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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<アニメソング部門>
 高らかに歌え、アニソン部門。カラオケ戦士たる私はこの部門をおろそかにはできないわけですが、改めて1年を振り返るに、「あれ? 例年に比べて歌える曲が少ないような……」ってなったのはひとえにガルパソングのせいである。コンスタントに新曲がリリースされ続けるバンドリコンテンツは、全バンドをフォローしようとすると曲数が膨大なものになり、どうしてもそちらの方にキャパを費やさなければならないのである。おかげでメインとなるアニソンが少なからず犠牲になることに。そして、基本的にガルパソングは「アニソン」ではないため、この部門で選出するのは憚られるのである。
 まぁ、そうは言ってもおそらく一般的なアニメファンよりは押さえている曲数は多いとは思うんですがね。とりあえず、最近は恒例になっているので、各クール、カラオケで最も歌ったと思われるタイトルをランキングに影響しない範囲でドン。
 
春クール(?)・「Blast!」(劇場版 響け!ユーフォニアム〜誓いのメロディ〜)
夏クール・「乙女どもよ。」(荒ぶる季節の乙女どもよ。 OP)
秋クール・「graphite/diamond」(アズールレーン OP)
冬クール・「ミスターフィクサー」(ID:INVADED OP)
 
 意外にバラエティはあるかな? アニソンの大事なところは、アニメそのものに興味がなくても「歌自体が好き」とか「映像部分が好き」とか色々な愛で方があるので、他の賞とは違ったタイトルが出て来やすいところですかね。
 さて、いつも通りに各種タイトルを見ていくことにするが、まずは純正のアニソンシンガー枠では、最近気になっている名前はASCAだ。今年度でいうと「雲雀」や「CHAIN」など、様々な表情を見せてくれるスキルの高さが見どころ聞きどころ。来歴をたどると鈴木このみなんかと同じアニソングランプリ出身者なのよね。今後のアニソン業界の牽引者の一人になるかもしれない。上述の通り、大看板のMay’nは「graphite/diamond」を担当。この辺りはもう、伝統芸能と呼んでもいい頃合いかもしれない。そして個人的に外せないのは「それいゆ -Dear Destiny-」。やっぱりワシの中でモモーイは特別なんじゃ。
 刺激の強さでいうなら、あのオーイシマサヨシが一枚噛んでいる「No.7」なんかはインパクト抜群。こちらは映像との親和性の高さも見どころか。映像と曲の二重ドラッグっぷりで言えば、各種アニメでメインテーマや劇伴を数多く担当しているNoW_NAMEがブッ込んできた「Welcomeトゥ混沌」も最高のご機嫌ナンバー。枠に縛られずに常にアニメにマッチしたテイストを弾き出せるのが、熟練のアニソン職人たちの技の見せ所といえるのかもしれない。
 ちょいと目立たないところで地味に「アニソン業界」の版図を拡大している気がするのが、個人的に一押しのNakamura Emi。今期は「ちっとも知らなかった」が実に印象的なシーンを描き出している。過去の担当曲(笑ゥせぇるすまんEDやメガロボクスED)とは全然違う方向性だったので初めて見た時にはかなりのインパクトだった。そうそう、アニソンシンガーとして忘れちゃいけない伏兵には、あのBless4からお兄ちゃんのソロ歌唱「籠の中の僕等は」がある。作品としてはダンス映像の問題ばかりがクローズアップされてしまったが、曲単体でも「とんでも青春絵巻」たる作品のエンディングにぴったりなのである。そしてこの部門ではすっかり常連となっているジョジョの楽曲も今年度の看板の1つ。中でもやっぱり「裏切り者たちのレクイエム」でしょうね。もうみんなして「キングクリムゾンバージョンがあるに決まってるわ……」ってなってたから驚きはなかったけどね。
 映像部分でのインパクトがでかい作品にも色々とバリエーションがあり、記憶に新しいところでは「Easy Breezy」の中毒性の高さはさすが。深夜アニメのOPで「とりあえず起きろ!」って叩き込まれるとテンションあがるわね。別方向から映像の凄まじさを見せつけられたのは、ストップモーションアニメが印象的な「Wild Side」。あまりに偏執的で、これだけで一本の作品として成立しちゃうレベルなのが恐ろしいな。
 もう少し別視点でちょっと昔風のタイアップでいうと、「インフェルノ」あたりはいい具合に格好よさがはまってたコラボレーション。最近のアニソンで「本当になんの関係もない単なるJポップ」ってさっぱりなくなったけど、こうして「アニメと関係無しにも成立してるけど、合わせて聞くとちゃんとタイアップ」っていうバランスの曲は好きよ。そのカテゴリだと微妙なところだけど似たラインでは「キヅアト」も好きでしたね。バンドアニメだから安易に作中バンドに歌わせそうなもんだけど、そうしないあたりにこだわりが感じられる。
 現代アニソンで主流の1つといえば、何といっても声優歌唱。「声優アーティスト」としてソロでタイアップを果たすパターンと、作中キャラの歌唱のスタイルの2種が今年度の作品でも数多く混在している。前者のパターンだと、例えば「ダイスキ」が代表選手だろうか。ほんと、このMVのへごが好きすぎて困る。同じラインの「パパパ」も楽しい曲だし、「デビきゅー」なんかもお手本みたいな出来である。「ダメハダメ」もやたら印象に残ってて大好きな一曲で、最近の鈴木みのりの「ヘンテコアニソンシンガー」としての地位を不動のものにした感のある怪作。キャラ名義のクレジットにはなるが、ぐっと作品のイメージを引き締めた「異人たちの時間」は印象的。この辺の「ソロデビューしてるかしてないか」の差ってのは大した問題ではないな。
 転じて、がっつり作品に絡むタイプの声優歌唱でいうと、個人的にどうしても忘れられないのは「通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃ママ」。各方面に傷跡残すのやめろや。かやのん、まだ産んでない。どうしても電波な曲が大きなってしまうジャンルだが、わかりやすいところだと「スマイルスキル=スキスキル!」が出てくるだろうか。毎度おなじみの太田節である。より脳に深刻なダメージがほしい人は「輪! Moon! dass! cry!」をどうぞ。丁寧に歌詞を聞くとほんとわけわからんからな……。歌詞はわかるけど製作者の頭の中身がわからないのは「犬生は一度きり」。仕事を選ばない大御所さんたちに感謝せんとな……。癒し成分多めで行きたいなら、「もっふもふ DE よいのじゃよ」で落ち着きましょう。あ〜ダメになる〜。同じ路線(?)での癒しには「#NULL*Peta」がありますよ。あ、キャラ歌唱の中でも異質すぎるのでカウントが難しいんですが、一応「スフォルツァンドの残響」はあげておきますね。
 最後に、アニソンにカウントできねぇと言っときながらやっぱりガルパ関係はあげとかないと死ぬ病気なので簡単にタイトルだけ。「約束」「Hell! or Hell?」の2曲だけで私の正月が終わってしまったのでね……。
 
