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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 メイガス三原則だのアシモフコードだの……第16話。どうやら今期は「ロボと人の在り方」を考えるための作品が複数存在しているようだ。ちな、そんな中でブレイバーンの野郎……。

 というわけでさよならノワール。いや、さよならしないかもノワール。存在抹消の可能性が示唆される中で、最近影が薄かった鬱憤を晴らすかのようにノワール可愛いエピソードをたっぷりと展開してくるという、なかなかに人の心がない脚本。すっかり街の人々にも受け入れられてマスコットみたいになっちゃってるノワールを描写することで、がっつりとノワールの「社会性」「人間性」を掘り下げ、「この子が消えちゃってもいいの? よくないよね?」ということを訴えてくる。まぁ、消えちゃっていいわけがないんだけど。

 意外なことに、この「ノワール消えちゃう問題」についてカナタは信じられないくらいに鈍感だった。序盤にミステルが経過報告をしてる時にやんわり「私が戻ってくるよ〜ってことはノワールは用済みになっちゃうよ〜」って伝えてるのに、カナタはさっぱりそれに気づかない。イストワール絡みの進展が大きかったんで舞い上がってる部分もあったんだろうが、ニブいにしてもなかなかに罪作りな態度。ミステルの話を聞いてた時にシエルはなんとなく察してたはずだし、ミステルの方だって実は案外いい奴なので「ノワール消えちゃうかもしれないけど、いいの?」っていう意味も含めて説明してたのに、全然そこを飲み込めてなかったカナタ。彼があそこでちょっとでも「あれ、でもノワールは大丈夫なの?」って気にかけてくれていれば、ノワールの「私が死んでも変わりはいるもの」みたいな思考にもブレーキがかかっていたかもしれなかったのだが。

 でもまぁ、1つのボディに2つの人格っていう状態が不健全だったのは事実なわけで……周りがどう思ったところで、ミステルだって権利を主張できる1つの人格。彼女が自分の意思を優先し、「本当の姿」に戻りたいと願うならそれを邪魔することもできない。仮初の姿にお別れを言い、超有能ゼロ型メイガスが復活する展開もある意味ではハッピーエンドと考えることもできる。それを許さない空気になっているのは、ミステル自身もノワールに気を遣ってる部分があるからなんだよなぁ。ミステル、多分いい子なのよね。彼女がなまじ気を遣ってノワールの存在を消し切れないからこそ、ノワールにも欲が出てしまっている。なんとか思い残すことがないようにと精一杯動き回った結果、さらに「ノワールという自己」の存在意義がどんどん掘り出されてしまい、どんどん「消えたくない」の方向に自我が傾いてしまった。

 ミステルが分析するには、ノワールがセーフティのくせにそこそこのスペックで動けていたのはミステルから容量を奪っていたせいだという。もしそれが事実であるなら、そんなことができるのは本当に一介の「セーフティ」であるだろうか? それだけの容量を使用するだけの権利が、ノワールにも与えられていたと考えられないだろうか? であるならば、1つのボディに共存するミステルとノワールの主従は未だ定まらない。最後の最後に抵抗を見せてしまったノワールは、一時的にボディこそ入れ替わったように見えたが、最後まで精神の部分は維持したままだった。ミステルにとっても完全に想定外のこの抵抗、単なるイレギュラーなのか、それとも「ノワール」という機体の元々の仕様なのか。

 ここまで見せられたら、もう視聴者目線ではノワールとミステルのどっちが消えても納得いかない状態になっちゃってるのだが……最終的に、どこに落としどころを見つけるんでしょうね……でもなぁ、鴨志田一脚本の中では、梓川かえでちゃんはケジメつけて存在抹消されてるんだよなぁ……。

 
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 意外にあっさり仮面オフ、第15話。流石にあの対話は仮面のまんまではできませんかね。いや、2人がどんな関係なのかはまだよく分かってないのだけど。

