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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 王子のTシャツは何を基準に選ばれているのだろうか……第14話。変なTシャツ売ってる店はあるので存在自体は別にいいのだが、王子なんて典型的な「着るものはどうでもいいと思ってるタイプのオタク」のくせに、なぜか変Tだけやたら充実してるんだよな。まさか「お母さんが買ってきた」でもなかろうし……謎である。

 もう、これで最終回でもいいんじゃないかっていうくらいにグッとくるお話。やっぱり、オタク目線からすると王子が一番感情移入しやすい対象ではあるし、彼がこれまでどれだけつらい思いをしてきたかも知っているので、彼が何かを成し遂げた姿を見るのは感無量である。何気に、「成し遂げる」という姿は初めて見るかもしれないんだよなぁ。まぁ、最初期の状態を考えれば、最初に河川敷までたどり着けたときも「達成」ではあったけども。こうして他の面々に遅れながらも、最終的にやるときはやる男だ。そんな王子が掛け値無しに格好いい。

 前回カケルの憑き物を落としたことで、アオタケ連中に憂いはなくなった。今回はどのメンバーにも嬉しい知らせばかりが飛び込み、みんな「成長と達成」を惜しげも無く披露してくれている。山に強いことが如実にわかる神童の走り、逆に平地だと天性のバネが活かせるらしいムサの伸び。キングもユキも無事に記録を達成し、なぜかニコチャン先輩は手慰みのガラクタで商売までできるようになった(目標体重も無事クリアしたようである)。そんな中で、王子だけが結果を出せないはずもない。そりゃま、そういう作品なんだからそうなることはわかりきってるんだけど、最後まで自分を貫き、どこかシニカルなツラをしながらも、がっつり仲間の友情に動かされ、最後の最後に仲間の声援を力に変えた王子。腕に書かれたメッセージは素直な仲間の気持ちだが、もしかしたらワンピースあたりのオマージュも意図したものなのかもしれない(王子に対してはそれなりに効果がありそうだ)。

 「一人じゃない」というフレーズもなんとも印象的で、周りに仲間がいるんだ、という当たり前の意味に加えて、着実にタイムが伸びてきた王子は、もう以前のように誰もいないグラウンドをトボトボと走る必要がなくなっている。そりゃまぁ、標準記録ギリギリなのだから決して速いとはいえないのだろうが、それでも周りには同じような速度、王子よりも遅いペースで走っているランナーも現れている。チームの面々と走っていたらわからないことではあるが、着実に、彼の走りは成果を出していたのだ。ついでに言えば、彼(あとキング)のランニングフォームは未だ独特のクセが残っており、その気になればまだ改善点もありそう。タイムを出したからこれで終わりではない。まだまだ先は残っているのだ。箱根の山は天下の険なのだ。今後の王子の成長にも注目したい。

 こうして着実に成果が出るとうっかり「こいつら、最初は絶対無理だと思われてた連中なんだよな」ということを忘れそうになるが、今作はきちんと「他のランナーたちも同じくらい努力してるんだぜ」ということも教えてくれているのが大事なところ。御都合主義なのは間違いないが、頑張って成果を出しているのはなにも王子たちだけではないのだろう。日本中の、世界中のランナーたちは、今日もひたすら、自分との戦いを繰り広げているのである。やっぱスポーツ選手ってすげぇよなぁ。まっすぐなスポ根はそんな当たり前のことを思い出させてくれるから大事よね。

 

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 ようやくカケル解放イベント、第13話。ここまで随分待たされた感じはあるが、まぁ、周りとの関係性が完成しないとダメだもんな。

