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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 約束されし大団円、最終話!! 余計な言葉は必要ない。ここに終わる以上の選択肢などありはしない。

 年末年始がゴタゴタしてたので、ゆっくり見たいと思ってたらこの時期になってしまったのだが、やはりゆっくり観てよかったと思えるだけの最終回。何も意外なことなど起こっていないのだが、全てが収まるべき場所へ収まり、物語が終りを告げる。これこそが最終話に求められた役割である。しっかりとエピローグを取ってくれるのは傑作の条件の1つだ。今作の場合、第1クールのラストがアレだったから特にね。

 強いて意外だった点を挙げるならば、思いの外しっかりと「勝った」という事実以上に「負けた」という側面にも光が当たっていたことだろうか。審査員のおっちゃんが言っていた通り、熾烈を極めた三つ巴の戦いはどこが勝ってもおかしくない大会。時瀬が勝ったとは言ったものの、他の2校の優勝も充分にあり得たことは、審査員3人で分かれた意見に如実に表れている。感情を揺り動かした時瀬、古典音楽をこれ以上ない形で魅せた珀音、そして完璧な調和を生み出した姫坂。前回言われていた通り、ここまできたら評価は審査員の「好み」のレベルで分かれてしまう。今までの展開からして、時瀬が勝ったのはそうした「運」があったというだけでも説得力はあったはずだ。

 その上で、今作は「負けの美学」を提示する。姫坂は負けた。かずさは自分たちの音を「揃えることだけしか考えていなかった」と卑下した。仲間との結束を信じきれなかったかずさが打ちひしがれ、チカに志の差を見せつけられた。姫坂の敗因は、きっとかずさが一番よくわかっている。その上で、きちんと穂積さんからのフォローも入っており、「弱いから負けた」というネガティブなニュアンスは極力感じられないようにもまとめ上げている。最後に雄叫びをあげたかずさの姿は、立派だった。

 珀音も負けた。神崎は自分が本気を出すのがあまりに遅すぎたことを悔やみ、これまでの慢心が、完成形を時瀬に譲ってしまったことを悔いた。珀音が勝っていたならその勝因はもちろん神崎だったはずだが、負けてしまった今、敗因も間違いなく神崎にあるのだ。しかし、だからと言って彼を責めるなんて見当違いのことは部活内で起こるはずもなく、終わったことへの悔しさは、おそらく来年以降への大きな糧になる。先生は今年で最後だったが、神崎の部活はまだ終わらないのだ。新たな誓いを胸に、珀音はまだ強くなれる。

 勝ったのは時瀬だ。そして、その勝利を支えたのがチカ、引っ張ったのはさとわちゃん。母親との雪解けは、今作が間違いなくハッピーエンドで終わったことを告げるものである。光太のせいであんな風にはなっちゃったけど……耳まで真っ赤のさとわちゃんがほんと可愛かったから万事OK。そしてチカはもう、お母様からの公認をもらっちゃったような形になる気がするんですが、今後の2人の関係性ってどうなっていくんでしょうね。さとわちゃんは、今までの人生でどれだけ苦労したかを考えれば、あとは幸せになるしかないと思うんだけども。もののついでのように晶さんちの家庭までハッピーにしちゃうあたり、時瀬高校箏曲部の陽のエネルギーは圧倒的であるな。

 物語は終わらない。原作は3年生編へと続いているのだろう。ただ、こうしてアニメが完璧な形で終りを迎えた今、正直原作を追いかけるかどうかは悩んでいる。ぜひ、この続きもこの度のような素晴らしいアニメーションで見せて欲しいからね。

 

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 この音、第25話。もう、何にも言うことないやん。ただただ演奏を聞いていたいだけ。こんな気持ちになったのは北宇治の演奏以来だよ。

 姫坂・珀音と積み上げてきた大会の音。どうやら観客席の下馬評では2校の実力は伯仲、審査は困難を極めるが、ほぼこの2校で決まりという空気。しかしそこに飛び込んできた「第3の矢」である時瀬の演奏。今回はほぼフルサイズだろうか、Aパートは全て演奏シーンに充てられており、これまで幾度となくその名を呼ばれてきた「天泣」がその全容を現した。