 久しぶりにがっつりメカ戦闘を展開した手に汗握るバトル回。しかも相手はあの黒仮面様ときており、カナタの大ピンチもなんだか久しぶり。カナタが黒仮面さんとぶつかってしまうことになった直接の原因は、イストワールへの手がかりをがっつり獲得して最短コースで真実に肉薄してしまったため。それもこれもにノワール(ミステル)という鍵を偶然拾ってしまったせいであり、黒仮面さんとしてはそんな面倒の種であるミステルをさっさと取り返し、カナタには余計な夢や希望を抱かないようにしてほしそうである。ただ、残念ながらそうなると仮面さん所属の組織・イデアールはカナタの夢と真っ向対立する存在になってしまうわけで……今回のような悲劇的な衝突は避けられない状況だった。黒仮面さん、こんな状況なのにそこかしこでいい人感を迸らせてるのがなぁ……登場シーンでメイガスにめっちゃ海鳥がなついてるの草。

 カナタたちがイストワールに辿り着けるか否かは現状ミステルにかかってる状態。彼女の持つ知識が最短コースなのだが、改めて確認しておくと人類が文明をぶっ壊されてから現在まで約150年ほど。流石にそんだけ経ったらどんな文明の遺跡でも機能しなくなっていそうなものなのだが……今回見つけたロケットの発射場、そしてそこに備え付けられたレーダーは動力を与えるだけで割とあっさり復旧した。すげぇよな。この100年以上で電力規格とかに変更はなかったんでしょうかね。そして100年以上前の機械がそのまんま動いたのも驚きで……まぁ、当時の人類の技術力が凄まじかったということにしておこう。実際、イデアール連中の装備を見るとかなり高次の技術力を持つのは事実だし、当時の人類はそれ以上か。

 そうしてあとちょっとでイストワールの存在が証明できそうだったところへの遠距離狙撃。わざわざあのタイミングで撃ってくるってことは、カナタたちの旅路ににはずっと帯同していたってことなんだろうね(前回のプールにも隠れてたんだろうか)。イデアール側の目的は今のところは「イストワール到達の阻止」だと思われ、そのためのミステル鹵獲計画。ただ、カナタさんの主人公パワーを前にギリギリまで時間を稼がれ、これしかないタイミングでのトキオの乱入を許してしまった。あのシーンで救援が入った時点で「誰が助けに来たんだー!? トキオか? 普通に考えたらトキオだな。でももうちょっと意外な人物が来てくれる方が面白いんだけどな! クラウディアさんワンチャンあるな! 大穴ランゲさんとかだったら株が爆上がりだぜ!」とか思ってたら一番つまんないトキオだった(そりゃそうじゃ)。でもまぁ、そこからまさかの黒仮面さんとの濃密な絡みを見せてくれたので、ここは彼しか果たせない役割があったということで。2人で盛り上がって一気に色々とぶちまけてくれましたねぇ……そのくせ肝心なところは何も教えずに逃げていきやがった。核心はまだ引っ張るか……。

 今回一番驚いたのはトキオの正体がうんぬんよりも「ムートンさん、情報処理系能力者でむっちゃ有能だった」という事実。トキオと2人で全裸だった時代もあったというのに……。


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 イストワールにつくまでにしたい100のこと、第14話。おばあちゃん、「虹を見る」はそんな大層な目的でもない気がするんですが……まぁ、なんでもないようなことが幸せだったと思う旅なんでしょうね。

 さぁ、後半戦の「イストワール探訪編」が正式にスタート(勝手に命名)。2期目に入ってパワーアップした要素は、ミステルが自由にノワールを前面化出来るようになったこと。まぁ、カナタ目線でそれが進歩なのかどうかは微妙なところだが……ただ、これまでだったら「高圧的なミステル別にいらんからずっとノワールでいてくれよ……」と思ったかもしれないカナタも、古い知識を蓄えたミステルから思いもよらぬ太古の記憶をじゃんじゃん出してもらうことになり、「こいつも役に立つじゃん!」とちょっと前向きに。さらに歴戦の猛者という側面もあるため、フィジカル面での強化特訓まで施してもらい、もはやミステルはカナタにとって師匠的な立ち位置にすらなってしまっているかもしれない。いや、旅の先導をしているので純粋に「リーダー」かな。そうなっちゃうと、もうノワールが出てくる理由もないんじゃないかって話になり……当然ノワールさん自身はなにも言わずにただそこにいるだけなんだけど、この状況で一番気ィ使っちゃってるのがエリーってのがさ、やっぱり彼女の優しさよね。あとはまぁ、カナタがこの状況をよしとするかどうか。

