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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「転生王女と天才令嬢の魔法革命」 5→6

 終わりよければ全てよし。この作品から我々が得るべき教訓は1つ。なろう的な道具立てでも、ちゃんと意味付けをして組み込んだら立派なお話になるということだ。

 個別の感想でも何度も触れていたけど、「転生」「婚約破棄」なんて、そりゃもう見たくもなくて目を背けちゃうなろう的道具立ての代表格であり、私も1話目時点では相当に冷ややかな視線でもって今作に接している(改めて1話感想を確認したら「ナレーションがくぎゅぅって斬新だな」って書いてたんだけど、そういう意味だったのね)。しかし、中盤あたりでユフィの婚約破棄のお話が決して単なるとっかかりではなく今作の中核をなす要素であることが判明し、「なろうだから」ってんでスルーされそうな諸々も放置せずに少しずつお話の中に取り込み、ドラマを形成していく。いや、「出した要素はちゃんと使う」なんてのはシナリオメイクを考えれば当然オブ当然の話なのだが……本当にそれが出来てる作品が少なくなっちゃったもんだから、取り立ててこの作品にグッときてしまったわけだ。最終話感想でも触れた通り、最後まで見ればきちんと「転生王女」の部分も意味のある設定になっており、「ちゃんと物語が書きたい人が作ってくれた世界なのだな」というのが確認できる。それだけでも、追いかける価値のある作品だった。

 そうして作られた百合なろうファンタジーを作り上げたのはディオメディア。一昔前にはダメアニメの代表格みたいな扱いだったディオメディアだが、何がどう作用したものだろうか、最近はかなり安定して良作を生み出してくれる中堅スタジオというイメージが確立しつつある。特に今作は「虹」というイメージモチーフが効果的に用いられており、澄み渡る空の青と煌めく虹、そこに魔法が重なるいかにもファンタジックな世界表現が見事であった。監督の玉木慎吾氏についてはあんまり名前に印象はなかったのだが、今作を契機にちゃんと頭に刻んでおこうと思いました。

 超余談だが、先日話をしたこれの原作を読んでいるという知り合いから、「この作品は本来なら美しくないはずのMS明朝をタイトルに使っておきながらきちんと見栄えがする仕上がりになっているのですごい。これはおそらく、魔力を持たず、本来ならば無能扱いされて忌避されるはずのアニスが必死の努力で輝いていく物語を象徴しているのだろう」という凄まじい持論を聞かされて「何言ってんだお前?」と思っていたのだが、その後の丁寧なフォント論と具体例をいくつか提示され、「フォントの世界すげぇし、もしかしたらこいつの言ってることは一理あるのかもしれん」と妙な納得を覚えてしまった。アニメの表現ってのは本当に細部にまでこだわれば終わりのない無限の深淵。フォントに命をかけるクリエイターも、実は案外多いのかもしれん。私のように美的センスが1ミリも無い人間は羨ましくもあり、恐ろしくもあり。

 

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