 




第3位
‘10 「みつどもえ増量中!」OP 「我が名は小学生」
‘11 「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」ED 「secret base 〜君がくれたもの〜」
’12 「這いよれ! ニャル子さん」 OP「太陽曰く燃えよカオス」
’13 「有頂天家族」OP「有頂天人生」
’14 「デス・パレード」OP「Flyers
’15 「戦姫絶唱シンフォギアGX」挿入歌「殲琴・ダウルダヴラ」
’16 「SHOW BY ROCK #」OP「ハートをRock!!
‘17 「戦姫絶唱シンフォギアAXZ」第6話ED「アクシアの風」
’18 「ゴールデンカムイ(第2期)」OP「レイメイ」
’19 「さらざんまい」挿入歌「カワウソイヤァ
 音楽? 映像? そんな些細なことはどうでもいいんだ! そこにあるのは、そう、ソイヤァさ!! てな具合で相変わらず独自の世界を突き進み続ける幾原邦彦による謎の劇中歌がまずはランクイン。まー、こればっかりは初見でのインパクトがとんでもなかったからね……。曲が良いのか悪いのか、それすらもよく分からんけど耳に残ってるんだから多分良い曲。また宮野・細谷のデュエットがいい味出してるんだわ。「細谷くんはどうせ真面目にやるに違いないから自分は何としてもふざけなきゃいけないと思った」っていう宮野の使命感なんなの。
 「さらざんまい」は同じく印象的な挿入歌である「さらざんまいのうた」もあり、こちらの方がよりダイレクトに本編のストーリーに関わってはいるわけだが、それだけに分かりやすさがあった。「カワウソイヤァ」については放送直後から意味が分からず、何週間も追いかけていたにも関わらず謎が謎のまま。どうなるかと思ったところで、ラストにカワウソの真実が突きつけられたってのもインパクトを増す一因として機能していたかもしれない。こうしてバンク扱いでも文句なしで世界を作れる音楽の作劇ってのは、やはりアニメならではの芸術点であるなぁ、としみじみ思うわけだ。そういう意味では、今年度は「スター☆トゥインクルプリキュア」の変身テーマもなかなか印象的だったかも。考えてみりゃ、特に意識していない人でも何回も刷り込むことができるアニソンって、音楽業界でも特殊な立ち位置にあるのかもしれないね。まぁ、この曲の場合は1回観ただけでこびりついてしまうわけだが……。ソイヤァ!
 
