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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 姉妹だったらそれくらいのこと普通よ、第7話。そんな世界があってもいいじゃない。

 さぁ新展開。恋愛ドラマの新展開なのだから当然横槍としての刺激がぶっこまれるわけだが、なんかもう、想像以上に火の玉ストレートな奴が登場。ヘボットボイスなので冗談にしかならないんじゃないか、とちょっと期待心配していたのだが、そんなわけもない。新キャラまつりちゃんはダイレクトに柚子・芽衣の二者に決断を迫っていく。

 まず、本作では既に供給過多なので必要ないとすら言える「エロ肯定キャラ」。中学二年生にしてお小遣いの貰い方が援交まがい(確実にアウト)という時点でBPOに連絡されそうなレベルだが、さらにそんなブレーキの壊れた問題児が柚子に興味を示してしまうというのだからたまったものではない(よくやった)。関係性としては「幼馴染」というだけなのだからそのままの属性を維持してくれれば問題なさそうなところだが、この世界の幼馴染は思いの外跳躍力があることは既に桃木野先輩が証明してしまっているのである。「柚子ちゃんは面白い子だから自分の手が届く範囲でキープしておきたいなぁ」って思ったら余計な虫がついちゃってるみたいだから積極的に排除したい、という、いわば姫子の時と逆バージョンの関係性である。

 当然外野が「逆」になるのなら、柚子と芽衣の関係性も逆にならざるを得ない。これまで積極的にアピールするのは追い求める側の柚子の役目だったし、芽衣の方は父親絡みのゴタゴタのせいでちょっと昂り過ぎたかな、みたいな反省もあり、はっきりと柚子を拒絶する理性を見せつけているのだが、逆に言えば既に芽衣さんも「理性を持たないと拒絶できない」くらいの状態になってしまっているということでもあるのだ。柚子に迫られた時にはっきりと頬を赤らめていた時点でカウントダウンは始まっており、初めて目にした柚子と他の女の絡みのせいで、今までになかった感情が開花。人はそれを嫉妬と呼ぶのである。

 しかし、これまで何とも歪んだ人間関係の中でしか生きてこなかった芽衣さんは、どうやったら自分の持つ「好意」をさりげなく姉に向けられるかがわからない。クマゴロー(なんて名前だ)を抱えてもじもじする芽衣しゃん。何していいかわからなくて必死におててをカリカリする芽衣シャン。これまでもずっと「不器用な子やな」というイメージはあったが、その不器用さが完全に可愛らしさの方に振れてきたのは良い傾向である。そして、結局訳が分からずに暴走するとコミュニケーション手段がスキンシップへ至り、姉妹でのペッティングくらいしかやることがないあたりが芽衣さんなのである。もう、この子にこそちゃんとした情操教育を施してあげてくださいよ。僕らのはるみん先生がいれば何とでもなりそうなものなのに。今週も、新たな外敵を認識して警戒モードで観察し続けるはるみん師匠の男前っぷりが素敵でしたわ。

 今度は芽衣が変わる方のお話、ということで、あとはライバルに設定されたまつりちゃんがどんなキャラとして掘り下げられていくかですなぁ。現時点で相当エロいので、もうこれ以上行き過ぎたことにはならないとは思うのだが……気になるのは看板蹴り倒した後にわざわざ電話してたシーンよね。あの部分だけ意図が読み取りにくかったんだよな。根底にあるアンビバレントな善性をほのめかしたものなのか、思春期特有の理屈で推し量れない葛藤みたいなものの表れなのか、それともさらにもう一手間かけて何らかの芽衣を陥れる罠を画策したものなのか……。まぁ、何であれ、このまま積極的にアプローチを仕掛けて、ウブな柚子さんの性的衝動へのハードルを下げてくれると良いと思います。

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 さすがに自転車の交通法規が心配になってくる第6話。傘さし二人乗り運転はどう転んでもアウトちゃうかなぁ……。あと、雨上がりの路面であれだけの斜面を滑り降りてターンしようとしたら確実にスリップすると思う。おそらくはるみんも柚子も弱虫ペダル並みのライドが出来る。

 些事はさておき、一応今回のお話が1つ目の決着ということになるだろうか。前回から取り上げられた「芽衣の家族関係」部分についての結末である。結局、簡単にまとめると芽衣は極度のファザコンであると言える。現在は父親に対してどのように接して良いものか分からずにあんな状態になってしまっているが、その根源にあるのは幼少期に形成された圧倒的な憧れである。自分は父のようになろうと決意し、そのために人生を歩んできたというのに、一歩先を行く「大人」の父はそんな自分の夢を切り捨てるかのように変わってしまった。大人ぶっていてもまだまだ幼い芽衣は父のその決断を「裏切り」と感じてしまい、捧げてきた自分の人生を否定されたように思えてしまう。本来、突き詰めれば家族といえども他者は他者。その人生が完全に重なることなど無いということは理解できるはず(芽衣だって聡明なのだから頭では理解できているはず)なのだが、そこは家族の情であろう。父親との信頼関係を仕事の形態だけでつなごうとしていた芽衣からすれば、その関係性を断ち切り、海外へ「逃げて」しまった父親の決断を簡単に認めることはできなかったわけだ。

 親父さんの方は単に「ツンデレ」なので積極的に芽衣に歩み寄る意思がある。芽衣だって本当は分かりあいたいし、父は正しいことをしているのだと信じたいのに、臆病になってしまったせいで今一歩が踏み出せない。そんな「あと少し」の父娘関係を推し進めてくれるのは、空気を読まない部外者(家族だけど)なのであった。こういう時に空気を読まずに一歩踏み出せる柚子さんは強いですね。その根源にあるのが「全ては芽衣のため」っていう盲目的なラブなのも芽衣からすればありがたい話ですよ。そんな単純すぎる柚子の思考パターンを、芽衣は「考えなし」と否定しながらも、自分に出来ないことをやってのけることについては憧れも持っている。自分には決して出来ないと思っているからこそ、わざわざ(ベッドの上で物理的に)マウントを取って、「なんて単純なのかしら」と笑ってやるくらいしか出来ないのだ。

 一方的なキスに流されかけた柚子さんだったが、そこはなんとか妹を想うパワーで一念発起。丸め込まれて手篭めにされるのも幸せだったかもしれないが、それでは芽衣も変われない、ってんで起死回生の平手一閃。あのあと二人はどんな状態で一緒の布団に入ったのかは想像もつかないが、「今の芽衣の態度は間違っている」ということをなんとか示すことができた。翌日の校内放送からのドタバタは、もはや最後の一押しである。前日までだったら「父親を見送りに行こう」なんて言われても逃げ回っていたであろう芽衣だが、前日のビンタで自分の弱さを見せつけられ、柚子を信じてみようという気になったのだろう。もともと自分が意固地になっている状態はおかしいとも思っていたのだろうし、ようやく最後の一歩を踏み出し、父親とは無事に雪解けを迎える。やっぱり単なるファザコンなんだよなぁ。ちなみに当方、「娘さんが嫌がっている父親との関係性を周りの人間が積極的に修復しようと頑張る」というシチュエーションには若干のトラウマがあるので、最後の最後まで「この親父は本当にいいやつなのだろうか?」って勘ぐっていて申し訳ありません。同じ経験をしたことがある人はいるかもしれませんが、「とらドラ」っていう作品のせいです。