 ただ、こうしてこまめにノワールが表に出てくるようになった表向きの理由は「休眠したい時の代替品」だとミステルは言ってるが、もしかしたらカナタのことを気にしてくれてる可能性もあると言えばある。出現当初は心無いマシンの権化みたいに思われていたミステルだが、付き合ってみれば意外にノワールに繋がる部分もないわけではなく、ちゃんと人のことを考えてくれたり、人間の情意にも理解を示してくれている。このままだとカナタの中でメインヒロインの座が塗り替えられる可能性すらあるが……まぁそれは無いかぁ。「ノワールか、ミステルか」っていう2択でしか悩めない現状、蚊帳の外のエリーさんは引き続き不憫枠である。

 そうしてだいぶ活動が安定してきたミステルが提供した驚きの情報は、なんとイストワールが地面の下じゃなくてお空の上にあるというとんでもニュース。「200年前の人類は自力で月にも行けた」とのことで、全く想定していなかった高いお空を見上げることに。なんかこぅ、「はるか昔の人類が実は宇宙から主人公たちを見下ろしてました」っていう展開、完全にDr. STONEになってますね。ちょうど千空(の中の人)もいることだし……まぁ、こちらの世界では敵はイエスマンではなくて、割と近くにいる謎の組織なんでしょうけどね。シエルさんは現在どんな気持ちでスパイ活動を続けているんだろう。彼女がカナタに対して抱えている恩義は決してうわべのものではないはず。板挟みに悩むシエルに対し、声をかけたのはまさかのミステルだったが、彼女もまだシエルの真実に辿り着いたというわけではなさそう。おそらくこれから先の展開で真っ先に看破しちゃうのはミステルな気がするけど……現状でシエルも黒仮面も悪人には見えないのが先を読めなくしてるんだよなぁ。どこに辿り着くんだろうなぁ。

 
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 まさかの幕引き?! 最終話! 終わるんかい! そこで終わるんかい! ……まー、途中から薄々「コミックの巻数を考えたらどう足掻いても2クールで終わるわけないし……ひょっとして連続3クール作品なのか!?」とか期待したりもしたが、無情にもここでアニメはおしまい。現時点でどこを探しても2期の報は見つからなかった。

 どう考えてもここで半端に終わってしまったことはマイナス評価にならざるをえないのだけど、これだけどっしりした尺でここまで描いてくれたわけで、普通に考えたら2期の「完結編」は製作してくれるんじゃないかなぁ。その予定が1つもない状態でこのエンディングを提出したとしたら肝が太すぎるだろ。まぁ、過去にもそういう例が無かったわけじゃないのでここでほんとにアニメがおしまいの可能性もゼロじゃないのが怖いが……完結してる漫画作品の完結しないアニメは流石にどうよ。

 ヘルクとヴァミリオ(とアズドラ)の物語としてみれば、今回のお話はそれなりに「節目」になっているので「なんとなく最終回っぽい」という点に不満はない。特にここまでず〜〜〜〜〜っと眉間に皺を寄せていたヴァミリオ様が「晴れた!!!」とのことで、今まで見たこともないような軽快なステップとともに高らかに炎をばら撒いている様子は2クールもの間ずっとファンが待ち望んでいた姿であり、ここまでの2クールを「ヴァミリオが主人公の物語」としてみることができた。ヘルクだってもちろん主人公なのだろうが、そんな悲劇のヒーローを周りから支え、種族の違いも飛び越えて一番深いところで理解し合えるってのが今作の最大のテーマなのだろう。そういう意味では、ヴァミリオちゃんのはつらつ笑顔が見られたことが最大のハッピーエンドと言っても過言ではない。