 ちょいちょいほのめかされていたお話なのでだいたい様子がわかっていたカケルの高校時代の事件だが、今回改めてその全容が描かれることになった。まぁ、身も蓋もない言い方をするなら、「スポ根漫画でよくあるやつ」である。だいたいこの手のお話の場合はクズみたいな監督かコーチか先生がいて、手ェだしてしまったせいで甲子園に出られない、というお話になってしまう。ただ、カケルの場合に気をつけるべきは、そんな出場停止を食らってしまった連中が、あんまり「仲間」っぽくないという部分であろう。もともとサッカーや野球のお話ではないので「チーム」って概念も希薄なのだが、榊を筆頭にした同期連中は、今のところ善人らしい描写が1つもなく、ただ自分に生きやすいようにダメな高校部活をごまかしていただけの連中。普通ならば「仲間への責任」から自分の殻に閉じこもってしまう展開はなかなかその正当性を主張して表舞台に引っ張り戻すのが大変な場合も多いのだが、カケルの場合、はたから見る分には単なるスカッと話であまり気にする必要もなさそうなので、むしろさっさと元気になって仕事しろ、くらいのレベルである。ここまでシンプルに割り切れる状態を作ってくれた純正悪役の榊くんには感謝しないとな。

 それぞれのメンバーは今更まだカケルが悩んでたなんてことは気づいてない連中すらいるわけで、もうこのアオタケ10人の絆はちょっとやそっとじゃ揺るがない。小難しい話になるとちゃんと王子がそれらしいフォローしてくれるあたりがスタンスを心得ていて助かるし、最近は本当に影に日向にユキのサポートが見えているので、なんかほっといたらいつの間にかデレに突入してしまったみたいな印象である。ハイジが何かいうとどうしても裏がありそうに見えてしまうので(日頃の行いだゾ)、ひねてるようで実は素直なユキの働きってありがたいですよね。

 それにしても、このアニメはせっかくのハナちゃんのお風呂シーンも一瞬で終わってしまうんだ……女子高生のサービスシーンだぞ? もうちょっと尺あってもいいじゃない?! まぁ、その後のほっこり湯上り女子高生だけでもいいという意見もあるな。なんかもう、ソースだけでご飯食べられるみたいな状態になってきた。

 次回はいよいよ王子の記録会か……そろそろ規定タイム出していかないときついと思うが、まだ彼の走りを見ても達成できるようには見えないのだが……。

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 次回放送が114日ってどういうことやねん、第11話。いや、そりゃ年末進行だからしょうがないんだろうけど……まるまる1ヶ月空くってのは凄まじいな……。

 というわけで、事実上の1クール目最終回ということになるだろうか。残念ながらあんまり切れ目としてはふさわしくない回になってしまい、ラストのおっさんが何を言っていたかを気にしたままで1ヶ月間待たなきゃいけないことになった。なんてことしやがる。嫌な奴もゼロではない作品だが、目つきだけ見てヤバそうな奴ってのは流石に初めて。あのおっさんがうっかりカケルを殺したりしなきゃいいんだが……誰なんだよ、一体。

 さておき今回は神童がメインのエピソード。どさくさに紛れてCVがM・A・Oの恋人と別れてしまったりしているので一切救われてないはずなのだが、彼の「出来てる」感は本当に神のごとき素晴らしいものであり、周りの人間に自分の辛さがなるべく出ないように振る舞い、その上で様々な結果まで出しちゃうというスーパーマンの如き活躍なのである。こういうタイプの人が本当は一番助けを必要としているんだろうけど……どこまで気づいてもらえているのだろうか。幸い、アオタケの人間は割とそういうところも考えてくれる人間が多く、一番純粋に彼のことを心配している盟友はムサだ。もともと穏やかな性格の2人は馬があったのだろうが、ずっと一緒にいたムサはきちんと神童の苦労を察しており、何くれとなく心配している。まぁ、残念ながら彼自身も割と不器用なので、なかなか望むようなフォローもできていないようだが。

