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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 突発的に劇場へ。なんとなく劇場の上映情報見てたらこの作品が引っかかり、「そういえば予告編見たな……」とぼんやり思い出し、「そういやなんかエロ漫画みたいなこと言ってたけど、どんな作品なのだろうか……」と気になり劇場へ。おそらく「やがて君になる」最終巻を読んだばかりということもあり、迎え酒感覚で何か他の百合を求めていたということも要因としてあったのだろう(どんな体質だ)。こういう時に2時間作品だとそれなりに気持ちの準備してからいく必要があるけど、上映時間60分と書かれていると気楽なので助かりますね。まぁ、OVA上映はコスパの側面で見るとあんまり効率良くないのだけど。こういうところにお布施を投げておくことで色んな作品が単発で作られる土壌が醸成されるかもしれないしね。そんなわけで、事前知識ゼロの状態で見に行ったのでありました。

 

<一応ネタバレとか云々。まぁ、ネタはないけど>

 




 さて、気持ちとしては少し前に上映された「あさがおと加瀬さん。」と同じテンションだろうと思って観に行ったわけですよ。事前情報では佐藤卓哉監督作品だということもわかり、座組みも割と似ているらしい。制作のティアスタジオってのは聞き覚えがなかったが、確認したら「なんここ」とかの制作。およそ新興ってことで問題ないだろう。ぶっちゃけ、映像部分はそこまで。「劇場版」じゃないので仕方ない。

 「加瀬さん」といえば、とにかく激甘いシチュエーションをただひたすら叩き込んでくるだけのシンプルな作品になっており、「こんなん健康被害が出るに決まってるやんけ!」と悲鳴をあげながらも濃密な百合展開に割と満足できた記憶がある。今作もそんなテンションで観に行ったわけだが、思ってたのと全然違ったのでなかなか順応するのが大変だった。そりゃま、「加瀬さん」みたいな一本気な作品ばかり作られても飽きてしまう危険性はあるのだけど。こちらはコミックだと全2巻らしいのでおそらく60分で全ての内容をやったことになるのだろうが、どうも、「初見でも見たらすぐにわかるよ」という作品ではなかったのでいささかハードルが高かったようだ。

 冒頭の展開、そして森谷と村上の関係性はやっぱり「エロ漫画やんけ」というセッティングになっており、タイムストップものなんてエロ漫画然り、AV然り、どこをどういじってもエロいものである。さらにそんな設定を受け入れた村上の行動がダイレクトにエロ漫画方向に突き進んでおり、視聴中になんども「エロ漫画やんけ」が連発される。そして、面倒なことに劇場で見たいシチュエーションって「エロ漫画」と「百合アニメ」だとイコールじゃないんだよなぁ。村上さんの暴走は、本来なら「サービスシーン」でありご褒美なんだろうけど、なんか気まずさというか、「この展開はサービスのつもりで描かれているのか、それとも村上のキャラ描写の掘り下げとして描かれているのか……」と思い悩んでしまうことになった。

 ここまでの筆致でなんとなく察していただけると思うが、正直色々引っかかってあんまり楽しめなかったのは事実である。大まかに分けると引っかかったのは2つの要因である。まず1つ目は軽いものだが、「ほんとにタイムストップの扱いが内へ内へ向かう思春期症候群としてのみ使われているのだな」という部分。どういうことかというと、(およそエロ漫画の大半もそうだけど)タイムストップの原理原則や、それが世界に与える影響にほぼ言及しないというところ。いや、そりゃ「時間が止まるってどういうこと? 全てが止まるってことは空気の対流も止まるから一人だけ動いてたら窒息死するよね?!」みたいなことまでは言わないまでも、何度も何度も時間停止中に森谷が移動しているのに周りの人間はそのことにほとんど頓着しない。作中で「あれ? 瞬間移動した?」みたいなことが言及されるのは村上の1回だけである。そして、普通ならこうした異能は周りに気づかれないように細心の注意を払って扱うものだが、森谷はその辺りに無頓着だし、村上は積極的に「バラす」方向へ動こうとするために危うさが先に立つ。後になってきちんと村上の精神性は説明されるし、途中の描写からして「あんまり時間停止の細かい齟齬は気にしないってことなんだよな」ってのは理解できるのだが、設定がでかいわりにペイが少ないような気がして、定番の設定の割には使い方が微妙だな、という印象なのである。まー、本当に「二人だけの時間」という言葉をそのまま世界に落とし込んだだけの話なので、ここに目くじら立てるのはお門違いではあるのだが。