 ただ、そこからちょっと目を離すとアスタとシャルアミがあの状態のまま完全放置だったり、島の魔女が何者だったのかがさっぱり明かされていなかったり、アニメ視聴だけでは絶対に解消できないフラストレーションが溜まりまくっている。これを解消する手段はアニメ2期を放送してもらう以外にないわけで……せめて嘘でもいいから「鋭意製作中」は欲しかった。「製作決定」だけでもいい。なんなら「クラウドファンディング開始!」でもいい(いや、それはよくないか)。でないと、とりあえず原作読んじゃうかどうかの判断もままならぬし……なんとかしてくれサトタツゥ!

 最後の最後にまたあのとぼけた空気が戻ってきて、ピウイが画面いっぱいに映るカットが増えたのも「らしい」も幕引きでしたね。今回わざわざ表に引っ張り出してきたのは、やはり最後の最後で人類の希望を握っているのがピウイであるという伏線……かどうかはわからない。あと地味に「あ、ちゃんと帝国四天王って(元々は)4人いたんだ」っていうのがヴァミリオちゃんの回想から判明したのも収穫といえば収穫。「なんで四天王なのに2人しかいないの?」っていう謎は、「すでに2人しか残っていない四天王っていう立場が、仲間をたくさん失ったヘルクと重なっている」という舞台設定だったわけだね。そんな身の上で一番苦しい「全部救う」という選択肢を選んだヴァミリオ様、やっぱ最強主人公ですわよ。ぜひ、ここから先もみんなで支えてあげてくれ。




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 さぁ、ぼちぼち最終局面、第23話。ようやくお話はヴァミリオとヘルクのところへ。こうしてみると、エルダ様に幕を開けた(?)エルフっ娘ムーブメントの1人としてヴァミリオをカウントすることができるんだな(個人の感想です)。

 シャルアミ・アスタの危機、そしてアズドラの敗北。いろんな戦局が気になってしょうがないが、それらをいったん差し置いてずっとお預けをくらっていたヘルクたちの様子へとようやくカメラが戻される。ヘルクたちも「長旅だけどあっという間だった」と言ってはいたが、こちとら随分長いこと待たされたような気がしてますよ。せっかく再会できたピウイにはまたすぐにお別れみたいな展開になっちゃったけど……今後、黒い騎士との対決みたいに再びピウイがキーになる展開があるんでしょうか。あったとしても意味わからんけど。ただ、ピウイの出身地であるあの島って、いまだに謎の存在である魔女さんがいた土地でもあるんだよね。実はめちゃめちゃ重要な何かを握ってる可能性も微レ存。ちなみにピウイも含めた御一行の中で、最後までヴァミリオの呼び方が微妙に安定してなくてちょっと笑った。多分ヘルクとピウイはずっと「アン(ちゃん)」呼びだったけど、サポートに回ったハルピィも夜の間は「アン様」って呼んだから「あれ、そこはアンで統一なのか?」って思ったら翌朝になってふつーに「ヴァミリオ様」って呼んでた。まぁ、ヴァミリオ曰く「四天王は一般魔族にあんまり顔を見せてない(アズドラがおかしい)」らしいので、もしかしたらハルピィの中でも「この人がヴァミリオ様でいいんだよね?」みたいな不安があるのかもしれん。

