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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<キャラクター部門・女性キャラ>

 よし、巻いてくぞ!!(意思表明) どうしても男性部門よりも選択肢が増えまくる当部門、もう、頑張って削って削ったその努力を見て。

 先に「他のブロックと被ったのでここでは避けておく」部門。当然ライスシャワー(ウマ娘 プリティーダービー Season2)なんかはこの枠に入る。他にもゲルトルート・バルクホルンさん(ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN)もそうだし、柊ナナ(無能なナナ)も二重の受賞になりそうなので避けておく。記事の続きのネタバレにもなっちゃうけど紺ちゃん(怪物事変)も除外。文句なしのナンバーワンなのに。あと、流石にアニメの賞で出すのは違う気がしたのでデルミンSHOW BY ROCK!! STARS!!)も除外しておく。ソシャゲとのバランスの取り方が難しいな。

 さて、それ以外でとっとと名前を上げていくと、まずはまっすぐに魅力的な主人公部門。この部門の筆頭にくるのはやはりナツメ(デカダンス)じゃなかろうか。彼女の溌剌とした頑張りとまっすぐさが、ともすると絶望的すぎる世界観に常に希望を与え続けていたし、珍妙なサイボーグ軍団との橋渡しという意味で、彼女の全力顔芸は本当に微笑ましいものだった。蜘蛛子(私)(蜘蛛ですが、なにか?)もまっすぐなヒロインだったと言ってしまっていいだろう。まぁ、本当に彼女のテンションだけで走りきった作品なのは間違い無いからな。まっすぐさと言う意味では堀京子(ホリミヤ)もこのカテゴリに入れていいのかな。いつの時代も戸松ヒロインの持つエネルギーは特大である。

 1人で作品を作っちゃった特大ヒロインで言えば、例えば鼓田ミナレ(波よ聞いてくれ)を外すことは出来ないだろう。まさに独擅場、彼女から全てが始まっているというビッグバンのような女。そういう意味では世界すら喰らう強さを見せ続けるスヤリス姫(魔王城でおやすみ)も充分な候補者である。無限にレム睡眠。そして世界に立ち向かい、命こそ落としたものの、最後には「勝者」になったと言って良いのではなかろうか、一般人[詐欺師](アクダマドライブ)こそはまさに主人公。魂の下剋上の結末を見届けよ。ついでに、詐欺師の話が出たのでサヤさん(魔女の旅々)の名前もあげておきますね。まぁ、あの作品の主人公はイレイナさんなわけですが……ここは2人で肩を並べてイカれてる枠だから……。

 続いて、名サブキャラ枠。サブヒロインクラスでの活躍で、直近のインパクトを考えるとセレン・ヘムアレン[ベルト姫](たとえばラストダンジョン前の村の少年が序盤の街で暮らすような物語)は避けて通れまい。彼女もまぁ、「物語を作った」ヒロインと言えるかもしれない。不思議と印象がどんどん良くなっていったのは大鳴門むにD4DJ First MIX)。ハピアラの4人、アニメのおかげでグッと解像度が上がったのは全員よかったのだが、不思議とあざとい部門のむにちゃんの目線が一番馴染んでた気がするんだよな。同じくあざとい路線を突き詰めて、気づけばメインヒロイン以上の苦境で必死に戦い続けていたのはミスミス・クラス隊長(キミと僕の最後の戦場、あるいは世界が始まる聖戦)。ミスミス隊長の健気さを見てると「もう、ロミジュリいらねぇんじゃねぇかな」って思えちゃうのが唯一の難点。最終的にメインヒロインとしてやたら印象深い造形になったのはドロシーGREAT PRETENDER)。この作品はアビーがメインヒロインなんだけど(?)、ちょっとの出番で一気にクライマックスの空気を作り上げたドロシーの活躍はまた印象的なものだった。サブキャラと言っていいかわからないけど素直に可愛かった紅一点はナタリア・ガーネットLevius-レビウス-)。このウザさこそが正しい佐倉さんボイスの使い方やね。

