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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「銀河特急ミルキーサブウェイ」 ―

 おすすめされて不覚にも観てしまったので、ご報告代わりに。正直、「YouTubeで配信してるショート」って毎週おかっけるの煩わしそうだし、自分のポリシーからはみ出るので積極的に観ようとは思ってなかったのだが……何の因果か、ふつーにYouTubeザッピングしてたら候補に出てきてしまいまして。「これ、こないだ勧められたやつやんけ、流石にここまできたら試しに摘んでみるか」って摘んで……現状では3話まで配信してたもんで一気に見ちゃいましたね。いや、一気にっていっても10分そこらなんだけどさ。

 確かにこの謎の空気感はクセになる。何がすごいって、ショートだしギャグなのに、別にアニメとしてショボくは無いんだよ。密度の高いCG描画にあんまり不自然なところがないし、キャラデザの個性もしっかり立ってて見やすい。中国系のアニメでありそうなデザインだけど、ここまで馴染むのはやっぱり日本製だからなのかしら。これ、ほぼ個人制作みたいなノリの作品なのね。今の時代、どこから伏兵が現れるか全く予測できないからほんとに怖いね。まぁ、なるべく伏兵に出会わないように気をつけてるわけだけども……。

 映像とネタ回しが悪くないことは大きなプラス評価にはしてないんだけど、個人的に大幅加点要素になってるのは当然中の人である。1話目はまだ「ダルそうなみかこし最高やんけ」の方に目が(耳が)いってたんだけど2話、3話と続いていくとメインキャラの2人、特に寺澤百花の無気力ギャル口調がどんどんクセになっていく。元々寺澤百花は「ユーフォ」で出会って「負けイン」で大きく印象を更新した役者だったが、ここでも独特な舌っ足らずの発声が実に良い塩梅。相方の永瀬アンナもさすがの呼吸。多分このメイン3人の掛け合いが見たいっていうだけで追いかけちゃいそう。

 
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○「怪獣8号(第2期)」 ―

 正式なスタート前に特別編とか番宣番組とか挟んだもんだからだいぶスタートが遅れたが、ようやく第2期スタート。1期が12話だったけど、2期は何話になるんでしょうね。

 1期であんまりのめり込むことがなかったジャンプ漫画なので、2期だからとてそこまで心躍るものになっていないのは残念だが、基盤部分のクオリティは相変わらず高い。再開1発目のエピソードはその名に恥じぬド派手な怪獣討伐シーンもあり、「この方向性でしっかり舵取りしてくれればいいんだけどなぁ」という期待と不安が入り混じっている。1期はさぁ、最終的にあんまり「怪獣」らしさが無くなっちゃってなぁ。ジャンプ漫画は結局能力バトルに帰着しないとダメなのか……とがっかりしたもんである。

 2期目でその方向性が是正されるとも思わないので引き続き半信半疑で見守ってはいくが、せめて何かしらすっきりする感覚が得られるようなまとめ方を期待したい。

 
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○「ぬきたし THE ANIMATION」 6

 作品に敬意を表するなら点数も69点とか4545点とかにしなきゃいけないんだろうけど、記録がバグるので精一杯の敬意を持ってこの点数とする。「やらない愚図よりヤる阿呆」ということで、まずもって放送が開始されたことを寿ぐとしよう。

 いや、もちろんエロゲー原作ということで詳細はよく分かってないのだが、このタイトルは各所で話題にもなっているので断片的な情報は耳にしており、その特質についてもなんとなくは理解しているつもりだ。我が家はワンランク上のアニメ専門チャンネルがあるので当然「青藍島ver.」での視聴となっているが、今作はおそらく地上波で観る意味はほとんどないんじゃなかろうか。いや、むしろ逆か? ここまできたらもうなんていらないからピー音だらけの音声を聞きながら心の目で観ても一緒か? まぁ、その辺りは各々の視聴環境で判断していただきたい。

