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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 こんなにもバスがリーサルウェポンになってるアニメってみたことないな、第11話。わざわざ3Dでモデリングされたバスが、色んなところで「格好良い」ポジションに登場。彼岸島の丸太のごとく、「バスが来た!」「でかした!」みたいな存在感がある。ちなみにバスのモデルに関して、本作を担当している水島努は劇場版ガルパンでもやたら丁寧にモデルを構築して大洗女子の面々を輸送していた。基本的に乗り物やら機械が大好きな少年マインドを持つ水島監督だが、この辺の描写にもこだわりが表れているのかもしれない。

 さぁ、残り話数もあとわずかということで、また1つ大きくどんでん返しが展開された。前回の「解答編」の提示を受けて私としても色々と解釈をこねくり回していたのだが、当たっていた部分、外れていた部分がいくつかあるので、そのあたりをまとめておこう。

 まず、ナナキというのが予想以上に包括的な存在だったということについては、前回も確認された通り。ホラー描写が付随したものだけでなく、運転手における娘さんもナナキであり、よっつんが見たナナキが両親だったことも明かされたが、こちらも別にホラー要素は(最初は)なかった。また、今回運転手の娘さんと「同等の存在」として新たなナナキ、「レイジ」の存在までが明かされた。これが今回最大のサプライズになっており、彼の存在定義がグルリと反転したことで、前回まで見えていた構図が色々と入れ替わっている。そもそも「ナナキが見えていない」ということを根拠にして魔女だのなんだのとやり玉に挙げられていたのが真咲だったわけで、そんな彼女がもしっかりとナナキを生み出していたことが判明し、これで村における特権的な立場を持つ人間はいよいよ一人だけになったのである(もちろん、聖母こはるんのことである)。

 ややこしいので真咲のことについて先に考えてしまおう。現時点で、彼女の過去に何があったのかは正解が出ていない。彼女が語った「レイジと一緒に納鳴村の調査に来た」ことは事実であろう。この時点でのレイジがナナキだったとすると、彼女が村に来る動機がなくなってしまうので話が成立しない。彼女は間違いなく「本物の」レイジと一緒に納鳴村を訪れており、そこで彼女の回想の通り、レイジが何らかのナナキを目撃し、パニックになって散り散りになった。おそらく、その時点では真咲はまだナナキを生み出しておらず、村との接続が無かったために一度は外界に放り出されたのだろう(そのような事例が他にあるのかどうかは定かでないが)。そして、接点を失ってしまった彼女はどうにも村に入ることが出来なかったが、この度こはるんの企みによって他者の力を借りて再び納鳴村に入ることに成功した。以前の真咲はナナキを生むに足る「感情」を持ち合わせていなかったのかもしれないが、今回は明らかに人生の転機となる「レイジとの別れ」という負の感情を抱えた状態で村に入っており、このタイミングで、他の人間のナナキと一緒に、新たなナナキ「レイジ」を生み出した。運転手の娘同様に「怒り」「恐怖」といったマイナスの感情を持たず、ただ一身に「会いたい」と願う気持ち、そして、強く焦がれていたにも関わらず自分の力不足のために思い人と別れてしまったという自責、そうした気持ちから生み出されるタイプのナナキは、他のナナキのようにホラー要素を含まず、純粋に「会いたい形」が形成されて生み出される。今回運転手の娘が自分語りしていたように、「偽物」は間違いなく「偽物」であるが、本物同様に感情を持つことが出来るし、独立思考も可能な個体となって現出する。その結果、運転手親子は互いの思いを確認し、運転手自身が自責と後悔を受け入れることに成功したために、ナナキを回収することが出来た。同様の存在として生み出されたレイジは、真咲の願いの通り、納鳴村を調査する理知的な青年として現出している。ただ、運転手の娘と違っているのは、そのレイジは自分が「偽物」であることを認識しているため、今回光宗が涙を流した通り、「このレイジが偽物である」ことを真咲に知られてしまうと、彼女を悲しませることも知っている。そのため、意思を持ったナナキとして生まれながら、彼女に直接会いに行くことをせず、他のメンバーとの接触のみを持ち、何とか真咲たちメンバーを無事に村から送り返そうと苦心しているものと思われる。確かに、前回彼が辛そうに自分が「既に無いもの」であると語っていたことと符合する。もちろん、本物のレイジが現在どこでどうなっているのかは、誰にも分からない。

