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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 いいね、第2話。なんやろ、この不可思議な安心感は。石原コンテならではの間の取り方、抜き方がホッとするのかしら。

 適度に刺激と甘みが混じり、今後への期待が高まる非常に丁寧な「2話目」になっている。1話目を見た時の感想として「Freeの方法論で変質させたけいおんみたなもんやろ」とか言っていたわけだが、まぁ、そんな単純なもんじゃないわな(当たり前だ)。今作で何がやりたいのか、少しずつ見えてきて視界が良くなっていくのが気持ちいいです。

 1つ目のポイントとなるのは、「けいおん」とは別ベクトルでの、女子高生間の交流模様。特に面白いのはメインとなっている久美子と高坂の関係性。これ、文字に書き表すと本当に「なんじゃそれ」っていうくらいにしょうもない確執なんだよね。「中学の最後のコンクール、ダメ金だったことを当たり前だと思っていた久美子が、『本気で全国行けると思っていたの?』という心無い一言で激怒した」という事実があり、当然そんなことしちまったら高坂さんもずっと怒っているに違いない、ってんで声がかけられない。「気にしてるんだったら謝ればいいじゃん」と周りの友達はいう。確かにそうだ。どう考えても中学校最後のチャンスで涙している人間にかけるべき言葉は「本気で全国行けると思ってたの?」ではないだろう。もし、本当に高坂1人だけが全く空気を読まずに1人だけ熱血特訓をして完全に浮いていた、ってんなら話も分からなくもないが、それにしては回りのテンションとの差が無かったように見えるし、仮にそうだったとしても、ガチ泣きしている人間の気持ちを踏みにじるようなことを言う方が悪いに決まっている。非があるとしたら、流石に久美子の方である。

 しかし、彼女のいう「あの場では割と大勢の人間が自分と同じ気持ちだったから、ワタシ悪くない」という気持ちも分からないではない。いや、「悪くない」は言い過ぎだと思うが、「こんだけ時間が空いてしまって、今更あんな微妙な案件でどうやって謝ればいいのさ」という困惑は理解できる。何しろあの場で彼女をいじめたわけでもないし、馬鹿にしたわけでもない。久美子はあくまでも「普通だと思っていた本音」をポロッと漏らしてしまっただけであり、それが最悪のタイミングだっただけである。この期に及んで謝ろうにも、「あのときは空気読めなくてご免ね」とでも謝るのか。今更そんなん言ったところで、高坂さんの方だって「しらんがな」で終わってしまう可能性があるわけで、わざわざ謝りに行くというストレスのかかる行為がペイするかどうかは微妙なところだ。

 思春期の人間関係というものは、かくも微妙なものである。何となくのわだかまりで疎遠になり、何となくのつながりでも一緒にいたりする。そこにわざわざエネルギーを加えて動かすことの難しさ、そういう奇妙な「苦労話」がこのアニメにはちらほらと見えるのが面白い。今回は他にも「マジ部活か、お友達部活かの投票」というイベントも発生しており、ここにもストレスの元がある。新入生だけで22人の大所帯、単純計算だと5060人ほども在籍しているだろうか、そんな集団で「真面目に練習する? 適当にやる?」と聞かれたら、一般的な日本の高校生たちは何となく「真面目にやるって言うよね」と、特に考えもせずに手を挙げてしまうものだ。高坂さんのように確固たる意志がある人間もいるだろうが、そうでない人間でも、あそこでは「何となく手をあげる」ことが一番ストレスフリーである。久美子の場合、高坂という枷があったおかげでそれすら出来ずにもやもやしていたが、中学時代の因縁がなければ、彼女もおそらく「何となくあげる」側の人間になっていことだろう。それが普通なのだ。

 そこに現れるイレギュラー、ちょっと先輩の葵ちゃん。彼女も「何となくもやもや」の燃料として今後物語の鍵を握る人物だろう。彼女のいう「アリバイ作り」ははっきりとした意図がくみ取れる。滝という吹奏楽部顧問は、その昼行灯のような風貌の割には、容赦無く生徒たちに選択を迫るところを見るに、実際はかなりのやり手。今後の「全国を目指すための部活」は相当ハードなものになると予想される。「自主性を重んじる」という指導者は、「責任を当事者に負わせる」ことを必要条件と考えているわけで、実はかなり厳しい人間なのは容易に想像できるところだろう。そんな状況になったときに、くだんの「何となく挙手」組は当然「おもてたんと違う」と不平を言い始めるが、そこで強制力を発揮するのが滝のいう「自主性」である。「おまえらが選んだんだから文句を言うな」と、今後の吹部にはプレッシャーがかかる。言われた方も、ただでさえしんどい状態に加えて「なんであんなときあんな事してもうたんや」という、後悔がついて回るのでより心的負担が大きくなってしまう。そこで、葵ちゃんは事前にアリバイとして、「私は嫌やってはっきり言ってたやん」を用意したわけだ。これも彼女なりの処世術、意志の強さである。今後の展開としては、ほぼ間違いなく葵が辞めるだの辞めないだのというお話が出てくることだろう。今回の不穏な語りから考えるに、滝の指導方針とぶつかって部活を去るポジションを葵が担うことになるのかもしれない。そして、そんな状況で振り回されるのが、「何となく」組代表の久美子なわけだ。高坂のスタンスと葵のスタンスは真っ向から対立しており、「葵のいうことが分かる」久美子は、一方では高坂への罪悪感や仲間意識から、どんどん板挟みの状態へと落とされていくわけだ。……いいねぇ。せいぜい悩み苦しむがいい、青少年共よ。そんなことで思い切り悩めるのも若者の特権だもの。

 こうしてみると、これだって「けいおん」「Free」、それどころか「中二病」と並べても問題無い「青春物語」である。あくまでその切り口が違っているだけ。微に入り細を穿つ執拗な心理描写と阿漕な見せ方は石原監督の十八番である。今後も久美子が嫌らしい悩みを抱え続けるのを楽しみに見させてもらおう。それにしても副部長のキャラ立ってるなぁ。美菜子は最近本当に良い方向に演技ののばし方を確立した気がするわ。

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