 
 
第2位
‘10 「けいおん!!」OP 「Utauyo!! MIRACLE
‘11 「神様ドォルズ」OP 「不完全燃焼」
’12 「坂道のアポロン」 OP 「坂道のメロディ」
’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」第4話ED「教室モノクローム」
’14 「ガンダム Gのレコンギスタ」ED「Gの閃光」
’15 「干物妹!うまるちゃん」OP「かくしん的☆めたまるふぉ〜ぜっ!」
’16 「学戦都市アスタリスク(第2期)」OP「The Asterisk War
‘17 「キラキラ☆プリキュアアラモード」後期ED「シュビドゥビ☆スイーツタイム」
‘18 「ラストピリオド-終わりなき螺旋の物語-ED「ワイズマンのテーマ」
’19 「COP CRAFT」OP「楽園都市
 個人的嗜好により、どうしてもこの部門は電波多めの曲ばかりがエントリーしてしまうので、ここいらでがっつり「アニソンだなぁ」と思える純正の「良曲」を1つ。この曲は映像も合わせて最初に見たときの印象がものすごく強烈でしたね。曲のフックも非常に強く、そこは流石にアニソン業界のおしゃべりクソメガネの面目躍如。オーイシマサヨシの音楽ってのは非常に分かりやすく惹きつけられるようにできていて、今作も特にアニメの内容を歌ったものではないにも関わらず、すんなりと映像に溶け込んで世界を作ってくれるものになっている。専門的なことはうまいこと説明できないが、確か以前誰かがテレビで「大石さんのつくるメロディは本当に気持ちがいい。この曲も、サビのフレーズが歌っていて口が気持ちよくなるリズムでできている」なんて話をしていた(アニサマの解説だったかしら)。まさにおっしゃる通りである。
 そして、そんなご陽気な楽曲に板垣監督謹製のご陽気な映像が乗せられているのがまた良いのである。実は私、板垣さんの名前を初めてちゃんと認識したのって多分「バスカッシュ!」の時なんですよね。当時を知らない人からすると作品の名前だけでなんかダメなアニメだと思われている節もあるんだけど、あれも放送開始時にオープニングだけでぶち上げた期待感は半端じゃなかったんですよ。改めて今みると、今回のCOP CRAFTのオープニングにつながる部分もあるかもしれないので、是非とも未見の人は見て欲しい映像になってますよ。90秒に収められるアニメのオープニング映像って、色々とセオリーがあってテンプレ化している部分もあるかもしれないけど、曲に合わせて最適な雰囲気づくりができるってのはやっぱり純粋に映像監督としての才能だと思います。「COP CRAFT」の持つ「異界とまぜこぜになったごった煮感」みたいなものが画面によく出ているし、主人公2人を中心に据えながらも、ちゃんと曲のテーマに合わせて「この街こそが描かれるべきもの」っていう設計が貫かれている。このオープニングを見たら、そりゃアニメの中身に対する期待感も高まろうってもんだ。実際、映像が力尽きて異次元になってたことを間引いて考えりゃ、悪くないアニメだったと思うんだけどね。今一度、この歌で「アニメオープニングってなんだろう」ってことを考えてみるのも良いかもしれませんよ。
 
 
 