 さて、こうして真咲が特権的な立場であったという事実が覆されると、あとはもう横並び一線のはずだが、メンバーの中にはまだ有意差が残っている。それが「村の出入り」に関する情報である。このあたりはまだふわっとした部分があるのではっきりしないことも多いが、せっかくなのでまとめておこう。まず、村に「初めて入る」条件は、そこまで多くないようだ。神山が言うには「霧」とかなんとかの準備はあるようだが、それ以外の条件を強いて挙げるなら「心を持っていること」が必要だろうか。そして「村を出る」のに必要な条件はただ1つ、「ナナキを消す」こと。この「消す」には2つの選択肢があり、1つは「ナナキを受け入れる」パターン。この成功事例には今回妙な存在感を見せたよっつん、それにダイナミックな活躍を見せた運転手の2人がいる。よっつんの場合、見えていたナナキは最終的にホラータッチのものだったが、「川流れ」のタイミングで死を覚悟し、そのついで(?)に自分のこれまでの人生を振り返り、その上で「口うるさい親」や「他の分野に逃げようとした自分」の全てを受け入れた。つまり、ナナキを恐れの対象としてみていた自分を改め、恐れではなくしてしまった。これによってナナキは彼の心に戻った。また、運転手も同様にして「これまで娘との別れを見ないようにしてきた自分」を悔い改め、全てを引っくるめて自分の人生だと認めることで、ナナキ自身から卒業証書を手渡され、娘は彼の一部へと還った。この2人は貴重な「帰還者」として、一切心的ダメージを残さずに村の外へ出ることが出来た。

 対してもう1つの「ナナキの消し方」は、ナナキを完全に自分の外に置いてしまうこと。いわば「人の心」を外に捨て、これまでの自分の恐れも後悔もなにもかもを投げ捨てて他人事にしてしまう。このパターンで村を出たのは神山さんだけで、彼には「老化」という重いペナルティが科されている。「自分」を失ったはずの神山が何故納鳴村の回りで見張り番のような仕事をやる気力があるのか、っていうのはちょっと違和感のある部分なのだが、そこについては一応「なんか、贖罪みたいな気分で」という適当な説明は本人の口から語られていた。

 そして問題になるのが、この「受け入れる」「切り離す」のどちらとも言えない状態から村の脱出を実現させた光宗である。彼の場合、最初に村を出たときの立ち位置はおそらく「切り離し」の方だったはずだ。ヴァルカナと一緒に戦った彼のナナキは非常に小さくなっており、既に「心」が弱い状態、そこから夢うつつのままに村から転げ落ちた彼の症状は、おそらく「切り離し」に近いものだろう。しかし、偶然にも彼は村の外で父親と話す機会を得て、そこで自分のナナキにまつわる過去を全て洗い流すことになった。父親からの謝罪、母親の気持ちの吐露。そうしたものを聞くことで、本来なら村に置いてきたはずのナナキ、「時宗」が、彼の中で急激に意味を失い、「心的外傷」としてのインパクトを失ってしまったのである。こうして「切り離してきたはずの大切な『自分』が、外的要因によって不必要になる」というパターンは神山も扱ったことがなく、「なんだか半端な状態」と評していたのではないかと想定される。

 さて、こうして幾人かの「脱出者」が存在するわけだが、ここでもうひとつの課題は、「再入村」についてである。神山は既に村に入る権利である「自分」が無いために、どうあがいても村に入ることは出来ない。よっつんや運転手は、ナナキを受け入れた上での脱出だったので、改めて入ることが出来るのかどうか。そして、その中間に位置する光宗は、最初は村に入ることが出来ないような状態だったはずだが、ミラクル・バスアタックにより入村が可能になった。これは例によって勝手な推測だが、真咲にとってのレイジと同じ状態、つまり、新たに「心の中にナナキに値する存在」が生まれたために改めて入ることが許されたのだと考えられる。まぁ、そうなると新たに光宗が生み出すべきナナキは「偽真咲」ということになってしまうわけだが……。次回の展開で運転手とよっつんがどうなっているかで、この辺りの問題はまた変わってきそうだが。

