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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 先週はエタマスドラフト、先々週はドラフトがお休み、そして今週もドラフト無し……我々は実に3週間ものあいだ、イニストラードから離れてしまっている。そして、私個人としては毎週土曜日のピック表記録と通信執筆が完全にバイオリズムに組み込まれているせいで、何も書かないとどうにも据わりが悪い。そこで、今回はちょいと趣向を変えて、1つ興味深いMagicの遊び方についての記事を書いてみたい。それがこの、「Maelstrom Magic」である。多分、ほとんどの人は聞いたことがない名前だと思うが、私もつい最近初めて見たものだ。元になったソースはこちらのブログ記事なので、出来たらそちらを読んでもらうのが手っ取り早い。こちらのサイトは、ちょいと前にフラフラ巡回していた時にたまたま行き当たったのであるが、Magicに関する記事の目の付け所が他とは違ってとても面白い。当該記事はあくまで他所の記事の翻訳だが、こういう話題を見つけてきて和訳してくれるだけでも私みたいな変則Magicプレイヤーには嬉しいし、単なる攻略記事、世界観の掘り下げだけでなく、Magicのシステムそのものをトピックとして取り上げるってのは、実は割とレアなんだ。もし興味がある人は当該記事以外にも色々見てほしいところ。

 まぁ、そんなわけで「メイルストロム」というヘンテコなフォーマットを見つけた私は、さっそくこれを実践することを考え、ドラフトのない金曜日に犠牲者を一人捕まえてプレイしてみましたので、そのあたりに関する諸々をまとめていこう。

 




○メイルストロムのルール

 出来たらリンク先の当該記事を読んで欲しいところだが、面倒だという人のためにざっくりとメイルストロムのルールを書き下しておこう。このフォーマットの目的は、(私が思うに)「Magicのカードでドミニオンやろうぜ」である。うん、無茶苦茶だ。無茶苦茶だけど世界にはそれをやってのける人がいるんだから恐ろしい。面白いゲームを2つくっつければもっと面白いゲームが出来るに違いないという……あれ、俺らがよくやってる方法論だ。まぁ、そんなことを実践しちゃった素敵ゲームなわけだ。当然、普段のMagicフォーマットとは色々な部分がかけ離れており、ライブラリはドミニオンと同じ10枚からスタートで、毎ターンぐるぐるとデッキを回す「回転」と「圧縮」の概念も入ってくる。以下に特徴的なルールだけを抜粋する。

 

1.ドローステップ

 ここが最大の肝。ドローステップには、まずドラフトピックが行われる。ピックはいわゆるウィンストン・ドラフトの方式が採用されており、大きな山(Nexusと呼ばれる)から3枚のカードがパイルに分けられ、それを見て、欲しかったらデッキイン、いらなかったら山から1枚加えて次のパイルを見る、という手順を繰り返す。普通のウィンストンと違うのは、各々のプレイヤーが見るパイルの順番が決まっていること。プレイヤーAがパイル1,2,3とチェックしていくなら、プレイヤーBは3,2,1の順で見ることになる。こうしてピックしたカードはドミニオンの「獲得」同様に墓地に置かれる。その後、手札を全て墓地に捨て、ライブラリから「捨てた枚数+2枚」をドローするのが、このゲームにおける「ドローステップ」である。当然、あっという間にライブラリが尽きるので、引けなくなったら墓地をシャッフルしてライブラリが復元する。

 

2.墓地

 このゲームは墓地とライブラリが常に循環するために、互いのデッキはすぐに全容が知れる。それを回避するために、墓地は「裏向きに」置かれる(そのためにライブラリと分けて管理するのがちょっと面倒)。これにより、墓地のカードに関係するギミックは意味を成さない。まぁ、墓地のオーナーだけ見られるようにすれば一応リアニとかは意味があるんだろうけど、面倒なので全部取っ払ってしまった方が話は早いだろう。

 

3.土地

 ライブラリには土地が入っていないので、デッキとは別にランドステーションを用意する。そしてプレイヤーは手札を1枚追放することによって、いずれかの基本土地カードをステーションからプレイすることが出来る。ただし、2種類目までの土地は1枚追放でOKだが、3種目以降の土地(の1枚目)をプレイしたい場合、追加コストとしてもう1枚手札を追放する必要がある。多色化するには相応のデメリットがあるということだ。

 

 以上がメイルストロムの基本的なルールだ。ドミニオンを知っているプレイヤーなら、何となくこれだけでイメージは出来るだろう。元記事にも書かれているが、興味深いのは通常のウィンストンドラフトと違って大量のカードをピックしても決して有利になるわけではないところ。そのあたりはドミニオンの圧縮効果をイメージすれば話が早い。

 