 そうして和気藹々とした楽しい旅路もついに終わりを迎え、人間の国にほど近い駐屯地でヘルクとラファエドが激突。ラファエドさんについては先週時点でもまだ「もしかしたら悪い人じゃないのかもしれないけど……」みたいな僅かな期待が残っていたのだが、今週の様子を見る限りでは大勢は変わらないみたい。そりゃミカロスに比べたらよほど人道的なことを言ってくれてはいるのだが、何かしら大きな目的があるのだろう。ヘルクのあれだけの苦悩と献身を見てなお、彼になびくことはなさそうである。まぁ、実の娘を悪魔の兵器に仕立て上げた時点で、彼に後戻りはできないのかもしれないけれど。そしてヘルクに対しての最終兵器である「彼女」の投入についても、ミカロスの提案をすぐに受け入れてしまった。もう、ヘルクと分かりあうことは出来ないってことだ。

 そうしてラファエドが全力でヘルクをつぶす決意をしたが、そこで注意を向けざるをないのが脇で支援するヴァミリオの存在。これまで彼女がフルパワーで戦う機会ってのは実はほとんどなかったのだが、いよいよ四天王の本領発揮か。そして彼女は圧倒的な武力もさることながら、まっすぐな信念と他人を思いやるその精神性も大きな強さ(これはアズドラにも言える)。下手したら打ちのめされたまま落ちていく一方だったかもしれないヘルクをすくい上げ、ここまで連れてきたのは間違いなくヴァミリオの手柄。ラファエドの漏らした「再び良い仲間に巡り会えたのだな」というのは、彼なりの素直な賛辞であろうし、そうして幾度となく友情を築いて立ち上がってくるヘルクを打倒しなければならない懊悩でもあったのだろう。一度へし折ってそのままであれば、ヘルクだって、ラファエド本人だって、こうまで思い悩むこともなかったのだろうから。

 それでもヘルクは立ち上がり、ヴァミリオはそんな彼を信頼している。帝国の最後の砦は間違いなくこの2人の友情の力である。人間サイドは、この心をへし折るためには手段を選ばないだろう。さぁヴァミリオちゃん、正念場だ。

 

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 総力戦、第22話。今シーズンは2クールアニメで真っ当にクライマックスに向かってる作品があんまりないので(これ以外だと、一応呪術は毎回クライマックスみたいでエラいことにはなってるけど)、素直に1つのゴールに向かってる感が出てくると俄然盛り上がってきますね。

 「1つのゴール」とは言いつつも、そこに向かう断片は相変わらず多い。そして、フェーズが動いたことによってこれまでとは違う側面からも変化が起こっているのが注目ポイント。今回の主役は、アズドラ、シャルアミ、そしてなんとエディル!

 アズドラさんはある意味では想定通りの立ち回り。全力でミカロスを叩き、ある程度はダメージを与えていたものの、相手は手段を選ばぬ外道である。最後の最後には極悪な切り札を用意しており、アズドラは大きな制限をかけられた状態で指導者としての判断を迫られることになってしまった。ミカロスの言う通り、たくさんの部下を守ろうと奔走したアズドラさんと、数多の部下を平気で切り捨て、むしろ武器として利用尽くしたミカロス。戦局は明らかであった。まぁ、一応まだアズドラさんが死んだと明示されたわけではないので、魔族のしぶとさを見せつけ、なんとか生き延びてほしいところではあるのだけど。

 一転、人間国の王城ではアスタがシャルアミを連れての脱出行。シャルアミは大人になっても変わらねぇな、と思って見ていたが、より図太く、よりヘンテコになっている部分もあるのかもしれない。それでも、何も分からないままに幽閉されていた城壁の中でも唯一過去の思い出だけは彼女を慰めてくれていたようで、ヘルクやクレスの名前を出す時の笑顔だけは本当に楽しそうに見えた。

