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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「ばらかもん」 6

 ようやくたどり着きました、今期最後の新番チェック。相変わらずの読売いじめのおかげで日テレ系アニメは不自由が続き、「それせか」の後枠としてようやくこの作品が入ってきた。これでもかつてTBS系が1ヶ月遅れだったのに比べれば随分改善はされてるんだけど。この枠が最後の砦なんだよなぁ。ちなみに今期新番チェックは33本。最終感想が29本だったってことは単純計算で4本増えている。長短全ての枠を引っくるめると、なんと史上初、週間視聴本数が50本を越える泥沼状態である。これでも、実は1話目の録画をミスったことを理由に一本だけ完全に諦めた作品があるくらいなのだ(暇な人はどの作品か探してみようネ!)。さぁ、明日はどっちだ?!

 いや、そんなやるせない俗世間への愚痴はいいとして、この最後の作品。ジャンルとしては「田舎アニメ」のカテゴリに入るだろうか。「のんのんびより」とか「銀の匙」みたいに、ある程度都会的な生活に慣れた人間が異文化に飛び込んで戸惑うところにまずおかしさがある。本作の場合はどうもそれでずっと引っ張るというわけでもなさそうだが、1話目ではなかなか高純度の田舎成分が醸し出されている。便所はまだしも、あの風呂は確かに見たこと無い。こんだけの田舎暮らしに戸惑ってカルチャーショックを受けまくる主人公を見ているだけでもそれなりに楽しい。しかし、おそらく本作の真骨頂はもうちょっと先にあるんじゃなかろうか。これまでの田舎アニメではあんまり出てこなかった「人」の方の要素である。ずけずけと新居(?)に上がり込むおっさんとロリっ子。都会人からするととんでもねぇ非常識であるが、田舎ではこれくらいは日常茶飯事。そもそも鍵をかける文化だってろくすっぽない地域だってあるのだし、郷に入ったらすごく普通。この「田舎の距離感」ってのは、案外丁寧に描かれると新鮮である。そして、主人公の属性が「書道家」というのも新しい設定で、彼の抱えた悩みはおそらくそのまま「都会なりの窮屈さ」に置換出来る要素となっているのだろう。「基本に忠実」「型にはまった先生のような」性格が「都会」であり、そこに立ちはだかる「壁」を取っ払ったのが田舎文化。この生活に馴染むことが出来れば、きっと本業でも新たな道が拓ける。つまり、「お仕事もの」「田舎暮らしもの」、そして「人間交流を描いたドラマ」という3つの要素が、互いに補完し合いながら綺麗につながりを形成するのである。なんだか色々楽しそう。

 1話目のあらすじだけを見てもこの「人間交流」の物語はちゃんと描かれており、村人代表のロリっ子、なるちゃんのパワーによっていきなり主人公は1つ目の壁を乗り越えることが出来た。「夕日が綺麗」なんてまたベタなお話ではあるのだが、なるちゃんの天真爛漫なガイドによってもたらされた「壁の向こうの景色」は、なんだか実際以上に綺麗に見えたものだった。今後もこうやって、「田舎なりの良さ」を探し歩きながら、ゆっくりと人間的に成長していくことになるのだろう。なかなか良いテーマではないですか。

 そして、本作の重要な鍵を握るのは、作中最大の異分子、なるちゃんである。まとめてしまえば単なる「遠慮のない子供」なのだが、その遠慮の無さが実に子供らしく、エネルギーに満ちあふれていて不快感がない。確かに都会人から見たら礼儀知らずではあるだろうが、元来子供ってのはこうしてずけずけと人の領域に入り込んで暴れていくものだ。それが許されるだけの風土がそこにあり、許されることで子供が伸び伸び育てるならば、おそらくそちらの方が自然な姿なのである。子供を管理しすぎる都会生活の方が歪んだ社会像なのだ。そんなある種の憧憬を持ちながらなるちゃんの天衣無縫っぷりを見ていると、なんだかどんどん楽しくなってくる。こういう「がきんちょ」的子供像って、最近みないから随分新鮮だ。キネマシトラスによるアニメーションも、このなるちゃんの可愛らしさを前面に押し出すのに貢献しており、ちょこまかと動き回りながらなんだか悪そうな顔をしてはしゃぐなるちゃんがとても可愛く描けている。冒頭のダイナミック書道のシーンなんかも非常に面白い画が作られており、今後は動画面での楽しみも充分期待出来る。ロリっ子モーションに気合いを入れろ。

 こうしてなるちゃんのキャラを思い切り打ち出すのがこのアニメの最大の眼目なのだろう。キャスティングには思い切ってリアル子役を起用。どうやら他の子供キャラも多くは子役を起用して「リアリティ」を形成している。普段ならば「別にアニメのリアルってそういうことじゃないんやで」と噛み付くところだが、今作に関しては、この試みは成功していると思うのでありがたく受け止めよう。なるちゃんの遠慮の無さは、おそらく「ナチュラル子供トーン」だから得られる恩恵が大きいと思う。もちろん、「演技」という部分では当然ある程度のビハインドが生まれるはずなのだが、なる役の原涼子ちゃんという子が割と達者であることに加え、純度の高い九州方言をしゃべらせていることで、どこか吹っ切れた演技になっているのが結果的にプラスになっているのだ。「子供の演技」は違和感に繋がるが、「不慣れな長崎方言」の違和感までもがそこに加味されており、もう、どっちがどっちの不自然さなのかがよく分からなくなっているのである。おそらく演技指導の方法としては、方言指導の人間が一度全ての方言を収録し、その音源を聞いてその他のキャストが再現するという「いなこん」方式を採っていると思われる。その難度を考えれば、この子役はかなり立派に仕事をこなしているのではなかろうか。ちなみに、方言指導をしているのは若手声優の古木のぞみである。「どっかで見た名前だな……」と思ったら、「犬猫アワー」の問題児、かにえ役のあの子だった。なんと、ちょうど長崎県は五島列島の出身らしい。やっぱりどんな地方でも出身声優っているもんなんだなぁ。あ、当然長崎犬も出演してますね。色々と「方言バラエティ」としても楽しめそう。方言好きは要注目。

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