 箏の演奏の細かいことなんてわからない。姫坂の演奏も珀音の演奏も良かったのだから、並べて聞いた時にどれがいいかなんてわかるわけもない。しかし、この時瀬の演奏を聞いて涙が出るのは間違いない事実である。ずっと聞いていたいと思わせるのは事実である。もう、それで充分なのではなかろうか。

 音を聞いたそれぞれの観客の反応も実に明確。個人的に一番刺さったのは、さとわちゃんのソロから移行した音をほんの少し聞いただけで崩れ落ちたかずさだろうか。時瀬の連中に対して「さとわちゃんにふさわしくない」と切って捨てたあのセリフ。そんな暴言を吐いてしまった自分の矮小さを嫌という程見せつけられてしまったその情景。彼女の涙だけは、観客席の中の涙でもちょっとだけニュアンスが違ったかもしれない。そしてさとわちゃんのお母さんだって泣くに決まっている。この光景を見られるからこそ、世の中の親子ってのは掛け替えのない絆で結ばれているのだろう。

 そうして呆然とする観客席に対し、演奏している面々は誰もが穏やかな笑顔である。必死の演奏をクリアして見せた姫坂、ひたすらストイックに音の世界を探索し続ける珀音。それぞれに表情のよく見える演奏だったが、そのどちらとも違う時瀬の連帯。さとわちゃんという絶対正義におんぶに抱っこではなく、全員で音を「合わせ」「作る」楽しさを体現する演奏だ。放送第1話であれだけ険しい顔をしていた武蔵が、今やどれだけ楽しそうにしているか。笑顔は皆に伝播し、終了後に感想を言ってた晶さんの笑顔も最高である。この楽しさこそが、時瀬のオリジナルであり、オンリーワンなのだろう。

 果たして結果はどうなるのか。そして鳳月家の物語の顛末は。もう、今回の演奏で全てが解決しているとは思うが、エピローグ部分もしっかり見守っていこう。

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 ずっと珀音のターン、第24話。姫坂の見せ場も充分に大きかったが、やはり跡を追う珀音がそこに重ねてくるのは至極当然のこと。姫坂があれだけの艱難辛苦を乗り越えてたどり着いた圧倒的な「正解」を見せたというのに、今回のタイトルは「その先」。なんだか残酷な話である。

 姫坂は「部活もの」として完全な「集団」を目指したお話。血のにじむ努力、涙ながらのチームワーク。そうしたものを皆でつなげてたどり着いた新たな王者の道。しかし珀音の場合、基本的には神崎というたった1人の天才を中心に回っている「個」のチーム。見せ方も、見え方も自ずと違ったものになってくる。

 神崎の個性は「正解の音が見える」というもの。これもさとわちゃんやチカと同じように天賦の才として処理されているので理屈は一切ないのだが、少年漫画的なお約束を考えると、「正解の音が見える」→「正解の音しか弾けない」ってんで、ライバルキャラなんかでは大体主人公側が乗り越えるべき踏み台として設定されることが多いキャラ造形だろう。まぁ、来週以降の展開で実際にそうなる可能性はあるが、神崎が普通の「正確さキャラ」と違うのは、本人がその音を良しとしていない部分である。「正解の音しか弾けない」ことをすでに本人が弱点(嫌な点)と見なしており、それゆえにこれまで本気を出さなかったというキャラ。すでに弱点は克服している状態と言える。そして皮肉なことに、そんな神崎に最後の一押しを与えたのは他ならぬ時瀬の演奏だったという。もちろん顧問の山本との連携が最大の見どころではあるのだが、そうして二人三脚でつないできた「先」への希望が、時瀬の音によってブレイクしたというのは出来すぎたお話である。事前にチカのおばちゃんが「以前のように正確なだけの音ならば時瀬が勝てる」とフラグを立てておいたのに、珀音はその「先」へときっちりたどり着いた。この辺りのマッチメイクは、少年漫画的な見せ場としても申し分ないものだろう。