 さらに奥まった「サブのサブ」くらいの変なところを突っついておくと、「二大ヒロインのどっちを選ぶ?」みたいな作品でヒロイン勢は無視して永藤妙子(安達としまむら)の名前をあげにいく。だって声が……そしてわかりやすい永日野の方が素直に楽しめる……。噛めば噛むほど味わい深いのは神戸鈴江さん(富豪刑事 Balance: UNLIMITED)。可愛くて有能なスーパーメイドポジなのにドジっ子要素ありってずるくね? ロリ的な魅力を本人の意に沿わず発揮し続けた受難の人としては小桜(裏世界ピクニック)もチェックしておきたい。これまた「メイン2人の百合も悪くないが」みたいな脇見運転である。でも、被害者側には素直にメソメソしててほしいのよね。頑張れ小桜。あと、すげぇどうでもいいところから雀田来鈴先輩(八十亀ちゃんかんさつにっき 3さつめ)もあげといていい? 作中では地味なポジションなはずなのに、テンションが1人だけ違うおかげでなんか美味しいポジションにいる気がする。

 女の子がずらっと並び立つタイプの作品では完全に好みが出てしまうので誰を選ぶかっていうのにあまり理由がない気がするのだが、例えば9人並び立つアイドルの中なら天王寺璃奈ちゃん(ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会)を選ばせてもらう。璃奈ちゃんボードの有効活用、アニメの正しさを感じる。たくさんの種族の中で勝ち残るのが誰かと言われたら、悩みに悩んでスカディ・ドラーゲンフェルト[竜闘女]様(モンスター娘のお医者さん)を選ばせてもらう。純愛って意味ではサーフェが一番格好いいのだが……まぁ、単純に嗜好だ。あと種﨑ボイスだ。10名の選手・マネージャーから1人を選べと言われたら中村希ちゃん(球詠)。最終回の彼女のサインのシーン、本当に忘れられない。他の部活に目をやれば黒岩悠希部長(放課後ていぼう日誌)は本当にいい女だった。方言女子の魅力をたっぷりと堪能できますわね。同じく4人の女子高生の中からなら川井リカちゃん(ワンダーエッグ・プライオリティ)。クソ女ムーブには違いないのだが、なんだろね、彼女のKYっぷりは、最終的に嫌いじゃなくなるタイプのやつだよ。

 クソ女という単語が出てきたので、最後はライバルキャラおよびクソ女枠。真っ当なライバルキャラでいうなら、例えば食蜂操祈さん(とある科学の超電磁砲T)は徹底的に株をぶち上げた黄金ヒロイン。ほんと、あんだけ下衆な仕事しときながらどんどん可愛くなっていく食蜂さんは脅威でしかない。純正のライバルという意味ではやはり健気さが売りのジュノさん(BEASTARS)は今年も大活躍。口内視姦プレイ、新しすぎるよな。純愛を貫き通した上でクソ女でもあるという素敵なおねーさんにはシンドイーネさん(ヒーリングっど♥プリキュア)がいる。幸せになってほしいとは思ったのだが……ビョーゲンズは割と悪役としての処理が容赦なかったっすね……。生まれながらにクソな性格でそのままクソを貫いてくれる可愛い子なら因果春日谷(炎炎ノ消防隊 弐ノ章)がオススメ。あんなんなのに作中トップクラスの可愛さってどういうことなのさ? そして最後に、共感してくれる人は少ない気もするけどある意味で一番救いのないクソムーブを見せつけてくれた悲劇のヒロインはラヘルさん(神之塔-Tower of God-)。作品全体を締めるキツすぎるスパイスとして充分な仕事を見せてくれましたよね。結局、男児として生まれたからには、早見沙織ボイスの女の子に幸せにしてもらったり、人生をむちゃくちゃにされたいと思ってしまうわけである。しょうがない。

 残り3キャラ、今年は割とまっとうな選出じゃなかろうか。

 

 




第3位

‘10 「会長はメイド様!」より「鮎沢美咲」

‘11 「47都道府犬」より「愛知犬」

’12 「しろくまカフェ」より「笹子さん」

’13 「サムライフラメンコ」より「真野まり」

’14 「デンキ街の本屋さん」より「先生」

’15 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より「ヘスティア」

’16 「響け!ユーフォニアム2」より「吉川優子」

‘17 「ヘボット!」より「ナグリ・ドツーキ女王」

‘18 「SSSS.GRIDMAN」より「新条アカネ」

’19 「バビロン」より「曲世愛」

‘20 「メジャーセカンド2」より「沢弥生」

 さぁ、ここからはめくるめく百合の奔流に揉みしだかれるしかないのである。過去のグランプリを見直すまでもなく明快だが、やっぱどう考えても百合要素の強いキャラの選出数が多くなるよね。巨大感情は正義。

