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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 瓶詰めにされた首への偏愛を描く物語に、どこぞの拝み屋が絡む匣の物語を思い出さずにはいられない第9話。鍵を握る首は、眠りについたまま、みっしりと。

 今回の語り手は、弟に対する常軌を逸した愛情を持つマッドサイエンティスト、矢霧波江。彼女と、その弟である矢霧誠二が今回のエピソードでは中心となる。ここ数話の間は語り部の重要度が徐々に下がっていたのだが、今回は今まで登場シーンの少なかった波江の心情が描かれているため、再び語り手の重要度があがって、序盤の構成に近いものに戻っている。

 物語は、錯綜しつつも次第に1つの終点へ向かっていることを感じさせる。まず、セルティの「首」の所在が、断片的にとはいえ判明したのは大きな進歩。どこをどう巡ったのかは分からないが、一時は波江たちの叔父の家に所蔵されていたらしく、その美しい素顔は一種のオブジェとして完成していたらしい。が、その首の魔力に取り憑かれたのが誠二であり、そんな弟に「取り憑かれ」ているのが波江。この池袋にはどこかネジの外れた連中が多いのだが、この姉弟の場合はストレートに犯罪者気質なのでまだ分かりやすい部類かもしれない。誠二は、完全に「首」に魅入られてしまったただの青年。一度は愛する姉の下から首を奪い去り、それが原因で張間美香を死の一歩手前にまで追いやった。そして、そんな誠二が頼れるのは、女傑と謳われる自慢の姉。波江は波江で行きすぎた愛情を持っており、弟の罪の告白を聞いて、戸惑いも怒りもせず、喜びを感じるという真性だ。どうやら、1つのものに対する執着心という部分ではそっくりな姉弟であるらしい。

 そして、そんな矢霧家のごたごたに巻き込まれる形になったのが、これまた犯罪者気質のストーカー少女、張間美香。波江の力で「首」と同じ外見を手にした少女は、誠二の心を捉えることには成功したが、この成功の裏にある波江の存在をどうにかする必要があることも理解している。波江は美香の存在が「自分の既知のものである」という点において精神的均衡を保てているわけだが、駒として使われているだけの美香はそうも言っていられない。誠二の全てを掌握するために、携帯を処分したり、姉の膝元である池袋から脱出しようとしたり。女同士の熾烈な覇権争いの間で、一人お花畑の誠二は何を思うのか。まぁ、今回の立ち回りを見る限り、彼は「愛情」に対してはひたすら真っ直ぐみたいなんだけど……ちょっと頼りないなぁ。

 そして、そんな偽りの「首」を見つけちゃったもんだから、セルティさんもそりゃ大変。20年来の捜し物を必死に追走するも、間一髪で取り逃して意気消沈。確かに、「ずっと探してきた首は、もう自分(身体)を必要としていなかった」っていう結末なら、これ以上恐ろしいことはない。彼女が思い悩むのも仕方ないことだろう。でも、そんな中でも「新羅と話がしたかった」って寄り添ってくれる彼女が本当に可愛い。普段はそれなりにクールに振る舞える女性が取り乱す姿ってのはいいもんですね。最近はキーボードに打ち込んでもいない声が出ることが多くなってる気がするんですが、多分新羅は感じ取っているんでしょう。

 そんなセルティの面倒を見てくれるのが、少しずつ怒りのコントロールを覚え始めた静雄。両膝と手のひらに合計3本ものボールペンを突き立てられながらも冷静なのは流石だが、青臭いガキから愛だの恋だのを唱えられて、ちょっとだけカチンときた模様。サングラスの有無でスイッチを切り替えたり、相変わらず細かい演出のおかげで非常に良い味が出ています。最近はセルティも随分彼のことを頼りにしているようだし、案外この街ではまともな方なのかも知れません。

 そして、最後のとばっちりは美香とたまたまぶつかってしまっただけの帝人君。彼の場合は本当に「巻き込まれた」だけの存在で、どれだけ気を遣ってみても主人公には見えないのが正直なところ。次回は久し振りに語り手の役目が彼に戻ってくるみたいだが、ここで一念発起、主人公としての矜持を見せることが出来るだろうか。

 そしてそんな全てをてっぺんから見下ろしているのが、諸悪の根源(?)折原臨也。彼のここまでの所業をまとめておくと、まず、ダラーズの構成には彼が絡んでいる。そして、矢霧製薬と繋がり、試験体の情報提供もしている。にも関わらず、一方では拉致集団に襲われた神近をセルティを使って救出したりもしている。さらに今回は張間美香との繋がりも臭わせており、矢霧製薬を四方八方から絡め取っているようにも見受けられるのだ。彼の目的は未だ闇の中だが、その全てが「人ラブ!」の一言で片付いてしまうんだろうか。この街に溢れかえる「愛情」は、おしなべて面倒ごとでしかないのかもしれない。

 今回も様々なキャラクターが入り乱れての相変わらずの構成だが、毎回切り口を変えているおかげで、少しずつ視野が広がっていくようなこの感覚が毎回楽しくて仕方がない。そういえば今回は1度も例のチャットシーンが出てこなかったし、全てが画面上の画だけで展開すると、それだけ見応えが増して30分などあっという間である。みっしりと、みっしりと。 

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