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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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「ヴィンランド・サガ」 5→7

 大河よなぁ……。いや、やっぱ面白いわ。ありがとうNHK。

 序盤は本当に「王道展開だし、暗い話だからじっくり見られるとしてもすげぇ盛り上がることはないかなぁ」と軽く見ていたのだが、2クール目以降に尻上がりに面白くなっていき、やっぱり物語を語るのにはある程度の尺が必要なんだなぁ、ということを認識させられた。最近のアニメに足りないものって、こういうゆとりだよなぁ。もちろん、ダラダラと長く続けてもさっぱり心に響かない作品だってたくさんあるのだろうけども。

 今作の見どころを切り出すとしたら、安易な言い方をすれば「とにかくおっさんが格好いい」という部分。男と男の関係性が、今の倫理観では実現し得ない領域で描かれる殺伐浪漫。主人公はもちろんトルフィンなのだろうが、彼の人格形成に最大の功を成したアシェラッドが(少なくともここまでのお話では)本当の意味での主人公だったのではなかろうか。悪辣な敵役ながらもその器の大きさは誰の目からも明らかで、裏切りと策謀渦巻く戦乱の時代にふてぶてしく生きる彼の姿は、それだけで作品を成り立たせる素晴らしいドラマである。ビョルンとの関係性なんて、普通なら理解の及ばない心情も有無を言わさぬ説得力で入ってくるんだ。内田直哉氏の見事な演技によって、彼の一筋縄ではいかぬ人生絵巻が大きな流れを生み出していた。

 そうして描かれたおっさんたちの格好よさってのが何に起因しているのかを考えると、もうちょっと掘り下げて「血の物語」に帰結するのかなぁ、と思う。トルフィンが地獄のような人生に身を投じたのは、父親に対する抑えきれぬ執着が原因であった。誰よりも尊敬した父の仇を打つためならば死地へ飛び込もうという少年の動機は、現代ドラマでも通用するものではあるが、やはりこの当時の価値観に裏打ちされたものであればこその重厚さを持つ。そして、最終的には怨敵であるアシェラッドの人生も、そうした「血の物語」に縛られ続けたものだったことが明らかになってくる。自分の腕一つで成り上がるしかない厳しい土地の厳しい時代。それでもなお頼れるものがあるとするなら、やはりそれは自分の生まれ、自分の家族なのだ。そんなブレない根幹部分があったからこそ、我々の及びもつかない過酷な時代の物語にも、不思議と共感が生まれて引き込まれてしまうものになったのだろう。

 もちろん、そうした重厚なドラマを生み出すための作画映像や演出プランが安定していたというのも評価のポイントだ。やっぱり WITに製作を任せたのは正解だったし、スタジオの方も、単に今まで通りの安定を求めるのではなく、新たな作品にはきちんと新たな作劇でもって印象深い画面を刻んでやろうという野心に満ちている。「厳しい世界」という一言でまとめるなら今作と「進撃の巨人」は同じ箱に入るわけだが、この2作の印象がガラッと変わって「新しい」世界が生み出されているのは、当たり前のことではあるが大切な要素なのである。

 さて、問題はこの後の続編が作られるかどうかだが……まぁ、NHK作品だし、「進撃」と同じようにきっちり最後までやってくれるんじゃないかと期待している。原作はまだ終わっていないらしいのだが……さて、何年計画になるかなぁ……。

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