 村の出入りについての情報はこれくらい。残った問題は、村の中でバタバタしている有象無象について。もう、ほとんどの人間はナナキレスの状態が進行してどうにもならなくなっている。精力的に動けるのはチームナンコの3人とヴァルカナさん、そして聖母率いるケツジャックコンビくらいのもの。ヴァルカナさんは、ケツさんから「お前、利用されるだけされたけど愛想つかされたぞ」とばらされてとんだピエロに。いや、ヴァルカナさんが悪いわけじゃないんや。「思ったより善人だった」ってのは一応褒め言葉だし。つまり、こはるんが現時点で引っ張り回しているのは悪人、もしくは「扱いやすいヤツ」。ケツさんが漏らしていた「より大きなナナキを生み出す」という目的が本当なのかどうかはよく分からないが(だってケツさん頭悪そうだからこはるんの真意なんて察することが出来なそうなんだもん)、少なくとも彼女がより積極的にナナキを生み出し、その変化を観察したがっているのは事実だろう。

 そんな彼女は、光宗を泥棒猫に奪われて傷心状態の颯人という格好の獲物を見つけてキャッチへと動く。おそらく彼女は社会学的見地よりも心理学的な部分からナナキに興味を持っているのだろう。切羽詰まった状態の颯人を言葉巧みに追い込む手管は、完全に彼の心を掌握している。颯人は本来なら決して頭の悪い人間ではないはずなのだが、そんな彼が思い悩んでいる光宗の問題について、「理解→共感→言語化」という3つの段階を踏んでいるのが興味深い。とりあえず心に負荷を抱えている人間には「分かる」と適当に言っておき、涙を見せることで「自分がそちら側の人間である」という姿勢をアピールする。ここまでなら単に相槌を打つだけのコミュニケーションであるが、その後、彼女ははっきりと彼の「思っていること」を言語化し、彼に突きつけるという行程を踏んでいる。これにより、彼が自分の内側にだけ抱えていた事実が、「他者の言葉」を介して現実になってしまう。「もしかしたら自分の思い込みではないか」という迷いを奪い、第3者から具体化されることで「思い」が「事実」にすり替わる。たとえるなら「頭が痛いかも」と思っているだけなら「気分」で済む段階だが、これを自分の口で「私は頭が痛い」というと、本当に痛いような気持ちになってくるし、これがさらに他者によって「あなたは頭が痛いんだね」と言われると、より確固たる「事実」として埋め込まれ、本当に頭が痛くなる、そういう状態である。こはるんは、ナナキをより具体的な形にするために、颯人を追い込み、自分の心から逃げられないようにしてしまったのである。まさに聖母。彼女の茶番を見ているだけでもゾクゾクしてしまうのは、相変わらず私がマゾ気質だからなんでしょうね。これ、こはるん役の佐倉薫っていうキャストがすごくいい仕事してるなぁ。

 だいぶ長くなってしまったのでこのあたりにしておくが、他にも「どうやってジャックやケツさんが彼女の軍門に下ったのか」とか、「今後ナンコさんは探偵っぷりを見せるチャンスはあるのか」とか色々気になることは残っている。ラストに向けての焦点は、いかにしてこはるんが目的を成就させるか、あとはなんだかんだと微妙なポジションに甘んじている光宗が最後に主人公らしい立ち位置を確保出来るか、あたりかな。あと、個人的にはヴァルカナさんの幸せな結末も見たい気もするんだけどね。良い人なのは間違いないので、このままピエロで終わって欲しくはないなぁ。美影さんはらぶぽんと一緒にどこまでも転げ落ちて結構。

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