 まずは正統派(??)百合ベースの巨匠、沢弥生さんである。「メジャーセカンド」は全ての女性キャラが可愛い(一部例外あり)というとんでもない中学野球アニメで、どうしてこんなにも女子中学生がエロくなってしまうのだろうと頭を抱える作品。作り手側も狙っているのは分かるのに、こんな餌に簡単に釣られクマーで釣られてしまう。悔しいけどこれ、本能なのよね。

 そして、メインヒロインの睦子や、1期から引き続きエロさを抑えようともしないねーちゃんなどに加え、中学編から突然現れた百合業界からの新たな刺客、沢弥生と相楽太鳳。このカップルの強度は作中でも図抜けており、登場時から一切の迷いなく「まぁ、百合は匂わせ続けるけどね」という血も涙もない処遇にこてんぱんである。もちろんここで露骨な絡みシーンなどを入れては台無しだ。あくまで「中学の部活の度が過ぎて仲が良いだけの普通の友達だよ」という顔をしておきながら、誰が見たって「そんなわけないやろ!」とキレるしかないような匂わせを常に発し続ける。この姿勢が本当にずるいのである。

 あとは相楽と沢さんのどちらが上かという話になるわけだが、感想記事でもなんども繰り返す通り、私は沢太鳳派であり、ここだけは譲れない。多分太鳳沢派とは戦争もやむなしである。このポジションが入れ替われば沢さんのアイデンティティは失われてしまう。それくらいに圧倒的に、沢弥生はリードなのだ。二人してツンデレなのに一切キャラが被っておらず、沢さんのデレは本当に一番ほしいタイミングで、ほしい量にギリギリ足りないくらいをぽろっと出してくれる。このさじ加減が絶妙で、餌を欲した飢えた野犬は、もっともっとと沢太鳳を求め続けることになる。こんなもん、NHKが放送していいんですかね?! え? ポリティカルにコレクトだと? ありがとう!

 

 

第2位

‘10 「刀語」より「否定姫」

‘11 「花咲くいろは」より「四十万スイ」

’12 「人類は衰退しました」より「“わたし”ちゃん」

’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」より「雪音クリス」

’14 「selector spread WIXOSS」より「蒼井晶」

’15 「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」より「アンナ・錦ノ宮」

’16 「クズの本懐」より「皆川茜」

‘17 「メイドインアビス」より「不動卿 動かざるオーゼン」

‘18 「ポチッと発明 ピカちんキット」より「ギバさん(柳葉ヤバ美)」

’19 「グランベルム」より「アンナ・フーゴ」

‘20 「アサルトリリィ BOUQUET」より「楓・J・ヌーベル」

 続きまして、もう隠そうともしない、タイトルに百合ってついちゃってる作品。上でも紹介した通りに、今作の関係性はやはり夢結梨璃で完結しているので物語上の重要性だけで考えれば梨璃を選ぶべきなのだろうが、私の琴線にダイレクトアタックを仕掛けてブチブチに引き裂いていったのは楓さんの方。負け犬の美学、否、負けてなお、負けを感じさせない圧倒的強者の哲学が、楓さんにはある。全ては「10話を観てくれ」でだいたい話が終わるのだが、恋愛感情などという面倒くさいものを抱え続けている人類にとって、愛情というのは糧にもなれば凶器にもなりうる。互いに救われる関係性なら良いが、そこに闘争が生まれ、傷つく人間もいるからこその恋愛だ。そして楓さんは確実に「傷ついた」方の人間である。しかし、それでも彼女の気高さは変わらない。自分は負けるのだとわかりつつ、常に梨璃のことだけを考え、彼女が最も幸せになる道だけを選び続けることができる。たとえそれが自分にとってのグッドエンドでないとしても、梨璃の幸せを自分の幸せとすることができるのである。そのためなら手段は選ばないし、恥も外聞もなく、ただ一心に目的に向かって突き進めるだけの強さを持っている。こんな楓さんだからこそ、周りの人間もみんなついていこうと思えるのだろう。いや、ついてきてるか知らんが。

 梨璃は夢結先輩と幸せになればそれで良いと思う。ただ、もし願いが叶うなら、その幸せな様子は、常に楓さんに還元されるようにしてあげてほしいのだ。

 