 そして毎度のことながら、今作はそうした「音の見せ場」について、全力で「奏でる」ことに邁進している。残念ながら私の耳では「一音の深み」って言われてもよくわからないが、そこからの音の変質、異様な緊張感の演出については、客席にいるような緊張感を伴い、固唾を飲んで見守るシーンになっていた。箏の音階を「数学」と例えていた山本が引っ張り上げた神崎が、たった1つの正解を超えたその先で新たな真実にたどり着くという観念的なシーンも、様々な側面から切り出すことで妙な共感を与えられている。おそらく原作時点で完成していた描写なのだろうが、アニメになって音を伴うことで、改めてその完成度が上がったのではなかろうか。

 「先」を見せつけられた時瀬の面々は当然意気消沈するわけだが、そこを押し上げたのは流石の部長である。3つの高校にはそれぞれの理由で「最後」が待っている。姫坂は「王者奪還を見せつける最初で最後のチャンス」、珀音は「去りゆく顧問への手向けとなる最後の演奏」、そして時瀬は「部を作り上げた部長との最後の全国」。どれもこれも志は互角。最後に勝つのはどこなのか。本当の本当に先が読めません。

 ちなみに円陣のシーンが気になって確認したのだが、チカとさとわちゃんは肩くんでなくてサネーチカー武蔵っていう並び。気になるさとわちゃんの隣は光太と来栖さんであった。光太はほんとに女子とのスキンシップに迷いがねぇな。

 

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 「この音とまれ〜王者・姫坂女学院編〜」の放送はいつからですかのう、第23話。完璧に主人公だったやん。かずさ以外にも誰を主人公にしてもいいけど、どこから切り取ってもそこそこ北宇治の領域。やっぱり「実力主義で、学年は関係なしにオーディションで決めます」は嫌でもドラマになるよな……。

 というわけで、地区予選三番勝負、まずは姫坂のターン。こちらの学校のカラーは「とにかく揃えることに特化し、どんな超絶難度のフレーズでもピシャリと合わせてくる」というもの。技巧に特化した強さってのは少年漫画的お約束だと「技に頼って心が伴ってない!」なんていうんで主人公チームに負けてしまう傾向もあるのだが、冷静に考えて、「技ばかりに特化して心が伴わない」なんてのは常識ではあり得ない状態なんだよな。技を手にいれるにはそれだけの努力が必要。そんだけ熱心に練習に取り組めるなら、気持ちだって自ずとついてくるものである。姫坂という存在は、そんなお約束の「強豪校」のイメージを単なるイメージで終わらせず、実際にその中で行われた悲喜こもごもの努力の結晶をはっきりと見せてくれる存在である。「北宇治がライバルに回ったらどうなっているか」を、敵サイドから描いているようなものだ。

 当然、実力主義の争いならば負ける人間が出てくる。学年関係なしと言われてしまえば、中川夏紀がそうであったように、後輩に蹴落とされて涙を呑む人間が出てくるのだ。そんな人間を単なる悲劇のヒロインで終わらせず、姫坂という学校の志の体現者として見せてくれるのが青春模様の最大の語り口。まるで加部ちゃん先輩のように、倒れてもくじけなかった穂積さんの頑張り。そんな彼女を支えるように、団結して全国を目指すという姫坂の闘志の表れ。ベタな展開には違いないが、この王道こそが、やはりジャンプ漫画として、部活漫画として最良の展開だろう。

 そして、本作の場合はそうした努力の成果をはっきり楽曲として提示してくれるので有無を言わさぬ説得力がある。なるほどとんでもない楽曲。これを20人以上で合わせることができるとなると、その練習量は尋常ならざるものだったことは想像にかたくないだろう。確かに時瀬も猛練習していたわけだが、それはつまり、ライバル校だって同じくらいがむしゃらに練習しているということなのだ。誰もが認めた姫坂の「完成品」。これを覆すのは、次なる珀音か、それとも時瀬か。次は謎のハイパー顧問が支える珀音のターンである。

