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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 この夏、ず〜っと映画館に行きたかったのだが、混み合った劇場で肩を寄せ合って映画を見る気にもならず、ずるずると遅れに遅れて気付けば9月。ようやく世間的な夏休みも終わり、自由に時間が取れる特権的立場を利用してようやくの視聴……って、何故か「ヱヴァ」でも「サマーウォーズ」でもなく、みじんも話題になっていない「ホッタラケの島」。混むとか混まないとか以前に、劇王に人がほとんどいませんでした。優先的にこれを見に行った理由は簡単で、これが一番ニーズが無いから上映期間が短そうだと思ったため。思い立ったときに上映していないことほど寂しいこともないのでね。

 この作品を見ようと思った動機は割と不純で、我らが沢城みゆき嬢が宣伝もかねて某ラジオでその名前を力強く連呼していたため。そりゃ主演作品なんだから褒めるには違いないが、彼女の力強いセールストークに興味が出たのは事実(→http://www.nicovideo.jp/watch/sm7734152)。普段がクールなだけに、アツく語り出したのが随分印象的でした。でまぁ、そんな中の人目当ての視聴ではあるのだけれど、過去にも「×××HOLiC」の劇場版なんかでI.G.制作の劇場作品は緻密な描き込みが素晴らしいことは知っていたし、どうせ見るなら劇場に足を運ぶ必要があるとは思っていた。

 で、視聴しての最終的な感想は、「それなりに」という感じであった。みゆきちの宣伝通り、相変わらずそのエキセントリックなグラフィック面は文句なしの出来。リアルとアニメの中間を抜いたような独特のCGモデリングによる人間の描写はジャパニメーションにのみ許された絶妙なバランス感覚であるし、メイン動画を3Dで形成しつつ、背景美術などにはあくまで「手描きの世界」を融合させるのも、ディズニーやピクサーなどの欧米作品では不可能な技法。理不尽なまでに描き込まれた「ホッタラケの島」の全貌やユニークな輸送機関、男爵の部屋を彩る一万枚の鏡のきらめきなど、改めて「アニメというのはファンタジーを構築するための表現技法である」ということを知らしめてくれる。

 3Dモデリングで動くメインキャラクターたちも細かい仕草にまで気を配って描かれているし、主人公の遥はのっぺりしたテクスチャで構成されているはずなのに不思議な魅力がある。まぁ、終始ミニスカの制服姿でかけずり回っていたせいでストレートにエロいってのもあったかもしれないけど。

 やはり、この作品最大の売りはその「世界観の構築」にあるだろう。島全体を構成する「ホッタラケ」の数々は、明らかにその用途はおかしいにも関わらず、そこに組み込まれて利用されることによって、新たな役割を果たす「背景」へと落とし込まれる。巨大なホイール状のバイクや、頼りない一本線路を滑走するキャリーバイク、大量の風船を仕込むことで浮遊する飛行船など、現実感に乏しいツールについてもそのデザインと動きによって説得力を持たせているし、あらゆるシーンでどんな角度から見ても世界が維持されるよう、隅から隅まで手を抜かずに描写されているのは感嘆もの。やはり劇場作品ともなるとこれだけの手間がかけられるのか。個人的には以前同じように劇場で視聴した「パプリカ」との対比で非常に興味深く見ることが出来た。

 対して、難点を挙げるとすれば、それは当然画面構成以外の技術的な側面ということになる。ぶっちゃければ、第1はシナリオ面だ。王道的展開なので文句を言うのは野暮というものだろうが、メインヒロインである遥という人物の本質が、いまいち見えにくい。最初は父親に刃向かう思春期のやさぐれ少女。「ホッタラケ」に移動してからは、鏡を巡って非常にアクティブに動き、平気で無茶もする直感的な人物。最終的にはテオに絶対的な信頼を与えるに至るが、正直、この2人にそこまでの信頼関係が出来上がるほどのエピソードは前面に出ていなかった。このあたりは限られた尺の中でのことなので致し方ない部分はあるだろうが、終盤のドタバタはいくらか冗長な部分もあったので、もう少し心情面で掘り下げるシーンは欲しかったところか。

 あとはまぁ、個人的には中の人のこと。ただ、心配していた綾瀬はるかは特に悪いと言うこともなかった(もちろん、決して良くないのは間違いないが)。他にも何人か気になるキャストはいたわけだが、意外に面白かったのが遥の父親役の人。ほとんど気にならずに聞けたのだが、どうやら声優というわけではないらしい。役者さんは声優をやらせると結構差が出るもんだね。もちろん、我らが座長沢城みゆきや、イロモノをやらせたらピカイチのうえだゆうじ、変態紳士は万全のおじいちゃん家弓家正など、本職の方々はノープロブレム。一押しのリアルロリっ子松元環季ちゃんも頑張っていました。何で10歳であんなにきちんと仕事が出来るんだろう。

 終わってみればうっすら涙もにじむくらいには満足できる作品でした。こういうのはやっぱり劇場で味わってこそ、という気もするし、劇場で見たから評価が30%増し、という部分もあるだろう。とりあえず何とか「サマーウォーズ」と「ヱヴァ:破」も見たいところだけど……間に合うかなぁ。

 最後に一言。コットン可愛いよコットン。

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