 

第1位

‘10 「けいおん!!」より「田井中律」

‘11 「よんでますよ、アザゼルさん。」より「佐隈りん子」

’12 「中二病でも恋がしたい!」より「凸守早苗」

’13 「魔法少女まどか☆マギカ新編 叛逆の物語」より「暁美ほむら」

’14 「PSYCHO-PASS2」より「霜月美佳」

’15 「ガールズ&パンツァー劇場版」より「ドゥーチェ・アンチョビ(安斎千代美)」

’16 「この素晴らしい世界に祝福を!2」より「ダスティネス・フォード・ララティーナ」

‘17 「魔法使いの嫁」より「羽鳥智世」

‘18 「リズと青い鳥」より「傘木希美」

’19 「まちカドまぞく」より「シャミ子(シャドウミストレス優子)(吉田優子)」

‘20 「戦翼のシグルドリーヴァ」より「六車・宮古」

 というわけで、最後に残ったのは百合も恋愛も何もかもを飛び越えた「博愛」の化身であるミコちゃんということになりました。単なるいちヒロインではない、世界を作るだけの女神としての強さ、それこそが彼女をワルキューレたらしめている。

 ミコちゃんを語る際、その魅力は本当に多方面に渡る。まず目に入るのは、基地の男性たちにもてはやされるシンプルなマスコットとしての魅力。ちょいとお馬鹿だけで溌剌として常に周りに元気をくれるその姿は、人類の存亡がかかったこの世界では何よりも尊いものである。持って生まれた明るさというのはもちろんあるだろうが、彼女はきちんと「自分に何を求められているのか」を承知した上で、そんな「アイドル」としての責務を自主的に果たしている。

 そしてそんな明るい側面が、いざ戦地での生き死にと絡めば今度は「死神」という心無い別称へとつながってくる。彼女がいるからみんなは戦地へと翔べる。逆に言えば、彼女がいなければ戦士は存在しなくなり、戦場での死人もいなくなるのだ。「自分が士気を上げているからみんな戦っている」ということも、ミコちゃんはちゃんと分かっている。分かっているが、だからといってそれを止めることなどできず、せめてもの責任として、戦士の死に際には常に行く末を看取り、「死神」であることを甘んじて受けている。それは本当に本当に苦しいことで、並の精神では耐えられないような過酷さであろう。今際の際に泣くことも許されず、目を背けたくなる現実にも、にっこり笑って向き合い続ける。そんなことができる人間を、天使と呼ばずになんと言えば良いのか。

 あとはまぁ、もちろんアズズとの関係性を追えばそこには百合も出てくるのだが……彼女はやっぱり単なる情愛じゃなくて「博愛」とか「慈愛」という言葉の方がしっくりくる。こんな時代だからこそ、全てを受け止めてくれる慈母の存在が求められているのだろう。少なくとも、私は求めています。いつだって求めています。ミコちゃんフォーエヴァー。

 

 

 

 

<声優部門>

 個人的にはここが1年の集大成、声優部門である。今年も1年間のアニメ視聴で、ライフワークたる声優ウォッチングは捗っただろうか。まぁ、毎年3人しか選出できないってんで色々忖度する部分もあるんだけどさ……。毎年人数が膨れ上がってしまうのが悩みのタネだが、今年の目標はシェイプアップである。余計な名前は書かない(連続受賞が認められていないので、もちろん市ノ瀬加那富田美憂の名前を上げる必要がない! ない!)。

 最近はラジオなどを聞く時間が無いために純粋にアニメの中の活躍だけに重点を置くことになるが、そうなるとどうしても登場回数が多いメインキャラ役が有利になってくる。例えばメインキャラへの抜擢が目覚しかった今年の旧成長株で言えば夏吉ゆうこあたりはまず名前が出てくるじゃなかろうか。本当に若いくせにそつのない人材で、まだイメージも固まったわけではないので今後の要請に柔軟に応えられそうな強さを持っている。直近の記憶で強烈なインパクトを残しているのは大西沙織。彼女の場合はそれなりのキャリアからの「一つ何かを突き破った」印象で、そのパワーが認知されれば佐倉としたいとか言わずに大西でしたい仕事も増えてくるはず。いつの間にやらポジションを確立したのは石川由依。継続は力、やはり業界でじっくり鍛錬すれば結果は伴うものである。河瀬茉希も個性が際立ついいポジションに落ち着いた印象。あとは同系の先輩を蹴落として唯一無二の個性を発揮できるかどうかの勝負だ。唯一無二を突き詰めた結果たどり着くのが石見舞菜香。正直今年はグランプリ入りも検討したんだけど、ライス効果出すぎだろ、と思ったので自重しました。