Nexusの選定とルールの微調整

 とりあえず、これらの情報を元にして、私はデッキの元となるNexusを選定することにした。最初に思いついたのは以前作った「オレマス」キューブをそのまま流用することだったのだが、プールの中に墓地絡みのカードも多いし、デザインした規模が大きかったのであんまりNexus向きではない。元記事の方にはNexusをデザインするコツも書いてるのだが、さっさとプレイしたいのにこれからまたカード集めはめんどいし……というので、いい事を思いついた。他人が作ったリミテッド用のプールをそのまま流用してしまえばいいのだ。世界でいちばん調整されたリミテッドプール、それは当然、エキスパンションそのものである。ということで、今回用意したNexusは「ゼンディカーブロックの全てのカードを1枚ずつそろえたハイランダー」だ。イニストラードは両面カードの関係でこういうゲームに向かないので、「戦乱のゼンディカー」と「ゲートウォッチ」から神話レアを除くほぼ全てのカードを1枚ずつ用意、そこから墓地関係のカードなんかをちょいちょい取り除いて、今回のNexusとした。で、この山でしばらく一人回しをした結果、ちょこちょこ直した方が良いと思われる箇所があったので、そこは勝手に微調整させてもらった。以下、 ①〜③が「メイルストロム全般に関わっての修正」、それ以降が「ゼンディカーブロック独自の変更点」である。

 

①,Nexusからドラフトする時のパイルを増やす

 元ルールではパイルが3つだったが、それを4つに増やす。単純に、選択肢が多い方がドラフトしている気分が出るし、Nexusからのランダムピックに至るまでの選択肢が増えるので、運の要素が多少なりとも緩和する。また相手側のパイルに辿り付くまでに時間がかかるので、「相手に引かれたくないから」というカット気味のピックについての緩衝材の意味もある。

 

②,パイルが6枚以上になったらリセットする

 前述の通り、ウィンストンと違って「デッキの厚み」はマイナス要素になり得るため、一度無視されたパイルは続けてスルーされ、特にデッキの方向性が固まる中盤以降はどんどんカードが溜まっていくことになる。そうなると事実上パイルが死んでしまい、選択肢が減ってしまう。そこで、規定枚数を超えて積まれたパイルはリセットして削除、新たに1枚からリスタートするルールを加えた。この規定枚数については、調整の余地はある。

 

③,土地プレイのコストを、3種目が手札2枚、以降4種目が3枚、5種目が4枚に。

 多色化の制限を強くする変更。これは、互いに同じパイルを見ながらピックするウィンストンでいくらかゲームに幅を持たせることが目的だ。多色化が容易だと、どちらのプレイヤーも最終的に4〜5色を平気で使ってしまい、ピックが「めくりあい」になってしまうし、同じようなデッキのぶつけ合いになるという難点があるため。たとえどれだけ赤緑黒でデッキが固まっていても、ラスゴが見えたら平地を1枚置くくらいは簡単にやっちゃうので、後乗りが容易なのだ。そうして野放図に色が広がるのはあまり面白くないので、締め付けを強くして「2人の欲しがるカード」を差別化することで、ピックにカットなどのジレンマを増やした。まぁ、互いに相手と違う土地を置いてゲームを始める、っていう空気を読んだプレイは求められるのだけどね。

 

④,手札の追放による土地のプレイは、通常の土地プレイと同様とみなす。

 これ、元ルールだとはっきり書かれてないんだけども一応明記。というのも、特にゼンディカーの場合は土地がクリーチャー化するので、割と頻繁に墓地に落ちたり手札に戻ったりする(つまりライブラリに基本土地が混じる)。そこで、手札に土地がある場合には通常通りに土地をプレイ出来るわけだが、それにプラスαで手札追放による土地プレイは出来ないよ、ということを明言した。

 

⑤,土地プレイのための手札追放は、通常の追放でなく「最悪ゲームから徹底的に永遠に除去領域」を用いて裏向きに追放する。

 これは完全にゼンディカーオリジナルの問題なのだが、普通に手札を追放するだけだと、昇華者が強い上に、圧縮のために追放したカードが墓地に帰ってくる可能性があるのよね。それを分ける目的で、土地プレイのための手札消費は完全に別次元のルールに設定した。

 

 以上が今回の「ゼンディカー・メイルストロム」のルールである。一応、ゲーム開始時のデッキは元記事が推奨した通りに適当に決めた1マナカード10枚をランダムに分配した状態からスタート。うちわけは「絶壁の見張り」「帆凧の斥候」「空間の擦り抜け」「回収ドローン」「搾取ドローン」「異常な忍耐」「溶岩足の略奪者」「促進」「膨れ鞘」「鎌豹」の10枚だが、「膨れ鞘」だけちょっと強かったかも。

 