 今回も父親という題材をダシにして、柚子と芽衣の関係性がさらに一歩進んだ。最初の「ごまかしのキス」は芽衣の方が一方的に行った虚仮おどしのキス。いわば芽衣の方からの逃げの一手。しかし、2度目のキスは双方が合意の上で、しかも以前のように何か確固たる思いがあって至ったのではない、「自然なキス」。思わず唇を重ねてしまったおかげで、二人してドギマギ。「なんで、いつの間にこんなことに?!」みたいな戸惑いを芽衣さんが見せるのは初めてのことである。そのくせ2回もキスする。もう、お互いメロメロやんけ。なお、私が高橋丈夫という監督を推す理由は今回のキスシーンみたいなカットのえげつなさが端的に出る部分にあり、1回目のキス前の芽衣の涙がキラッキラしてるところとか、キスする時に自然に唇から舌がのぞいている細かい生々しさとか(普通のアニメではなかなかそこまでは描かれない)、そういう容赦ない肉感がたまらないですね(ちなみに今回のコンテは「メイドインアビス」の小島監督)。芽衣ちゃんが生徒会室で一人うつむいてる時に前髪がパラってするところとか、そういう細かい変化に心情が乗るのがとても良い。あと、はるみんはそんな小手先芸を使わずとも常に男前。なんであの状態から自転車引っ張り出して「乗りな!」とか言えるんだろう。乳か。乳の力なのか。

 そして、柚子と芽衣が確実に階段を上り、そろそろ誰にも邪魔できない領域に到達しそうなこのタイミングで……また変な火種が出てくる模様。なんだこいつ。ヘボットみたいな声しやがって。

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 「親父来んのかよ」→「親父ちゃうんかい」→「やっぱ親父かい」の謎コンボ、第5話。「先生」って呼んでたのはなんのこっちゃ。

 すっかり本人公認みたいになっちゃった柚子と姫子による芽衣さん争奪戦。普通、お互いに「実は女の子が好きなの」みたいな感情はなんとなく隠しつつさりげない奪い合いになる気がするのだが、すでに「一線超えちゃった」宣言をするなどなりふり構わない状態になっているため、二人してガチ恋を隠す気配はない。前回も確認したけど、柚子さんったら、すっかり芽衣への感情を「恋心」と認定しており、出会った当初に受けた(そして今も割と受けている)冷たい対応などなかったかのようである。まぁ、いっぺん可愛いところ見ちゃったり、積極的に合意の上でのキスしたりすれば、それは正式な恋心だと受け取っても間違いではないのかもしれませんが。

 似たような感情は自称「一線超えた」姫子さんも抱えているわけだが、なんとまぁ、幼馴染よりも一つ屋根の下で暮らす「姉妹」の方が争奪戦は有利なわけで、放っておいたらどんどん差をつけられてしまう。一発逆転を狙った「一線越え」も決定打とはならず(虚偽申告のせいです)、今となってははるみんが提案する遊園地プランにも縋ってしまう状況に。頑張れ姫子。お前の覚悟はそんなものか。

 しかし、そんな中で抜け駆けした柚子さんは、かえって藪をつついて蛇を出すというか、芽衣をつついて恋心を引っ込める結果になってしまった。下心ありありで引っ張り出した墓参り。電車の混雑の中では、もう何が倫理なのかも定かでない暴走っぷり。もう、その時点で一線超えてるよ。姫子さんもそうだったけど、この世界線におけるスキンシップのハードル低すぎないか? 「耳に吐息がかかって相手が感じている」→「よし、舐めよう」。頭おかしい。もしかして東京都内の満員電車では日常的にこんな饗宴が行われているというのだろうか。オラ、初めて首都圏に興味が湧いたぞ。

 冗談はさておき、そんな昂った状態で父親の墓前に行くのは如何なものかという柚子さん。道中、どうやって追跡してきたのかさっぱりわからない姫子さんを軽くあしらうシーンなどもありつつ(どう考えても芽衣をGPSで追跡してきたとしか思えないのだが)、なんとか2人で目的地にたどり着き、柚子は亡き父の墓前で「どうか、私を立派な同性愛者にしてください」とお願いするという。孫の顔が見られないお父さんも草葉の陰で泣いているぞ。しかし、「父親」というのは芽衣の人生を語る上でも1つのキーワードになっている。これまで頑なに父親との音信を拒否していた芽衣だったが、話したくても話せない、柚子の父親の実態を知って心が揺らぐ。対話できるのに逃げるというのは、自分の甘えかもしれないと内省したのだろう。心揺らぐ芽衣の表情を見て、柚子さんもようやく理性を取り戻す。自分の愛情は不安定な芽衣へ送るべきものではない。「恋愛でなく、家族だ」という(ごくごく倫理的に正しい)結論へと到達し、ここはグッと堪える決心。よかった、やっぱり柚子さんは根っこの部分はいい人に違いないんだ。最近浮かれて無茶やってたのは、多分柚子さんの方もなんだかんだで初恋だから。

 こうしてひそやかな決心をした柚子は、「姉」というスタンスが守れれば本当に良い奴なのである。日頃の無茶がたたってぶっ倒れた芽衣の処置も理想的だったし、ちょっと前まで恋のライバルだったはずの姫子に対する接し方も心配りができている。あとはもう、このままの関係性で穏やかな姉妹になれれば万事解決……なのだけど、それだとなんか違う、ってんで胸の奥がチクリとしてしまうのはやっぱりしょうがないところ。しばらくは「姉妹」を目指すことになるだろうけど、まぁ、どっかでタガが外れそうではある。しょうがないよなぁ、やっぱり芽衣さんの方の対応もおかしいからなぁ。生徒会長キャラのくせにナチュラルに相手の情欲を刺激しに行くスタイルなんなの。

 さて、そうこうしているうちにいよいよ芽衣さんの家族関係についても核心をつくタイミングになってしまったか。個人的には、芽衣と父親の関係よりも、芽衣があれだけママさんに心を許してる理由の方が気になるけどな。ちょっと前まで赤の他人だったはずの人間に、あれだけ義理立させるママンって実はものすごい豪傑なのでは。まぁ、中の人が薔薇様だからな。