 そして、意外なことにここで結果を出し始めたのはユキであった。彼もまた、「成績優秀な人間」という部分で神童とはどこか通じるものがあったのかもしれない。何もかも抱え込んで潰れかねない神童をそれとなく心配し、その上でムサとか違って的確に「役に立つ」フォローを考えている。1つは遅々として進まぬ自分たちの成長への不安をはっきりと口に出すこと。お利口さんの神童はそのあたりの「空気を悪くしそうなこと」は全て飲み込んでしまうが、もともと反対派だったユキは「こんなんしんどいやん」という文句もはっきりと言える。もちろん、ユキにしたって文句を言ったところで解決しないことは重々承知しているだろうが、そうして声に出すことで、神童が抱えている不安を肩代わりしようという意識があるのだろう。さらに大きな働きとしては、なんと実際のランニングフォームを見て、ハイジすら指摘しなかった神童の「癖」をピックアップするという仕事をこなした。まぁ、現時点でそれが「欠点」なのか「個性」なのかはわからないが、今回何度か話に出ていた「走り方にも個性がある」という話を神童が理解するためのきっかけにはなっただろう。そして、この発見は、いつの間にやらユキが「走る側」として積極的にチームのブレインを引き受けて牽引し始めていることも表しているのだ。生真面目な神童をサポートするという形で、着実にチームがまとまり始めているのがわかる。

 そして、この「個性」の話を聞いて一層見えやすくなるのが、チームの面々のフォームの違いであろう。これまで王子の独特すぎるフォームにばかり目がいっていたが、よく見ればキングの猫背もかなりひどい。あれは多分、個性とかじゃなくて今後修正が必要な類のやつだ。ちなみに王子の方は相変わらず個性的すぎるが、日々のトレーニングのおかげなのか、腕のフォームが前よりも多少様になってきている。いよいよ記録会に出場するようだが、さて、王子のタイムはどれほどのものか……。

 あ、ちなみに今回最大の見どころは、「人語を解する犬が可愛い」です。犬って、なんであんなに「こいつ困ってるな」っていうのが顔に出るんだろね。

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 まさかのメシマズ設定、第10話。ハナちゃん、八百屋の看板娘のご飯が毒物なのはちょっと……。なんであの2人だけ抗体持ってたんだろうな……。

 王子にがっつり踏み込むお話。前回ぶっ倒れたハイジだったが、案の定の過労である。まぁ、ただでさえ足にメスを入れてる人間がこれ以上身体にとんでもない疾患抱えてたらさすがに箱根なんて言いださないだろうしな。後腐れのない原因だろうということは分かっていたことだが。むしろ雨降って地固まるというか、彼にどれだけの負担をかけていたかを察したメンバーたちが自発的に自治に取り組むようになり、このタイミングでますます連帯感は増している。もともと世話好きのニコチャン先輩あたりは自己管理を含めて全体の管理状況の見直しを図ろうとしていたし、先を見通すだけの洞察力をもつ神童は、ひとまずハイジがいない状態でも部活が回るように色々と打診して回っている。そういや彼は後援会の勧誘・宣伝活動なんかも担当してたっけ。この辺りの面々が、ハイジがいなくなってもやっていけそうな比較的お利口なメンバー。

 残りの連中はてんやわんやではあるのだが、そんな中でなし崩し的にリーダー代理を務めることになったカケルは、持ち前の責任感で改めて最大の問題である王子とぶつかることに。ハッピーアイスクリームな状況が続くあたり、決して相性が悪いわけではないのだろうが、それでも持って生まれた気質の差だろうか、簡単に協力体制にまとまることはできない。まぁ、考えてみりゃ王子はどこまでいっても巻き込まれ型の被害者な訳で、本来だったら残りの連中ともなあなあの関係になるのはおかしいんだよな。なんとなくとはいえ、部活に参加してくれているだけでも随分な優しさである。

 そして、そんな王子が一応は歩み寄ろうとしていることを嫌でも感じさせるルームランナーのノイズを聞き、さらにはニコチャン先輩の年の功による含蓄あるお言葉もいただいたことで、多少なりとも融和を図ろうと試みたカケルの中で、少しずつ王子の見方が変わってくる。なるほど、確かに頼りないのは間違いないし、チームのお荷物ではあり続けるのだろうが、決して不真面目なわけではないし、何か1つのことにどこまでも熱心であり続ける姿勢は、ある意味で体育会系のマインドに近いと言えるのかもしれない。なんとかそのメンタリティを理解しようと2人で漫画を読み、そして走る。