 それにしても……今回は完全に姫坂のターンだと思っていたが、そんな中でもピンポイントで撃ち抜いてくる来栖・さとわの両名は本当に素晴らしいヒロインである。さとわちゃんについてはさとわ×晶の方の進展も今後とも注目していきたい所存。

 

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 開戦前夜、第22話。これだけどっしりと「本番当日の朝」が描かれるってことは、ここからの大会描写も相当重たいものになるだろう。予告の感じからすると、1話ずつ姫坂・珀音・時瀬っていう順番でやっていくことになるのかな。まぁ、この順番だとどうしても姫坂は咬ませ犬ポジションになってしまう気がするが……。

 それぞれの覚悟が、それぞれの行動に表れた決戦の朝。各自が本番に臨むにあたり、一番大切にしているものが改めて確認できる。トップバッターを務めて相変わらずキュンキュンさせてくれるのは来栖さん。まさかそこまでアグレッシブな行動に出て来ようとは……いや、残念ながら武蔵はその行動の意味を完全には理解してない感があるのだが……まぁ、少しずつ距離が近づいてるのは間違いないようだし、この2人の場合は勝っても負けてもこの後の展開は保証されてる気がするな。あ、でも進路とかどうなってんのかな……多分成績違うだろうからおんなじ大学進んだりはしない気がする……(来栖さんが頑張って勉強するんだろうか)。

 そして、そんなキュンキュン行動では来栖さんのさらに上を行くのが元祖ツンデレクイーン・さとわちゃんなわけだ。もう、ここまで来ると計画的に萌え殺そうとしているようにしか見えないわけだが……ほんとに不器用で、クリティカルな娘である。これまで何度となくチカの野郎に致命的な一撃を許していたが、ここにきてようやく挽回。散々イケメンムーブを見せてきたチカに一矢報いた形だろうか。みんなして「チカがめっちゃ喜んでる」ことは完全にわかってる状態なので、さとわちゃんにも頑張りが報われたことは伝わってるはず。この2人については、まだ来年以降の部活もあるので末長く見守っていく感じか。ちなみに三馬鹿はいつも通り(適当)。

 そうして時瀬の面々が緊張したり決意したりで会場に集まって来る中で、以前の大会でもバチバチにぶつかったライバルたちが結集してくる。今回は大会規模が少し小さいらしくて前回いた保志ボイスのちんちくりんのところはいないみたいだが(確認したら茨城の高校だった)、残る2つ、姫坂と珀音とはここで激突する。珀音の方は相変わらずその実態が見えないので不気味なところがあるが、なにやら顧問の先生との関係性に妙な伏線を張ったので、やはり最後に王者として立ちはだかるのは間違いなくこちらだろう。

 姫坂の方は前回の大会の雪辱戦ということで佐倉さんボイスのお嬢さん(かずさ)もマジモードで主人公感をにじみ出させている。最後に見せた部長の号令による円陣なんて、そこだけ切り取ってみたらそこそこ北宇治の領域。こうしてどの高校も「自分たちが一番なのだ」という覚悟と自負を持って勝負に挑んでいる。そりゃぁ大混戦必至に違いない。

 そして、そんな大会に集まる関係者の中には、なんと晶さんのパワープレイによる巻き込まれ型のキーパーソン・さとわママの姿も。ついでにババアまで持ち込んでしまったが、これでババアが少しでもまともな性根を持っていれば、大会をきっかけに鳳月会の態度も大きく変わることになるだろう。ひょっとしたら、さとわちゃんの破門が取り下げられるほどに。やっぱり当面のゴールはそこになるんじゃないかなぁ。まぁ、晶さんが途中で事故らないっていう前提つきでだが……(なんか暴走自動車がたくさん押し寄せる大会だな?)。

 

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 オープニングのラストカット!! 第21話!!! もう、その一瞬だけで泣きそうになったわ。晶さん、ほんと良かったよ晶さん……。