 そしてそんな彼女がわざわざラファエドらによって幽閉されていた理由は……なんと彼女の能力にあった。本人もよく分からぬままに固有能力の「特定物質の散布」というすげぇ大雑把なスキルを利用されていたシャルアミ。おそらく今回のように幻術か何かで彼女の意思を奪い、覚醒物質の散布に利用したということなのだろう。彼女が覚醒せずに無事なままで幽閉されていた理由もこれでなんとなく想像できて、散布役の彼女だけは、すべてを失って覚醒兵や新世界生物になってしまっては都合が悪かったのだろう。あくまで彼女は「現在の能力のままで」計画の中枢に置く必要があったのだ。そして、それを企てて実行していたのはどうもラファエドさん本人だったように見えてしまうね……王がすでに傀儡状態なのは間違いないと思うのだが、今回ラファエドはきちんと王と「対話」しているように見えた。完全にお人形さんというわけではなく、ラファエド(とミカロスも?)が上に置いておく程度には、何かしら主君のようなものは存在している様子。……まぁ、新しい世界を作るための方便かもしれませんが。ラファエドさんが本当に悪人なのかどうかは最後の最後まで保留したいところだが、単にミカロスが極悪だから対比でそこまで悪くないように見えてるだけかもしれない。実の娘が、自分の能力でこの世界を作り出してしまったことに気づいたらどうなるか、親として考えはしなかったんだろうか。

 覚醒兵はそうして作られ、さらにミカロスの「解呪」によって新世界生物へと至る。この絶望的な状況に意外なところから希望の光をもたらしたのがなんとエディル君だった。ヒュラに対して並々ならぬ執着を持っていたエディルだったが、その執着が限界突破して感情は反転。いつの間にやら露骨に良い関係になるという、この緊迫した状況にあるまじき変な空気。こうしてギリギリのシーンでもどこか抜けたような雰囲気を残してくれるのも今作の良さだろうか。しかし、今回エディル君が受けた仕打ちを考えるとあまり笑ってもいられないが……でも、前からずっと「ヘルクが一目置いてる人間側で一番善人っぽいやつ」がここで術に抗っているというのだから、今後の彼のブレイクスルーはちょっと期待しちゃうよね。何より、ここでエディルが終わってしまったらヒュラさんが不憫で仕方ない。おそらく、今回ちらりと見えたエディルの「真の覚醒」の片鱗こそが、ヘルクたちが反撃に打って出る最大の鍵となりそうだ。なにより、もう1人の「ヘルクの最愛の仲間」が自我と覚醒の狭間で戦っているのだろうから……。

 そして次回予告では早くもヘルクとラファエドが対峙している様子が描かれていた。まずはシャルアミの扱いをはっきりさせてほしいところだが……流石にお父さんは娘を無碍に扱ったりしないよね。ね?

 
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 ドルーシさん、久しぶりの登場だったのに……第21話。せっかくこのタイミングで新技を披露したというのに、相手があまりに悪すぎて瞬殺だったのマジで可哀想。まぁ、ことここに至っては魔族全員が可哀想なのだけど。

 前々回がついにヴァミリオとの連絡がついた回だったのにその後ヴァミリオにターンが回らず、前回シャルアミの登場から人間国内の秘密が明かされるかと思ったらそれも今回スルー。ちょっとだけセリフがあったピウイも寂しそう。本当にいろんなところに場面が移って忙しいアニメである。今回は人間VS魔族の最前線と思しき「シン城」という場所が第1の舞台となり、人間軍の武器についに「魔物の使役」というパーフェクト悪党要素が追加された。まー、これまでも散々エグいことやってたので今更何を驚くものかという気もするが、「魔族はこれまで、魔界の瘴気や魔物から人間の国を守っていたんだぜ」という事実を知ってしまっていると、その魔物をけしかけて帝国を攻める人間という構図はほんとに畜生としか言いようがない。こんだけの窮地を演出されて、未だ焦らず対処できてるアズドラさんはマジでやり手だな。

 身代わりの計という、三国志みたいな作戦でミカロスを一旦は出し抜いたアズドラ。ミカロスは武力も相当なもんで、かつて勇者兄弟をいいようになぶったことからも基礎戦力は折り紙付き。そんな怪しげな魔術師を相手にも横綱相撲を崩さないアズドラさんの株は上がる一方。あのヒュラさんすら苦戦した相手に眉一つ動かさずに対処できるのはまさに四天王の貫禄。さらにそんなアズドラさんの過去の武勇伝もミカロス目線から語られ、帝国四天王が並じゃねぇことはよく分かった。きっとヴァミリオちゃんにも同じような武勇伝はあるのだろう。