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 この世界を一番的確に表す言葉は「Sex & violence」な気がする、第4話。なんかもう、字義通りの意味でもメタフォリカルな意味でもマウント取る方法が力技すぎる。

 「私たち、姉妹になったのよ」という言葉に思わず脳内で「すーる」というルビを振ってしまいそうになる女子校世界。物語序盤で登場した淫行教師が排除され、おじいさまも病院のベッドへ搬送。残されたのは純粋に女子高生のみという非常に生産性に乏しい世界。いや、だからこそ生み出される数々のSex & Violence。この世界の人間はやっぱり色々と頭がおかしいのである。

 まず、頭がおかしい世界の中でも比較的まともよりなのが、我らがメインヒロインの柚子さん。しかし残念ながら見た目に反してピュアッピュアな性格だったため、すったもんだの末の自分の混乱が完全に「芽衣への恋心」としてインプットされてしまったらしい。一応先週までは「あたし、どうしちゃったんだろう?」みたいな戸惑いを見せていたのだが、今週ははっきりと芽衣に対する気持ちを「好意」だと言い切っており、電車の中で二人並んだ際には遠慮なくときめいた顔で頬を赤らめている。吊り橋効果の超でっかい版だとでも思えばいいのだろうか、非日常を極限まで突き抜けた世界の果てに、柚子さんは愛を手に入れてしまった。

 そして、そんな柚子と芽衣の世界に殴り込んできた核弾頭が1つ。それが「漫画の中だと大体かませ犬ポジションだよね」でお馴染みツインテドリルヘアを特徴とする桃木野姫子さんである。これまでもちょいちょい2人に絡んできた「副会長」ポジションの姫子だが、基本設定はそのドリルから分かる通りのツンデレ風味。CVを釘宮に設定してリリアンに通わせれば薔薇様間違いなしの逸材だが、残念ながら立ち向かう相手は素直なタヌキ娘の福沢祐巳ではなく、マイペースな上に芽衣のことで頭がいっぱいの柚子である。なかなか正攻法では打倒できない。お姉さま(同い年)を手に入れるためのアドバンテージは「幼なじみ」という伝家の宝刀だが、冷静に考えるとこの手の作品で幼なじみ属性って負けフラグ以外の何物でもなかったり。

 さらに面倒なことは、この世界における藍原芽衣という人物が、どうやら「対等な立場で関係性を育んでいく相棒」ではなく、「最終攻略目標のダンジョン」であるらしいのだ。素直でわかりやすい柚子・姫子の2人に比べて、芽衣の胸中は本当にわからない。物語は4話目を迎えているというのに、彼女が本心らしいものを見せるタイミングはほとんどなく、彼女の中の行動理念もわからないし、それを下支えする過去の父親との因縁も不明のまま。つまり、この作品は芽衣と柚子が互いに距離を縮めあう物語ではなく、柚子が芽衣というモンスターの薄皮を1枚ずつ剥がし、その深奥を目指す冒険譚なのである。このダンジョンは一筋縄ではいかない。

 芽衣ダンジョンの面倒な要素その1、そっち向けの行為のハードルが謎。もともと男性教諭との淫行が問題になっていたくらいなのでその辺の倫理観が高いんだか低いんだかよくわからず、1話目でディオのようにいきなり唇を奪いにきた奇行も記憶に新しい。前回柚子は掟破りの逆マウントから果敢に唇を攻めたが、起死回生の一打も一夜明けてみれば「あなたを追い詰めていたみたいで、私も悪かったわ」などという謝罪文で切り捨てる豪腕。芽衣に対して決死のキスは効いたのか、効いていないのか。そして「お返し」と称して、今度は初めて「両者合意の上でのキス」というステップアップを果たしたわけだが、これも芽衣にとってどの程度の意味を持っているのかがわからずじまい。こんな関係性に陥りながらも眉一つ動かさず同じ布団で寝られる神経の図太さは大したものだ(まぁ、それを甘んじて受け入れる柚子も大概だが)。

 そして、芽衣ダンジョンの面倒な要素その2、幼なじみとの関係性が謎。てっきり姫子さんの態度から「友達以上に進めないやきもき感」が彼女をイラつかせているのかと思いきや、なんとなんと、この幼なじみ、超えちゃならない一線の概念が超次元。密室に二人きり、アグレッシブな攻めを見せた姫子だったが、その際に漏らしたセリフが「相変わらず耳が弱いのね」である。芽衣さぁん?! あんた、そっちにも手ェ出してたの?!(もしくは出されてたの?!) 普段あれだけ忠犬みたいな距離感だった姫子さんが、実は既に既成事実があったとは……子供の頃のいたずらとかだったんでしょうかね。そっちの方がむしろヤバい要素が増えてますけどね。なんとまぁ、こんなところでもお手つきの芽衣さん……加えて、柚子という明らかな外敵を認識した姫子さんが改めてマーキングに及んだため、ここで「一線を超えた」という事実が新規で登録された。当然そのことが気になっちゃう柚子さん。さらに「気にしている柚子」がなんとなく気になる芽衣さん。柚子の方は明らかに「嫉妬」という言葉を使っていたわけだが、芽衣さんの方の感情は果たして……。

 もう、これわかんねぇな。助けてはるみん。もう、あなたが全員食い物にしてハーレムを作るのが一番丸い解決法な気がしてきた(CVのせいか、必要以上にはるみんに対する信頼感がある)。

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 開始3話目で松葉崩し、第3話。カムバック倫理観。でもはるみんの中の人は「声優業界腰高四天王」の一人として名高いので、柚子の中の人との松葉崩しはバランスが悪そうである(何を言っているんだ)。

 松葉崩しは冗談半分だが、キスに関しては冗談でもなんでもないのがこのアニメ。いちいち倫理観がおかしい連中ばかりが揃っており、1つ1つの行動があまりにも突飛で破壊力に富んでいる。やっぱあれですかね、女子校に幽閉されてると人間おかしくなってしまうんでしょうかね。多分、「ギャルのキャラの方が実は純情うぶで、真面目な生徒会長の方がジゴロ」っていうギャップを狙ってる設計なのだろうが、芽衣ちゃんはジゴロというにも倫理観が壊れており、一体どこでそんな手練手管を学んできたんだと驚愕するばかりである。まぁ、あのクソみたいな男性教師との交際の中で色々と学び取ってきたってことなんだろうな……他の男で覚えたテクニックを新たな関係性で早速フル活用しているあたり、なるほど生徒会長は大変勉強熱心でいらっしゃる。