○試合してみて気付いたこと・雑感

 実際に対戦してみると、なるほど色々なところに独自の面白さが出てくることが分かる。まぁ、ぶっちゃけ「理不尽」な部分も多いのだが、そのあたりは笑って飲み込めるバランスだろう。まず、絶妙だと思ったのは手札を補給する「捨てた枚数+2枚」というバランス。単純に考えると「土地プレイのための1枚とそのターンに使う1枚」で2枚の補充カードがある、という認識で、実際それで間違いではないのだが、例えば手札をあっという間に使い切ると、その分ドローが減り、ライブラリの回転が悪くなる。つまり、どれだけ強力なカードをピックしても、毎ターン動きまくっているとなかなかお目当てのカードに出会えなくなる。「次のターンにあのカードを引かなきゃやばいけど、まだ墓地にあるからN枚ドローしないと絶対引けない。N枚ドローするためにはこのターンは土地を置いたら駄目で……」など、ライブラリの切れ目も考えて手札の枚数をアレンジする必要があるのが新鮮だ。土地プレイのための追加コストも上手く働いており、例えばゲーム中盤に改めて3色目のボムをピックし、その色に手を伸ばそうと考える。実際、私は白黒ライフゲインで順調にデッキをまとめていたのだが、「竜使いののけ者」が見えたせいで途中で強引に山を置くことにした。しかし、そうなると手札が2枚削れてしまい、次ターンにドロー出来る枚数が減る。すると、せっかくピックした「のけ者」をドロー出来るまでにはしばらくの時間を要する。4色目、5色目、6色目(「荒地」があるからね!)ともなると、デッキ回転のスピードダウンは相当なものだ。しかし、それでもピックしたカードにはノイズとなるパーツも少なからず存在しており、デッキを「圧縮」するためにはそうしたカードを潰して土地に変える作業は欠かせない。「今手札を残してとにかくライブラリを回すか、それとも後々の効率を考えて手札を削るか」というジレンマは、このゲーム独自の面白さだ。ドミニオン同様、ゲーム中盤になれば軽めのカード、つまり1マナのクリーチャーなんかが不必要になるので、それまでお世話になったカードを土地にして供養するタイミングなんかもテクニックが求められるだろう。

 また、墓地が循環する繰り返しのゲーム設定も興味深い戦略性を生み出す。分かりやすいところでは、Magicはクリーチャーが強くて除去が強いゲームだ。除去ってのは1つの問題が片付いたことを示す端的なツールになる。しかし、メイルストロムにおいて除去は本当に一時しのぎ、バウンスと同程度の意味しかない。さっき除去ったクリーチャーはすぐに戻ってくるし、さっき使った除去もすぐに戻ってくる。しかし決して同じ展開が帰ってくるわけではない。相手が「湧き上がる瘴気」で場を一掃してきたなら、次は展開のしかたを考えるだろうし、ライブラリの巡りの結果、相手に手札にそろそろ「歪める嘆き」が来てる頃だと思えばソーサリーを唱えるのをやめたり、パワー0の壁を出すのを躊躇もするだろう。自分のデッキの巡りを想定して、2手先、3手先までもがある程度読めてしまうという、「常にぼんやり占術状態」は双方に影響を与えるのだ。まぁ、今回はゼンディカーで勝負したので、追放除去という圧倒的な強カードが存在するのだけれども。「完全無視」や「忘却の一撃」の頼れるイケメンっぷりが尋常じゃないんだぜ。

 そして、「除去がバウンスなみ」と書いたが、加えて「バウンスが除去なみ」でもある。何しろ手札に戻ったクリーチャーは次のターンには勝手に墓地にいっちゃうのだ。今回試合をして「掴み掛かる水流」のあまりの強さに顎が外れた。何しろこちらの一番強いカードは(少なくとも後の数ターンは)除去され、相手陣営には3/3土地クリーチャーが残る。そして、この「掴み掛かる水流」も数ターン後には戻ってきて更なる土地クリーチャーを生み続けるのだ。他にもドロー呪文やハンデス呪文の持つ意味、墓地に落とさないタイプの除去オーラなど、様々なカードの強さが通常の試合とは大きく変化するため、色々と普段使わない脳のパーツを使う感じが楽しいぞ。

 

 今回は手軽にプレイするためにゼンディカーをそのまま借用したが、もちろん、メイルストロム専用のちゃんとしたNexusを開発出来れば、さらに独自の面白さを生み出すことが出来るだろう。そして、このメイルストロムの最大の利点は、ある程度でかいNexusさえ用意しておけば、続けていくらでも「見たことのないデッキ」を生み出す新鮮なゲームを繰り返し楽しむことが出来る部分。適当にカードを詰むだけのタワー戦でも似たような楽しみはあるが、こちらの方式なら存外しっかりと「デッキメイク」の楽しみを味わうことが出来る。「キューブとか、もっと珍しいフォーマットで遊びたいけど時間も相手もなかなか確保出来ない」という人は、このメイルストロムの可能性を追求してみるのは如何だろうか。

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