第1位
‘10 「侵略! イカ娘」OP 「侵略ノススメ☆」
‘11 「灼眼のシャナF」OP 「Light My Fire
’12 「中二病でも恋がしたい!Lite」 ED「漆黒に躍る孤濁覇王節」
’13 「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!」OP「私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い」
’14 「ヤマノススメセカンドシーズン」OP「夏色プレゼント」
’15 「てーきゅう(第5期)」OPQunka!
’16 「ジョジョの奇妙な冒険 ダイヤモンドは砕けない」OP「Great Days
‘17 「少女終末旅行」ED「More One Night
‘18 「ゾンビランドサガ」OP「徒花ネクロマンシー」
’19 「ダンベル何キロ持てる?」OP「お願いマッスル
 アニメオープニングってのはつまり……そういうことさ……。今年度一番世間を騒がせたアニメオープニングといえば、やっぱりこれでしょう。お手本のような電波、そしてお手本のような「世界の紹介」。弾ける音楽に弾ける映像、そして一緒に筋トレができる機能性(???)。このオープニングを見れば、どれだけ勘の悪い人間だってどんなアニメなのか分かるってもんですよ。
 ちなみに、本来ならもう1作品、このアニソン部門にエントリーしていた作品があり、それは「異種族レビュアーズ」であった。オープニングの「イこうぜ☆パラダイス」、エンディングの「ハナビラ音頭」。どちらも悪ふざけの域を超えた文句なしの電波曲で、これまた難しいランキング付けになるぞ……と思っていたのだが、これがなんと同じ人が作曲したっていうじゃないですか(正確には共作)。まぁ、それなら「そういう枠」としてまとめて評しておいて、その中でも出色の出来だったこの「マッスル」に集約してしまってもいいんじゃないかと判断したわけである。
 「お願いマッスル」については、非常に素直な電波ソングであると処理することもできるが、この曲を男女のデュエット曲に仕上げているのが注目すべきポイント。つまり、我々視聴者が最初に認識したファイルーズあいがこれってことなのだ。そのインパクト抜群のキャラで一気に業界の表舞台に躍り出たファイルーズあいだが、彼女の魅力を開陳するのにこの曲は格好の場であった。別にお歌が特別うまいかどうかは分からないが、シンプルなフレーズの中に愛嬌と、マッスルを見せつけることに成功し、作品にもキャストにもWin-Winの状況が実現した。まさか「可愛い」とか「うまい」とか「面白い」っていう軸じゃなくて「キレてる」で評価される女性声優が出てくるなんて、1年前までなら誰一人想像もしていなかっただろう。まぁ、あまりに貪欲にそれを求めてしまったがために石川プロの方は変な事故り方をしてしまったが……あれはしょうがないよなぁ。
 とにかく、ここまで長らく書いてきた「アニメの顔としてのオープニング」の要素を余計なまでに満たし、90秒の中で余計なまでに世界を詰め込んで、それを最も愉快な形で見せつけてくれるこういう曲こそが、やっぱりアニメファンにしか味わえない楽しみなんじゃないかと思うわけだ。とにかく聴いてて気持ちがいいし見ていて楽しい、それで良いのである。
 はい、サイドチェスト!
 
 
 
 
 
 
 