 基本的に「エロゲアニメ」というものにあまり価値を見出したことはない。「わざわざ地上波のような制限されたメディアに出てきて半端なものを見せるくらいなら、R-18のフォーマットの中でのびのびやってくれた方がいい」と思っているためだ。本作もそうした視座には立ちつつも、流石に……これをアニメ化したその並々ならぬ労苦については評価せねばならないだろう。なんでアニメ化しようと思ったんだよ。まぁ、話題作だからだけども。しかし、無理だと諦めずに作りきったのはほんとすごいと思うよ……そしてまだ我が国にはこの作品を放送できる受け皿が残ってるんだな……僕ァそれがいいことだと思うんだ。いや、別に「エロくてばんざーい!」とかじゃなくてね。そもそもこのアニメをおかず目的で視聴する人間は普通はおらんやろ。

 作品の特色と言える「男子中高生が全力で考えたみたいなアホなエロネタ」はやはり突き詰めたが故の鋭さがある。もはやここまできたらエロがどうこういうレベルではなく、伝統的な話芸であり高尚なレトリックの1つである「地口」を極めたダジャレの極地。インテリジェンスに富む紳士であるならば、ゆったりとアフタヌーンティーでも嗜みながら、この作品を鑑賞して溢れ出る知性と痴性を堪能できるに違いない。まー、どこまで行っても「バカギャグ」でしかないのでコメディの宿命として合う合わないの問題はあるだろうが(そしてこの作品はその差があまりにも厳然として表れるだろうが)、幸か不幸か私は面白いと思っちゃう側の人間。今後とも、制作スタッフの血の滲むような努力の結晶を見届けさせてもらうつもりだ。何がすごいって、こんなアニメのくせしてクオリティは割と高いんだよ。制作のパッショーネはこないだまで「異修羅」とか「片田舎のおっさん」作ってたとこなんだぜ。そりゃ動画だって荒ぶるってもんさ。監督に長山延好というのも良いチョイスだろう。すいも甘いもエロいも噛み分けて、良い落とし所を見つけてくれることを期待したい。

 あとは普段なら中の人の話になるわけだが……「表の」声優としてはっきり認識できるのは石上静香と三宅麻理恵くらいか。まぁ、こちらの作品は裏名義でのクレジットはなさそうなので純粋に「そっちジャンル」の役者さんが多いと思われるが……別にだからとて質が落ちるとかいうことでもないしな。なんか「喘ぎ声音声専門」みたいなチームがありそうなのがちょっと笑う。「孕めオラァ専門」もいるかもしれない。

 そしてなんといっても主人公役の柳晃平と石上静香の結婚報告な。流石にタイミングも何もかもが完璧すぎて「このアニメのプロモとして結婚してるのでは!?」みたいな失礼な発想すら出てきてしまう。こういうことができるあたりが石上静香の強さよなぁ。「ダイミダラー」「しもせか」、そして今作と3つとも全て主演って、もはや業界の名誉ヨゴレ担当すぎる。

 
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○「うたごえはミルフィーユ」 6

 マクドナルドのパチモンの最大手が「ワクドナルド」であるのと同じように、YouTubeのパチモン最大手って多分「MeTube」なのだろうな、ということをふと考えました。

 前々からCMなどでちょくちょくタイトルだけは目にしていた作品がいよいよアニメ放送開始。アイドルアニメが業界を席巻し、ここ数年でさらにそこに「バンドアニメ」という黒船が来航。数多の声優に音楽活動を強いてきた流れに、さらに新たなジャンルが登場。奇しくも、前クールでは「歌がなくて楽器だけ」のインストバンドアニメがあったわけだが、こちらはその裏を突くように「楽器無しで歌声だけ」のアカペラ歌唱作品の登場である。

