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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 えぇー、やっぱり俺は虎よりも猿の方がいいなぁ、第6話。残り5人になったけど、基本的に応援したくなるようなキャラがいないっていう……いや、猿が応援したいキャラだったとも思えないけども。一番頑張って欲しかったのは……イノシシのおばちゃんかな……。

 ここ数回サボってきたノルマを一気に吐き出して帳尻を合わせてきた回。死ぬかと思われつつ生き残ったのだから何かそこに引っ張る理由があるのかと思いきや、特にそんなこともなくあっさりと殺されてしまたお猿さん。一応死ぬ間際にウサギが使ったトリックはそれなりの説得力があるものだが、あのロケーションにうまいこと誘い出して猿に油断させる作戦だったのだとしたら、誘導できた時点で結構な実力だったということになるのでは。まぁ、鳥さんからもらった大量の鳥爆弾をフルスペックで操るっていうチートがあったからこその荒技ではあるのだが。ネクロマンチストとやらが能力に使用制限を持たないのだとしたらチートのレベルを超えてる気もする。蛇が動いてるのはセミオートみたいだから、気が向いた時だけマニュアルに変更できる設定なのだろうか。これ、猿まで仲間入りしたらいよいよ止められなくなる気がする。

 猿のおねーさん、結局色々考えた挙句にすげぇあっけない殺され方になってしまったのは残念至極。まぁ、これまでの犠牲者と大して変わらないレベルではあるのだが、ここまで一応ルールに抗って生き残ったりしていたのだから、もう少し爪痕を残して行くのだと思っていたが……強いて良かった点をあげるとすれば、「綺麗におっぱいを正面から貫かれて死ぬ」っていうのが多少なりともエロティックに見えないこともなかったこと。いや、でも俺そんな猟奇的な趣味ねぇしなぁ。今後死体が蹂躙されたらイノシシおばちゃんよりも興奮するかもしれませんね。

 羊の爺さんは……もう、あまりにも予定通りすぎるのでマジでいうことがないな。一応牛さんをちょっと誤魔化すための策は打っておいたよ、くらいがギリギリ老獪さを感じさせる部分か。結局彼が握っていた必殺爆弾ってなんだったんでしょうね。死んだ後に手からこぼれてた奴なのかな? でも、実力で劣ると思っていた虎相手に奥の手は出さないか? あれだけドヤ顔で説明してたのだから、今後何かで絡んでくる可能性はあるのだが……問題は倒したのが一番頭が悪そうな虎だから、爺さんの爆弾を再利用しようなんて発想が絶対浮かばないところなんだよな。あいつ、マジで「酔拳で超強い」だけのキャラなんだろうか。まぁ、純正武力で牛と渡り合えるなら今後の試合展開に多少は見どころを添えてくれるかもしれないけども。

 そして、今回めでたくタイトルクレジットをもらって一番登場時間が長かったのが、我らがチキンボーイ(馬なのに!)、馬さんである。回想シーンでの戦闘シーンがやたらシャキシャキしてて見応えがあった、なんてサービスはありつつ、その後はバランスを取るかのように狭い室内でただただ間抜けに驚き続けるだけのかわいそうな人。努力型だし、色々考えてはいたし、「いっそ負けないほうがいい」という発想はこの手のバトルロイヤルでは必ず登場してそこそこの勝率を稼ぎ出す陣営ではあるのだが……疫病神のネズミにたかられてしまったせいで、結局一番無残な死に方になってしまった。蛇さんは振動か何かで索敵しているようなのだが、殺したのが馬さんだってことは認識してるのかな? そもそも殺したとかいう意識があるのかもわからないけどさ。あと、ネズミが密室に侵入した方法もまだ闇の中。最終的に一番のキーパーソンはネズミに決まってるわけで、まだしばらく彼の能力は明かされぬままか。一人で頑張ってたお猿さんを馬鹿にしてたので素直にイラっとしましたけどね。

 次回、これまで一切活躍してない辰の戦士がようやく登場。……今更新しいパーソナリティとかあるんですかね。また思い入れがさっぱりない回想シーン流すのは勘弁やで。

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 また減らない、第5話。むしろ馬さんの生存が確定してしまったので増えたとすら言えるかもしれない。この調子でちゃんと最後の一人が決まるのかどうか……って思ったけど、まぁ減る時は一瞬でもいいわけだしな。既にモノローグ片付けてしまったキャラについては「死亡フラグの予約完了」くらいで受け取っておけばいいのだろう。