 そして、その裏ストーリーとして語られる怪物・ミカロス誕生秘話。……いや、何がどうなあってあんなイかれたモンスターが生まれてしまったのかは厳密には分かってない部分もあるのだが……まぁ、ここまで人間サイドがやってきた悪さの根源は全部こいつだったと確定してしまっていいだろう。今更人間の王なんてもんが正常に機能してるとも思えないし。

 こうなってくると、前回シャルアミが登場したのは唯一残された最後のまともな人間、ラファエドさんを繋ぎ止めている何かを示唆するものだと考えるしかない。分かりやすいアイディアとしては、ミカロスが陰謀の片棒を担がせるためにシャルアミを人質にとってラファエドさんを脅迫しているとか、そういう構図に見えるが……どうなんでしょうね。結局、前回冗談半分みたいにしてシャルアミのところにたどり着けちゃった事実があんまり深刻さを感じさせないのだけど。

 事態の全容はまだ分からないが、「多分今のミカロスはすでにアズドラさんの手にも余るような状態なのだろうな」というのはなんとなく伝わってきた。今回のサブタイが「フェーズ2」なのだから、多分ここからさらに先へ進むプランは見えているはずだ。アズドラ・ヴァミリオの手に負えなくなった時に、果たして人間のヘルクが何かできるのだろうか……しょうがない、ピウイに頼ろう。

 

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 ここでシャルアミ!? 第20話。以前ちょろっと登場した時になんだかやけに気になるキャラだな、とは思っていたが(CVの影響もあるが)、まさかこんなところで鍵を握ることになるとは。いや、まだどんな鍵を握ってるかはさっぱり分かりませんけどね。

 前回、ようやくヴァミリオとアズドラの接続に成功し、いよいよ事態が進展すると思われたが、なんと今回へルクチームの描写は一切なし。さらにアズドラ軍も描かれはしたが、こちらも前回宣言した通りに「何もせずにただ持久戦」の構え。つまり、2つの局面が何一つ動かないという想定外の展開であった。魔族チームは順当に天使を返り討ちにしているが、天使の成長ペースがどの程度かが予測不可能なので、どこかでしんどくなってひっくり返される可能性が常に付き纏っているのが怖いところ。幸い、ヒュラさんの戦いっぷりなんかを見ているとまだまだ余裕そうではあるが……アズドラが「気になる人間がいる」と言っていたので、まだ天使勢にも隠し玉は残されていそうである。でもまぁ、こんだけ不穏な空気が漂っている中でも、常にユルい空気を忘れないのが魔族勢なんでそこはありがたいですけどね。ホンさんにちょっかい出して遊んでるアズドラさんかわいい。簡単に踊らされて慌てるホンさんがもっとかわいい。

 そして、2つの局面が動かずに唯一動いたのが、これまでもちょいちょい登場していた魔族軍スパイのアスタであった。彼女にここまでスポットが当たる回が出てくるとはね。いや、なんか同じような「隠れる→逃げる」を延々繰り返してただけのような気もするけども。あのいっぺん通りかかった書斎とかはのちの伏線になってくるんでしょうかね。あんだけ駆けずり回って、道中手に入れた情報って途中に天使たちが話そうとしてやめちゃった「最終フェイズ」のことだけだよなぁ。まぁ、もしかしたら建物の構造自体が何かしらの情報になっている可能性もあるけど。「人間界では特異すぎる規模の大建築」「過去に人間同士でこの城を巡って争いがあった」などの情報はどこにどう効いてくるのかはよく分からない。