 「自分のこれまでの生活をぶち壊す面倒クセェ姉が出来てしまった」というので対策に苦慮した芽衣は、その実相手がうぶなネンネだと気がついたので唇の一つも奪ってやれば大人しくなるわ、という超上から目線での押さえ込み。恐ろしいまでのパワープレイだが、一回試しにやって見たら存外効果が大きかったので、しばらくはそれを駆使して調教に活用する。しかし、やられた姉の方はってぇと、あまりにも免疫がなさすぎたせいでお試し期間中のキスの意味を一切消化できず、勝手に脳内でどんどん芽衣の存在感が肥大していく。そこに惚れた腫れたがあるかどうかも分からないのに、吊り橋効果ならぬ「トンデモキス効果」でのドキドキが初恋に思えてしょうがない。そんな症状を植え付けていった相手に責任を取ってもらおうと思っているのに、相手からすげない返事ばかりで往生していると。

 普通の関係性だったら、片方に脈なしだったら自然消滅してもおかしくないくらいに「イレギュラーな」絡み方なのだが、これが一つ屋根の下どころか一つ部屋の中。いやさ、一つ布団の中で生活することを強要された急造姉妹っていう関係性がしっかり絡め取って離してくれない。ガチ恋かどうか悩みまくる柚子、効きすぎたお灸でかえって面倒な処理を迫られてしまった芽衣。二人はあまりにも違う価値観を持っているせいでお互いの思惑が一切汲み取れずにすれ違いの連続だが、それでも人間的に根っこの部分が嫌いなわけではないので、付かず離れず、ついたり離れたり。なんとももどかしい牽制ゲームである。

 関係性の処理に困った柚子が救いを求めたのがまさかの百合漫画であり、そんな教科書がとんとん拍子で面倒の火種として二人の関係性にぶちこまれる。野郎がエロ本持ってるのとはわけがちがう。妹さんからしたら普通に考えたらドン引きである。それでも、柚子は本当に「分からない」ことに窮して助けを求めただけであり、それが間違っているのかどうかすら分からない。あらゆる事象が自分を追い詰める状況下で、最後の最後に選択した方法は、相手が繰り出してきた強行策をそのまま押し返すというもの。キスにはキスを。それがこの世界のルールである。異性同士なら暴行罪で訴えられるレベルのやつ。それを学校でやっちゃうくらいには破れかぶれ。芽衣さんの方は慣れているから平気……でもない。まさかの反撃に出られたことに加え、やっぱりあの漫画+反撃という単純な足し算はその意味を考えると色々怖い。ここまできてしまうと2人の関係性は「超近接」か「破談」の2極しかありえないのである。普通は「破局」だけど……ねぇ。

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 解明の時! 最終話! とにかく! すっきり! したかったの!!

 

 

 

 

 

(以下、ネタバレになるので未視聴の方注意です。)

 


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 犯人はこの中にいる!(次週に続く) 第11話。そりゃそうだよね! そこで区切るよね! 分かっちゃいたけどね! あぁもう! ここしばらくの間、ずっと「もういっそのこと原作買っちゃうか欲」に抗うのがすげぇ大変なの! もう一週間耐えればこの地獄からも解放されるんや! いや、買うんだけどね!

 (今回から未視聴の人はネタバレ注意ね)

 いわゆる「解答編一週目」ですよ。「金田一少年の事件簿」のテンプレートにのせるなら、先週の時点で「謎は全て解けた!」で真相当てクイズが出されるタイミング。そして今回は1つ目の密室を破ってみせて、「犯人はこの中にいる!」で引っぱったわけですよ。綺麗なフォーマットにのってますね。でもこの一週間のもやもやはたまりません。そりゃ、かつて「金田一」でも同じ感覚は味わってたはずなんだけど、金田一の場合は実際リアルタイムで真相当てクイズに応募してたから自分で解いてたんだよ。大体の答えは分かってる状態で読んでたんだよ(「魔犬の森の殺人」を除く)。でも、今回は全然分からない状態での視聴なの。しょうがないじゃない。人間世界と違って、俺はこの世界の理を知らないんだもん。分かるわけないじゃん。あと、考えようにも折悪しくBDレコーダーがぶっ壊れたせいで、6話以前の録画が残ってないので確認出来ないの。もう、あとは来週の名探偵の答えを待つしかないの! 

 というわけで今回は「解決編その1」だが、実際にはAパートは「ウサギ大暴れ編」である。先週トチ狂ってしまった迷惑ウサギ。今回は剛腕単細胞おばちゃんと協力して更なるフル回転。やっぱりどう見てもタイマン最強はナッシェタニアだと思うのだが、3対2の対決でもアドレットに逃げられたところを見ると実はあの無限増殖してるように見える剣も大したことないんだろうか。フレミーの爆薬で散らされたり、アドレットに弾かれたりしてたしな。まだまだ操縦者が未熟なもんだから、せっかくの聖者のクリエイティビティもフル活用されてないのかもしれない。一応客観的な評価で見ておくなら、刃物の生成ポイントはおそらく本人の視界の範囲内で、リーチにある程度の制限があるのだろう。もし制限がないならば確実に攻撃するために敵の背後に刃を生成して突き刺すのが簡単だが、何故か必ず自分と相手の間に生成している。たまにアドレットが寝ている地面に生やしたりもしていたが、その時には生成の直前に兆候(なんか光る)が見えるので、一応「小足見てから昇龍余裕」くらいのプレイヤーならば回避は可能なのだろう。そう考えると、見えていても回避が困難でコントロールしやすいフレミーの爆薬の方が強い部分もあるのかも。

 まぁ、そんな細かい部分はいいとして、とにかく一度はフレミーとの共闘で逃げのびたと思われたアドレットだったが、追走するウサギの執念に敗れ、1対1の試合では襲い来る刃物をどうしようもなく、徐々に引き裂かれて失血。はっきりいって負けだ。何故か阿呆ウサギがとどめを刺す時にわざわざ近接戦闘を挑んでくれたので命だけは助かったが、突撃近衛兵のサポートもあり、普通に考えたら確実に死んでたパターン。③死ぬ、現実は非常である。しかし、地上最強の男は伊達ではない。なんと選択肢①「ハンサムで地上最強のアドレットは突如トリックのアイディアをひらめく」の方のパターンに分岐。死に際の「寒い……」から一足飛びに敵のメイントリックを看破。重装近衛兵のタックルによって助けられ、そのままなし崩し的に解決編に突入。どこに行ってたのかよく分からないけどいつの間にか仲良くなってたハンス・チャモコンビの登場もあり、ウサギはそこで再びの掌返し。最近流行りのモーター式手のひらである。もう、マジなんなのこのウサギ。そりゃま、ハンスが生きてるって分かったら大人しく剣を引っ込めるのは正しいんだけどさ。