 考えてみりゃアニメには「声優」という素材が常に寄り添っており、それを活かす方向性として「声だけの表現」というのはそこまでおかしな発想でもない。アカペラ専門の作品が出てくるには遅かったくらいである(もちろん、声優がみんなして歌が上手いわけじゃないのは重々承知してるけどね)。そして、少なくとも1話目では「なるほどこれは確かに」と納得できるだけの説得力はあった。インストバンドも悪くない、そして、アカペラだって悪くない。

 もちろん、アニメとして放送するからには単なるアカペラライブだけでは始まらない。ちゃんとキャラを作って、シナリオを作って、世界を作る必要がある。本作はシンプルに「部活もの」のデザインをとって女子高生にアカペラをやらせる流れだが、「ふつーの女子高生」というには随分極まったイロモノたちが集まっており、1話目時点でのキャラ立ちは充分だ。特に突き抜けているのはやはりメインヒロイン・ウタだろう。「突き抜けた自己肯定感の低さ、ネガティブ思考」という主人公像のはオタク向けのメディアではちょくちょく登場するものだが、この子は一応現代社会を生きている「リアルな女子高生」であるべきなのに、あまりにもキャラとして突出している。冒頭からしばらく続く「リア充の巣窟すぎて軽音部に全然入部できな〜い」のあたりはギャグとしてもクドすぎるんじゃないかとちょっと心配になったが、その後の部室に引き摺り込まれてからのメインキャラどうしの会話は、「こいつ、マジでこれまでの十数年間をこのマインドで生きてきた、魂レベルでのネガティブ野郎なんだな……」というのが伝わってくる凄まじいものだった。ネタとしての完成度が高く、不覚にも「あんたは?」「低レベルです」のくだりで爆笑してしまった。なんやねんこいつ。さらに部員のイケメン風先輩もキャラが強い。全体的に、今後この部活なら色々と面白い絡みが発生しそうだという期待が持てる導入だった。

 映像についても大きな不備はなく、お話にも歌にも入っていくのに支障はない。制作の「寿門堂」はあまり聞いたことがないスタジオではあるが、佐藤卓哉が総監督を務めるというのである程度の安心感はあるし、スタジオが元請作品を1年以上発表していなかったということで、おそらく今作にかなり時間と労力を割く布陣になっていると思われる。きっちり走りきれるんじゃなかろうか。

 そして注目すべきはやっぱり中の人。このプロジェクトのために集められた人材であり、特に主役のウタ役の子はこれが事実上のデビュー作。なかなか面白いお仕事を見せてくれそう。部長先輩役の人は実写ばたけからの引き抜き、そしてキラッキランランな現役プリキュアの中の人もいる。やっぱ松岡美里のハスキーボイスはこのくらいの音域の方が安心するよね。どこか花守ゆみりを思わせる低音の使い方はクセになります。キャスト表をみるとここにメロロンも加わるらしいので、だいぶきみとアイドル。

 私としては追っかけなきゃいけないプロジェクトを大きく1つ抱えてしまっているのであんまり「アカペライベント」とかまでは追えないとは思うが、せめてアニメ単体では楽しませてもらいたい。

 
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○「ふたりソロキャンプ」 4

 ただでさえスケジュールがずれ込んでんのに、こちらの作品は久しぶりに「読売がサボりやがるから」という理由でどんどん視聴が遅れてしまった作品。関東圏ではすでに2話目が放送されてしまっている日程である。

 一応AT-Xを利用すればもっと早く追いかけることもできたのだが、まぁ、そこまでする必要はない作品かな……という予断はあった。実は原作ちょい既読。毎度お馴染み電書試し読みパターンで、こちらは2巻だか3巻くらいまでは読めたんじゃなかったかしら。そこまで読んでるってことは、原作漫画の方は割と嫌いじゃなかったんだと思う(すでに何年前に読んだかも覚えてないので微かな印象でしかないが)。そんな作品なので、別にアニメに期待してなかったわけではないのだが「まぁ、そこまで爆発力があるわけでもないしな」ってんで多少放置しても問題ないと判断したのであった。