 もう1つの要素の方がハードルとしては大きいもので、今作が描くのはあくまで村上の(もしくは2人それぞれの)精神性であるという部分。「加瀬さん」の場合、視点人物は加瀬・山田で場合に応じて入れ替わり、互いの視線で見た相手に対しての好き好きモーション(&エモーション)がひたすら描かれるので「関係性の物語」が至極わかりやすい。百合作品なのだからやはりメインテーマは「2人の関係」であるべきだ。翻って今作は、確かに「2人の関係」を描いてはいるのだが、実は終盤ギリギリまで、お互いが互いを見ていない。というか、村上がとにかく自分を隠し、下手したら自分を失っているせいで、森谷から見ても村上は見えず、さらに村上からの描写がない(これも当たり前なのだが)ために村上サイドからの森谷が見えない。最終的に「村上が自分を手に入れるお話」なのだからこの構図は当然のセッティングではあるのだが、何もわからない状態で(百合作品だと期待して)見始めてしまうと、「思いのすれ違い」以前の問題として「思いのノータッチ」状態なので、どこで盛り上がっていいのかがわからないのである。服を脱ぎ、パンツを見せ、唇を重ね、肌を重ねても、その時に村上が何を考えているのかがわからなければ、そこに百合は無いのだ(個人の感想です)。

 繰り返しになるが、こうした齟齬が生まれたのはあくまで作品で描かれるゴールがこっちの(勝手な)想定と違っていたというだけの話で、改めて「村上というクラスメイトを探す物語」として見直したらお話は成立しているのかもしれない。ただ、ド頭からそういう見方ができず、「村上、単なるエロいやつじゃないの?」という見方だけでは拠り所がない。お話を動かすための外圧(クラスのいじめの雰囲気)なんかも胸糞悪い割には通り一遍であんまり実感を伴わず、この辺りは60分にまとめようとして要素を切り出してしまった作劇の不都合なのかな、なんてことも考えてしまった。正直、これだけの時間で村上の精神性を描き切るのはちょいと無理があったんじゃなかろうか。ベッドの下の単語帳のシーンとか、いきなりのホラーだったもんなぁ。インパクトはあったんだけど、「そこまでの話なの?!」っていう座りの悪さが先に立ってしまったんだな。

 なんだか改めてまとめると「甘ったるい百合を求めて行ったアホな人間が意外に重い人間関係で横から殴られて怯んだ」っていうだけの感想に見える気もするが……まぁ、突発的な視聴なのでそういうこともあるある。ちなみに、当然のことながらわざわざ劇場まで足を運んだ最大のモチベーションだった中の人補正に関しては割と満足したので大きな不満はないです。キャスト表を見て「伊藤美来……まぁ百合やな、宮本侑芽は……百合以外知らないし、ちかぺも百合だな。佐倉さんとたかみながわざわざゲスト出演してるのは狙ってるだろうし……なるほど、総合すると女性声優ってのは百合だな」とか頭が沸いてる状態で観ていたわけだが、思い返せば伊藤美来のこういうテイストの役って初めて見るかもしれん。いっつもだいたいネジが外れ気味の能天気な役が多かったので、森谷の奥の方でくすぶってる感じの性格設定は割と面白く聞けた。宮本侑芽は正直まだ声優の発声として完成してないんだけど、これは子役あがり特有のものでむしろ武器になるテイストなので、無理に汎化させる必要もないだろう。あとはメガネ卓球部小林さんをやってたちかぺが良かったです。っていうか、多分作中で一番可愛かったの小林さんです。結局、なんで2年生のあんな時期にクラスメイト勧誘してたんだろうな。

 

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