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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  「終わっちまったよ……」と思わず呟いちゃった最終話。最後の最後まで、「さらい屋」は「さらい屋」であり続けました。この胸の中の気持ち、どこにどうしていいものやら。

 感情的になって酒を浴びていた弥一に、ついに八木が接触した。薄々感づきながらもはっきりとは問いたださない八木の口から、「誠之進」について語られ、自らの「家」が既に無いことを確認してしまう弥一。今更あの家がどうなっていようが、弥一の今の感情はどうしようもない。「もうふらふらですよ」というサブタイトルは、やけ気味になった現在の弥一の心境はもちろんのこと、憎き「弥一」を探し求めて途方に暮れてしまった彼の人生そのものが悲鳴を上げた台詞でもあるのかもしれない。

 そして、「ふらふら」の弥一に再び接触したのが、彼の人生を大きく曲げてしまった男、仁である。「くたばる前に」と言い置いて、仁は「弥一」の真実を語る。誠之進を拐かした計略に、「弥一」は一切絡んでなどいない。下郎に身を落とし、復讐に身を焼きながら生きてきた弥一の人生は、たった1つの嘘から生まれ、たった1つの告白でどうしようもなく壊れてしまう、脆いものであった。

 あまりの事実を突きつけられて自制を失った弥一は、そのまま仁を川に沈め、自らは「弥一」の墓に赴いて嗚咽するだけ。白いものが空を覆い始め、このままではただ、雪の中に泣き続けることしかできない状態。そんな誰がみてもやるせない状況ですら、「空気を読まずに」介入してくるのが、政之助という男なのだ。恥も外聞もなく彼にもたれかかる弥一。一夜の悲劇は、雪が止むのと同時に、空に上がっていったかのように溶けて消えた。

 いつも通り、梅の店に集まる五葉の面々。弥一がどうなったかはみんな気が気でない状態だったが、そこにメッセンジャーとして松吉が現れる。「五葉は、まだ終わらない」。矢も楯もたまらずに弥一に会いに行く政之助。彼が力なく転がる弥一に差し出したのは、初めておごられる側から差し出す側に替わった、たった1串の団子。政之助が差し出したものを初めて弥一が受け入れた。

 

 うーむ。終わっちまったよ……多分視聴後にほとんどの人間が思うが、「仁の始末は?」というのが最大の心残り。いや、弥一とマサが安定を取り戻せるならばお話としては構わないが、どれだけ酷いトラウマを植え付けられたとしても、衝動的に人を1人始末してしまったことに対する埋め合わせは出来ていない。「義賊」としてなりたつ五葉は人殺しなんて容認できるはずもないし、仁がメッセージを届けるだけ届けて退場したことは、流石にこんな短い時間で消化しきれるものではなかった。

 あとはまぁ、マサ×弥一っていう組み合わせが鉄板っぽく扱われていることに対する感情かな。マサの気遣いは良いのだが、今回のエピソードだけでは弥一があの絶望的な状況から立ち直る理由が見あたらないのだよね。確かに政之助があのシーンで弥一の墓にやって来る理由はなく、あそこで巡り会えたことに運命的なまでの「マサの気遣い」を感じることは出来るが、流石にそれで過去の一番辛い出来事が流されるかというと……うーむ。弥一の心のゴールがいまいち見えませんでした。

 ただまぁ、そうしたブラックボックスを描くための構成としては、今回も徹底的な「静けさ」を維持していたのは1クール見てきたファンにはたまらないもの。白刃きらめく刃傷シーンでも具体的な動きを見せないのはこれまで通りだが、最終回と言うことで、飛び散った血潮が画面上にへばりつくというキツめの演出によって、今回の「事件」が作中でも特別なものであったことを示唆している。そして、執拗な「静けさ」は最後の最後にまで影響を及ぼし、政之助が差し出した団子をほおばった弥一は、特に何かを言うわけでもない。ただ少しだけ相好を崩し、団子を受け入れただけだ。これまでの積み重ねがあればこそ、あのシーンは「エピローグ」たり得るのである。そう考えると、この作品のエンディングはやっぱりアレで良かったのかも。

 最後の最後まで、信じ抜く道を貫いてくれた本作。ずぶずぶと沈み込んでいくような視聴感は癖になりました。本当に、そんなものをわざわざ言葉を割いてまとめていくなど、野暮でござった。

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