 で、実際あんま問題なかった。んーーーアニメとしてはあまり出来がよろしくない部類じゃないかなぁ。「なんとなくキャンプ」「なんとなくメシ」という流れは前クールの「飯・旅」三連作のおかげで若干食傷気味というのもあるが、今作は一応おっさんが(おっさんも)主人公ということで、より純粋に「キャンプ」に焦点を当ててかなり絞り込んだ内容。それこそ「ゆるキャン」以上にキャンプオンリーの作品と言える。そして、そんだけ絞り込んだら純度が増し、アニメとしての表現の幅も限られることになる。もちろん、「ゆるキャン」は良いアニメだったのだからこのテーマが即ちダメということにはならないのだが、すでに先人が爪痕を残したジャンルということは、今作はそれを超えるだけの「より高い純度」で勝負するか、何かしらの付加要素で飾り立てて勝負するしかない。おそらく制作側が選んだのは(当たり前だが)前者の方である。

 その結果、なんとも地味な作品になってしまった。基本はラブに主軸を置いているので男女の関係性の機微に一喜一憂できるだけの感受性がこちらにあれば話も変わってきたのかもしれないが、こちとら「勝手に盛っとれ」としか思えない性根のため、目につくのは作画部分の頼りなさ。制作はSynergySPで、しょーじき1話目からあまり絵に魅力はない。原作を読んでる時はサクサク読めるし女の子はそれなりに可愛いしで少なくともネガティブな印象はなかったはずなのだが、アニメはアラの目立つクオリティになってしまい、そんな絵でジリジリしたキャンプの夜の風景を見せられたとしても、どうにも魅力には繋がりにくい。まー正直これ以上にアニメでやれるかと言われると難しいところではあるが、残念ながら「あたり」の作品にはならなそうである。

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○「気絶勇者と暗殺姫」 5

 なんかこぅ……「マダミスのハンドアウトみたいなキャラ設定だな」って思いましたね。マダミス界隈、勇者が死ぬシナリオ山ほどあるし、各パーティメンバーに裏の顔があるなんてのもお馴染みなので。今作が唯一マダミスと違うところは、シンプルに「勇者が死なない」とこですね。

 なんとも珍妙な設定を思いついたもんである。勇者を中心としたファンタジーなのでてっきりなろう発かと思ったが、確認したら漫画原作とのこと。そりゃね、「Lv1魔王」とか諸々、勇者・魔王の設定なんて元々漫画作品に多かったやつですからね。当たり前といえば当たり前なのだが、昨今のアニメ事情を踏まえるとなんだか新鮮な気持ちにすらなってしまうのはだいぶ病状が進行している。

 ぶっちゃけ、アニメーションの質はそこまで高くはない。ただ、制作のCONNECT(現在はSILVER LINK傘下)は「望まぬ不死の冒険者」などを担当したところで、意外と平均値は低くなく、「そこそこ安定」くらいは期待していいスタジオだろう。映像クオリティが「高くない」とは書いてしまったが、全体的にチープな印象になっているのはどちらかというと動画部分よりも基盤となるキャラデザの方に理由があり、バトルシーンなどの作劇を見れば意外とアニメとしてはちゃんとしている。キャラの造形が受け入れられるなら、このまま視聴モチベは維持できそう。

 あとはシナリオラインの問題。1話目時点でメインヒロイン3人は互いに手の内を全部明かしたし、どーせこの勇者が死ぬなんてことはあり得ないわけで、実質的には勇者という舞台装置の周りで3人の女の子がどったんばったん大騒ぎするコメディということになるのだろう。であればキャラの個性が浮き立ったこの設定は案外嫌いじゃない。できればあんまり勇者とのラブ要素を押し出しすぎず、女の子3人できゃっきゃうふふ(殺伐)しながら楽しい冒険ギャグを展開してくれるとありがたい。3人が3人とも全然別な方向性のキャラなので、絡みで何が起こるか予想できないところは興味を惹かれる部分である。