 ここまでで既に若手が多いが、さらにフレッシュな名前を出していくなら、個人的に筆頭にくるのは稗田寧々。ぶっちゃけミコちゃん一本釣りではあるのだが、それで充分な仕事を果たしてくれたと思ってる。山根綺のポテンシャルにも今後の期待が大きい。サブでの仕事が多く回ってきているのは器用さの表れだろうし、ルフユ・ヘリオスというルナティックなパワー型を任されている部分は充分な個性と受け取れるだろう。ルフユの名前が出たら当然和多田美咲もチェックしておきたい。こちらは本当に声質勝負。いっぺん認知されてしまえば絶対に替えがきかないピンポイント爆撃狙いだ。予想外の伸びを見せているのは本泉莉奈。もうちょい修行期間がいるかな、と思っていたのだが、どうやら事務所からかかる期待は大きいようだし、本人もきっちりニーズには応えられている。諸星すみれちゃんは……まぁ、もう「若手」っていうのも違うよな。そうそう、あまりにこなれているので「若手」っていうイメージは全然無いんだけどキャリアで言えばまだまだ途上なのは杉山里穂。こういうタイプの人材はがっつり食い込んだ後でのキャリアの伸ばし方がえげつないよ、多分。新人かはやや微妙だが、野口瑠璃子にとってもこの1年は改めてスタートの年になったように見える。おそらくかなり守備範囲の広い人だと思うので、世間がもっと彼女の可能性を掘り下げてくれればいいのだが……。

 新人枠から離れて「まだ選んでないのかよ」部門としては、例えば今年は大空直美の活躍が印象的だった。毎年のようにこの欄に登場してるんだから今年だけってこともなかろうが……やっぱり宇崎・桐葉のつなぎが強かった。これで「まえせつ!」が面白ければ充分トップランカーの印象だったのだが……。同じ枠でずっと名前をあげ続けている気がするのは加隈亜衣。くまちゃん、本当にいい仕事してくれるので、もう名誉枠でもいい気がする。常にいぶし銀の活躍を見せながらも進化を止めないのが瀬戸麻沙美。割とかっちりした役柄が多いイメージだったので、野薔薇のキャラはかなり強烈だった。そして芸歴のわりに渋かったが変なところでスイッチが入った感があるのが朝比奈丸佳。やっぱ飛び道具系のキャラがもらえると一気に認知度があげられるチャンスだね。

 さて、ここからは最終選考組。10名残しているので、ベスト3以外には7名。まず、飛び道具系代表であるファイルーズあい。彼女の仕事のトリッキーさは言わずもがなであるが、やはり声優の基本は声のパワーである。身体が資本、それを明確に示してくれる珍しいタイプの声優である。ちなみに個人的にはアニメよりもソシャゲ「ショバフェス」のぎゃらこの声がすげぇ評価高いのだが、彼女の通常画面でのボイスはネット上にもあんまり上がってなかった。残念。脳が揺さぶられますよ。

 脳の揺さぶり具合で行けば負けてないのが長縄まりあ。もともと「変な声」枠なので出てきた当初からインパクトは強かったのだが、一発屋に終わらずにしっかり自分の声の強みを見出して定位置を確保できた印象。これだけ競争の激しい業界なのだから、声質オンリーだけで生き残れるはずもない、このまま伝家の宝刀を磨き続けて欲しい。同じラインか、とにかく声質が武器な上に、この部門はまだライバルが少なそうなのが遠野ひかる。このラインは強いよ。業界的なポジションにも恵まれているが、飛ばせるうちに出来る弾丸は全部うち尽くすくらいの気合でのし上がって欲しい。