 順当にお当番が回り、次の担当は羊のおじいちゃん。CVがチョーさんのおかげで今までろくに出番もなかったくせに一発でキャラが固まっており、若かりし頃の活躍も全部チョーさんなのがちょっと面白い。少年役とかは流石に厳しいかもしれないが、このくらいの年齢幅だったら余裕で回せるよな。まぁ、36年前の大戦で優勝した時点で容姿はだいたい同じだった気もするけども。一体今いくつなんだ、あの爺さん。

 「老人」キャラということで、当然戦略はテンプレ通りに「老獪さ」を武器として戦う。いや、まだ戦ってすらいないのだが、少なくとも本人はそう言っている。じゃぁ以前の大戦時はどうやって勝ったんだ、っていう疑問もあるのだが、多分得意技の爆発物が功を奏したんじゃないかな。どう見ても宇宙ステーションでの戦いだったみたいだし、絶対的に不利なマッチメイクだったと思うんだけども(流石にステーションで火薬をぶちまけたら自分も死ぬだろう)。とにかく、過去にいっぺん生き残った実績を考えれば智謀知略以外の面でもそこそこ戦えるってことだろう。それでも本人が謙虚に自己判断をしているってことは、それだけ周りに集まった対戦相手がチート級ということである。

 他の戦士と違って情報収集を全く行っていなかった爺さんは外でどんな風に間引きされているかわからないまま作戦を練っており、すでに情報戦で遅れをとっている気もするのだが、そのあたりは経験に培われた勘でフォローできるという算段か。理想の連携先としてはイノシシおばちゃんや文字通りのかませだった犬さんあたりに目星をつけていたらしいのだが、その辺は片っ端から死んでいるあたりがもう「持ってない」。そして散々フラグを立てまくって「ランキング最下位」の虎との遭遇である。フラグについては比較的真面目に守ってくれる作品なので、十中八九虎に殺される展開になりそう。虎のおねーちゃんは、猿の奴が放棄した貴重なエロ要員でもあるので、是非頑張っていただきたい。干支の順番から考えても今後は善戦してくれるんじゃなかろうか。

 それにしても今回不思議だったのは、十二大戦のシステムそのものである。どうやらじいさんは「孫が出されるくらいなら」ってんで志願して二度目の参戦を決定したらしいのだが、それってつまり、「あの家」は毎回12年ごとに戦士を輩出しているということだ。そういえばイノシシの姉妹も同じようなこと言ってたし、鳥も「家柄が」云々は言ってた気がするので、毎回12の「家」が決まった状態で大戦が行われるというルールなのか。それだと、あんまり「世界中の国の今後を背負った代理戦争」としてのていをなしていない気もするのだが……ベットの対象だから問題ないのかな? どの辺りの人材が参加するのかがゲーム開始前に薄々分かっている状態では、大戦以外の部分から横槍が入りまくる気がするのだが(例えば試合前に仮想敵を買収したりはできそう)。あと、だいたい出場する人間に想像がつくということは、「番狂せ」が起こりにくい設定ということでもある。今回の兎やネズミの人みたいな「こいつ誰だ?!」っていう展開は、家が決まっている時点で起こり得ない気がするのだが……良くわからんルールだ。

 まぁ、とにかくそんな家から爺さんは死にに来た。大会のルールである宝石飲み込みをごまかすなんてこすっ辛い手も使っているな。すげぇ偉そうに「ワシは気づいておりました」って言ってたけど、あんな導入されたら誰だって毒物だってことは分かるよな。他の連中だって分かった上で問題ないと判断して飲み込んだだけで(イノシシもそんな感じのこと言ってたし)。「ワシ賢いんじゃ」って言ってる割には今のところ賢い要素がない、羊さんはさっさと退場して、どうぞ。

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 猿さん、山奥で修行してる時が一番可愛かった、第4話。なんであんなどうでもいいデザインのヘッドホンやら訳の分からないヘアスタイルに変身してしまったんや……。