 あとはまぁ、中の人でしょうね。一番スッと入ってくるのは殺し屋・アネモネ役の上田瞳。まぁ、いつも通りにガラの悪いところを見せてくれればOK。魔王の娘・シエル役は「処刑少女の生きる道」でメインを務めた佐伯伊織。正直まだイメージは固まってないのだが、分かりやすく両面性のあるキャラなので演じるのは楽しそう。そしてなんと言ってもエロ踊り子・ゴア役に白石晴香。今期は「勇者殺し」だったり「死んだ勇者」だったり……相変わらず八面六臂の大活躍ですわ。遠慮なくエロいことやっていいのよ。

 
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○「SAKAMOTO DAYS(第2クール)」 ―

 いきなり作品と関係ない話で恐縮だが、どうやら今期はかなりやばいクールになりそうである。新番チェックの波が過ぎ去れば多少は落ち着くかと思っていたのだが、ご覧の通り、放送と視聴のラグが現状ではかなり大きい。なんかね、レコーダーに溜まったアニメを、観ても観てもじぇんじぇん減らない。前にもこんなことがあったから「もしや?」と思って確認してみたら……どうやら今期、最終的に視聴可能なアニメは70本を超えるらしい。一言でまとめるなら「異常事態」である。速やかに視聴番組の取捨選択を行わなければ生活の破綻は免れない(現状が破綻してないとは言ってない)。そして一番の問題は、今期のアニメ、今のところ積極的に視聴を辞めたい作品があんまりない………………今期もN話切りがどうなっていくか、注視していく必要があるだろう。

 で、なんでこのタイミングでそんな話に触れたかというと……「これまでジャンプ漫画だというだけでなんとなくダラダラ視聴を続けてきた枠にも、聖域無き改革が必要なのかもしれないな……」と思ってしまったから。今作については、正直言って「あんま刺さらなかったアニメの2期」でしかない。まー、幸か不幸か、取り立ててクオリティが低いってほどでもないのだろうが、かと言ってどっか盛り上がるタイミングがあるかと言われると、ぶっちゃけ無い。ふつーのジャンプ漫画だし、対象年齢は真っ当に「少年」だろう。それにしたってややベタの度合いが高く、積極的に視聴を続けたいと思うモチベがあんまり無い。

 改めて再開したエピソードを観ていて感じたのは、「どうにもキャラの弱い作品だな」ということ。テーマが「殺し屋」なので一見すると頭のイカれた愉快な殺し屋たちがいっぱい出てくる作品に見えるのだが、その実、大半のキャラは「殺しをなんとも思ってないクレイジー!」みたいな売り方が主で、1人1人のバトルが映えるとか、背景に魅力を感じるとか、そういうキャラがあんまりいない。味方サイドにしても、シンやルーってそこまで個性が活かされてる印象がなく、「最強と祭り上げられてる坂本とその取り巻き」くらいの印象しかない。まぁ、その状況にテコ入れするために再開一発目がシンの覚醒エピソードだったのかもしれないが……。さて、視聴を続けるべきか否か。


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○「帝乃三姉妹は案外、チョロい。」 5

 「案外」の意味を辞書でちゃんと調べてから出直してこいよ、とは思うが、まぁ、ラブコメなんてこんなもんである。

 やぁ、最近だんだん自信がなくなってきてるP.A.WORKS大好きおじさんだよ。なんかね、最近のP.A.は原作付きの作品でも手堅く作ったり、オリジナルでも意外に丸い作品を作ったりと相変わらず単体でのクオリティは高いんだけど、かつてのようなフロンティアスピリットというか、アクの強さみたいなものがあんまり感じられない気がしててちょっと残念なのだよな。まぁ、無いものねだりの贅沢思考だとは思うのだが……おかげで今作がP.A.の制作というのもちょっと憎たらしい感もあるのだが、まー、出てきたものをおとなしく受け入れるしかないのです。

