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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「お兄ちゃんのことなんかぜんぜん好きじゃないんだからねっ!!」 6→6

  人生というのは予期しないことが立て続けに起こるからこそ面白い。まさかまさか、この作品が発表された時には、こんなにも安らかな気持ちで放送終了を迎えることになるとは、誰1人として思っていなかっただろう。元永慶太郎監督がお気に入りの私とて、「これは無いわぁ」というのが、正直なところであった。

 だってそうだろう? 妹萌えなんて設定は12人の妹に囲まれたあの時代を紐解かずとも、既に人類のキャパを越えるくらいの量が放出されているわけだし、今更それをタイトルにまで持ってきて正面から戦いを挑むなんて馬鹿げている。前のシーズンまでに「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」「ヨスガノソラ」とそれなりに手強いライバルもいたわけで、コミックスがたった3巻しか発売されていないような中身が足りない作品が見切り発車で1クールだけ製作されたとて、圧倒的なバックグラウンドを誇る他作品に太刀打ち出来るわけもない。そして、なんと言ってもあの絵柄。アニメにするにしたって奇形過ぎるだろうし、たとえ違和感を消せたとしても、どう頑張っても万人受けするようなものには見えない。いわゆる萌え作品として足りないものが多すぎて、数々の粗製濫造作品の一員として、シーズン半ばでフェードアウトしていくことは想像に難くなかったわけだ。

 しかし、人生という名の冒険は続いた。奇形? 大丈夫、キャラが動くことがアニメの本懐ならば、どんなデザインだってそれを魅力に直結させることが出来るだろう。 マンネリ? 問題無い。今まで数多語られてきたテーマならば、それを逆手に取り、また新しい妹像を生み出すことが容易くなるだろう。ライバル作品? なんのなんの。他の作品と比べるのも馬鹿馬鹿しくなるような、ぶっ飛んだ何かをプラスアルファとして仕込んでやれば、そんな浅はかな比較など出来なくなるだけだ。原作にちゃんと信念が込められているならば、アニメを作る時にはそれを徹底的に前景化させてやればいいだけの話なのだ。

 結局、このアニメは面白かった。あまりにぶっ飛んだ奈緒や修輔のキャラクターを中心としながらも、周りを取り囲む彩葉や繭佳、そして新キャラ谷田貝姉妹まで、マンネリズムで何となく登場するキャラクターがおらず、とにかくドタバタした高梨兄妹の生活に一石を投じてやろうと狙っている連中ばかりが集まった。メインとなる設定は「ラブコメ」であるが、奈緒の愛情と修輔の愛情が既にどこか歪んでおり、その歪みを是正するのではなく、さらにひしゃげさせて何がまともなのかが分からなくなるような、倒錯的な恋愛観を持つキャラクターばかりが大挙する。「自分が一番イカれているんだ」と激しく主張し、競り合うかのようなキャラクターたちの競演は、いつしかそれだけでお家芸と呼べるような唯一無二の持ち味にまで昇華されていった。このギャグは、新しい。

 そして、そんなメインシナリオを徹底して突き詰めることに成功したのは、やはりストイックな姿勢でたった一本の芯を貫き通そうと尽力したアニメスタッフ陣の力量に依る。やはり元永監督はただ者ではなかったし、シリーズ構成をまかされた大場小ゆりという人物も、きっとすごい人に違いない。今wikiで確認したら、桜井弘明の奥さんなんだな! しかも脚本の仕事を始めたきっかけが「デジキャラット」の「ビームが出ないにゅ」だとか……真性じゃないですかー! やだー!

 そして、やはり最後に押さえなければいけないのは、中の人たちの全てをぶち上げるだけのパワー。中でも再三再四褒めちぎっている喜多村英梨による一人舞台は、それだけでもこの作品の存在価値を確立させるほどのものである。オープニング歌唱でもその有り余る才能を発揮してくれていたし、要所要所で求められた無茶以外のなにものでもないオーダーをこともなげにクリアする様子は、まさに現代声優界の怪物だ。花形、看板、様々な言い方があると思うが、この作品はどこまでいっても「座長」である喜多村英梨を中心にして、すべてが回っていたのである。もちろん、そんな圧倒的な存在感に負けじと張り合う井上麻里奈、豊永利行といった面々も、相互効果でさらなる盛り上がりを作ってくれた大切な共演者だ。嬉しかったのは、そんな切磋琢磨の渦中に、新人の荒浪和沙が飛び込み、負けないだけの存在感を発揮してくれていたこと。どうしても声優メインの見方だと「これまで活躍してきた有名どころ」ばかりを追いかけがちになるのだが、こういう堅実な仕事ぶりを見せてくれる新人が現れるてくれるのは嬉しい限りだ。今作は色々と(良くも悪くも)刺激の多い現場だったろうし、今後の糧になってくれればいいと思う。

 いやぁ、馬鹿サイコー! 絶対無いだろうけど続編希望!

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