 ちょっと特殊なラインから興味が湧いたのは篠原侑。こちらもぶっちゃけ部長一本釣りではあるのだが、それまでの役から想像してなかった方向の発声と見事な空気作りで一気に脳内に叩き込まれたのは新鮮な体験だった。「こんな演技も出来るのか!」という驚きはやはり声優ファンにとっては一番の喜びであろう。同様に「こんな演技も!」の引き出しの多さに驚かされたのが白石晴香。想定外の伸びを見せる若手、見ていてドキドキしますね。同年代で同様に変幻自在の活躍を見せるのは島袋美由利。この二人を並べると、一点突破型とは好対照のいかにも声優らしい声優っていう姿が確認できて嬉しくなりますね。そしてやはり今年を代表する一人といえば楠木ともり。ぶっちゃけ夏くらいの時点ではグランプリ選出確定だろうな、と思ってたのだけども……その上にさらに3人よ。

 

 

第3位

’10「日高里菜」 ‘11「伊瀬茉莉也」 ’12「茅野愛衣」 

‘13「種田梨沙」 ’14「大久保瑠美」 ‘15「小澤亜李」 

‘16「水瀬いのり」 ‘17「黒沢ともよ」 ‘18「久野美咲」 ‘19「市ノ瀬加那」

‘20 「赤尾ひかる」

 何故ともりるが抜けたのかというと、シーズン後半でのこの子の追い上げが凄まじかったためである。具体的には梨璃&せりあという二大主人公。このテンションをぶつけられてしまっては、今このタイミングで取り上げないわけにもいかないだろう。まぁ、楠木ともりは放っておいてもあと数年は名前をあげるのに困らないだろうし(楽観)。

 というわけでこの子をピックアップしたい。もともと「かおす先生の中の変な声の子」という印象で業界に降り立った赤尾ひかるだが、その後も着実に「可愛い系」を意識させる演技で萌えアニメの一角を担っていた。典型的な「アニメ声」のカテゴリに入ると思うのでそこからどうやって一歩上に上がるかってのは難しいところだとは思うのだが、上述の2役はまさにそんな「ステップ」にぴったりの役だ。どちらも同性間の重すぎる感情を抱えているというのは共通する部分ではあるが、それ以上にもっと重たいものも抱えちゃってるキャラ。かたや始末に悪いレアスキルだし、かたやサイコすぎる過去の因縁エピソード。どちらも到底常人では理解できない範疇にあるキャラクターであり、そこにいかに肉付けしていくかは役者に力量に委ねられる部分。こういう突拍子もない役が回ってくる方が実力を見せやすいのは役者としては当然のこと。まぁ、そういう意味では役に恵まれているとも言えるのかもしれないが、それだけの役を任される仕事をしているということでもある。ことに「アサルトリリィ」に関しては今後も伸び代があるコンテンツだけに、その看板となったことで彼女の進撃もまだまだ続くことになるんじゃなかろうか。

 でもまぁ、今確認したら私も「こみっくがーるず」の時から名前をあげて気にしてるし、初期から何かエネルギーを持った子だったんだろうなぁ。

 

 

第2位

’10「喜多村英梨」 ‘11「豊崎愛生」 ’12「金元寿子」 

‘13「佐倉綾音」 ’14「M・A・O」 ‘15「安済知佳」 

‘16「小松未可子」 ‘17「上田麗奈」 ‘18「種﨑敦美」 ‘19「富田美憂」

‘20 「藤原夏海」

 今、改めてWikiを確認してびっくりしたんだけど、この人と赤尾ひかるってほぼ同期なのか(年齢は一応非公表)? Wikiの表記だと赤尾ひかるが「事務所で本渡楓と同期」って書かれてて、藤原夏海は「日ナレの同期が本渡楓」って書かれている。まぁ、ほぼ同年代ってことやろうなぁ。僕の中のホットスポットが今この辺りの世代ってことやね(本渡楓は2年前のグランプリだが)。