 タイトルからも分かる通りのハーレムラブコメ。原作はサンデー漫画らしいのだが、今期の並びだと「かのかり」「カッコウ」と並べてマガジンラブコメと一緒くたに処理してしまいそう。前クールの「紫雲寺家」に通じる部分もある気がするし、単純に「性格の違う姉妹丼」というだけで「何等分する気だよ」とも思ってしまうが、まぁ、古来よりラブコメのテンプレなんてこんなもんだ。潔く三姉妹を「別ジャンルでの天才」というステータスで割り振ってしまったのも、導入に最小限の労力しか使わずに済むのでありがたいといえばありがたい。「ジャンルが異なる三姉妹もの」って、考えてみりゃ「甘神さん」が一番近いのか。あれは最終的にそこそこ好きな作品になったので、今作だってどこで好感度が振れるかは分からないですね。

 現状、三姉妹の傲慢さがどうにも鼻につくのでキャラの印象としてはマイナススタートなのだが、その分主人公の身も蓋も無いキャラ設定は潔くてむしろ好感度が上がっている。「才能がない」と評されてるあたりはなろう的成り上がりフレーバーを感じもするが、もともと「親が天才」という設定なら好きなとこでちゃぶ台ひっくり返せるから実に調子のいい設定である。そして、本人にその後ろ盾の強さが理解できているのかいないのか、「家事手伝いしかできない下っ端男子」というスタンスのくせして、あまりヒロインたちに対して卑屈になりすぎず、やりたいことはずけずけやっちゃうあたりは近似作品とは異なる変な流れもあるような、ないような。今後はこの主人公のムーブ次第でシナリオ全体の好感度も大きく変わってくることだろう。まぁ、最大の課題として三姉妹の「天才っぷり」を描ききれるかどうかってのがあるので、あまり期待は高めにおかないようにはしてるが。

 
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○「週刊ラノベアニメ」 ?

 ごめんね、評価の仕方が分からないや。なんか、よく分からんプロジェクトが始まったぞ。

 視聴中はとりあえずぽかーんだったのだが、CM中の情報なども集めて、さらにWikiも確認したので知らない人のためにまとめていくと、こちらは複数のラノベ作家によるオリジナルストーリーを、スマホで隙間時間に楽しむような「ショート形式で」「縦型配信画面で」お送りする新たなアニメプロジェクトとのこと。そいつをテレビ放送用に再構築して、4つの新規タイトルを展開していくのが、私が視聴した「テレビ版」である。

 普通、ここまでの内容を理解したら「なるほど、1クールで4本のショートストーリーなのね。だったら1つの作品に平均2〜3話程度使うことに……」って思うじゃん。違ったのよ。なんと、30分の枠に4本全部入れてきやがった。単純計算で1本4〜5分前後。最初の話が始まったところで「まぁ、是非はともかく趣旨は理解した」って思ってたのに、5分くらいで一回切れて2本目が始まって「???」ってなった。つまり、今作第1話は、「4本分のオリジナルアニメの」冒頭5分を細切れにして垂れ流す形である。これこそ、まさに私が日頃からやってる「電書無料試し読み」みたいな形式になったわけで……どうにも凄まじいプロジェクトだ。

 ちなみにせっかくなので4本のタイトルを並べていくと、1本目は記憶を失った男が突然取調室のような空間で目覚め、すぐさま真っ黒な人影に刺殺されるという苦闘のタイムリープを繰り返す「Jack the Reaper」。こちら、原案が「リゼロ」の長月達平。2本目は付き合うことになるかと思ってた男子と結局付き合うことなく高校生活を送り、最後に3年生の冬に告白したらフられちゃった女子高生が高校生活をやり直す「傷心タイムリープ」。「原案協力」のところに丸戸史明がクレジットされている。3本目は仲のいい親戚の女の子が男にフられたことに義憤を覚え、自分がその男に惚れさせてからフってやろうという謎すぎる目標を抱くデブ男の奮闘を描く「ファムファタル育成計画」。原案はなんと「薬屋」の日向夏。そして最後の4本目はタイトルで全部説明しちゃうなろう風「マリー・アントワネットに転生したので全力でギロチンを回避します」。こちらは原作者はよく知らんが、キャラデザに藤真拓哉がクレジットされている。

