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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 鬱々どよめく第5話。諸事情でちょっと視聴が遅れてしまったが、遅れたのはひょっとしてこの衝撃に備えるためだったのかとも思える。これでもかと積み上げられる黒い固まりが、視聴中に呼吸困難に陥らせるようなどうしようもない感情を生み出してくれる。多分、私のツボはこのへんにあるんでしょうね。

 「壊れて」しまったヨミ。そのことは実に分かりやすい事実で描出されており、出迎えに行った際の明るい声と、対比される恐ろしいブレスレット、朗らかな声と、授業中の自傷行為。誰の目から見てもその状態は同じ一言、つまり「壊れた」で説明出来る。奇しくも「壊れてしまった」と表現したのはあのカガリなわけだが、ヨミに何の執着もなくなったカガリが「客観的に」語った言葉であるから、これが一番の真実だろう。

 問題となるのは、「何故ヨミは壊れてしまったのか」である。サヤの暗躍により、その事実は最悪の手段でマトに伝えられ、マトは「自分がヨミを壊してしまった」と後悔する。しかし、正確に脚本だけを追えば、「マトがヨミを壊した」は日本語として正しくない。あえて言うならば「マトでヨミが壊れた」。もっと突き詰めてシンプルな答えをあぶり出せば「サヤがマトでヨミを壊した」となる。その周りにはカガリやユウなどの他の要因もあるが、今回のエピソードで狙っているプロットはあくまでもマトとヨミの二者関係に落とし込まれるものであるから、とりあえずはそうまとめるのがいいだろう。

 そして、現時点ではその正体をなんとたとえていいのか分からないユウというイレギュラーが現れたわけだが、ひとまず分からないことはおいておくとして、彼女の力により、ついに長年の懸案であった「2つの世界の接続」が果たされたのである。ブラックロックシューターはマトの「分身」として確立し、同様に「緑色の少女」はヨミの分かち身となった。今回は描かれなかったが、当然「赤の女」はサヤに対応していただろう。そして、この接続を果たした直後の異世界において、ブラックロックシューター(=マト)は、文字通りに緑の少女(=ヨミ)を破壊する。こちらはそのものずばり、「マトがヨミを壊した」のである。ただ、ユウの言を信じるならば、異世界での「死」は現実での「執着の死」を意味し、ひょっとしたら「死んだ」ことによって、ヨミは救われるのかもしれないという。「現実世界でヨミが壊れたことの行為者はマトではないが、異世界ではマトがヨミを救うことの行為者たり得る」というのが現在の結論。この写し鏡のようでねじれた関係性は、どのようにつながりを見せることになるのか。

 今回も、鬱々とした中にいくつもの暗示と含意が込められている。悪い方へ悪い方へと転がり続ける物語を彩るように、今回はとにかく「下り坂」のシーンばかりが描かれる。冒頭でヨミを迎えに行った通学路もそうだし、マトがユウを探すために駆け回る町並みも全て「下り」。決して上には上がれない泥沼の状態である。

 異世界でブラックロックシューターを襲う緑の少女は「双頭の巨人」を操っており、2つの巨大な頭は、カガリとマトの間で揺れ動き、真っ二つになったヨミの心情を暗示しているようだし、彼女が生み出した分身ともいうべき多数の亡者たちが1つに集まって巨体を構成する様子は、現実でささやかな自傷行為に没頭して髪の毛を飛散させるヨミの行動の逆になっている。

 今回積極的に前面に出始めたサヤ先生の動きも面白く、彼女はこれまでずっと使い続けてきたトレードマークともいえる「コーヒー」について、「実は大っ嫌い」であると言ってのけた。「何かと便利」だったのに「嫌い」という漆黒のコーヒーは、「他者を破壊して回るために重宝するが、敵対する関係である」ところの「ブラック」ロックシューターに対応している。これまでカガリやこはっち先輩を実際に壊して回ったのはブラックロックシューター。それは全て、サヤ先生の狙い通りであったということ。最終的には、ヨミが自ら描き上げた画の中で「漆黒のマト」を打倒することで、その対立関係は完成を見る。

 相も変わらずのすばらしい動画は言わずもがなの迫力。今回のコンテ演出は初めて今石さんが関わっていないのだが、ポスト今石と名高いらしい雨宮哲氏が参加しているのである。画面の奥行きで見せるダイナミックなアクションが、爽快感とは別にどこか「ぞわっ」とくる迫力を提供してくれる。そして、ついに口を開いた異世界の住人達の声も漏れだしたわけだが、緑色の少女の叫び声は、耳をふさぎたくなるようなおぞましさ、生々しさを伴う。「CANAAN」の時にも思ったのだが、沢城みゆきは、きっと実際に思い切りぶん殴られたり、殺されたことがあるに違いない。でなきゃどこから出るんだ、あんな声。

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