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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 京阪電車のあのシートが好き、第7話。良いデザインだと思う。ところで、何で下校中に「葉月が降りた駅」で塚本が「乗ってくる」んだろう。塚本は友達の家で練習してたのかな。でも、下校するタイミング一緒だと思うんだけど。

 今回も粛々とお話は進んでいく。ものすごく感覚的な話なので多分あんまり共感してくれる人はいない気がするんだけど、京アニの中でも武本さんってすごく「理性的な」画を作る人だと思ってるのよ。もちろん京アニのメイン張る人たちはほとんどがデザイナーとしてもクリエイターとしても一線級なんだけども、私の大好きな石原さんとか、あとは石立さんとか山田さんなんかは「情に訴える」形のドラマ作りの「何かをひっかける方法」が突出してて、武本さんは画の情報の効率化とか、シンプルに「伝える」ことに重きを置いているというか。よく言えばクール、悪く言えばあんまり画にあそびが出来ない。今回のお話もそんな武本コンテの性格が出てる気がするんだよね。「芋」から「芋」に繋ぐシーンまたぎなんかは分かりやすく場面を繋ぐ役割を果たしているのだけど、それって外延的な面白さで、キャラの心情に関係無い部分なんだ。今回クライマックスとなった葵ちゃんの出ていくシーン、そして久美子が部長先輩に突っかかられてたじろぐシーンなんかも、シーン自体のエグさに比して、理解しやすさが先に立つ印象。まぁ、あそこをマジでドロドロと処理されると本当に胃が痛くてしょうがなくなるだろうけど。適材適所ってことだろうね。

 そんなわけで、今回は非常にお話の意図が見えやすいエピソードである。中心となるのは当然(待ちに待った)「葵ちゃんの退部」であるが、その事件を中心に、吹奏楽部に眠っている過去をえぐり出し、3年生チームの関係性を描くことを目的としている。葵ちゃんについては先週までで大体のパーソナリティが描かれていたので予定調和の進行であるが、ついに爆発した部長先輩の弱気は、久美子を理不尽に巻き込んでなかなかの迷惑。あそこで後輩に突っかかってしまうあたり、相当フラストレーションがたまっていたのだろう。普段お利口さんな人がああいう面倒臭い絡み方をしてくると、本当にどうしようもない。いや、久美子のレスもとんでもなく無責任だし、あいつはあいつで悪い奴だとは思うのだが、まー、あの状態で部長先輩に何を言っても納得はしてくれないだろう。「女性の怒りに必要なのは説得でなく共感」という言論が広まっているが、あの状況じゃぁ説得はもちろん、共感してもアウトという泥沼状態なのだ。ただでさえ立場の弱い1年生にそれをクリア出来るはずがない。そんな愚痴をへし折るには、副部長先輩のような傲岸不遜な「更なる理不尽」で対抗するしかないのである。この3年生チームの関係性って、すげぇヘンテコだし成立するかどうかも怪しいのに、「部長が優しい」「副部長が人外過ぎる」という2つの特異点によって成立してるんだよなぁ。非常に興味深い人間関係だ。

 その他、メンバー全員の緩衝材として働くのが同じくトランペットの中世古先輩(CVみのりん)。「部活のマドンナ」という(エラく時代遅れな)言葉にも一切動じずに受け入れる胆力を持つ陰の強者。昔から「マドンナにはいも」と決まっているのですよ(ソースは藤子不二雄)。彼女のおふくろのような包容力と、天然とも取れる空気の読めなさ(読まなさ?)によって、ギスギスしていた3年生チームの関係性は何とか修復。最終形には葵ちゃんの居場所はなくなっていたが、それも仕方ないこと。強引にこの形で修復出来ただけでも立派なものだ。副部長は相変わらずゴーイングマイウェイだが、彼女がびくともせずに部の中心で拠り所となっているおかげで、今の吹部の危うい状態も維持出来ていると考えられる。普通ならばステージの中心に立つべき「俺ツエー」キャラが、こうして問題児としても浮き上がってくるのが今作の面白いところだろう。

 そして、個人的に一番驚いたのは、中川先輩のポジションシフトである。てっきり葵ちゃんたち同様にリタイア組に入るんだろうとばかり思っていたのだが、なんと、先週辺りから着実に方向性を変え、今回見事に「真面目組」に路線変更を完了させた。「私ですらちょっと本気になってる」などという上から目線な気もする恥ずかしい発言をしており、今までの窓際無気力族設定は全てリセットしてみせた。そして、「不真面目だったけど更生したよ!」というキャラ設定は、1年前の吹部の事件を語る語り部としてもとても便利なポジションである。彼女は「滝センによる吹部の革新」を表現するもっとも分かりやすいサンプルであり、更に久美子たちを3年生の事件、はては「真面目な部活とは何か」という問題の答えにまで導く、便利な接続役として見事にアイデンティティを獲得した。いや、そりゃ中間の学年なんだから当たり前といえば当たり前なのかもしれないけど。中川先輩のポニテが可憐に揺れるだけでも、この世界は盛り上がるのです。不真面目でだるそうだった彼女が重たいユーフォ担いで帰ってる様子を想像するだけでもキュンキュンしますよね。

 そうそう、あともう1つ意外だったのは、葵ちゃん退部に対する滝センの反応である。今作の特徴として「滝→葵」や「副部長→部長」といった「容赦無い正論による暴力」があげられ、今回滝センが行った葵ちゃん一人つるし上げ行為も全くの正義であるわけだが、それでついにドロップアウトに至ってしまった葵ちゃんを見て、滝センはなんだか悔しそうだった(正確には、彼女の退部届を見て口惜しそうにしていた)。彼の信念からすると、大して練習もせず、ハードなトレーニングに文句を言っていなくなる人間を追う理由も無いし、ノイズが無くなればせいせいするくらいのものだと思っていたのだが、実際には、彼は「部員が辞める」という事態に思うところがあるらしい。やっぱり、実は良い人なの……かなぁ。彼のメンタリティはまだはっきりと見えてきませんね。

 この先、葵ちゃんがどうなるかは五分五分だろうか。彼女のいなくなった吹部は滞りなく進んでいるし、これが新しい姿だと言われれば、もう彼女が帰ってくる場所はない。でも、ドラマとしては戻ってきた方が綺麗ではあるんだよね。葵ちゃんは気付いていないようだが、彼女が退部した動機は、実は大きな欺瞞がある。彼女曰く、「去年辞めていった人を引き止められなかった私は、今の部活をだらだらと続ける権利などない」とのことであるが、同じく彼女は「高校は受験に失敗したので、大学はそれが許されない」とも言っている。そりゃ人生において受験の方が何倍も影響力がでかいのだから比べること自体がおかしいのだが、それでも彼女は、「一度失敗したことに対して、次こそは願いを叶える」ということを最大の理由にしてしまっている。ということは、部活動の在り方にだって同じことが言えるのだ。一度は犯してしまった過ちを、今こそ取り返すチャンス。ここで自分たちが必死の練習に耐え、改めて当時辞めていった部員たちに捧げることこそが、彼女の償いの方法であるはずだ。はたして、葵ちゃんはそのことに気付いているのだろうか。

 そして、久美子はこの半端な立ち位置からどこへ行くことになるのか……過去のトラウマ話を匂わせながら、先輩に振り回され、高坂さんに威嚇され、更に葉月には恋愛話で勘ぐられ……なんだこの主人公。

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