 さておき、活躍の方向性だと、2本の役でビビッときちゃった赤尾に対し、こちらはとにかく渋くじわじわと版図を広げるタイプのお仕事ぶり。私の言葉でいうと、一番好きな「内山夕実タイプ」の活躍である。そこまでパッと「メインヒロインでの活躍」って思い浮かばないかもしれないけど、Wikiを見に行くとえげつない数の仕事こなしてるタイプだ。まぁ、なかなかこういうタイプっていないんだけどね。ゆーみんとの共通点は「少年役も出来る」というやや低めの音域での活躍だが、この子の場合、最初の印象が「少年メイド」のショタだったので、「また少年声のパイを奪い合う声優が現れたな」ってんで、皆川-三瓶-田村(睦)ラインへ勝手に入れ込んだ(まぁ、何となく分かってもらえるでしょう)。もちろん、こういう役だけで食っていければそれはそれで問題ないのだが、この子のすごいところは、全くショタ系の役に縛られない活躍ができたという部分。ぶっちゃけると「GREAT PRETENDER」のアビー役があまりに好きすぎたってのが理由なんだけども、やっぱり改めて並べてみて「大吾・アビー・夏羽・マオ」(あと、はぎ!)っていう並びはびっくりするんじゃないかな。上にあげたショタ系の先輩もそうなんだけど、こういうポジションだと思ってた人が思い切り入れ込んだ女性役をやってくれるのってすごく好きなのよね。もちろん、少年役でも1つ1つにきっちり聞かせてくれてるしなぁ。

 今後どこかで三瓶・田村・藤原っていう3者が出揃う作品が見てみたいよね。

 

 

 

第1位

’10「藤村歩」 ‘11「福圓美里」 ’12「内田真礼」 

‘13「内山夕実」 ’14「早見沙織」 ‘15「山本希望」 

‘16「日笠陽子」 ‘17「井澤詩織」 ‘18「本渡楓」 ‘19「鬼頭明里」

‘20 「花守ゆみり」

 やっぱ俺センスあるわーー。去年の記事をみてもらうと分かるんですが、そりゃもう、花守ゆみりってば去年の時点ですでにフィーバーフィーバーしてたわけですよ。その上でグランプリ選出するかどうか悩んで、「もう時機を外したかもしれんし、まだ来年以降にもう一山くるかも」ってんで最終的に選出を見送ったんですよ。再選無しのルールなので、どのタイミングで選ぶかを見定めるのは難しいんです(俺の中ではね)。そしたら今年のこの結果ですよ。もう、今年は文句なしの花守イヤーと言ってしまっていいでしょう。個人的に好きすぎる役が本当に多くてね。

 直近に「怪物事変」の紺ちゃんの解説で書いちゃったのだけど、個人的にゆみり最大の推しポイントは2極に振るえるダイナミックな振り幅。思い返すと最初に認識したのって「えとたま」のウリたんだったんだね。当然そこから「可愛い系」に全力に振った役者だと思っていて、初めてグランプリ記事で名前が出たのが2015年。流れが変わったのは劇場版の「わすゆ」で、銀ちゃんは音域が低くてそれまでの印象を覆すような見事な活躍だった。ここから「ショタ系もいけるゆみり」の流れが生まれ、完成をみたのは「ハッピーシュガーライフ」のあさひだっただろうか。「え? こんなにいいショタになるの?」と正直困惑したくらいで、その時点では「ゆみりのホームはどっちなのだろう?」と判断に困ったのだが、その後のなでしこ・はーさかラインの活躍をみて「これ、どっちもマジでメインウェッポンやん」と認識を改めることになるのである。

 今年度はそんなハイブリッドな活躍を見せるゆみりの贅沢盛りみたいなシーズンとなり、おもて面なら何と言ってもなでしこだし、現在もプリキュアとして文句なしの活躍。リルリルフェアリルが一回花のエレメントさんを挟んでからプリキュアになるルート、丁寧すぎるやろ。そして裏面としては一番突き抜けてたのはオーディンだろうか。純正ショタならロイド君だが、性別を跨いでこれに「君戦」の戦闘メイドや「ヴァールハイト」のシャアケみたいなラインがつながってくる。そして繰り返しになるが、この2極を混ぜ合わせた最高の到達点が紺ちゃんなのである(空魚みたいな抜き方も見逃せないですね)。とにかく、どの役を見てもチューニングが完璧で、バリエーション豊富すぎるラインナップの中からピンポイントに一番気持ちのいい合わせ方が見られる、それがゆみりワールドである。

 この若さでここまでの広がりを見せられてしまうと、今後の役者人生がどんな展開を見せるのかが気になってしょうがないのだが、もしかしたら沢城みゆきの後継機みたいな八面六臂の大活躍を見せる大声優に成り上がるかもしれない。というか、なってほしい。

 

 

 

 

 

 

 

なお、去年のグランプリ記事の文字数が約5,3000文字。そして今年は約4,4000文字。……多少の削減には成功したぞ。

今年も、良きアニメに巡り会えますように。

 

 

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