 そんな中でちょっとだけ前に進める要素が見つかったのは、必然だったのだろうか。漫画を読んでれば前が向けるとか、もう両腕の形が漫画を読む形で進化しちゃったとか、人類としてのカテゴライズも大雑把で凄すぎる王子。そんなミュータントを少しずつ走れるようにチューニングしていく作業は、大変ではあるがやりがいもある。案外「理想のアスリートを作ろう!」みたいな感じで一から仕込んでいったらとんでもない逸材に仕上がったりするのかもしれない。まぁ、そのためにはどう考えても時間が足りなすぎるのだが……。

 

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 キャラ弁うますぎ問題、第9話。確かに男が男に手作り弁当作ること自体に問題はないが、それが精巧すぎる似顔絵のキャラ弁なら確実にアウトだと思うぞ。あれでも栄養バランスを考えた完璧な弁当なのか。

 ついに、何事かが成されたという達成感のあるエピソード。前回のすったもんだでカケルとハイジの間には余人の立ち入ることができない確執が生まれてしまったかに見えたが、そんな頑ななカケルに対しても、強引にぶち抜いて来るのがハイジの持ち味である。まぁ、渦中でぼんやりしてる王子の大物っぷりも大したものだが。あの状況で平然とカケルとコミュニケーションとって、なんならちょっと茶化してみせることができるのは王子くらいのもんですよ。もともと走ることに対して執着がないおかげもあるだろうが、淡々と現状を外から見て、自分とは関係ないことみたいにして眺めてられるのは一種の才能かもしれない。それこそ、カケルが今回求められた「少し止まって、周りを見る」才能である。まぁ、そのせいであんまり自分自身に熱を入れられてないわけだが……。なんだろ、今の流れだと最終的に王子もなんとかなりそうな気がして来るのは不思議だよな。そりゃね、作品としてはそうならないと困るんだからなんとかなるんだろうけど、現実問題で考えたら絶対無理な状況なんだよ。やっぱりカケルの言ってることの方が正しいんだよ。部屋でルームランナーをてくてくやったところでどうしようもないんだよ。

 それでもなお、ハイジが唱える箱根現実論が少しずつ力を帯びていることを感じさせる記録会。「結果が出せなかったら王子には抜けてもらう」というカケルの提案に一切の行使力はないのだが、それでもガタガタ言わせないために、ハイジは王子を記録会に出さないという強引極まりない解決策に出た。ついでに、今回どう考えても無理そうな下位メンバーにも今回はお休みを命じた。ニコチャン先輩はあの通りだからしょうがないとして、キングも出さなかったのはあからさまに「無理だから」なんだよね。今回は前回の反省を生かし、それなりに可能性のある面子を選抜して「いけそうな雰囲気」を優先させたってことなんだろうか。気づけばこの上位チームの中にユキが食い込んでるのはさすがである。

 結果的にはまたしても全員失敗という惨敗なのだが、それでも全体を通しての雰囲気には不思議な達成感がある。今回の目的の1つとして、カケルやニコチャン先輩のような「なんか焦ってる人間」に対して全体を見せるという狙いがあり、外から走りを見ることで、何か見失っていたものが取り戻せる可能性があった。それは冷静さでもあり、アツさでもあり。気づけばチーム一丸となって声援を送るようになっていた10人チーム。そこにはカケルの姿も王子の姿もあり、もう、余計な心配は必要なさそうだ。ただの記録会のくせに不思議と緊迫感があり、「もしかしていけるのでは?!」と手に汗握るアツい展開。今回のコンテはさすがの笹木信作氏。うーむ、やっぱり見入ってしまう。

 順風満帆。あとはサクセスロードに乗り入れるだけ、と思いきや、なんとまぁ、ここでいきなりの大トラブル発生。ちょっと待てハイジ。お前、足のリハビリが完了して憂いは無くなったんじゃないのか。単なる疲労ではあるのだろうが……中華鍋の落とし所が悪かったら最悪の結果もあり得たぞ……。次回で完全なチームの姿が見えるようになるかな?