 というわけで、晶さん大立ち回りのお話。もう、一切の迷いがなくなってる。こんなにも清々しい光景を目にする日がくるなんてなぁ。既にあらゆるネガティブ要素は振り払われ、残っているのはババアのみという状態まで醸成されていた環境だったが、その最後の懸念材料だったババアを晶さんがまさかの正面突破。まー、ババアの方もあんな議題の持ち出し方で一体どれほど鳳月の一族を動かせると思ったのかはよくわからんが……今回の顛末だけを見てると、確かにさとわちゃん絡みのお話では良い印象がなかった鳳月会だが、構成員全員が腐ってるわけではなく、あくまでさとわママがちょっと壊れちゃったが故の不幸だった様子。いまやその内部には晶さんという浄化装置が組み込まれ、さらにさとわちゃんの方もますます背筋を伸ばして過去と向き合う体勢が整いつつある。このままいけば、まもなく家元の攻略も可能になるんじゃなかろうか。投函したのは多分大会当日の招待状だろうしねぇ。「独りじゃなく、全員でさとわちゃんの過去に立ち向かうのだ」という箏曲部の姿勢が、さとわちゃんの最後の背中を押したのだろう。

 こうして晶さんが完全無欠のコーチとなり、さらにもともと滝浪というチート兵器も擁していたわけで、本当に短い期間での猛特訓にはなったが、時瀬の演奏は確実にレベルアップを果たした。その過程には部員同士の数々のドラマがあり、皆が前を向いて、仲間を信じて励んだことから生まれたものである。

 サネは、前回の時点で既にチカと肩を並べるという目標を大きく持って前進を始めていたが、今回はさらに晶さんの貴重なアドバイスを受けて「自分の役割」を見出すに至った。まぁ、その前の時点で滝浪がポジションの重要性に気づいていたってことなのだが、それを直接滝浪から言われるのではなく、「努力の人」である晶さんから実感を込めて伝えられたことで、サネはより一層自分の存在価値を噛みしめることができたのだろう。チカが「さとわと同じになっちゃダメだ」と気づいたのと同じように、サネも「チカと同じじゃダメだ」と気づき、十七絃チームは演奏の中心として、より大きな仕事を果たせるようになった。

 ブラッシュアップを果たしたのはそれ以外のチームも同じ。特にムカムカするくらいなのはやっぱり来栖さんと武蔵のカップル。もう、来栖さんは武蔵を褒める時にも照れがなくなってきとるやんけ……。少し前なら自分の本心をうっかり漏らしてしまった後に思い切りごまかしていただろうに、今や武蔵のいいところを見つけて褒めることになんの抵抗もない。そして武蔵は自分の唯一の取り柄を褒められ、屈託のない笑顔の来栖さんを見たら流石に胸キュン。ヲウヲウ、隣にいる女の子のいいところにようやく気づいてんじゃねぇよ。さっさと爆発すればいいのに。

 そしてさとわちゃんは、素直に聞き入れることで晶さんの練習方法を吸収し、さらにいよいよ自分の過去の怨念をも取り入れ、より高みを目指す最後の一手。チカの働きかけで「天泣」に必要な最後のピースを提供し、これで部員全員の中でわだかまりは一切なくなった。どうでもいいが、昔話を聞いて来栖さんがさとわちゃんに抱きつくのはいいけど、そこに光太も混ざってんのはどういうこった。その場所代われこんちくしょう。

 みんな、いい顔するようになったよなぁ。大会、どうなるかなぁ。

 

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 雪解け、第20話。来たるべき時、待ちわびた時。鳳月と椿の融和が告げるのは、まさに春の訪れではあるまいか。

 一歩一歩、着実に歩き続けてきた晶との理解の道。前回の時点ですでにほぼそれが完了しかけていたわけだが、最後の最後で晶に沈んだ闇は払拭しきれなかった。おそらくこれまで築き上げてきた彼女のプライドが、どうしても最後の一手で自分が変わってしまうことを恐れたのだろう。止まった時間が動き出すことを忌避し、彼女は逃避行動として指導担当の辞退を申し出た。このまま箏曲部に関わっていれば、間違いなく自分は変わってしまう、救われてしまう。それが察知できていたからこそ、晶は逃げ出そうとした。

