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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ウアァァア! めぐっちゃん!! 第5話! 切ないなぁ。青春だなぁ。記念すべき今年初のボロ泣きアニメは意外なところから現れました。痛々しいって、素敵だなぁ。

 まさかのめぐっちゃん回だった。なるほど、今作は「南極探検」という大上段のテーマに目が行きがちだが、どちらかというと女子高生たちの生の感情が行き交う青春ドラマとしての側面が強い。そして、キマリや報瀬の物語が成立するのなら、めぐっちゃんだって立派に主人公たり得るのだ。そしてそれは、なんとも切なく、身を切るような物語だ。

 気づけば本作もすでに5話目。南極でのあれこれを描くためにはそろそろ旅立つ必要があり、前回初めて訓練に参加したかと思ったら、いつの間にやら出発当日。もう少し「南極での心構え」みたいな部分でトレーニングするシーンが挿入されるかと思っていたのだが、そんなことをしている時間はないようだ。尺に余裕があって試験やトレーニングを延々流すことができた「宇宙兄弟」とは作品の性格が異なるからね。そうして月日は流れ、キマリたちの南極行きは当然それなりに話題になっている。学校ではなんと朝礼で登壇するまでの話題になり(まぁ、3ヶ月も休学する事態だしなぁ)、報瀬さんは闘犬モードに拍車がかかる。もちろん、学校側がここまで大々的に取り上げてくれれば、今まで妄言だとしか思われていなかった報瀬の大望だって一気に現実味が出てくるわけで、そうなってしまえば周りの人間の反応だって変わる。今や2人は学校ではちょっとした有名人。そして、その知名度は決して悪い方向での噂ではなくなっているのだ。

 そんな変化に、もちろん本人たちだって戸惑ってはいるだろうが、キマリのよく分からない図太さは、周りの頼りになる仲間たちの存在もあり、南極行きの不安や恐怖よりも期待や楽しみの方が上回っている。1話目で学校と反対向きの電車に乗ることすらできなかったあの時のキマリはもうおらず、今では立派な「南極チャレンジ隊員」の一人なのだ(多分、時として自分以上にポンコツになる報瀬さんの存在は大きいのかと思います)。変わる世界、進む時代。こうしてキマリは立派に自分の人生の「主人公」たらんとしている。

 そして、そんな変化に影響を受ける人間は、何もプラスの影響があるだけでは済まされない。意外なことに、前へ進むキマリを見て一番の影響を受けたのは、「隣にいるメガネ」、めぐっちゃんだった。これまでも少しずつ彼女の変化への「戸惑い」や「焦燥」を見せていためぐっちゃんだったが、キマリの旅立ちを契機に、それが一気に爆発した。依存されていると思っていた相手に、実は自分こそが依存していたのだ気づかされること。それは彼女にとっても耐え難いものだっただろう。自分が上にいるという優越感を幼い頃からずっと抱えてきたはずなのに、実はそれこそが依存であり、今やキマリは自分では想像もできないほどに、広くて明るい世界にいる。そんなことを考え続けた結果、キマリを害する方向への感情が動いたとしても、それは一概に責められるようなものではない。

 もちろん、めぐっちゃんのやっていたことは悪いことだし、許されるべきではない。しかし、彼女の抱えるどうしようもない葛藤は、思春期の繊細な感情の1つとして、本当によく分かるものだ。周りの人間の変化は、自分の停滞を浮き彫りにする。別にめぐっちゃんだっていっぱしの女子高生として普通に進路のことも未来のことも考えているのだろうが、さすがにわずか数ヶ月で南極へとぶっ飛ぶ親友と比べたら、それは霞むものであるし、「駄目だと思っていたやつが一念発起して劇的に変わってしまった」という事実は、必要以上に自分を小さく見せてしまったことだろう。そんな中で、なんとか友達の変化を止めようと足を引っ張ってしまった感情は、人間ならば誰だって思い当たる節はあるのではなかろうか。なんともいびつで、救われない方向ではあるのだが、それだって、長年蓄積してきた関係性ゆえのもの。培われた友情の裏返しでもあるのだ。

 本作はそうした微細な感情の揺れ動きを、嫌らしいほどに執拗に届けてくれる。一番端的だったのは、キマリが夢中で進めていたゲームのコンセントを抜いてしまうシーンだろうか。そんなことをしたところで現状に変化があるわけでもないし、別にゲームの腕がどうだろうと知っちゃこっちゃないはずなのだが、今のめぐっちゃんにとって、キマリが何かを進める、成し遂げるという事実がどうしても耐え難いものに思えてしまった。だから成し遂げる前にそれを消してしまったし、あくまでも自分の責任ではなく、「キマリが自主的に」辞めることを期待し続けてしまったのだ。

 しかし、報瀬や日向たち、キマリの新しい「世界」を目の当たりにすることで、めぐっちゃんは全てを悟る。キマリはもう、あの頃のキマリではない。新しい世界の中で、自分の手を離れて歩き始めた一人の人間なのだ。そんな当たり前の事実から目を背けようとしていた自分を恥じ入り、めぐっちゃんも、新たに一歩を踏み出す決意をする。旅立ちの日の早朝。おそらくめぐっちゃんはキマリが家を出る時間を知らない。それでも、彼女はあの日の朝に絶交宣言をしなければいけなかった。きっと、本当に早い時間からずっとずっと、キマリのことを待っていたはずだ。謝るために。前に進むために。

 確かに南極は遠く、それを目指すキマリの挑戦は勇敢で偉大である。しかし、彼女を見送り、日本の地に止まりながらも、新しい自分の未来を目指すことを決意しためぐっちゃんの挑戦だって、決して負けてはいない。3ヶ月間の南極よりも先に、2人の人生は続いていく。そんなずっとずっと遠い場所を目指すための決意は、立派な冒険心と言えるのではないか。めぐっちゃんは、本当に素敵なお友達だと思います。

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