<キャラクター部門・男性キャラ> 
 女性キャラに比べればいくらか落ち着いて展開できるよ、男性キャラ部門だ。改めて選出候補を考えながらタイトルを見返していて、つくづく「うーん、なかなか男のキャラが思い出せない……」ってなることが多い。まぁ、もともと女性キャラの方が多いアニメばっかり見てるからね……。しかし、逆に言えばそんな状態から出てくる男性陣ってなかなかの強キャラだともいえるわけですよね。
 さて、今期も力強いキャラクターが色々と出揃っているが、主人公クラスが格好いいのは当然なので、まずはサブキャラから見ていこう。これまで上げてきたタイトルの中で伏兵として活躍してくれたキャラをあげるなら、例えばワセダ(女子高生の無駄づかい)なんかはインパクト抜群だった。女子高生キャラの中で男が一人という状況で、ああいう個性の発揮の仕方があるってのは想像もできなかったよ。まったく同じ「女子の中で孤高の戦いを続ける男性教師」っていう立場では、ミロ先生(荒ぶる季節の乙女どもよ。)も頑張った。是非とも彼には幸せになってほしいと思うのだが……あそこからひと葉との関係性はどうなっていくんでしょうね。
 男前なキャラがずらりと並ぶ作品の中で、あえて一人選ぶとしたら、ってんで思いついたのが阿紫花英良さん(からくりサーカス)。尺の関係で色々とカットされたシーンが多い中でも、やっぱり彼は格好良かった。ジョージの扱いが悪くなったんでどうなっちゃうかとヒヤヒヤしてたんだけどね。ちなみにアシハナさんとは中の人繋がりで引っ張りだされる九字院偲(バビロン)も素晴らしい仕事をこなしてくれたバイプレイヤー。男として、あんなに羨ましい(?)最期を見せてくれたキャラクターもなかなかいないんじゃないでしょうか。
 そうそう、今年はケモノの年としても何故か語り継がれる変な1年になったわけですが、当然ケモナーマスク[柴田源蔵](旗揚!けものみち)がその先陣を切ってくれることだろう。もしかしたらプロレスブームも牽引してくれるかも。獣作品は色々と男性キャラの選択肢もあるのだが、たとえば「織田シナモン信長」なら、やっぱり主人公のシナモンを選ぶべきじゃなかろうか。彼を見ていて一番の面白さって、「なんだかんだで犬の生活に順応しとる……」ってところよね。犬小屋の安土城が普通に嬉しい殿。ちなみに同じ犬カテゴリでは、「うちタマ?!」から1匹、野田ゴンを選ばせてもらおう。犬トリオの中でも異彩を放つ立ち位置。お前、そんなキャラやったんか。そうそう、ケモノジャンルだとオオハシ(アフリカのサラリーマン)っていう鬼畜鳥もいますが……あそこまで「早く死ねよ」って素直に思える主人公キャラもなかなかいないよね。
 さておき、人間に話を戻すと、続くジャンルに「ナイスライバルキャラ・悪役キャラ」っていう部門がある。折に触れて書いていることだが、個人的には「格好いい主人公」よりも「情けなかったり、醜かったりする敵役」の方に愛着を持ちやすい部分があり、今年なら例えば、むしろ格好よさが突き抜けたルイBEASTARS)なんかが候補に上がるだろうか。彼の草食動物として抱える負い目が、この世界の全てを体現しているかのようで、レゴシ以上の悲喜こもごもを背負っている。同じように悲哀を重ね続けて残念な結末を迎えるのは織田信勝(胡蝶綺〜若き信長〜)。もう、あそこまでいくと信勝が主人公でも良かったんじゃないかっていうくらいだな。「ライバル」とはちょっと違うが狂言回しとして鮮烈な印象を残したのが切り裂きジャック[穂刈マキ](歌舞伎町シャーロック)。個人的にはモリアーティよりもこいつの印象の方が強く、とにかく「村瀬歩ってすげぇよなぁ」ということばかりが頭にこびりついている。そのほか、素直にライバルキャラとして面白ムーブが絶えなかったキャラにはアーティガン(キャロル&チューズデイ)なんてのもいますね。ほぼ宮野じゃん。そうそう、救いようのないラスボスに風鳴訃堂(戦姫絶唱シンフォギアXV)ってのもいるけど……ジジイたいがいにせい。悪い奴でもチャーミングさを忘れちゃダメだって、桂木さん(pet)をみればわかるだろう。
 もうちょい素直に主人公ポジションのキャラも取り扱っておくと、意外なところで新鮮さがあったのはジョーロ[如月雨露](俺を好きなのはお前だけかよ)。こいつが1話目であんなとんでもない導入をしなかったら、もしかしたら視聴が途切れていたかもしれない。アコギなラノベキャラの中でもなかなかのキワモノだ。ハスに構えた主人公というなら柚木夏紗Number24)も面白い。まぁ、絶対に友達にはしたくないタイプだけど。
 普通に格好いいキャラを選んどけと言われるならケイ・マトバCOP CRAFT)あたりはどうだろう。最近はツダケンボイスというだけでも補正かかりまくりだけど、マトバあたりが一番素直に楽しめるツダケンな気がするな。あとはある意味で男の中の男、スタンク(異種族レビュアーズ)だって格好いいといえば格好いい。あいつ、普通にチート級の強さを持つ冒険者なんだよな。チートの意味が違うけど百鬼丸(どろろ)だって文句なしに主人公してたっけ。こうして並べると業の深い連中ばっかりだけども……。そうだ、ロード・エルメロイⅡ世[ウェイバー・ベルベット](ロード・エルメロイⅡ世の事件簿)ならまっすぐに主人公だ。事あるごとに征服王の記憶が蘇るのほんとずるい。
 残りは、最後までベスト3選出を悩んだキャラを4人ほど。まずはアニメ史上最大の聖人とも歌われるくまささん(推しが武道館いってくれたら死ぬ)。なんだろう、デブメガネのキモオタなのに、付き合えば付き合うほどにその人間性の清らかさに気づかせてくれる人。オタクの持つピュアハートの体現者(非実在)であるなぁ。何故かおっさん続きで、やはり忘れられないのは山下一夫(ケンガンアシュラ)。彼の場合は「ケンガンオメガ」まで読んでしまっているせいで現時点でいくらか贔屓目で見てるところもあるんですけどね。実はちょっとしたチート要素も持ち合わせた人なのだが、全然嫌味にならずに狙った通りのポジションについてるのが格好いい、中年の星である。ケンガン世界からリンク(?)させて出てくるのは当然街雄鳴造(ダンベル何キロ持てる?)である。彼の場合、印象のほとんどがエンディングテーマから来てる気もするが……。そして最後は、理屈抜きなら一番好きかもしれないキャラ、心(シン)さん(ドロヘドロ)。ほんとに彼とノイが2人で和気藹々としているのを見てるだけでも永久に時が過ごせそう。僕もあんな先輩についていきたいです。一緒にラーメン食べよう(でも、どうせならノイも一緒に連れていきたい)。
 さて、残り3人ですね。
 
