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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「僕だけがいない街」 5

 まさか本当に1話で1巻全部やるとは……1クールでどこまでやるつもりなんだろ。

 原作既読。というか、実は未読だったんだけどつい最近機会があって最新刊まで一気に読んだ。おかげで、全般的にまだ記憶は鮮明。普段私は、アニメ化が決定した未読作品ってのは読まずにアニメを待ち構える主義なのだが、ぶっちゃけるとアニメ化するっていう事実を失念していて手に取ってしまった。読み始めた後に「あ、やべ」って気がついたのだが、その時点で3巻くらいまで読んでて、もう、そこでやめるわけにはいかなかったのです。つまり、原作は割とやめられない止まらない面白さなのです。

 そんな理由で既読になってしまったわけだが、そんな原作経験者目線から見て、この1話はかなりの冒険だ。1巻をまるまる駆け抜けてしまっており、相当色んなところが削られているし、辻褄を合わせようとして改編もそこかしこで行われている。かなりのハイペースなので、自分がもし未読の状態だったら何がなんだか分からなかっただろうという確信がある。そして、削られたパートは、もちろん致命的な部分ではないのかもしれないが、かなり重要な要素も思い切って削られている。愛梨ちゃんと経験する2つ目のリバイバルがまるごとカットされていることで、視聴者は「リバイバル」というシステムがピンと来ないままでクライマックスとなる「大リバイバル」に挑まねばならないし、主人公の人となりがさっぱりの状態での突然の展開もついていくのが大変。「冗談に決まってるべさ」という台詞が持つ意味なども削られているので、母親の人柄も分かりづらく、死んでしまったことに対する衝撃度もかなり違ってくるだろう(へし折ったネギの行方も分からない!)。また、重要な伏線となる駐車場でのリバイバルのシーンも、かなり急いでいるのでその特殊性が伝わりづらい(確か原作だと2周してたはず)。最初のトラックのシーンも1周だけになっているし、母親の死体を見た後も一発でジャンプしているので、これだとリバイバルが「1度だけ戻る」に改変されている可能性もある(まぁ、それだと後で確実に矛盾するけど)。これだけの大改変が行われてしまうと、メインとなる「謎解き・サスペンス」部分にもほころびが生じてしまいそうだし、それ以上に重要な主人公の成長要素、周りの人間との繋がりを描く人間ドラマの部分も筆不足で伝わらない可能性が高い。そういう部分はかなり不安をかき立てる1話目であった。

 ただ、実をいうとこの改変は理解出来るものでもある。というのも、正直にいうと私も原作1巻の時点では「なんか退屈」と思っていたためである。1巻は「リバイバルのルール説明」に終始し、さらにこの後に発生する全ての事象の「種まき」の段階なので、非常に平坦な上に、分からないことがぼやっとしたままで全てが進行するので、筋を追うだけだとつまらない。全ては後の物語のためなのだが、何も知らずに1巻だけを読んでいる段階では、「まーたループものやん、なんか設定もぼやっとしてるし、そこまで面白いのか?」と思ってました。そして、1巻ラストの衝撃の展開(つまり1話のラスト部分)で「ファッ?!」となり、2巻、3巻で「解決すべき事件」の全貌を全て語り終わったあたりで、ようやくエンジンがかかってくる。つまり、原作通りに全てを丁寧にアニメ化すると、いわゆる「1話切り」のリスクが非常に高くなってしまうのだ。そのあたりの効果を鑑みて、スタッフは多少無理をしてでも1巻ラストまでまとめ上げて興味を維持しようとしたのだろう。これはある側面では実に正しい判断なのである。出来ることなら、これから折に触れて「本当は1巻で書いてあったこと」に立ち戻って補足してくれれば、詰め込み過ぎの不安は無くなるのだが……1クールで7巻まで突っ走るとなると、どっちにしろ余裕はないよな……。雛月救出成功で終わる、とかなら多少の余裕もあるかもしれないけども。

 まー、相変わらず「現在進行形で続いてる作品を早漏でアニメ化するなよ」という結論になるわけだが、うまくシナリオ構成さえ制御出来れば面白い作品なのは間違いない。伊藤智彦は信頼出来る監督であるし、不安半分ではあるが、ここからどのように落とし前をつけるのかは見守っていきたい。

 なお、当然触れておくが、やっぱり主人公の中の人はちょっと不満。そこまでひどくはないかもしれないけど、少し感情が高ぶるとやっぱり辛い。でもまぁ、29歳バージョンの登場シーンは少ないからいいか。いや、子供バージョンもちょっと微妙なんだけどな……。今作最大のヒロインはもちろんお母ちゃんなわけだが(異論は認めない)、高山みなみだとちょっと男前過ぎる気もする。いや、でもこれくらいの方が説得力あるかな。この声だと、息子より先に全部の謎解きそう。まさか今度は「身体は子供、頭脳は大人」が息子に遺伝するとはねぇ……。

 なお、あの人のCVはあの人じゃないかと勝手に妄想してたのだが、実際にはあの人でした。うむ、これはこれで充分過ぎる説得力だ。何のことやら分からない人は原作読むか、ネタバレに目をつぶって我慢してください。

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