 さて、肝心の解決であるが、「霧の発生方法」については、「そんなの知らんし、分かるはずないやんけと思うけど、まぁ、許せる範囲」くらいの解決案。今まで検討・処理されてた議案は「霧の聖者は結界がなければこんな霧は作れないよ」+「結界は一度に1つしか機能しないから、この森にはそんな結界はないよ」=「霧は聖者の能力じゃないよ」という論法。確かに「霧の聖者に霧は作れない」と言っていたが、別に「それ以外の聖者が結界以外の方法で霧を作れないとは一言も言ってない」。そして、私のように「そんなん知らんがな」という反論は当然作者側も考慮してるわけで、一応事前に「この世界にはどんな聖者がいるのかなー」という部分で「太陽の聖者」という名前くらいは出している。ギリギリフェアかアンフェアかの俎上にのるくらいの伏線である。いや、我々はどうあがいても「太陽の聖者」の能力を知るよしも無いのでやっぱりアンフェアではあるのだが、「そういう可能性もあるかもしれないじゃない」と言われれば「まぁ、せやな」と答えるしかない。「海が近い」ははっきり分かっていた手がかりであるし、確かに気温についての言及はされていたか。

 とにかく「霧の発生方法」についてはこれで良しとしようではないか。むしろ突っ込まれるべきは、アドレットの命を救うことになった「博打」の太陽の聖者の所在についてである。「アドレットが神殿を開けた時点で、凶魔は太陽の聖者のところに合図を送る必要がある」。これはOK。流石に神殿の扉にセンサーつけてました、なんて言われても納得出来ないので、やっぱり連絡手段は必要だろう。「その連絡役は、多分あの人に化けた凶魔だった」。これもOK。アドレットの行動とあの凶魔の爆発ははっきりと「関係した事象」として描かれており、何の説明も無ければむしろ不自然だった。ここであの凶魔の役割が説明されたのは実に納得いく部分。「ということは、太陽の聖者と殺害役の凶魔は近くにいたはず」。←??? そうか? だってさ、凶魔って空飛べるんだぜ。アドレットの回想に出てきた石田彰凶魔クラスならば人間抱えたままで空飛ぶくらい余裕だろう。連絡役の変身凶魔が単に爆発しただけかどうかは誰にも分からない。ひょっとしたらあの凶魔の爆発によって、(純血の)凶魔だけに聞こえる犬笛みたいな大音量の合図が出ていたかもしれない。凶魔という種が持ちうる能力が分からない状態では、「近くにいる必要があったかどうか」は分からない。さらに、もしそうだったとしても、「太陽の聖者の死体を近くに置いておく」必要はまったくない。「視認出来るギリギリの範囲で連絡役凶魔の合図をもらう」→「ババアを殺害する」→「死体をもって全力で結界の外に逃げる」でいいのだ。結界の発動役がグルなのだったら、それくらいの時間を稼いでもらうことは出来るだろう。それが出来なかったとしても、ある程度離れた森に埋めてしまってもいい。「穴を掘るとチャモが気付く」と言っていたが、そもそもこのトリックの可能性に気がつかなければ、チャモがつぶさに森の土の状態を観察して回ることなどないのだ。何故わざわざリスクを抱えてまで近くに死体を隠蔽したのだろう。

 一応の理屈としては、「殺害役の凶魔が必要」→「万一結界発動の時点で結界の外に出られなかった場合を考えると、他の凶魔と一緒に死んでおいた方が凶魔&人間のグルっていう可能性がばれにくい」→「じゃ、その死体を有効利用すれば聖者の死体も隠せて一石二鳥じゃね?」っていう「安全策」のために凶魔がそういう作戦を選んだという可能性はある。まぁ、このくらい不安定な推論だったからこそ、アドレットも「博打だ」と言っていたのかもしれないんだけどね。死体がすげぇあっさり見つかって良かったな。

 さて、ここまでが今回明かされた真相なわけだが……結局、死体が出た時点でアドレットの推論がほぼ真実であることが示された。つまり、今まで何の根拠もなかった「六花の人間は嘘の結界起動方法を教えられていた」という推理は正解だったということだ。となると問題になるのは「誰も知らない本当の起動方法」ということになる。そのあたりの知識の差が手がかりになるんだろうか。ぶっちゃけ、私の中では誰が7人目なのかさっぱり特定出来ておりません。今回のトリックは下準備の問題だったわけで、ほぼ誰でも実行出来たわけだしなぁ。

 というわけで現時点での限定材料を探っていこう。まず、フレミーは前回の「凶魔ルミノール」ロジックでほぼシロ。ただ、教えられた結界起動方法が嘘だった時点で、「別に祭壇に触らなくてもいいんじゃね?」という可能性が生まれてしまったので、完全にシロとは言いがたいのが悩ましい。例えば「神殿の中で魔法の呪文を一言唱えればいいのよ」くらいの発動条件だったら、フレミーでもあっさり達成出来てしまうのだから。でもまぁ、この展開でフレミーが犯人だったら私のメンタルが保たないので多分シロだろう(1シーズンに殺されるあおちゃんは1人で充分だ)。さらに、物理的な証拠は何一つ無いが、以前の「死に顔の理論」「殺さずの理論」でハンスもほぼシロは動かないだろう。一番仲良くなったハンスさん、今後の旅路の安寧も考えるとシロであって欲しい。そして相変わらず何の手がかりも出さないチャモ。今回一番気になったのはチャモとハンスが仲良くあの場に現れたシーンだったのだが、二人して何してたんだろう? アドレットが神殿で声をかけた時に出てこなかったしさ。アドレットが事前にハンスに何か吹き込んでいて、その確認作業のために2人で動いていた、っていうのなら、仲良くなってたチャモも容疑から外していい気もする。

 結局いつもの3人が残る。現在仲間内では最有力容疑者であるモーラおばちゃん。あまりに強硬なアドレット犯人論の主張、頑な過ぎる殺害姿勢、今回論破されてるのに駄々をこねて嫌がっている様子。どれもこれもが大の大人が冷静に行動してるのだったら不審すぎる。ただ、だからこそかえって怪しくない気もする。今回、「太陽の聖者」を確認出来る唯一の首実検証人として彼女は「アドレットが正しかった」と証言しているわけで、もし本当にわがままを貫き通すつもりなら、あそこで「こんなババアは知らない、太陽の聖者なんて関係無い」と突っぱねる手もあったはずなのだ(まぁ、他の人間が知ってたらアウトなので、そこまで無茶な暴れ方はできない気もするが)。前回アドレットを殺せるタイミングで殺さなかった、というシーンもあり、結論としては「本当にただの脳筋おばちゃんだったんじゃないか」感が強い。

 となると、心理的側面から俄然怪しくなるのがウサギってことになる。もうコイツの場合は心理状態が云々言っても説得力が無いが、振り返ってみればアドレット殺したい欲求が一番強かったのはコイツなわけで、イカれた振りして望み通りの展開に浮かれていたと考えれば自然ではある。かてて加えて先週までのエンディングテーマのタイトル……ウサギ、怪しい。個人的に「こいつが犯人だった時のぴかしゃのしゃべりが見たい」っていうのもある。うん、大事。