 しかし、ここで相変わらずのファインプレイを見せ続けるミラクル顧問・滝浪。彼女に対していちいちクリティカルな文言を打ち込み続け、さらに即時の逃走を許さずに彼女に最後の一手を与える。おそらく滝浪はわかっていたのだろう。箏曲部と対峙し続ければ、もともと晶のように真面目で真摯な人間が、そこに惹かれ合うものだということを。折良く、箏曲部の面々も晶の演奏を聞いて改めて襟を正したところ。日夜に渡る猛練習の成果は誰に耳にも明らかで、その迷いない姿勢を目の当たりにして晶の決心も揺らぐ。そして、そんな彼女にとどめを刺したのはやはりサネであった。いや、正確には彼を取り巻く箏曲部のあり方そのものか。どれだけ積み重ねたところで「才能」には追いつけない「努力」の姿。サネの焦りと不安は、まさに晶がこれまでの人生で抱え続け、打ちのめされたものであった。それをわかっているからこそ、彼に同情し、なんとか救いを与えようとする晶。しかし、そんな晶の心配を他所に、チカとさとわちゃんはサネのことを全て分かってくれている。そこで気づかされるのだ。晶にとって、これまでの人生に足りなかったものは才能でもなければ、まして努力などでもない。自分のことを理解し、共に戦ってくれる仲間の存在だったということを。

 難しいパートを弾ききりガッツポーズのサネ。その無垢な喜びは、晶がすっかり忘れていた根源的な箏の楽しさである。サネは闇に飲まれなかった。自分が手を貸さずとも、救ってくれる仲間がいた。そんな「求めていた姿」が箏曲部にあることを見せつけられ、晶の最後の闇が払われる。この部活で、このみんなで全国を目指したい。そんな素直な望みが晶を突き動かす。もう、さとわとの合奏にも何の含みもなく、ただ高め合う音だけがそこにあるだけだ。武蔵はその音を聞いたからこそ、「堂島さんだってそうでしょう?」という(あいかわらずの)殺し文句が出てくるのである。

 こうして晶が新たな仲間に加わった。まだまだ猛特訓は続いていくだろうが、戦うための下地は、着実に揃いつつある。まぁ、当然のように次なる暗雲も立ち込めるわけだが……。今更ババアがどうこうしたところで、晶さんがどうにかなるとも思えないんだけどね。

 

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 さとわちゃんに強引に大好きのハグに持ち込まれた晶が、振り絞るように「さとわのお箏が好き」って漏らす未来が見えた、第19話。いや、そんなわけないんだけどね。そんな関係じゃないんだけどね。才能と努力のあまりに残酷な「対峙」。その全てが青い鳥の童話に収まっているかのようで。

 今回は圧倒的晶回。これまでその内面がなかなか見えてこなかった曲者、堂島晶。しかし今回、改めて彼女の回想シーンが描かれることで、そこに沈んでいた暗く深い澱のような感情が詳らかにされた。もう、これを見てしまうと……そりゃさとわちゃんが悪いわ……。いや、別に彼女に悪気はないし、あの時の大会はむしろさとわちゃんが被害者みたいなところもあったんだから不幸な事故以外の何物でもないのだが、世間を巻き込んでしまうようなどでかい才能が暴走すれば、本人の意図せぬところでも甚大な影響を及ぼしてしまうというのは考えうる事態なわけで。中学生さとわちゃんの想いは一番届けたかった母親には届かず、あげく大会をむちゃくちゃにしてしまってせいで一人の奏者の人生にも取り返しのつかない傷をつけてしまった。誰も悪くないというのにこれだけの不幸。仕方がない、乗り越えていくしかない。

 正直、椿会の顛末を見るにもうちょっとやりようはあったんじゃねぇかという気もするんだ。堂島兄が本当の本当に輝かしい才能を持つ人物だったのだとしたら、財政云々よりも前に業界全体が彼の才能を守る方向で動くべきだっただろう。単にリーマンになって働くためだけに足を洗ってしまい、まだ余裕がある晶さんに全てを押し付けてしまったのだとしたら、それは兄の怠慢でもあり、家族や業界の怠慢でもある。特に偉そうにしてるあのババアはどう見ても金銭的に余裕がありそうだったし、あれだけの非常事態で手をこまねいて見ているだけじゃなく、なんとかお兄ちゃんに箏を続けさせる方向に話を持っていけばよかったのに。