 

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 まさかの力石、第8話。メガロボクスにすら出てこなかった力石がこんなところで登場するなんて。いや、顔見えてなかったけど。

 このサブタイトルはちょっと可哀想。でもまぁ、結局今作の最大の焦点はカケルがどうやって「走ること」に折り合いをつけていくかっていう部分なのだろうから、どうしたって過剰な描写にならざるを得ないか。ここまで色々と関係性に変化はあったけれど、やはり最後の最後に立ちはだかるのは、カケルとその他大勢の間の壁であった。

 前回の記録会で善戦するも、やはり日本最高峰の壁は厚かった。実力の違いをまざまざと見せつけられた上に相手に理解のある発言までされてしまい、自分の矮小さを見せつけられてしまったカケル。それが発奮材料になったといえば聞こえはいいのだが、どちらかというと「気負い」になってしまっているのが実情。「今のままの自分じゃ勝てない」という焦りに加えて「お前が皆を引っ張ってやるんだ」なんて言われた日には、やらなきゃいけないことが多すぎてパンクしてしまいそうになるだろう。そして、人間はそうした抑圧された状態ではどうしたって安易な方向に逃げてしまうものである。「何故自分は藤岡に勝てないのか」という問題に対し、実力不足、練習不足などを理由にあげるのは簡単だが、それではこれまでの自分の頑張りが否定されることになりかねない。そこでカケルは、自分の不甲斐なさを認めると同時に、「それでも、こんなぬるま湯みたいな環境にいなければもう少しは」という言い訳も用意したくなってしまう。焦りや気負いは自分ではどうにもならないものへの苛立ちに変わり、そんな自分の気持ちになかなか共感が得られていない他のメンバーへの八つ当たりに変わる。まぁ、他の面々がマイペースすぎる部分もあるのだが……。もともと無茶苦茶な設定だっただけに、現状で誰が悪いなんてことは言い出しにくい。元を正せばこんな無理ゲーを提唱したハイジが悪い。けれど、そんなハイジの提案に乗り、いっときでも「もしかしたら箱根に行けるかも」と希望を持ってしまった自分が一番悪い。今更ながら、改めて困難の大きさに気づいたカケルは、その絶望感に必死に抗っているのだ。

 そうしてカケルが一人で空回りしている状況で、残りのメンバーも何をしていいものやら。走りについてはレベルが違いすぎて相談できることもないし、あとはカケルが少しでもこころ穏やかになるよう、精一杯練習するしかないのだが、急に無理をしたところで身体もついていかない。ギリギリのバランスで調整しても、カケルからはそれが「サボり」に見えてしまうというのだからたまったものではない。双子みたいなマイペースな人間は空気を読まずにそのままの状態を維持できるが、カケルの気持ちを感じ取ってしまう人間は気が気でないだろう。

 今回その代表になってしまったのがニコチャン先輩である。なまじ陸上経験があるだけに、カケルの苦悩にも一定の理解があるし、自分の現状がどうにもならないということも重々承知している。その上で、カケルとはまた違った方向に「無理」をしようとしているのは、彼が本当の意味で他人のことを考えられる優しい人間だからなのだろう。そんなニコチャン先輩だからこそ、ユキもほうっておけないのである。メンバーの中でも一番聡明な彼だけに、見たくなくても問題は透けて見える。ハイジのため、カケルのために走るなんてのは真っ平御免だが、長年世話になっているニコチャン先輩のためなら、ちょっと恥ずかしいけれども何かしてやりたい。ユキのモチベーションはそんな方向で固まりつつあるのかもしれない。