 残る1人、ゴルドフさんも相変わらず怪しいままではあるのが……上の理屈とは逆に、「こいつが犯人でもあんまり面白くない」っていうのが最大の難点。さらに今回、今まで単なるモブ扱いだったゴルドフが、最後の最後に「アドレットは殺さないで最後まで意見を聞いた方が良くない?」と突然アドレットに有利な発言をしたのもなんか気になるところ。流石に7人目だったら絶好の殺害チャンス(しかも、誤情報に踊らされている格好なので自分に一切責任が無い)を見逃すことは無いと思うし。

 ということで、容疑度ランキングはウサギ>おばちゃん>ゴルドフ>チャモ>フレミー>ハンスかな。まぁ、どうせ僕の推理なんて当てにならんですけどもね……。(未だにてさプルの百合狼を引きずっている)

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 息つく間もない、第10話。改めて声を大にして言っておきましょう、やっぱこの作品面白い。いちいち飽きさせない進行で繋いでいくテンポがホントに秀逸。

 前回の時点で「ハンスとフレミーは完全にアドレット派になりましたなぁ」と書いたのだが、そこまで話は簡単ではなかった。今回はアドレットとフレミーのドキドキ和平交渉からの幕開け。誰もが皆何となく気になっていた「アドレットがフレミーをことさらにかばう理由」。そこがはっきりしない限り、フレミー本人だってアドレットを信じられるわけがなかった。ことに人を信じるなんてことからは一番縁遠いフレミーのこと。アドレットが無条件に信頼を寄せれば寄せるほどに、彼女の疑心暗鬼は強まっていく。ここで、アドレットは「小細工は出来ぬ」と心中でため息をつき、驚きの一言を口にする。「うち、あんたのことが好きやねん」と。うーむ、ここでアドレットのいう「好き」とは一体どういう感情のことなのか……衝撃の展開ではあるが、解釈次第ではいくらでも考える余地がある。何しろアドレットとフレミーが出会ってからまだ数日しか経っていない。そんな状況でアイラブユーを囁かれても、ますます「どないやねん」が加速するばかり。てっきり「保護欲」とか「判官贔屓」とか、そういう感情のことを言ってるのかと思ったら、どうも、アドレットのモノローグからして割とガチで一目惚れっぽい要素があったらしい。まー、極論してしまえば男女の仲なんてものはそれでも充分成立するのでなぁ。確かに、計算高いアドレットがここまで不利を承知で必死にフレミーに肩入れしていたという事実に、今更納得のいく「理屈」をつけるのも馬鹿馬鹿しいのかもしれない。彼は、フレミーの出で立ちを見て一目惚れしたし、彼女との旅の過程でさらに親近感を増したし、一斉に疑われた彼女を見て保護欲をかき立てられたし、とにかく守りたいと考え、それら全ての感情が「好き」という一言にまとまったのであろう。

 アドレットの感情は、純度はどうあれ「本物」であることは間違いない(視聴者目線から見ても、モノローグなどで虚偽の発言は出来ないわけで、全てが本当であると解釈して良いだろう)。これでばっちり説得力のある「愛情」ならば万事丸く収まる道もあったのだが……残念ながら、相手は「愛情」とはもっともかけ離れた人生を送ってきた悲劇のヒロインである。訳の分からないことを声高に主張され、フレミーの決断は「耳をふさぐ」。理解出来ないことを言い始めたし、過去にそんなことを言ってた奴は全員敵だったんだからお前も敵。非常に単純で明快な判断基準で情報を処理し、ここでひと思いにノイズを排除する方向に動いた。これまでアドレットが逃げ出してから様々な邂逅があったが、メンバーが総力をあげての討伐体勢に入ったのはこれが初めてである。

 時を同じくして、ハンスたち神殿組も動く。ここに来てついに動きをあからさまにしてきたのはオバチャンことノーラさんである。今までは「何となく話をまとめるポジション」だった彼女だが、ことごとく自分の思惑を外れた展開になっている現状にフラストレーション溜まりまくり。馬鹿なことを言っている(ように彼女が思っている)ハンスにガチ切れ、わがまま勝手なチャモにもプチ切れ。ついに年長者の威厳が大爆発。こんな低音域でドスを利かせて威圧するサトリナボイスはなかなか聞けるものではない。もっと厳しく、もっと激しく罵倒してお仕置きしてほしいところ。「沼の聖者」も割と理不尽な能力だったわけだが、「山の聖者」も「それ聖者っていうか単なるパワードスーツやないか」という理不尽な強化能力で八つ当たりじみた大爆発。強い(確信)。そう、おばちゃんはチャモより弱いけど、怖いんだ。

 ここでのモーラの動きは、謎解きに挑む上でなかなか微妙な立ち位置になっているのが興味深い。何しろ「ハンスが半殺しにされた」と虚偽報告を行ってウサギ姫やフレミーを煽動しているのである。普通に考えて、嘘までついて誰か1人をつるし上げようとするのは人狼ゲームでは確実に悪い奴がやるアクション(ゲームによっては、人狼以外のプレイヤーが嘘をつくことを禁止するルールもあるくらいだ)。そこまでして執拗にアドレットを殺そうとしているのはかなりきな臭い展開である。ただ、ぶっちゃけ「おばちゃん、マジでキレた」というだけの展開にも見える。モーラの中ではアドレット犯人説はもう前提条件になっており、一度決まっちゃった事実はなかなか覆らない。また、結界発動当時の神殿回りの状況を見ていない関係者からすると、「アドレットが犯人に決まってるじゃない」論はそれなりに信憑性が高く、妄信的に信じ込んでいるモーラさんを直情馬鹿と誹るのも可哀相なのだ。そんな「決まり切った事実」に忠実に動こうとしているモーラがここまでアドレットにいいようにあしらわれ、仲間だと思っていた他の連中も思い通りに動いてくれず、そろそろ実力行使に出ようとするのはしょうがないのかもしれない。何しろ、おばちゃんは怖いんだから。今まで鉄拳制裁を抑え込んで耐えていただけでもご立派だったのかも。

 そしてフレミーとの連携でアドレットに文字通りの鉄拳を見舞いに行くおばちゃん。まぁ強い。そして揺るぎない。六花候補2人に攻めて立てられてアドレットに勝機などあるはずもなく、彼が取った最後の行動は、「自分の命を犠牲にしても次に繋げる」という次善の策だった。そう、これが実は結構大事なこと。アドレットから見れば、自分が殺されても結界は解除されずに「2人目」殺しが始まることは自明。その際にマークされるのは、ハンスですら信じ切っていないというフレミーでほぼ間違いないのだ。口下手なフレミーのこと、アドレットのように抗うこともままならず、そのまま殺されてしまうことだろう。そうすればいよいよ六花は絶望的な状態になる。それだけは阻止しなければならない。そのために、(だいぶご都合主義な)便利アイテム、「凶魔ルミノール(仮名)」を使ってフレミーの無罪を証明してみせた。事前にちゃんとハンスにも裏を取って保証を高めているあたり、流石に抜け目ない。ロジックはともかくフレミーの無罪さえ証明出来れば、彼の「好き」も含めて最悪の事態は避けられる(かもしれない)というのはこの場においては非常にクールな判断だった。