 そして、そんなアスタさんが最後に辿り着いたキーパーソンこそがシャルアミ。幼少期から様子のおかしな子ではあったが……それは大人になった今でも変わらないようだ。……大人に、なってるよね? へルクたちに初めて出会ったあの頃からあんまり変わってないようにも見えるのだが……ただ、やはり不思議なのは彼女が未だ覚醒に至らずにのほほんとしているという事実。まぁ、ラファエドの娘なら彼から何かしらの特別待遇を受けて覚醒の雪の被害を受けずに済んだという可能性はあるのだが、だとしてもあんな妙なところで幽閉状態にされている意味もよく分からない。父親目線で、「娘を無惨な天使の姿にしたくない」は分かるけど、その後の処置として天使たちに面倒を見させて軟禁状態ってのはいいんだろうか。他に方法がないとかかなぁ。でも、幽閉されてるシャルアミ本人に全く危機感も緊張感も無いのが解せないんだよな。あれはもう、この子の持って生まれた性格からくるものなのか……。謎は深まるばかり。

 まぁ、調子のはずれたヘンテコゆみりキャラがたっぷり堪能できたのでそこはヨシとしましょう。次回予告はかなりシリアスめの人間勢、そしてアズドラさんあたりの姿が。「フェーズ2」ということで、ぼちぼち天使軍団に大きな転機が訪れそうである。

 

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 夜明けとともに、第19話。よかったよぅ……この空気が帰ってきてくれた……正直ここ数話は話の内容もあってかなりしんどかったので、色々と元通りになってくれて本当に嬉しい。

 まぁ、冒頭はまだ回想シーンの残滓みたいなものが残ってて鬱々要素はあったけども。最後に確認したのは、多分今作におけるラスボスはやっぱり平川さん……じゃなくてミカロスなんだろうな、という部分。ラファエドさんも敵国中枢に残り続けてはいるんだけど、彼の振る舞いはやっぱり悪役のそれではないんだよね。どうせ王はもう傀儡なんだろうし、裏で全てを仕切ってるのは多分ミカロス。存分にゲスっぷりも披露してくれており、今作のハッピーエンドは奴をぶち殺すことでしか訪れないということだろう。ヘルクは怒りの矛先がはっきり分かってかえって良かったんじゃなかろうか。あとはアリシアさんが万に一つの可能性として「正常に」取り返せる場合があればベストだが……普通に考えればそれは望みすぎなんだよなぁ。エディルみたいな状態で戻ってきてくれたらワンチャンあるかもしれん。

 てな諸々を全てへルクが語り終わったところで、ちょうど夜も明ける。ヴァミリオちゃん目線からも改めて「1話のへルクがこっから出てくるのだな」ということを確認しつつ、お互いにようやく胸襟を開いて話すことが出来た。へルクからは勇者殺しが託され、ヴァミリオからは自分の正体という新事実を暴露。今までなんの疑問も持たずに「管理委員のアン」を信じてたヘルクもすごいのだが、とにかくまるまる19話を費やして主人公とヒロインの友情タッグ成立である。このシーンが見たかったのだよ。これでいいのだよ。待った甲斐もあるってもんですわ。

 ヴァミリオちゃんも久しぶりだったけどピウイが喋ったのはもっと久しぶり(ホンさんはもっともっと久しぶり)。いつもの空気が戻ってきて、今作特有のびみょーにズレたゆるい空気も久しぶりに出されたから美味しい美味しい。ちなみにオープニング映像に映っててずっと気になってた「鉄道」だが……特に意味もなくしれっと出てきて出番が終わったな。まぁ、ピウイが楽しそうだったのでよしとするか。

 ついにアズドラとの接続も復旧し、へルクとヴァミリオという最大戦力がいよいよ投入されることになる。アズドラのしたたかさには舌を巻くばかりだが、こうでもしないとへルクとヴァミリオのフル回転の活躍が見られないだろうからね。さぁ、人間たちがあれだけ抗っても勝てなかった天使の攻勢に対し、ヴァミリオたちはどこまで巻き返しを図れるのだろうか。

 ……ところで、「帝国四天王」ってあと2人誰なん? そもそもいるのん? 今期は別作品で「四天王だけど3人」ネタをすでにやってしまっているが……。

 

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