 パターン覆りましたね。次回はどうなっているか分からないが、少なくとも今回は死者が出なかった初のエピソードということになった。さすがにあれだけ大見得を切って中心に居座った猿はそう簡単に殺されたりはしないか。しかし、今回たっぷりと30分かけて描かれた猿さんの人となり……思った以上に普通だったな……。てっきり「超高校級の交渉人」みたいにしてとんでもないネゴシエイトスキルでも持ってるキャラなのかと思ったら、過去に行った停戦交渉なんてすげぇ普通。一応戦争の規模を考えればそれなりに偉業だったのは間違いないのだろうが、そのあとの顛末のしょっぱさはメインを張るキャラとしては情けないレベルだし、過去3話で積み重ねてきた猿の評判が過大評価だったようにしか見えなくなってしまった。まぁ、ここで「普通の人間」っぽさをアピールすることでかえって生き残りフラグになったと見ることもできる訳だが……。

 そうした「仕事の上では割と常人」という猿の遍歴は、彼女が山籠りして三猿の下で身につけた驚異の格闘能力とのギャップもあってさらに際立つことになる。物質を自由に変質、解体するというとんでもない能力は、本人の言葉じゃないが、「自力で大抵の願いは叶ってしまう」代物。これだけの能力を持っているのだから、世界中の紛争地帯を飛び回って片っ端から悪の病巣を排除するような立ち回りだって出来たはずなのだが、今のところ彼女が仕事上でその腕を振るった描写はない。実のところ、宝の持ち腐れである。いや、とんでもない技を身につけたからこそ紛争地域にも平気で乗り込むことができるのだろうし、使わずとも意味のある武力ってのはあるだろうが、やはり彼女のいた戦場でこっそり指揮していたイノシシのおねーさんのような使い方の方がわかりやすいはず。それが出来ないという彼女の「性質」こそが、猿の最大の特徴なのだろう。前回鳥の人が完全にイカレてしまったことについて、「なんらかの猿の能力だろう」と思っていた訳だが、ネズミの分析によると「あまりの悪意のなさに毒されてしまった」ということらしい。うーむ、よく分からんが、確かに思想の面で彼女はあまりにも特殊すぎて、権謀術数を巡らせてなんぼみたいな生き方をしてきた鳥の人の理解を超えてしまったということなのだろう。そう考えると、あの子も随分偏狭な生き方をしてきたもんである。

 絶対無二の武力・度を超えた平和主義・そしてそれらを支えるにはいささか頼りない常識的な物言いという3本柱がなんともアンバランスに猿という一人の人間を構築している。そう考えると、これまた西尾維新らしいキャラクターデザインなのだと言えるのかもしれない。台詞回しだけでみたら全キャラ西尾風味だしな。しかし、そんな彼女も残念ながら彼氏持ち。まだ所帯持ちというわけではなさそうな様子だったので、あくまでも「理解のある男性と同棲中」くらいなのかな。だとしたら、彼女の「これもまた戦い」は完全に遺言であり、ちょっと形を変えた「俺、この十二大戦が終わったら結婚するんだ……」なので、普通に考えるなら彼女は助からないだろう。まぁ、ひねた原作者ならあえてそこをいじって来る可能性もゼロではないけども。

 そういや馬の人ってまだ生きてましたね。まぁ、すぐ死にそうだけど。

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 ぴかしゃは単にウーウー唸るだけのためにアフレコ現場に呼ばれたんだろうか、第3話。まぁ、今回で完全に消滅しちゃったので次週からはギャランティが発生しなくなっちゃったけども……。毎週しぶとく回想シーンで出てくるとかだったら笑う。

 今のところすごく素直に「回想が長いやつから死んでいく」というわかりやすい、わかりやすすぎる展開である。そりゃま、短い尺の中でキャラをある程度でも描いてから退場させなきゃいけないわけで、そうなると序盤に死ぬ面子はどうしたって「回想後即死」にならざるを得ない。しょうがないとはわかっちゃいるが、今のところ2話3話ではそのあけすけな内容のせいで、そこまで心惹かれる内容にはなっていないのが残念。どこかで西尾維新らしいヒネた展開が待っていることを期待したいのだが……どうかなぁ。