 
 
第3位
‘10 「会長はメイド様!」より「碓氷拓海」
‘11 「Steins;Gate」より「岡部倫太郎」
’12 「キューティクル探偵因幡」より「首領・ヴァレンティーノ」
’13 「サムライフラメンコ」より「羽佐間正義」
’14 「クロスアンジュ 天使と竜の輪舞」より「エンブリヲ」
’15 「おそ松さん」より「十四松」
’16 「この素晴らしい世界に祝福を!2」より「佐藤カズマ」
‘17 「3月のライオン」シリーズより「二階堂晴信」
‘18 「BANANA FISH」より「アッシュ・リンクス」
’19 「ハイスコアガールⅡ」より「矢口春雄」
 ここにきて、このタイトルがようやく出てくることになるのか。青春ゲーオタグラフィティ「ハイスコアガール」より、熱き魂を持つ主人公、矢口春雄である。余計な説明は特に必要ないだろう。2クールに渡るアニメは全て春雄の青春絵巻で費やされている。そのストーリーが無事に完結し、彼の生き様を見せたラブストーリーは大団円を迎える。もう、それだけで充分なのだ。「推し武道」の感想でちょっと書いたことだが、今作もある意味で非常にポジティブに「オタク」という生き方を描いた作品である。初期の時点では春雄も「ゲームオタク」という肩書きに多少の負い目はあったかもしれないが、大野との出会いがゲームという趣味を掛け替えのないものに変容させた。自分の趣味を貫き通し、一人の女性への思いも守り抜いた彼の青春は、これ以上ないくらいに「主人公」であった。
 まぁ、素直に「羨ましい」っていう言葉で表現できなくもないが……自分がもし春雄と同じ境遇にあったとしても、絶対彼のような行動はできないだろうしなぁ。まぁ、母親をはじめとして周りの環境にすこぶる恵まれてたってのはあるかもしれないけども。そうして周りの人間から愛されるのも春雄の人間性の表れであろう。末長く、お幸せにしてほしい。
 
 
 