 ちなみに、彼の言う「7人の誰かが結界を発動させた」という前提条件。今回は「時間が無いので説明を省く」と言われたが、さて、これはどのように証明出来るのだろうか。まぁ、8人目の存在ってのは元々あやふやなものだったが、やはり大きいのは「結界発動方法の知識」だろうか。また、アドレットの視点から見れば「結界内部に部外者が入る余地が無い」ことは間違いないことであり、「扉が開いた時には発動しておらず、その後のどさくさで起動したよ」案がかなり真実味を帯びている。となれば、容疑者があのとき神殿内部にいた7人に絞り込まれるのは間違いない。「部外者が入る余地が無い」という前提についても、アドレットが犯人であればその前提自体に意味が無く、アドレットが犯人でないならば問答無用で事実と認定される。つまり、アドレットが殺された後、結界が解除されなければ間違いなく事実となるわけで、フレミーをかばうための前提としてはこれで充分なのである。

 さておき、こうしたアドレットの涙ぐましい「フレミー無実論」証明のおかげで、無事に次善の策は仕込まれた。あまりの潔さ、そして命を狙われているとは思えない思考の働かせ方から、モーラさんですら「一瞬、信じそうになったわ」というアドレットの謎解きへの意欲。当然、この行動に心動かされてしまうのはモーラさん以上に、フレミーなわけである。自分の命をなげうってまでかばってくれたアドレットの献身に対し、ついにフレミーが応えてくれた。1話余計にかかってしまったが、今度こそ本当に、フレミーとの友情タッグ成立である。彼女の涙ながらの改心劇は、ここまでたっぷりと彼女の葛藤を引っ張ってきたおかげで素直に胸を打つ仕上がりである。これでフレミーも容疑者からは完全に除外される。

 さぁ、チームアドレットが着実に人数を増やす中、残る容疑者は4人となった。天真爛漫なチャモは処理に困るので放っておくしかないが、モーラさんとの関係性を見るに、ヤツにこんな大それたトリックを仕込むほどのバックボーンがあるとも思えないんだよね。今回疑惑度が上昇したのはそのモーラさんだろうか。「何としてもアドレット殺す大作戦」は流石に無理をしすぎだった。このままアドレットが殺されたり、無実が証明された場合、ウサ姫やフレミーはぴんぴんしてるハンスに出会うわけである。「ちょっと待て、モーラさん俺らに嘘ついてんか?!」という展開になり、彼女は心情的にかなり不利な局面に陥ってしまう。おばちゃん、これまでつとめてクールぶってたのに、ピンチになるってことをろくに考えもせずに嘘報道してしまったのだろうか。流石に単細胞すぎやしませんかね。おかげで、逆に「このおばちゃんは違う気がする……」という同情論に繋がります。アドレットと対峙した際に、降伏の意志を示したところですぐにとどめを刺さなかったのも、単に彼女がブチ切れてただけな印象。

 さぁ、そうなると残るのは2人しかいないわけですよ……今回もう1つのハイライト、ウサギ覚醒。もう、ホントなんなのこいつ。今までのアドレットへの信頼は本当に「初めて一緒に旅した男だったから何となく」なのかよ。「ハンスがアドレットに襲われたで」という偽ニュースを聞いてすぐに「ハンスさん疑ってごめん!」という掌返し。そして、それまでの(特に根拠のない)信頼を裏切られたと判断したせいで、お馬鹿ヒロインがヤンデレ反転してしまった。まさにキチガイに刃物である。こんな奴を剣の聖者にした責任者出てこい。

 こんなに簡単にひっくり返るような信頼感だったら、ここまでゴルドフを引きずり回して(何が目的かもよく分からずに)うろうろしてたのはホントになんだったんでしょうね。ネジがはずれちゃった姫様はそのままキリングマシーンと化してアドレット襲撃へ。うん、やっぱりどう見てもタイマン最強は姫様で決まりだよな。あんなん、勝てる気せんもん。彼女のガチ切れが本心からのものなのか、それとも恐ろしく周到な演技プランなのか。それはもう、私には分かりません。正直、最終的に誰が犯人でも驚く自信があるよ。ここまでの演出方向が本当に神がかっている証拠だよ。

 今週の悩み相談:大好きな姫様の手を握ろうとしたけど、「なーんか昔の男に捨てられたところを拾いに行くみたいでかっこわるいな」とか悩んでたら、憧れの人が壊れちゃった。どうしたらいいでしょう(16歳・近衛兵Gさん)。

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 チャモのゲロ音が何ともエロい、第9話。当方一切変な趣味はございませんが、それでもチャモに執拗に腹パンしたいな、っていうごく一般的な欲求は捻出されますね。もしくはチャモの中の人に嘔吐させたい(お願いだから通報しないでください)。

 戯言はさておき、今回は前回のハンス・アドレット戦ほど分かりやすい盛り上がりこそ無いものの、徐々にキャラクター間の関係性が煮詰まってきたこともあり、1つ1つのシーンに抜群の緊張感が出ている。肝心のロジック部分もまたきな臭い匂いがしてきたので、1つ1つをまとめていくことにしよう。

 前回、あれだけ必死になってアドレットが知りたがっていたのは、「チャモが事前に結界のことを知っていたのかどうか」ということだけだった。むりやりふんじばってこれを確認したわけだが、結果、判明したのは「誰一人、ここに来る直前まで結界の詳細は知らされていなかった」という事実。これにより、「結界がどういう風に発生するかも分からないから、発生タイミングで犯人のペテンがあってもばれなかったんじゃね?」というのが、アドレットの密室破り案である。彼はそこから一足飛びに結論を導き、「結界のこと教えたあの兵士もグルだった」、そして「実は扉が開いたタイミングでは結界など起動しておらず、その後、みんなが結界の上であれこれやってるときにどさくさに紛れて起動した」という意見を主張している。