 「何か面白い展開が待っている」と期待するなら、考えどころは色々と転がっている。今回だけでも、例えば馬の行方は分かっていないので彼が生きて頑張っている可能性があったり。というか、ここまで素直に猪→犬→鳥と干支の逆順に殺されているのだから(そして次週で猿が退場しそうな予告だったのだから)、もうしばらくは「干支の逆順」というのを守ると考えるのが自然なんじゃなかろうか。もしこれがセオリーだと仮定すると、例えば辰巳兄弟になんらかのギミックがあるということになるし(蛇だけ最初に殺されてるのは順番的におかしい)、最終的に最強っぽい牛とキーパーソンっぽいネズミが残ることになるから割と自然。ただまぁ、そうなると今後の展開が全部決まっちゃうことになるわけで、かえってつまらないという見方もある。どうなりますことやら。

 とりあえず今回は、至極自然なカマトト佐倉さんがしっくりくる鳥のターン。「鳥類の使役」というのはシンプルながらも有益な能力であり、回想シーンでは戦時下でもやりたい放題やってる様子が描かれていた。今回の十二大戦においても、屋外でのバトルがメインになるなら充分戦局をコントロールできるだけのパワーがある。さらに犬の人の可哀想なドーピングによって本体も(一応は)強化されていたわけで、これまで通りの彼女のメンタリティが維持できていたなら、立ち回り次第で優勝してもおかしくなかったくらいではなかろうか。しかし、何故かその精神性に揺らぎが生じ、慣れない正面戦闘で瞬殺という、なんともモブくさい終わり方になってしまった。本人はドーピングのせいで昂っちゃったから、みたいな分析をしていたが、見た感じでは犬の人のせいではないような気がするけど。普通に考えると、地下道のあのシーンで猿に何かされてしまったってのがありそうな路線だよね。平和裡に殺す人だし、なんらかのマインドコントロールみたいな能力で自己防衛は図ってそう。最初にネズミから尋常ならざる実力者であると指摘されてた猿、単にフィジカルが強いだけじゃなく、怪しげな精神攻撃もできるとしたらそりゃ強いや(次回死にそうだけど)。

 個人的に残念なのは、冒頭でも書いたけどイノシシが完全退場してしまったこと。(キャストのおかげもあって)内心では「殺されたと見せかけてラストでなんやかんやあって復活する設定」みたいなのを期待してたんだけど、さすがに骨まで撒かれちゃどうしようもねぇや。まぁ、能力しょぼそうだったししょうがないか……。

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 なんやこれ……第24話。すごい、クライマックスって、こういうことを言うんだってことをまざまざと見せつけられた。

 これまで感想書いたことなんて無かったのだが、流石に今週は記録を残しておく必要がある。とんでもない回、とんでもないアニメだった。この「ハイキュー」は1期の頃から非常に動画の質が高く、スポ根ものとして120点の作劇が素晴らしいアニメなのだが、2期にもなったし、そろそろ慣れてきていい演出がびしばし出ても「まぁ、ハイキューならこれくらい出来るな!」とすげぇ贅沢な処理をしてしまっていた。しかし、事ここに至り、クライマックスを盛り上げるためにスタッフは更なる極限にまで情熱を注ぎ込んできた。元々ダイナミックな原作絵も見どころなのだが、それをフルに活かしながら、アニメーションが予想を上回る魅力をガンガン積み込んでいくあまりにも幸せな完成度。これ、昨今でも屈指の作画演出なのでは。

 最終決戦ということで盛り上がりは必然、これまでにも、京谷の空前絶後のスパイク、及川の轟くようなサーブなど、劇画タッチを上手く織り込んだ見せ方で1つ1つのプレイに迫力を持たせていたが、今回は最後の攻防戦ということで、全てのプレイが最高のクオリティでシームレスに繋がっていく。バレーボールの「ボールを落とさなければ負けない」というシンプルにして大上段にあるテーゼが何度もクローズアップされ、「落ちるか」「落ちないか」というその1点のみで嫌が上でも盛り上がってしまう。そこに少年漫画的な各キャラの暑苦しい気合いが全て飛び込み、全てのキャラが全力全霊、汗を最後の一滴まで振り絞っている壮絶さにまばたきすら許されない。案の定、コンテを切ったのは満仲監督その人である。今回は……魅せにきたなぁ。いや、お見事。

