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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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○「少女終末旅行」 6

 合間に「メイドインアビス」のCMが入るとなんか言葉にできない不可思議な融和を感じる気がする変な作品である。

 1話目では何も語られていない。しかし全てを描いているとも言える。何しろ「少女」が「終末」を「旅行」している。これだけでタイトルの要素は100%回収している。だからって全部分かるかといえば、むしろ何も分からないというのがすごい。一体どんな作品なんだろう。不思議なことに、今作の場合は「分からない」ということは全くもって苦にならない。それはおそらく「あぁ、分からないことなんだな」ということはすぐに「分かる」からだ。分かる必要がないことが分かるからだ。おそらく、この世界における2人の少女はキャラクターというよりも「舞台装置」の1つなのだろう。「終末」というシチュエーションを用意し、そこにポンと少女を置いてみる。そして、「終末」を「旅行」させてみる。そこに何が出てくるのかというのをただひたすら観察する作品。無理やり繋げるなら、「どこでもいっしょ」でトロを見ているような、「シーマン」を観察するような、決してゴールはないが、目的はある作品だ。

 真面目に考えようと思えばいくらでも疑問は吹き出してくる。2人の少女はどこからきたのか、どこへ行きたいのか。今までどうやって生きてきたのか。どこで言葉を学んだのか。世界をどこまで知っているのか。なぜ2人で行動しているのか。あの戦車は燃料があるのか。何故銃を撃つ練習をしていたのか。そもそも銃を知っているのか。もっと細かいところでは「普段トイレに行ってるのか」に至るまで、分かることより分からないことの方が多い。しかし、それはどうでもいいのだろう。もしかしたら本当に番組が始まる5分前に突然全ての記憶を与えられた状態で生み出された「5分前少女」なのかもしれないし、ちゃんとあらゆるバックグラウンドが用意され、壮大なスペクタクルの末に今のような放浪生活に至ったのかもしれない。しかし、それは今や問題ではないのだ。彼女たちが移動し、見つけたものだけが、この作品の全てなのである。我々視聴者が枠の外を想像するのは自由だが、そこに意味は与えられず、あくまでも「見えたものを見えた通りに描いていく」というだけの作品だ。

 「旅行」というキーワードで結びつけるならばそれこそ「キノの旅」と同じデザインの作品と言えるが、「キノ」の場合は主人公が放り込まれる世界にはっきりとした意味がある。しかし今作ではどこからが「新たな世界」なのかも定かでないし、そこに与えられた意味も非常にユルい。あとは見ている人間が好きなように埋めてくれればいい。なんとも自由度が高く、自由度が高すぎてどこかへ飛んで行ってしまいそうな設定だが、そのふわふわとした覚束なさが、不思議と心地いいものに見えるのは、おそらく「世界」を与える映像がしっかりと地に足をつけたものになっているおかげだろう。「設置されたもの」として不動の「終末世界」の硬質さと、そこをふわふわと移動する「少女」たちのユルさ。つぶれまんじゅうデザインは「メイドインアビス」以上のものだが、「これをかっちり描くことだけは絶対許さん」という確固たる意志が感じられる団子のようなキャラ造形は、「世界」から「少女」を引き離し、次元が違う存在であることを誇示しているかのようだ。一歩間違えれば「FXで全財産溶かした人」にしか見えないような表情のデザインだって、「終末」という世界設定では絶対出てこない異次元の存在。このミスマッチが二つのレイヤーの存在を強調し、その間に生まれる不思議なハーモニーを明確に際立たせているのである。なんだこれ、自分で書いてて何言ってるかわからなくなってくるわ。

 まぁ、とにかく「やってる意味はよくわからんが、とにかくすごい世界だ」という満足感だけは得られるのである。やっぱりつぶれまんじゅうだろうがなんだろうが、少女ってのは大切なんですよ。CVが水瀬いのりと久保ユリカ。なんとも不思議な組み合わせだが、これまたふわふわとしたつぶれまんじゅうに見事に調和するのだ。

 今後毎週見続けたら、この作品はどうなっていくのでしょう。正直、割と楽しみです。

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