 そして、逃げられないとわかったら異次元の方向へ努力を進めることにした王子。ルームランナーがあったとしても漫画読みながら練習はできない気もするが……それでもまぁ、自分にできることを考えようとしているのは大きな進歩か。しかし、そんな前向きになった状態で叩きつけられたカケルからの条件。カケルも自分の中でどうしようもなくなった焦りを周りにぶつけているだけなので、本当に王子に何かしようと思っているわけではないのだろうが、さて、こんな突発的なトラブルに巻き込まれた王子の心境や如何に? そりゃね、やめろと言われたらこちらからお願いしてでもやめたかったはずのことなのだが……。うーむ。

 

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 誰かせめて王子のフォーム指導しろよ、第7話。スタートラインに立ってる時点ですでにランナーの様相ではないのだが……。

 待ちに待った記録会。チームの面々としては、カケル・ハイジ以外は全員初めての公式大会だ(ニコチャンは昔陸上やってたらしいから違うかな?)。緊張感漂うはずの初陣だが、基本的に竹青荘の面々は緊張感がないのでこんな舞台でも普段とあまり変わらない。大舞台でも緊張しないというのはスポーツ選手としては悪いことじゃないのだろうが、どうにもコンディションが整いすぎていたせいでカケルはそんな連中を見てイライラ。どうにもあのクソ野郎(榊)が出てくると気が立ってしまうのはしょうがない。そうでなくても今回の記録会は色々と思うところがあるしなぁ。

 冷静になれば、彼が最後に怒鳴り散らした「分かってたことじゃないか」という文句は、本人が一番身に染みているはずの言葉である。まだまだ準備段階の他のメンバーが目標を達成できない、分かっていたことじゃないか。それでもお気楽な面々は箱根に出ることを諦める様子はない、分かっていたことじゃないか。そして何より、今まで本格的なトレーニングをやってこなかった自分が一線級の選手に勝ちきれない、分かっていたことじゃないか。カケルのイライラはメンバーへの苛立ちももちろんあるが、何よりもまず、現実を突きつけられた自分への焦りがあるのだろう。

 ようやく登場した真っ当なライバルキャラ・藤岡。去年の箱根の覇者という分かりやすいポジションであり、何やらハイジとは知り合いらしく、カケルのことも一方的に知っていた。これまで「敵」と言ったら榊だけだったので明確な対抗意識というのは発生しなかったが、名実ともに「王者」である藤岡に対して、カケルは露骨に対抗心を燃やしている。高校時代にはある程度頂点が狙えた自分が、負けるわけにはいかない相手だと。しかし、そんなカケルの心情を全て理解したかのような藤岡の態度はまさに王者の貫禄である。小物臭あふれる榊と違ってこちらはよくできた人間のようで、ハイジが作った急造チームにしても「面白い」と認める発言をしているし、無謀としか思えない面々にも激励の言葉を送る。そして何より、カケルが自分に対して対抗心を燃やしていると知るや、そっとその気持ちをなだめながらも、特にフォローするでもなし、煽るでもなし、大人の判断で黙ってその場を去るのである。どうやら、普通にいい人だ。この人をどこかで乗り越えることができるのかどうか……。

 何やら焦っているカケルに対し、他の面々は想像以上にけろっとしている。目標達成できた人間が一人もいないという状態にもうちょっとショックを受けるかと思ったが、それこそ「分かっていた」ことなのでみんなして割と平気。ユキなんかも存外普通に「駄目だったけど次いけるんじゃね?」くらいの気持ちになっているみたいだ。実際、普段の練習と違って周りのランナーにペースを崩される要素が大きいし、トラックでの競技は勝手がきかない部分も多かっただろう。今後は明確な目標を立てられれば、案外短い期間で1分2分くらいはタイムを縮められてしまうのかもしれない。まぁ、前提条件として1、2分程度でボーダーを突破できる走りができてるのが偉いのだが。いや、王子は置いとくとしてね。この人、どう考えても期限までに目標達成できないだろ……。