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 きゅんきゅんした、第3話。良いアニメだなぁ、原作読んでなかったことがむしろラッキーだったかもしれない。既読だとこういう筋立てのアニメはあんまり真面目に見られなかったかもしれないので。

 日々のアニメ視聴ノルマですさみきった心を癒してくれる一服の清涼剤。こういう「何気ない筋立て」でもぐっと掴んでくるようなお話が書けるのか、と改めて感心した次第。ホントにやってることは単なるおつかいイベントで、何一つ驚きは出てこないはずなのに、不思議と画面に見入ってしまうだけの魅力がある。「引き込まれる」というよりも、「自然に入ってくる」みたいな気持ちよさがある。どことなく「かみちゅ」に設定は似ている気もするんだけど、あそこまでエキセントリックな作風にならず、あくまで「普通の」アニメとしてこの風合いが生きるのは凄いことだと思う。確認してみたら割とスタッフが豪華なんだな。2話が森脇真琴演出、今回は池端さんの演出。うーむ、いいお仕事します。

 中の人も素敵なのだが、こういうまったりしたエピソードだと存在感が気になっちゃう(良い意味で)のが、狛犬役をやってた上田燿司。便利な役者である。

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クマーっと参上、特別編。アニメシリーズ最終話にして、番外編にして、ある意味クライマックス。こうしてみると、本当に球磨川は愛されてるなぁ。

 1期同様にシリーズラストは原作者西尾維新書き下ろしのオリジナルエピソード。しかも今回はめだかのめの字も無い、完全球磨川エピソードである。そりゃ力も入るだろう。冒頭ではいきなり安心院さんが初登場。CV水樹奈々はやや軽めの印象があるので最初はどうかな、と思ったが、ま、安定感はあるから悪いというほどでもないか。個人的には、原作で球磨川が負け、動き始めた後の悪そうな安心院さんはもっとエグいイメージだから、低音は低音でももう少しアクの強い声を期待してたんだけどね。「ざらっと」した質感が欲しいかな。

 で、そんな安心院さんがいきなりのメタ視点で視聴者に挨拶してくれるところから始まるのはいかにも人を食った脚本である。わざわざテレビ大阪名義で挨拶してくれたってことは、これって放送局ごとに違うバージョンで収録されてるってことだよな。来週のAT−Xでどうなってるか、今度確認してみよう。これ、製品版だと全バージョン収録されたりするのかね。さておき、とにかく安心院さんのナビゲーションで話が進む。彼女の手元には今回のお話の脚本、設定資料、監督によるコンテまでが全て届けられており、どうやら彼女主体で制作されたエピソードであるらしい。流石のガイナックスも安心院さんには勝てなかったようだ。しかし、わざわざ「グッドルーザー球磨川」の新作エピソードアニメを作ってくれるなんて、安心院さんもよほど球磨川が好きらしい。

 エピソードは当然、これまで制作された「グッドルーザー」のシリーズ同様、水槽学園での物語である。時系列的にはどこの段階かは分からないが、既に蛇籠さんは球磨川に敗北しているし、作中で一度須木奈佐木さんが球磨川の前であっちの人格を表にしている描写があったので、おそらくノベルス版よりも時代は後のお話だろう(ノベルス版では、球磨川は当然知っていただろうが、須木奈佐木さんは一応マスクモードでしか球磨川と対話していない)。ということは、既に安心院さんについては咲ちゃんも知っているだろうし、何人かのスキルホルダーが討伐済みの状態である。そこに、蛇籠さんといい関係だったらしい男の子、画図町君が復学する。「色を司るスキル」というのは一見大したことがないように見えるが、今回の使い方だとそこそこのものであるらしい。もちろん、アニメオリジナルってことで、漫画や小説では表現出来ないスキルをわざわざ用意してくるあたり、西尾維新のそつのなさが伺える。今回の顛末はアニメで描いてこそ真価を発揮するものであるし、球磨川の退廃的な思想を後味悪く残すのにはかなり効果的。「この時代のオールフィクションは『なかったことをなかったことに』出来ないんだから、色が無くなった世界はどうやってもどったんだよ」という突っ込みはあるものの、まぁ、多分安心院さんが何とかしたんだろう。ひょっとしたら「事実をアニメにするスキル」とかがあるんじゃないかな。

