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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 2週続けて中村悠一と対決するアニメ映画を観てきました。まぁ、戦う意味は全然違いますけど。こちらはSEEDと違ってそこまで久しぶりではなく、アニメで言えば4年ぶりの新作、原作の完結からもおよそそれくらいの期間が空いているとのこと。共通しているのは「私がそこまで熱心なフォロワーじゃない」という部分だが、今作に関しては元のテレビシリーズが素晴らしい作品だったので視聴するのもやぶさかではなかった。そして、これはちょいと残念な話ではあるが、アニメ最終クールが確か作画がヘタって評判下げちゃったのよね。天下のProduction.I.G.で何が起こったのかは分からないけど、見事なモーション作劇が最大の売りだった今作で明らかな作画崩壊を招くというのは実にもったいない話。出来れば、最後をその印象で引きずったままの状態にはしたくなかった。その点、劇場アニメともなれば作画クオリティは保証済みなわけで、汚名返上、印象回復にはちょうどいいと思った次第。

 ちなみに上映時間は90分弱とやや短いのだが、マジで烏野VS音駒の試合をまるまる1本やるだけの話なので、時間としてはこれくらいがちょうどいいんじゃなかろうか。というか、これ以上引き伸ばしたらかえってダレてしまうだろう。そういう意味では「劇場アニメの視聴」っていうよりも「いいバレーボールの試合のパブリックビューイング」に近い印象だが……そこは流石のクオリティ。単なる試合観戦だけでは終わらせない気概のこもった作りになっておりました。そんなにキャラに思い入れのない私のような人間でもグッときて涙ぐむポイントはあったので、軽い気持ちで観に行っても決して後悔はさせないだけのものになってたと思うよ。

 

<以下折り返しだが、まぁ、ネタバレとかはあんま気にしなくていいかな>

 




 「90分の映画で試合を1つ分」という設定は、限られた時間の枠をうまいこと調整して消費していくアニメシリーズの構造としてはなかなか面白い。「1つの試合」ってのは始まりと終わりがはっきりしており区切りとしてこれ以上分かりやすいものもないので、そこだけを劇場で囲って一気に見せてしまおうというのは、セールスとしてもドラマの構成としても間違ってはいないんじゃなかろうか。無限列車を一括りにした鬼滅と発想としては一緒である。別にテレビシリーズでもできないことはないだろうが、多分放送に乗せるとしたら4話か5話くらいは必要になるので、大きな山を作ろうとした時のニュアンスはどうしても変わってしまう。一気見だからこそ得られるカタルシスってのは間違いなくあって、今作ではそれが実に見事な形で結実していたのが最大の評価ポイント。クライマックスのあの描写は、生半可な覚悟じゃ作ることすら不可能だろうし、アニメ作品としてあれだけのクオリティを表示させたものは初めて観た。ここまで長いこと「スポーツ作画」「バレーアクション」を突き詰めてきたスタッフだからこそ実現できた、まさにハイキューアニメの集大成と言える代物になっている。

 また、そうして目を見張るような動画演出だけにとどまらず、限られた枠の中でのドラマの入れ込み方も非常に端正である。原作でどのくらいのボリュームがある試合なのかはしらないが、いうても「90分全部バレーの試合」では、どう考えても視聴者は飽きる。実際、今作はどんなシーンでも手を抜くことなどできないので、試合開始のファーストプレイからいきなりクライマックス。「そうだぁ、これがハイキューのアニメだったぁ」と思い切り引き込んでくるだけのクオリティだ。開始1秒でそんな調子なのだから、それを90分も続けられたら視聴者の感覚が麻痺して何がすごいんだかも分からなくなってしまう。

 そこで今作の場合、緩急をつけるための至極真っ当な手段として回想をそこかしこに挟みこむわけだが、鬼滅やワンピースの揶揄としてよく話題にのぼる「回想展開」ってのはだいたいにおいて嫌われがちな傾向にある。せっかくの盛り上がりに水を差す恐れがあるし、「こんな感動的な物語が過去にあったんですよー」を挟み込むのは感動の押し売りみたいで興が削がれるという側面もあるだろう。そこにドラマを盛り込むことはできるが、やりすぎると逆効果になるというのが回想ドラマの難しいところ。その点、今作の構成は実に綺麗だった。なんとなく時間は気にしながらて観ていたのだが、ざっくりと各セットが30分程度で3セットマッチになっており、それってつまり1セット目も2セット目も最終セットも、同じくらいの濃度で描くべきドラマを用意していたということ。それぞれのシーンに相応しい盛り上がり要素を入れ込みつつ、試合を確実に進行させて現在の日向たちの青春ドラマを最大限に引き立てる。そのバランス感覚と、描写の重ね方がうまかった。今作のコンテは当然監督の満仲勧氏が務めているのだが、実はもう1人、笹木信作氏もクレジットされている。そりゃまー上手いに決まってるだろ、という圧巻の布陣であった。流石にクライマックスのあの演出は、長年シリーズを支えてきた2人じゃなきゃ実現し得ない描写だったんじゃなかろうか。

 そのほかにも、劇場ならではの部分としては細かい音響の見せ方(聞かせ方)なども面白く、特に今回はだだっ広い体育館の中心にあるコートで終始展開されるお話なので、360°いろんな方向からいろんな音や声が聞こえてくる感覚が楽しい。グリングリンとカメラが回転する関係もあり、「狭いけど広い、そのフィールド」が感じられるのもよかったし、何気ないところでは「すでに得点や失点が決まった後のシーン」で画面外にボールが転がって跳ねる音なんかがさりげなく遠くに入っているのも芸が細かい。そういう小さな部分から、臨場感というのは出てくるもんである。そして、画面がでかいからこそ後ろのオブジェクトまで徹底して描き込むことの意義が出てきて、何気ないシーンで後ろを見たら全然関係ない人でもちゃんと「そういうふうに」動いているのが楽しい。特に背景に混ざり気味なマネージャーちゃんとか応援団ちゃんとか、女の子がコロコロ動いてるのが可愛くてよかったです。

 友情・努力・勝利。綺麗に収めて次へ繋ぐナイスゲーム。このまま完結まで描き切ってもらえるだろうと信じきっているのだが、次も劇場になるのか、それともテレビシリーズに戻ってくるのか。どちらにせよ、改めて追いかけたいと思えるモチベーションを与えてくれた今作に感謝。

 
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