 ……こうして4本並べて、多分みんな思うだろう。「なんでよりによってタイムリープでかぶるんだよ」と。その辺、プロジェクト全体で統制とってねぇのかな……まぁ、元々まとめて見る前提じゃないのかもしれないが……散々殺害ループされる男の話の直後に女の子の恋のお悩みタイムループが流石に笑っちまったわ。まぁ、それくらい自由に作ってしまった4タイトルということなのだろう。

 さて、こちらのプロジェクトをどう評価したものか。まず「肯定的に」考えてみると、エンタメの需要形態は歳月と共にものすごいスピードで変化しているのだろうから、タイパ重視の消費社会に合わせたセールスというのはあってもおかしくないし、そういうものを生み出そうという企業努力は評価すべきだ。これまで、たとえば「縦読み漫画」なんかは本当に箸にも棒にもかからないようなよく分かんないコンテンツが垂れ流される部分が多かっただろうが、当プロジェクトは形の上ではしっかりと中身を作ろうとしており、わざわざオリジナルのシナリオを4本も一気に出してきたのはかなりの贅沢。コケたらもったいないな、とは思うし、「とにかく短い時間でもアニメに触れてもらいたい」という攻め方は何かしら芯を食った考え方かもしれない。テレビ放送を前提としていないなら、変な形で視聴しちゃってる私みたいな人間が戸惑うのもしょうがない、必要経費のうちだろう。

 ……と、最大限にプロジェクトの理念を汲み取れば認めたい部分もあるのだが……現時点では残念ながらあまり私が観たいアニメの形ではない。まぁ、これは単に私が老害なだけかもしれないので、この形がフィットする層がいるかもしれないことは理解した上での話だ。なんかね、これだったらそれこそ漫画とか、せいぜいラジオドラマでもよくない? って思っちゃうんだよね。アニメはちゃんとついてる。このプロジェクトのためだけに独立部門を設立したとかで、4本の作品にある程度差別化を図りつつ、最低限のアニメとしても成立している。ただ、どうしてもそれは「作品」というよりかは「製品」と言った方がいいような方向性。CGフル活用の画面は「とりあえずキャラがどのように動いて、何をしているかがわかればいい」というレベルのもので、良くても安価なJ-POPのMV程度、もっと言っちゃえば「ニュース番組の再現VTRくらい」の印象。私はもっと「作り手が何かを見せたい」アニメが見たいので、こちらのプロジェクトの「最低ライン」の制作理念はあまり受け入れたくない。これでも、どん底レベルの作画アニメよりは安定して見られちゃうのが悲しいところだが……。

 結局、こうして「すぐに目の前を流れていく映像情報」にそんなにコストをかけてられないってのが作り手側の本音なのだろう。偏見にまみれた妄想だが、万が一こうした「流し見するだけのなんらかのコンテンツ」を求めている層がいるとすれば、多分そうした層に作画がどうこう、演出がどうこう言ったところで意味はないのだから、削ぎ落とせる部分は削ぎ落とすのが正解なのである。そうした理念を理解した結果、私は今作について「評価不能」という評価を下すことにしたのである。まぁ、最終的にはなんらかの感想を落とすかもしれないし、フェードアウトする可能性もあります。

 でもねぇ、実際にシナリオには気になる要素もあるし。特に1本目の「Jack the Reaper」はどこに着地させたいのか予想もつかないし、最後まで追いかけたい気持ちはある。もしかしたら、2ヶ月後くらいには電車の中でショートアニメを視聴してる僕がいるかもしれませんよ。

 
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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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