 安心院さんとのお戯れがあったので本編は本当に短いエピソードなのだが、球磨川がやるべきこと、そして咲ちゃんがやるべきことはほとんど全てやりきっているという、実に簡潔にまとまったお話。小説版の「グッドルーザー」は、西尾維新特有のあり得ないほど迂遠で鬱陶しい言い回しにいちいちイライラさせられるのだが、アニメの場合は鬱陶しいモノローグもなく、限られた台詞のみでずばずば話が進んでいくので、そこまでぶっ飛んだ話でなくとも、充分球磨川の嫌らしさが出ていて面白い。きちんと球磨川のマイナスの描写を意識しており、「起き上がるポーズまで気持ち悪い」とか、螺子の扱いが軽やかであるとか、アニメ独特のモーションの付け方も良いあんばい。これなら、3期アニメに突入してマイナス戦を展開しても充分楽しめそうだ(あるかどうか知らないけど)。パンツのくだりなんかもいかにも球磨川らしく、「女子のパンツが云々」言い始めた時には、おそらく原作ファンならば全員「いや、お前後々になって委員長軍団のパンツの種類まで指定して妄想してたやないか」と突っ込んだに違いない。健全な中学生男子だよ、球磨川君。

 また、そんな球磨川に突っ込みを入れる須木奈佐木さんのキャラも、アニメだと非常に映える。日笠陽子のキャスティングが見事にはまっていて、突っ込みの速度が気持ちいいし、表モードの可愛らしさと、裏モードの荒々しさのギャップも綺麗。理想を言うならエラーメッセージプレートを発動してるところも一回くらいは観てみたかったけどね。まぁ、アニメのみの視聴者からしたら「お前誰やねん」っていうキャラだからなぁ。咲ちゃんは後々のキヲテラエ時代のキャラも好きなので、是非そこまでアニメでやって下さい(4期か5期くらい必要かもしれないが)。

 そしてもう1つファンとして無視出来ない要素は、ほんのちょい役にも関わらず、水槽学園の旧生徒会メンバー全てがちゃんと台詞つきで登場したという部分である。しかも、なんだかキャスティングが豪華だ。悲運の女王蛇籠さんは、ここで使っちゃうのが勿体ない気もする中原麻衣。こりゃぁちゃんと球磨川との対決エピソードもアニメ化してもらわないと。その他、「退化論」の練兵さんは内山夕実、「四分の一の貴重」の花熟理さんは潘めぐみ、「賭博師の犬」の坂之上さんは高森奈津美、「下劣な大道芸」の般若寺さんは大久保留美である。ますますあのエピソードは制作して欲しい。やっぱり女の子が可愛い作品だなぁ、としみじみ思うのですよ。

 こうして全体を見ると、やっぱり球磨川の螺子アクションは非常にアニメ映えする。今回は球磨川中心ってことで特に螺子の回転をモチーフとした作劇が多くて楽しかったのだが、マイナスが絡んで来ると2期のアブノーマル戦みたいな真正面からの少年漫画対決だけでなく、精神性を孕んだいかにもこまっしゃくれた「めだかボックス」らしい内容も増えていくので、その都度どうやってアニメ画に落としていくのかを考えるのがとても楽しそうだ。是非とも3期でマイナス戦を実現させてほしいものである。もしくは、原作の方も含めて「リアルイーター半袖」っていうスピンオフを作るっていうのもあり。本編中ずっときゅぽきゅぽしてるだけでも不満は無い。スタッフさん、お願いします。

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一応最終回? 第11話。まぁ、予定通りの進行でしたかね。来週番外編っていう編成はここまでキツキツで展開してきたくせにどうなんだろう、とは思うが、もし最終回で今回のエピソードだとあまりにも尻切れになっちゃうからね、多少無理してでも最後の一本にせず、アニメ特典としてのうまみを出すっていうのは間違いではないんだろうな。