 個人的に面白かったのはムサの立ち位置。周りには似たような見た目の黒人ランナーもたくさんいるのだが、日本人が偏見を持って見る「黒人ランナー」に対し、ムサは全然そんなことない単なる素人。そして、ムサ自身も日本人同様の偏見で他の留学生のことを見ちゃっているという。でもまぁ、日本だとそういうところあるからどうしてもね……なんでなんだろ、最近なら周りに黒人なんてそれなりにいるんだけど、やっぱり街で見かけると「おっ」って思っちゃう島国日本の不思議な習性。別にみんな足が速いわけでもないんだろうけども……ステレオタイプってのも不思議なもんである。ムサは果たして、そんな周りの目に適うランナーになれるんでしょうかね。

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 さすがにその四索切りはどうかと思う、第6話。どう考えても勝負に行く手じゃないのだが……まぁ、それだけキングがクサクサしてたっていう心理描写の一環なんでしょうね(どうだろう)。

 今期MANPA枠の不思議な安定感はありがたい。ゴールデンカムイはいつも通りに見てて楽しいパートだし、実は「あかねさす」も案外悪くないのよね。CG作画のクセはちょっとあるけど。声優ファンはマストチェックな作品なのは間違いないのですよ。そしてこちらの作品は純粋に脚本の続きが気になるおかげでモチベーションが高いまま。最近、なかなか侮れない枠になってる、いいぞ読売。

 てな訳で毎回どんな展開が待っているのか気になる今作だが、今回は当然のようにキングがオチるお話。まぁ、前回のフリを考えれば「いいか、走らない! 走らないからな!」って押すなよ展開でしたからね。そりゃ走りますよね。どうやって頑なだった彼の心を解きほぐすものかと注目していたが、なるほど、キーパーソンになったのは神童だった。彼の場合、メンバーの中でも一番純粋で、悪意も打算もないので汚れちまったキングの心に一番刺さる。(やったことないから想像でしかないが)やっぱり就活とか続けてると、色んなもののの裏側が見えるというか、世間のあれやこれやに嫌気がさすことも多いだろう。竹青荘のメンバーの中でそうした腹芸ができそうなのはユキとニコチャン先輩くらいなものだが、この二人は真っ当に「企んでる」ことが分かりやすそうなのでまだいい。問題は、どんな企業でも推し量れない気がするハイジの腹の底である。何を考えているか分からず、理解が及ばないとなると、どうしたって抵抗はあるもの。「自分の人生」に面倒を起こしそうな計画の話ともなればなおさらである。キングが不信感と面倒さから練習に匙を投げて離脱するのは当然の結果と言えただろう。

 っていうかさ、本当にこの世界の人間は走ることに抵抗が無さすぎるんだよな。観てて「あれ? もしかして俺の方がおかしいのか?」って気分になってくる。世の成人男性って、キロ単位で走れって言われても割とあっさり走れちゃうものなの? 毎日朝夕走りまくれって言われて、二つ返事で同意できちゃうものなの? 俺からするとその部分のハードルが高すぎるせいで、イヤイヤ言いながらもいつのまにか走っているユキとか、毎日死にそうな顔しながらもなんとか食らいついてる王子のメンタリティがなかなか理解できないんだ。そして、そんな人間からしたらキングの反応は至極真っ当なものだったんだ。

 それでも、その「常識」が歪み始めるからこそ箱根まで行けてしまうのかもしれない。詭弁にもなっていない「きれいごと」を並べる面々を相手に、濁ってしまったキングの私生活はなんだか間違ったものであるかのように思えてくる。実際、就活を理由に忙しいふりをして、ちょいちょいどうでもいい暇つぶしに逃げているのだから生産性がないのは間違い無いのだが、まぁ、普通の大学生の生活ってあんなもんでしょ。それなのに、そうした「普通の」ことをしている方が間違っていて、「とにかく走れば分かる」とか言われる。その意見に賛同してしまったものが1ダース近くも固まって自分を見ている。そんな状況に追い込まれたら、そりゃ、キングじゃなくてもおかしくなるよなぁ。