 まぁ、終わってしまったことはしょうがないのだろう。結局「才能の欠落」という見たくもない現実だけを叩きつけて去っていった兄を追いかけるため、晶さんは暗い暗いお琴地獄でもがき苦しむことになる。「努力は報われる」「努力に勝る天才なし」。そんな聞こえの良い言葉もあるが、自分にできるベストを尽くし、それこそ物語の主人公のような見事な働きを見せた晶を待っていたのは、鳳月さとわという理不尽な才能の大渦。兄に打ち勝つための2年間が成就したと思ったその瞬間に、突然横から殴りかかってきた別な台風からの貰い事故みたいな展開。そりゃ立ち直れないし、徹底して闇落ちするのも避けられない。やっぱり、こればっかりはさとわちゃんのせい。

 しかしまぁ、そこからなんとかして乗り越えていくからこその人生ドラマなわけで。晶のどうしようもなく沈んだ内面を前に、時瀬箏曲部も総当たりの体制で応えようと奮戦する。そして、彼女が磨き上げた「水の変態」のおかげで気持ちは届いたはずだった。おそらくチカも、来栖も、三馬鹿だって、今日からはこれまでと違った目線で晶のことを見ることになったであろう。あいつらは本当に、素直でまっすぐな連中なんだよ。そして、当然その音を一番受け止めなきゃいけなかったのはさとわちゃんなわけで。

 しかし、その先陣を切ったさとわちゃんの攻撃は、今一歩のところで晶の心の最奥には届かなかった。忌憚のない気持ちをぶつけ、自分の恥ずかしかった過去まで晒し、ありのままの自分で、最大限の評価と陳謝、そして請願を行うさとわちゃん。このムーブがすぐに実行に移せるようになっているのが現在のさとわちゃんの強みだし、彼女の成長の表れだ。もうひと押しで晶の闇を払うこともできたかもしれない。しかし残念、もう一歩。多分、来週が対晶の最終戦争。箏曲部の力を一つにしての総力戦になることだろう。大丈夫、ここまでくれば、チカも武蔵も強いはずだから。

 そうして晶さんがさとわちゃんと必死の攻防を繰り広げていたわけだが、その片手間でちゃんと箏曲部の指導もできてたのはやっぱり偉いよな。個人的に気になったのは晶さんのサネを評して哀れんでいた部分。確かに先週あたりから「サネはチカと同じパートで比べられるのは大変だよな」と思っていたわけだが、ここで晶さんが「才能と努力」の写し鏡としてこの二人の関係性を拾ってくるとは。もしかしたら、晶さんの復帰劇でキーパーソンになるのってサネなのかしら? だとしたらこれ以上ないくらい格好いいな。ほんと、箏曲部は無駄な部員が1人もいないのが素敵である。

 

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 好事魔多し? 第18話。しかし、まさかこんな形で晶が乗り込んでくることになろうとは。とはいえ、今回のことが本当に「魔」なのかどうかもわからないというのが、現在の時瀬の強みといえるんだろうな。

 曲の名前は「天泣」。コンセプトが判明したことでオープニングやエンディングの映像にもクリアに意味が表れていろんなところがスッキリ。さとわちゃんが真剣に考えて出してくれた「天弓」でもよかったかもしれないが、そこに滝浪の圧倒的顧問力を加えてさらなる進化を遂げる。こうして曲のコンセプトを具体的なイメージに合わせていくことで、部員の中での統制が取りやすくなるという意味もあるのかもしれない。それにしても、さとわちゃんがまっすぐ「部活が好き」って言えるようになってるのは改めて素晴らしいことだわね。