 一応アブノーマル編のクライマックスなはずの、めだかVS王土戦。ただ、都城先輩って登場の仰々しさのわりにはかの石動雷十太先生に負けず劣らずの噛ませ犬。原作でもわずか1話で絶頂から覆されるという醜態をさらしているわけだが、アニメでは更にカットされた部分が多いので得意げにしてられた時間はものの数分である。古賀ちゃんが犠牲になったのが可哀想なレベル。時間の割き方だけを考えたら、このバトルよりもめだかVS古賀戦の方が長かったくらいだしなぁ。分かっちゃいたことだが、これはこれで仕方なし。かてて加えて王土の過去エピソードも色々とはしょられており、彼の苦悩や失墜もアニメ視聴者にはよく分からないレベルになっていた気がする。彼が能力に「使われて」いたことを描写する回想としては、いささか物足りなかったんじゃなかろうか。一応、このバトルの見どころとしては、クライマックスでめだかを徴税しようとしたシーンからの怒濤の流れがある。泣きわめく王土を描いた荒々しい筆致はいかにもガイナックスな感じのざらっとした質感が気持ちの良い、力の入った作画。怯え叫び回るシーンで一番力を入れてもらえるっていうのが何とも切ない王様ではあるが、ある程度活躍してくれたんだからこれはこれでいいことにしましょう。

 その他、親友を傷つけられた名瀬ちゃんが身も世もなく泣いてしまうシーンなんかは「沢城みゆきの真骨頂」という看板を付けてしまってもいいかもしれない。一呼吸で空気を持っていってしまう存在感は流石。出来ることならもっと尺を長くして演技の幅を見せて欲しかったのだが、なんだか駆け足だったので勿体なかったな。ま、最近じゃあまり見られない「お兄ちゃんの助けを求める妹キャラなみゆきち」が見られたので良しとする。また、改神モードになって王土を圧倒するめだかちゃんは、1期ラスト以来久しぶりの「本気のめだかボイス」が聞けるシーンでもある。今期は中盤以降なかなか見せ場の無かっためだかちゃんであるが、こうして化け物を超えた強さを見せつけられたのだから、一応主人公としての面目は立っただろう。ま、アニメ最終話を持っていかれてる時点で面目もクソも無い気もするが……

 というわけで、次回は最終回、「グッドルーザー球磨川」である。しかも今回のためのアニメオリジナル脚本を西尾維新が書き下ろしているとのこと。1期最終話のオリジナル回も割と面白かったので、これには期待したい。キャスト情報が出たことから安心院さん(水樹奈々)と須木奈佐木さん(日笠陽子)が登場することは確定しているので、当然水槽学園でのお話になるだろう。先頃発売されたノベルス版の「GL球磨川」は、当初期待されていた「水槽学園を廃校に追い込んだ球磨川と須木奈佐木さんのバトル」では無かったので肩透かしをくらってしまったが、出来たらこのアニメ版でそのエピソードが見たいな。ほんのちょっと、ほんのちょっとだけなんだけど。あー、でも流石に30分でやれる中身じゃないのかなぁ。個人的には、水槽学園が舞台なら焼石さんに登場して欲しい。CVかな恵ちゃんあたりで。しかし、本編で出てきてもいねぇのにこっちで安心院さんが活躍するのはいかがなもんかなぁ。

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まるで少年漫画みたいだな。気付けば既に10話目、そしてラスト1話が今回も1期と同じくオリジナルの話数になることが判明しているため、事実上あと1回か2回で完結ですわ。一応今回のエピソードが、善吉とめだかちゃんが初めて対決するお話なので、この「めだかボックス」という作品を形作る上では重要なファクターであるのは間違いないだろう。

 今回は原作3話分の中身。しかし、ここまでの圧縮方式に比べると、そこまでキツめに押し込められていた印象はない。原作でも大ゴマを使ったり、アクションに重きを置いていたパートだったため、台詞の総量がそこまで多くなかったおかげだろう。名瀬ちゃんの時のように、明らかにアニメではこのパートに力を注いでいることが分かり、コンテは監督自ら担当しているし、いつもよりもアクションパートでの作画の質が高いようにも見える。何故かめだかちゃんに締め上げられている時の善吉の口元の動きなんかが丁寧に描き込まれていて面白かった。