 まず、「結界の詳細知らないじゃない」案は特に問題なさそうだ。まぁ、視聴者目線からするとこの世界のことなんか全て「知らないこと」なわけで、今更そこだけ突っ込まれてもしらんがな、というのが正直なところであるが、実際問題として「結界が起動したと思われる前後の時間帯」が何らかのトリックを仕込む上で最も重要なのは間違いないのだし、そこに錯誤を生じさせるトリックがあった、という考え方は納得できるものだろう。そして、密室をどうにかする方策を考えるのならば、アドレットのいうように「起動時刻を誤認させられた」というのが唯一の回答であるように思える。ただ、「説明した兵士のおっちゃんがグルだった」説が必要な理由はよく分からない。「剣を突き刺して呪文を唱えると起動するよ」というのが本当だったとしてもアドレットの主張は可能であり、あの混乱の中でなら、錯乱したふりをしてもう一回起動儀式と同じ挙動をやったとしてもそこまで不自然ではないし、こっそり剣を刺して小声で呪文を言っていたとしてもばれなかった可能性は高いのだから。つまり、アドレットの案をもう少し緩くして、単に「結界が起動したと思ったあのタイミングは、実は別な何かが起こっただけだった」という主張が成立すれば問題ないのである。極端な話、あの神殿の施錠がアドレットの爆薬で破られたときのことが説明出来ればいいのだから、「実はドアが開くのと同時に霧が立ちこめて雰囲気を盛り上げる設定になっていた。塩の聖者様お茶目さん」っていうオチだとしても成立する。結局、ここにいるだれもが結界だの神殿だのといったシチュエーションを初めて体験するのだから、そこにどんな補助装置がついているかなんて、誰も保証出来ないのである。

 さて、ある意味で大きなちゃぶ台返しをくらってしまったため、7人目探しは振り出しに戻ってしまった。アドレットの主張した「霧のタイミングが結界のタイミングと違う説」を採用すれば、犯行は誰にでも可能、8人目の存在すら必要ない。となれば、怪しいのはあのとき祭壇上で色々とこねくり回していた人たちということになる。……姫様が怪しいやないか……あのとき祭壇上で一番不自然な動きしてたのって、あのウサギだよな……。でもまぁ、アドレットが「誰でも犯行可能」って言ってたから、7人均等でいいのかしら。否、そうではない、ここで重要なのはアドレットが必死に確認を取っていた「結界の起動方法を誰も知らないと言う事実」である。結界の起動タイミングにペテンを仕込むという方法は、「『誰も起動時の実情を知らない』という事実を知っている」人間でなければ採用しにくい。仮に、6人の中に結界起動時の光景を全て知っている人間がいれば、ペテンが看破されるだけでなく、改めて結界起動を行う際に不審な挙動を見とがめられる恐れがある。事実、フレミーは凶魔の涙ぐましい調査により、霧の聖者の能力についてかなりの部分まで知識を持っており、もう一歩踏み込んだら結界のことを知っていてもおかしくはなかったのだ(結界の情報を管理していたのは聖者だけでなく、一般人も多く関係していたはずだ)。となれば、「他の人間は結界について予備知識が無い」ということを知っている人間が怪しい。7人の中でそうした情報をコントロール出来そうな人間というと、モーラおばちゃんが最有力容疑者ということになってしまうのだが……。

 さて、以上のような今回新出の要素を考慮して、改めて7人がどのように考えているのか、そして考えられているのかを振り返ってみる。まず、アドレットについて、今回はっきり分かったのはハンスとフレミーは容疑者扱いしてないということ。さらにナッシェタニアも無条件で信じていると公言しており、今やアドレット吊るす派は急先鋒のモーラさん、ふんじばられて激おこのチャモ、そして恋敵憎しのゴルドフのみ。そのうち、チャモについてはハンスも訴えていた「あの状況でチャモを殺さなかった」という事実を考えれば、多少アドレット派に傾いてもおかしくないのである。アドレットの強みは、フレミーにしろハンスにしろ、理詰めで説得したのではなく、心情的な側面から信用を勝ち取ったこと。他人から見たら本当に根拠のない信頼関係なので、モーラさんの言っていた「既にあやつの嘘に2人もが籠絡されとる!」という焦りも理解出来るんだけどね。

 続いてハンス。彼は完全にアドレットへの疑いを解いており、ついでにチャモも「何か違うべよ」と思っている。フレミーについては訝しんでいるようだが、彼のいうフレミーの「闇」は、今回の「7人目」騒動とは別次元の話かもしれない。残る4人をどのように見ているのかは今のところ不明だが、ハンス目線からすると、そろそろ反アドレット派の筆頭であるモーラおばちゃんの焦り方が胡散臭く見えてくる頃合いなのではなかろうか。

 チャモは、未だに何も考えていないくさい。多分、いいように弄ばれたからアドレットのことは嫌いなはず。まぁ、直接自分に手を下したのはハンスなわけだが……そのハンスとすぐにやり合おうとしなかったのだから、多少反省しているのか、それともアドレットへの怒りゲージばかりが溜まっているのか。後者かなぁ。

 モーラおばちゃんは、前回フレミーに対して無根拠な信頼を表明した。何故そんなことが出来たかといえば、それは単に「フレミー以上に怪しい奴がいるから」というだけのこと。アドレットが絶対絶命のピンチを乗り越えている様子を見て、「そんな無茶出来るなんて怪しいに決まってるやん」というのが彼女なりの基本論旨だろう。まぁ、わからんではない。上記のような「結界の知識」というファクターが今後も関わってきそうなので、そのあたりでアドバンテージがありそうなモーラは最後まで容疑者から消せない気がする。ただ、立場が立場なので、現在身内から疑われている様子もないのだが。

 フレミーは、この展開だと流石に疑われなくなっちゃったね。ハンスとの関係性がどうなるか、というのが今後の焦点だが、アドレットという共通の要素に対して意見が一致したことから、あまり表立って諍いを起こすことはなさそう。アドレットを疑えなくなってしまうと、彼女は誰を疑えばいいのかねぇ。

 で、残りのウサギとゴルドフだが……ナッシェタニアは、「ハンスが自分の身分を知っていたのに隠したこと」をきっかけに彼を疑っている。そして、この「ナッシェタニアの疑念」は他の連中が考えている本筋と全然関係無いために、現状ではすげぇ浮いた要素になっている。まぁ、普通に考えて、一国の姫様なら顔が割れてて当然だし、その後のハンスの「ウサギのねーちゃん」発言とかも彼の性格からすれば出てきてもおかしくないものだと思うのだがね。「知ってることを隠そうとしていた」が事実だとするなら、「姫様が実はハンスのお仕事のターゲットになっている(もしくはなっていた)」とかいう展開はありそうな気も。どっちにしろ、それだけのことでハンスを疑うのはちょっと弱いよね。ゴルドフは、今回姫様のおっぱい見ただけで終わった。なんや、意外といいポジションについてるやんけ。気があるって言ってる男子におっぱい見せるだけって、どんな拷問ですかね。いや、ご褒美かな。

 結論:もう、おっぱいの大きい方から順に腹パンしていけばいいんじゃないかな。

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