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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 謎の映画に行って参りました。妙な話ですよね、現在絶賛放送中の作品が劇場でも観られて、しかもその内容がわずか45分、公開は2週間ぽっちでレイトショーばかりと。今まで聞いたこともないような公開形態である。正直、この作品はそこまで肩入れして観ているわけではないので、わざわざ金を払って観なくてもいいかなぁ、とは思っていたのだが、知り合いに誘われてしまい、まぁ、そんなら行こかと。この奇妙な形態が、一体どんな意図の下で展開されているのかを知りたいっていうのもあるしね。
 

 で、観てきたわけなんですが……まずは、おそらく視聴した人間がほぼ確実に感じるであろう感想を真っ先に書いてしまおう。「なんでこれ、劇場でやったん?」。別にアニメを2話ばかり伸ばして地上波で前後編を放送しても全く問題無かったと思うのだが……一応、スタッフとしてはそれなりのウェイトで伝えたかった話、ということもあるだろうし、「このエピソードが無くても地上波だけでも楽しむことが出来るので、本当に観たいファンだけが目にすることが出来るボーナストラック」という位置取りだったとも考えられるが、正直、そんな軽いものでも、全く別なものでもない。この映画のエピソードを知っているのと知らないのでは、おそらく地上波版の理解度も没入度もかなり違う。「無くてもいい」と言われたらそうかもしれないが、「あった方が良い」のは確実だろう。これを、ニッチで視聴機会の少ない形態で発信するのはどうしたことなんだろう。「戦国BASARA」や「そらのおとしもの」、「ハルヒ」なんかの劇場版とか明らかにスタンスが違うわけで、今ひとつその意図が分からないのである。

 「別に地上波でやっても良かったんじゃないか」というのは、シナリオの位置取りの話もそうなのだが、作品のクオリティとしてもそう言える。はっきり言ってしまえば、今作の品質は、世間一般の「劇場クオリティ」ではないだろう。大画面で観るものなので多少印象は変わるが、元々地上波でもさして画面の質が低くないものが、そのままの水準でスクリーンに場所を変えただけだ。「大画面でやるなら!」という意気込みで作る劇場版というとやたらにど派手なアクションが増えたり、とにかくディティールにこだわったりという「スクリーンならでは」の労力が割かれる場合が多いのだが、この作品にはそうした区別が無い。作品の内容を考えればそんな大仰なことは出来ないし、する必要もないとは思うのだが、本当に「すげぇでかい画面でいつものUN-GOを観ている」という状態になる。いくらかのお金を払って観るものとして、こいつはどうなんだろう。

 何がびっくりしたって、この劇場版のコンテ演出は、監督が直接筆を割いてないという。スタッフロールを流し見しただけなので不確かだけど、確かコンテは三條ななみ名義だった気がする。普通、こういう作品って少なからず監督が手を尽くすものだという印象があるのだが……(まぁ、難波さんだからって不満があるわけじゃないんだけどさ)。どうにも、この企画に対するスタッフの思い入れがよく分からないのだ。

 
 とまぁ、ここまでが全力でネガティブな評価である。ここで総括しておくと、「何も知らない状態でわざわざ劇場に観に行く」作品としては、この企画は不可だと思う。ただ、1つ忘れてはならないのは、あくまで「わざわざ2週間という短い期間を選んで劇場まで足を運ぶのは、よっぽどこの作品が気になる人間だろう」ということ。そういう搾られたターゲットを相手にする商売としてなら、この企画はそれなりの意味を持っている。

 まず、「普段家庭で見ているアニメが、リアルタイムで劇場作品としても見られる」というのが、未だかつて無い経験である。「だからどやねん」と言われればそれまでかもしれないが、普段自宅の小さなテレビでしか観ていないいつものオープニングなんかを劇場で見るというのは、なんだかよく分からない高揚感があるものだ。普段の作品よりもまとまった長時間の放送形態というのも、物語のディティールを気にせず一気に見てしまえる不思議な推進力にはなる。おそらく、今回のエピソードを本当に地上波で前後編構成にしたら、劇場での印象よりもはるかにもやっとしたものになっただろう。「わざわざ劇場に持っていった普通の話」というよりは、「劇場でやったからこそなんだか普通に見えた話」というのが正しいのかもしれない。そりゃま、ど派手なアクションも感動のストーリーもいらんわな。

 ストーリーとしては、前評判通りの、純粋に新十郎と因果(あと海勝たち)の出会いの物語。新十郎を巡ってちょっとしたサプライズなども設けられているが、メインプロットは地上波の各話と同じように「なんじゃそら」と腰砕けるようなお話だ。そのへんは、既に気にしたら負け。一応因果の「正体」に迫ることは出来たし、新十郎と海勝の捻れた腐れ縁にも「腑に落ちる」説明がなされた。その上で、このよく分からない設定の世界が何となくすっきりして見やすくなったのだから、やはりこのタイミングでの放映は正しい判断といえるだろう。これからクライマックスを迎える(であろう)地上波版のブースターとしては、なかなかいいアクセントになっていたのも事実である。

 中身の具体的な話については、ネタバレにもなるし「ネタ」を明かしても何だか雲を掴むような話で誰も得しない気がするので端折るが(実は私がよく分かっていないという背景もあるが)、地上波版を受け入れて観に行った人たちなら何となく「ま、いいか」っていうレベルだから大丈夫。大丈夫? 一応付記しておくと、風守は出ません。大人因果がちょっとエロいくらいです。

 本当にヌルッとして評価しにくい作品なので、最後にとっておきのネタに逃げてしまおう。そう、中の人の話だ。地上波版では、新十郎が映画の撮影をしており、そこに3人の女優が登場する。わざわざ無茶な兼ね役まで使って、寿・高垣・豊崎というsphereを3人固めており、当然誰もが「なんで戸松だけおらんねん」と思うだろう(思うよね?)。その答えが、劇場版だ。戸松は、そこにいたんです! 最終的にsphereを中心としたダイナミックな中の人パロディとかで幕を閉じたらものすごく面白いのに。

 作中では戸松ボイスと豊崎ボイスがオーバーラップするという、ファンからしたらどうしていいか分からなくなるシーンがあるんですが、多分劇場で視聴してた時はそのへんが一番ニヤニヤしてました。あと、戸松が武田鉄矢の「少年期」を歌うシーンとか。「僕はいつ頃大人になるんだろう」って、成人式終えたばっかの若造が歌うんじゃねぇ。

 本日の結論・「因果はやっぱり良いキャラであった」。

 以上だ! 「見に行く人は充分気をつけてね」って言おうかと思ったけど、もうあんまし観る機会無いな!

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