第2位
‘10 「四畳半神話大系」より「私」
‘11 「逆境無頼カイジ破戒録篇」より「班長大槻」
’12 「絶園のテンペスト」より「鎖部左門」
’13 「恋物語」より「貝木泥舟」
’14 「少年ハリウッド」シリーズより「勅使河原恭一」
’15 「GO! プリンセスプリキュア」より「シャット」
’16 「Planetarian」シリーズより「屑屋(星の人)」
‘17 「魔法使いの嫁」より「エリアス・エインズワース」
‘18 「ゾンビランドサガ」より「巽幸太郎」
’19 「ID:INVADED」より「富久田保津」
 ここであえて鳴瓢じゃなくて富久田なわけですよ。なんかね、毎週感想書いてる時点でダダ漏れだったんだけど、何故かこの作品では主人公の鳴瓢や百貴さんを差し置いて、この穴空き殺人鬼に魅了されてしまった。最大の要因として「声がクソ格好いい」ってのもあるにはあるのだが……なんだろう、登場から退場まで、一貫してイカレ格好良かったんすよ。彼が動くたびにいちいち「そんなことある?!」ってびっくりしちゃうことばっかりだ。殺人鬼としてはジョンウォーカーが生み出した存在だと言われれば下位に甘んじてしまうわけだが、彼の「穴空けの美学」はそうした従属性を感じさせないものだったし、選ばれた7人の中でもずば抜けて賢かったために、気づいたら蔵の中で名探偵に抜擢されているのも納得。そして名探偵になってなお、彼はその個性を守り抜き、「穴が空いてるからイドに影響されませんわ」とかずるいことを言い出す。なおかつ、そんな自分の特性をフル活用して鳴瓢に一杯食わせる手管とか、本堂町とどんどんいい仲になっちゃうイケメンっぷりとか、言動の1つ1つの意味が多すぎる男。あんだけのことをやっておきながら、最後は純愛っぽく退場するのも心底ずるいところだ。一時はおしっこまみれのコート被ってたくせに……。あなたもモテ男になるため、この春ドリルで頭をぶち抜いてみませんか?
 
 
第1位
‘10 「魔法少女まどか☆マギカ」より「キュゥべえ」
‘11 「へうげもの」より「千利休」
’12 「新世界より」より「スクィーラ(野狐丸)」
’13 「翠星のガルガンティア」より「チェインバー」
’14 「ログ・ホライズン2」より「てとら」
’15 「昭和元禄落語心中」より「八代目遊楽亭八雲(菊比古)」
’16 「ユーリ!!! on ICE」より「ヴィクトル・ニキフォロフ」
‘17 「Fate/Apocrypha」より「アストルフォ(黒のライダー)」
‘18 「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」より「キリン」
’19 「ヴィンランド・サガ」より「アシェラッド」
 これはもう、文句なしの受賞でしょう。ほんと、理想のイケオジ要素が全部詰まったキャラ、それがアシェラッド。こんな奴に幼少期から引きずり回されちゃ、そりゃトルフィンの人生だって狂いまくるに決まっているのである。
 登場時の強かなイメージは最後の最後まで貫き通した。無骨な武人であるトールズとは対照的に、傭兵としての狡猾さを前面に押し出したアシェラッドは、心底悪辣な「敵役」としてトルフィンの前に表れ、長い間彼の復讐相手として、生きる糧として存在し続けた。しかし、長い旅を続けるうちに次第に彼の内実が描かれ、その飄々とした仮面の下に隠された滾る想いが明らかになっていく。父の復讐を誓ったトルフィンに対して非情になりきれなかったのは、彼自身が「血の束縛」から逃れられずにこれまで生きてきたからであり、何より重きを置いているように見せていた仲間たちや金、略奪を繰り返す目的ですら、実はそうした生い立ちから導き出した生き抜くための方策の1つであったことが判明する。紆余曲折の末にたどり着いたビョルンとの関係性、そしてクヌートとの主従関係。何もかもが彼の生き様の対価であり、最期には人生のツケを支払うとともに、自らの魂をトルフィンに託した。なんと壮絶な生き様だったことか。
 結果だけを見れば、彼は大願を果たせずに無様に散った。散々人の命をないがしろにしてきた傭兵としてふさわしい末路である。しかし、それを笑う者は誰もおらず、気づけばその崇高な魂は時代へ引き継がれるべきものであると認められるまでになっている。問答無用の男の生き様。これを武勇と言わずになんとするか。
 それにしても、トルフィンは彼のことをずっと「ハゲ」って呼んでたなぁ……。ハゲるまで長生きして欲しかったなぁ……。
 
 
 
 
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男性
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声優のこと全般
自己紹介:
関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
大原さやか 桑島法子
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