 やはり恐るべきはハイジの搦め手。神童や双子のような落としやすい面子から確実に攻略し、いつしか数の原理で常識が塗り替えられるようにお膳立てを整えてしまった。これまでずっと「どうやって最後の面子を説得するんだろう」と思っていたが、もう、説得とかいう段階ではなかったのだ。洗脳、そして、改革。もう、ハイジの企みは完了してしまっている。恐ろしい。嗚呼恐ろしい。しかし、王子はとてもじゃ無いけど記録会は無理っぽいですね。次回は「現実はそんなに甘くない」が叩きつけられる回になるだろうが、そもそもみんなして分かりきってる話だからショックも少なそうなんだよなぁ。

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 犬も可愛いからきっと同列の王子も可愛いよ、第5話。最初は「同列に扱わないで」って言って上から眺めてた王子が同列になって、抜かれて、地べたに這いつくばって犬を見上げるカットほんと好き。

 友情タッグ形成話はそろそろ大詰めだろうか。前回の榊乱入の効果で王子も多少(ほんと多少)前向きになった部分があり、これに感化されたムサもチーム入りが確定。そして何より、溶け込めずに浮いていたカケルがいよいよチームに打ち解けることができるようになったのが大きい。「もっとうまく話せるように」という目標は残っているが、少なくとも「誰かと走るなんて嫌だ」という意固地な姿勢は消え失せたので、あとは未だ謎めいたハイジの目的意識の確認と、自分にできることを想定した立ち回り次第ということになるだろう。

 明示的な反対派はこれでユキのみ。彼が最終的な障壁になるのかとばかり思われたが……意外なところに伏兵がいたものである。そう、ユキの場合、表立って反抗心をむき出しにしているぶんだけまだマシだったのである。好きの反対は無関心とはよく言ったもので(それが本当かどうかは定かじゃないが)、嫌だ嫌だと喚いているうちは、かえって興味があることの表れでもある。未だ底を見せぬニコチャンとの絡みで揺れ動くユキは、最終的には納得ずくで参加することになるのだろうから、その時にはきっと頼れるメンバーになってくれることだろう。

 しかし、残っていたのは、実はキングの方だった。てっきりハナちゃんの参戦であっさり籠絡されたのかと思っていたのだが、ふと現実に立ち戻り、就活がうまくいかないストレスをぶつける先が見つからないキング。必死に「現実」と戦おうとしている彼には、夢物語にしか聞こえない箱根の話をするハイジはなんとも苛だたしい対象であるし、それに乗せられてバカみたいにホイホイ走りにいっちゃう他の連中だって癇に触る。さらにこの機を狙ったハイジの「人生全てを練習に差し出せ」と言わんばかりのルール改正は、そんな夢物語が自分の「現実」を侵食するというとんでもない暴挙。自他の認識の齟齬に耐えられなくなったキングは、ここでいよいよ明確に決別の言葉を吐き捨てたのである。

 ……まぁ、キングの言ってることの方が正しいからな……。こればかりはどうしようもない。就活がうまくいかないことの八つ当たりっぽい部分はちょっといただけないが、単に同じ釜の飯を食っているというだけで、生活全体の構造まで変えられてしまってはたまったもんじゃないだろう。「俺には俺の人生が」というのは就職後のことまで考えた長期的な意味合いもあるが、今この瞬間、必死に大学生活のゴールを目指している自分のリアルタイムの人生にも訴えかけたものなのである。

 おそらく、このキングの攻略がハイジの最終ステージとなるだろう(ユキは、多分ニコチャン先輩がなんとなく説得しそうな気がする)。果たしてこの状況をどのように打破するのか。キーマンになりそうなのは、走ることを肯定され、全員のモチベーションを上げることにも前向きになってきたカケルの存在か。

 あとは、ちゃんと王子に飯を食べさせられるかだよな……食え、もっと食え……。

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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