 こういうお話を見ていて思い出すのは、「この作品の主人公は、結局善吉なのか、めだかちゃんなのか」という命題である。単純に考えるなら、タイトルが「めだかボックス」なんだから主人公はめだかちゃんである。安心院さんに「主人公だから」と太鼓判を押されて白旗を揚げられるなど、彼女が主人公であることは疑いようがない。しかし、ここでいう「主人公体質」っていうのは、あくまで西尾維新がひねて書いたネタの1つであることは気をつけなければいけない。「めだかちゃんを主人公にしためだかボックスっていう作品があるんだよ」という世界を、安心院さんが例の精神患いのせいで作り上げた結果、めだかちゃんはそうした「典型的なヒーローもの漫画」の主人公たりえるだけであって、結局ジャンプ漫画「めだかボックス」の主人公は、善吉なんじゃないかと思う。もっと正確に書くなら、善吉じゃなきゃいけないんだと思う。だって「少年」ジャンプだから。結局、ジャンプって過去を遡っても「女性が主人公の漫画」ってほとんど無いんだよね。熱血少年が主人公でないと、やっぱりジャンプ漫画として成立しない。

 そういう妙な視点から見て、1つの結論が出ているのが、こうして「主人公」善吉が「ラスボス」めだかちゃんと戦っているシーンだ。めだかちゃんはラスボスでありながらも「メインヒロイン」でもあるために、善吉は主人公として彼女と戦いながら、彼女のことを守るためにも戦う。そんな歪んだ構図が、一つの形でようやく落ち着くことが出来たこの作品の1つ目のゴールが、今回のエピソードだったんじゃなかろうか。だから、この後に控えた王土との対決なんて、おまけみたいなもん。今回のエピソードに力を注ぐのは、非常に正しいディレクションなんじゃないかと思う。やっぱり「友情・努力・勝利」なのだ。ちなみに余談だが、この後マイナス編を経てノットイコール編に突入することで、善吉は再びめだかちゃんと相対することになるわけだが、そこで安心院さんの力を借りてようやく彼が「主人公」としての地位を確立させる。その後の漆黒宴編では立派に主人公を勤め上げるが、現在進行中の不知火不知編では、めだかちゃんが「普通の少年漫画の主人公っぽい」活躍を見せているのがどこか歪んでいて面白い。めだかちゃんの非常に扱いづらいメタ的「主人公ポジション」についても、作者は色々といじりながら楽しんでるってことだろう。

 なんかアニメと関係無い話になったが、アニメの方は「ちゃんと原作通りにやってました」といえばそれで片付くから。一応、いくつかアニメでプラスされた要素を補足しておくと、たとえば原作ではこの時点で描きようがなかった「黒神家の内幕」について、いくらか詳しく(絵が)描き込まれている。めだかちゃんの実母(鶴喰鳩さん)はあまり具体的なシルエットが無かったが、実父(舵樹さん)はトレードマークのアホ毛などがちょっとだけ描き込まれていた。この時のめだかちゃんの独白には「母親はまるで、私を産むために生まれてきたような存在ではないか」という一文があるのだが、原作で明らかにされた鶴喰博士の野望のことを考えると、この説明は嫌というほどに的を射ていたことになるのがちょっと恐ろしい。

 そして、めだかちゃんの回想シーンということで、ついに、ついにあの球磨川禊が初台詞である。今回はショタバージョンの球磨川だったが、予想通りの緒方ボイスを披露し、短いシーンながらも圧倒的な存在感を見せつけている。この調子だと、今期は球磨川が本当に顔見せしただけで終わっちゃうんだなぁ。マイナス編(3期目)はアニメ化されるのかなぁ……売り上げがなぁ……。球磨川が「括弧付けないで」喋り始めるマイナス編クライマックスは本当に恰好いいので、あのあたりは是非ともアニメでも見てみたいのだけれども。

 あと、すげぇどうでもいい突っ込みだが、「1歳で黒神家にあった蔵書を全て読破して知識を蓄えた」はずのめだかちゃんは、何故「野球部が何をする部活か」なんてことを知らなかったんだろう。黒神家の書庫には「タッチ」とかは置いてないんだな。

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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