 そして、滝浪の顧問力がさらに上に突き抜けるかのように、新たな指導者として晶がやってくる。もともとババアの差し金であり、当然滝浪くらい空気の読める人間ならその裏にあるのが純粋な善意なんかじゃないってことはわかったのだろうが、それでも彼は申し出を受け入れることに決めた。そこに「今の部員たちなら、どれだけ強めに殴っても耐えられるだろう」という信頼感があるのは間違いないだろうが、もう一つ「晶もなんだかんだで指導してくれるに違いない」という信頼がなければ、彼は申し出を断ったはず。あのわずかな面談の時間で晶の心の底の底まで見抜いたのだとしたら、もう顧問が云々っていうよりエスパーの類である。まぁ、とりあえず現時点では「技術の底上げが必要なのは事実だったし、都合のいい話なので多少のリスクは覚悟の上で利用することにした」っていう感じなのかな。

 そうしてやってきた晶という異物に対しての反応も、チカとさとわちゃんは滝浪と同じである。さとわちゃんは晶との最初の練習よりも前に、そしてチカは初めての指導の時に、「実際にこの部には技術力が足りなすぎるのだ」という自分たちの弱さを認めた。それを改善するためには、晶の人となりを、そしてさとわちゃんとの因縁を気にしている余裕は無いのだ。そうして意味を理解した上での飲み込めたのがこの2人っていうのはいかにもこの部活らしい構図ではある(一応、武蔵も受け入れる側の体制だったようだが)。

 一方、反対派の先鋒に立ったのは来栖さんだった。今週もドキドキ席替え大作戦で可愛い姿を見せてくれた来栖さんだが、彼女からしたら見知らぬ外部の人間がさとわちゃんと部活を壊していくんじゃないかと不安だらけ。何しろ「昔の私みたいに」とはっきり言っちゃってるくらいに心当たりがあるわけで、「壊す」側のメンタリティが理解できれば警戒水準を上げざるを得ない。そして案の定部活の空気が重たくなったところで危機感を訴えるわけだが、それを乗り越えるのはやっぱりイケメンムーブのチカ。そして過去の恐怖を乗り越えたさとわちゃんである。この2人に説得されたら、そりゃ他の部員も考えを改めないわけにはいかない。そして、存分にメリットの方を享受してやろうの精神で改めて戦いを挑むわけだ。現時点でちょい不安なのはサネですかね。同じパートを受け持って比較しやすいチカが例によってものすげぇ勢いで成長していくので、いつかの光太みたいに焦りをマイナス方向に働かせなきゃいいけど。

 そうして箏曲部と対峙する晶の方はというと。正直、前回の演出とはちょいイメージが変わったのは、彼女の母親との対面シーンである。晶がさとわちゃんに対してなみなみならぬ感情を抱いているのは事実であり、なんとかして彼女を否定してやろうと思っているのは間違いないのだろうが、それが母親と同じモチベーションというわけではない。年寄りがギャーギャー騒ぐ跡目争いや家の格式についてのあれこれについては晶も馬鹿馬鹿しいと思っている部分があるようで、さとわちゃんとの和解が成立するとしたら、そのあたりの考え方の近さによるだろう。今のところずっと目のハイライトが落ちっぱなしの晶だが、今後彼女が闇状態を抜け出すことができたなら、それこそ箏曲部にとっては大きな武器になるはず。

 そして、今回彼女が指導していたパートで改めて感じたことだが、やっぱり今作は音の見せ方が上手い。彼女が練習で指摘し、実演して見せた「綺麗な音」と「汚い音」の違い。そりゃま、我々素人にわかりやすいようにかなりオーバーにやってくれてるんだろうが、確かに音を聞いたら彼女が酷評する「下手さ」の部分はちゃんと浮き彫りになるように作られている。そして指導の通りに音をつないでいくと、そのまま真っ直ぐ「箏の魅力」が理解できるように音が生み出されていくのだ。「箏なんて難しいし聞いてもよくわからん」というのが今作をアニメにする上で最大のハードルだったと思うのだが、一切妥協せず、「音の物語」として作り込まれているのは本当にありがたい。今後は、晶の奏でる音にも変化があったりするんでしょうかね。

 

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