検討する必要がある。どこまでを信じていいか分からないので、本当に暗中模索の前半戦だった。「そこまでヒネたことせぇへんわ」という保証をアニメ的に説明するのはめちゃくちゃ難しいのだが……いっそ「裏か表か」という二元論で話をまとめてくれれば簡単になったんだけどね。まぁ、それだと他の設定も色々いじらなきゃいけないから難しいか……。

 そうして「設定追うだけで大変だゾ〜」と慌てていると、本当にしょーもないアホな事態が発生するというのが「君愛」最大の問題点。ぶっちゃけ、ここが個人的に一番低評価な部分で、「ご両親が再婚します」→「俺たち結婚できない、逃げよう」。まずここがきつい。後からおとんが死者に鞭打つみたいに「いや、結婚できるやで……逃げるなや……」って言ってたけど、視聴者目線もそれ以外の感想は出てこない。仮に勘違いしてたとしても、逃げるんじゃなくて両親と談判して「俺らも好き合ってるんや。あんたらが再婚したら困るからやめてくれや」って言いにいけばいいだけでね。今のご時世、事実婚なんてどこにでもあるんだから大した問題にはならないだろうし。何故その発想が出てこないのか。ついでに、「逃げる先があったやで。パラレルシフトして別な可能性の世界に飛ぼうや」までは理解できるが、そこで向かう先が「両親が離婚してない世界」なのが分からん。いや、離婚しててもええやん。もっと分岐が近い「両親が再婚しない世界」を目指せや。いちいち発想がアホっぽくて、頑張ってSFしようとしている世界観にマッチしていない。

 かててくわえて,「君愛」についてはメインヒロインとなる栞の存在感が大して無いのも大きな問題だ。幼い頃に交流を深める描写がよりによってダイジェストなのよね(僕愛サイドでの回想と大して尺が変わらないっていう)。その後アホな理由で死に、あとは横断歩道の上でぐだぐだしているだけなので、どう贔屓目に見ても暦視点での「こんなに栞を愛していたのに!」という切実さが伝わってこない。最終的に和音目線ではその愛情を「狂気」とまで言われるわけだが、彼が60年の人生と1つの虚質を犠牲にしてまで守りたかったヒロインが、私の目には確認できなかった。「君愛」単体でも評価できないというのはそういう理由である。ついでに「僕愛→君愛」で観て面白くなるか? という疑念もそこに理由があって、この順番だと「別世界線に、頭がおかしくなった暦がいたんですよぉ」っていう話が最初になされ、後半で「ほら、イカれてるでしょ? 救われないでしょ?」ってんでラストシーンに向かうという、狂気エンドになる。公式には「僕愛→君愛」だと「ちょっと切ない物語」になるらしいのだが、どうだろう、「平和ルートの暦が末期にちょっと振り回されたエピソードの裏にこんな面倒臭い奴がいたんですよ」というだけのお話になる気がするのだが……うーむ。

 というわけで、私はどうしても「僕愛」を中心に考えたくなります。というか、もう、「和音さん、超いい女だよね」がファイナルアンサーなんですよ。なんなら「君愛」の方もメインヒロインは和音さんだった気がするんだけど。本当にさ、学生時代・研究所時代・(ママさん時代)・そして老後と、全世代の「すべての君」がいい女なんですよ。中心となっていた「僕愛」世界だと、成績についての嫉妬から暦に絡む手法が実に巧妙で「おもしれー女」だし、自分から吹っかけといてフりまくり、いよいよのところで逆告白から一気に持っていく流れも勇ましい。家庭を持ってからの親としてのエロさ母性も温かみに溢れており、本当に短い時間で「幸せな家庭」が描かれている。まぁ、「13世界線和音さん」があまりに不憫すぎるというのはあるのだが……それはまた別のお話。そして老後の和音さん。実はこのおばあちゃん和音さんが一番いい女説まであり、別世界線から飛んできた「自分」の気持ちを汲み取った行動の1つ1つが慈しみに溢れている。ラストシーン、暦が帰ってくるのを玄関で待ってる様子とかさ、もう、ほんと可愛くないですか? 僕の中で、歴代眼鏡キャラの中でかなり上位に入る素敵ヒロインだと思ってます。なんなら星見純那の下の席とか用意してあげてもいい。

 このナイスヒロインっぷりは「君愛」世界線でも変わらず、なんとこちらは結婚すらしない(というかできない)状態でもその一途な愛を貫き通して暦に尽くし続けるというあり得ないほどの捧げる愛なんですよ。そして「君愛」で伏線張っておいて、「僕愛」ラストでアクアマリンの真実が回収されて「健気か! 純愛おばあちゃんか!」ってなるじゃないですか。やっぱり、どう考えてもこのアニメ、2本とも滝川和音を描くための物語にしかなってないんだよなぁ……。だからこそ、「僕愛」エンドで締めくくる方が絶対にいいと思うのよ。なんならハッピーな栞おばあちゃんエンドも「僕愛」の方が圧倒的に尺が長いし、逆順で観たらあの素敵な平野文ボイスの栞が、最後にちょろっと思い出されて終わるだけになっちゃうわけでしょ。その前の霊体を迎えにいく妄想も意味がわからんし、やっぱ終わってる感出ないと思うんだけどなぁ。

 というわけで、私の最終的な結論はあんだけ必死に脳をフル回転させて観たにもかかわらず「和音さんいい女」になります。彼女の振る舞いにキュンキュンできたのでそこはとても評価しています。ちなみに蛇足とは思いますが中の人の話……はしないでいいかなぁ。今作になかなか入り込めかった理由の第1位は「暦の声がどうにも……」っていうところだったことは一応ご報告しておきます。比較的幅広い年齢層を演じなきゃいけない難度の高い役だったので、流石に荷が重すぎたとは思います。栞も微妙。栞のおかんも微妙。「パラレルシフト」っていう一番大事なターム、口が回らなくて言えてないやんけ。贔屓目全開ですが、和音さんは案外悪くなかったです。女学生和音さんはちょっと固めだけど、ママ和音さんは可愛かったので。僕の中のベストカットは子供のお絵かきを寝っ転がって見守る和音さん。このエロ眼鏡め。

 

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