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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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第3位 

’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 ‘18「ひそねとまそたん」 ‘19BEASTARS

‘20「無能なナナ」

 まー、ここはこれでいいんじゃないでしょうか。上でも書いた通りに、今年度放送作品で辛抱たまらず原作を買いに走った数少ない作品ですのでね。

 総評に関しては番組感想であらかた書いてしまったので追記することもあまりないのだが、今一度確認するなら、今作の特異性は普段私がアニメを見る際に評している要素とは別領域からハマってしまったという点である。映像部分に特別見るべき点があるわけでもないし、シナリオラインだって精査すれば穴はあり、阿漕な「それっぽい描写」に溢れるだけで空虚なところもあるだろう。斜に構えて「こんなもん、他の作品でも見たし」と言えないこともないのだ。

 しかし、そうした「底が見える」作品なだけに、何故視聴時にあんなにも気分が高揚していたのかが理性的に説明できないのが恐ろしいのである。ミステリ的要素と能力バトル物のセオリーを逆手に取ったヒネたプロットは間違いなく「奇をてらった」ものではあるのだが、単に「知らないから驚いた」とか、「予想外のネタに感心した」とかではない、不思議な引力がある。おそらくそれはやはり、作者がきちんと考えた上で、「こう見えて欲しい」という全体像が実現しているからこその達成なのではないかと思うのだ。

 2期があるかどうかは分からないし、2期目のストーリーが面白くなるかどうかも分からない。ただ、今作のようにぽっと出の「ネタ」が意外なハマり方を見せるってのも、アニメという媒体の面白いところなのかなぁ、と思うのである。

 




 

 

準グランプリ

’10STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」 ‘18「風が強く吹いている」 ‘19「まちカドまぞく」

‘20「ウマ娘 プリティーダービー Season2

 説明不要の成し遂げ作品。まさかこんなにも突き放すことになろうとは。

 番組感想でも書いたのだが、何をもってここまで感動を呼び起こす作品になったのかという理由はよく分かっていない。これも繰り返し書いていることだが、本当に「ただ走るだけ」の競技だし、筋立ての多くの部分は「ネタバレ」を食らっているようなもの。何故、そんなお約束とマンネリズムの塊のような構造に、感情が揺さぶられるのか。是非とも、その理由が解明できる人には分析を示してほしいところだ。

 1期のスペのお話と比較すると、今回はとにかく「週替わりのヒーロー」が登場する賑やかさが見もの。最終的にテイオーの物語に帰結するのだということは誰もが分かっていることなのだが、そんなテイオーのあまりに劇的な復活を描くために、その周りにいるライバルウマ娘たちに着実に肉付けがなされていく。メインとなるマックイーンは言わずもがなだし、まさかターボみたいなキャラから号泣エピソードが生み出されるなんて誰も思っていなかった。全てのレースが「その時限りの一発勝負」ではなく、前のレースで培った感情がどんどん後のレースに上乗せされていくこの感覚、単なるレースアニメでもなければ単なる萌えアニメでもない。唯一無二の「命のドラマ」だ。

 

 

 

グランプリ

’10「けいおん!!」 ‘11「へうげもの」 ’12「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 ’13「凪のあすから」 ’14「ユリ熊嵐」 ‘15「響け!ユーフォニアム」 ‘16「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 ‘17「宝石の国」 ‘18「リズと青い鳥」「やがて君になる」 ‘19「この音とまれ!」

‘20「ミュークルドリーミー」

 ごめんなさい、今年はもうこれ以外にないんや……。世界にミュークルが生まれてしまったが故に、神は世界のバランスを取るためにコロナウィルスを蔓延させたのではないか、そんなことを思うくらいに突き抜けた「陽」の気の存在。未来クルクル、ミュークルドリーミー。

 今作の凄まじいところは、1年という長丁場の作品であったにも関わらず、ほぼそのクオリティが毎週維持されていたということである。ここでいうクオリティってのは作画とかそういうレベルの話ではなく、桜井監督が生み出した「理不尽と不条理と刹那主義的な世界」のこと。毎週、どのシーンを切り取ってもどこかに必ず不条理の因子が存在しており、常に気を抜かずにそうした落とし穴を警戒し続けなければいけないという地雷のような作品。ほぼ同じことを成し遂げた作品に「ヘボット!」っていうのがあるんだけど、あっちはもう、不条理のために用意された舞台設定なのだからまだ理解は出来るんだ(ごめん、多分理解は出来ない)。それに対し、今作の表側だけを切り取ってみれば、「可愛い猫のぬいぐるみを売るためのサンリオ販促アニメ」のはずである。それがなぜ、こんな巨大な陥穽に成り果ててしまったのか。それが不可解だ。まぁ、過去にはサンリオキャラでマイメロって奴も同じような業を抱えていたという話を聞くし、ジュエルなペットにも同様の被害者が多かったようなので、おそらくこれがサンリオという企業の代え難い社風なのだろうとは思うのだが……たまたま私はその吹き荒れる社風に吹き飛ばされたのが今回初めてのことだったのだ。初見でこれに耐えられるほど、私の精神は強くないのである。

 こうして「小さな女の子だってちゃんと可愛いと思いながら楽しめるし、おっさんが見たらその裏から滲み出る深淵の姿に発狂してしまう」という紙一重のデザインが成立するのは奇跡の所業。なんとかこの1年で耐性をつけたので来年の新シリーズはきっと耐えられると信じたいが、気づけばまた吹きすさぶレインボーに押し流されてしまうかもしれない。これは人類への挑戦なのだ。負けられない戦いがここにある。あぽーん。

 

 

 

 

<サブタイトル部門>

 個々のエピソードごとに選出するよ、サブタイトル部門。頑なに「毎週30分放送される地上波アニメ」というスタイルのみを追い続ける私としてはちゃんとこだわっていきたいところではあるのだが、今年度はその「30分を放送し続ける」すら大変だったのでなぁ……もしかしたらあり方を考える必要もあるのかも。ネトフリとか、一応時間は30分で区切ってるけど配信時に全部出しちゃう媒体だと、制作側だって話数ごとの分け方とかの意図が変わってくる気もするし。その辺をどう考えてるのか、っていう業界人のお話も聞いてみたいとこですね。

 というわけでいくつか候補をみていくことになるが、一応毎年「第1話と最終話は候補から外す」という話をしている。1話目はどうしたって力が入る部分だし、トリッキーな構成も組み込みやすいので判断軸がブレるため、そして最終話はどうしても作品の総体と切り離せないので作品賞と差別化が図りにくくなるため。まぁ、今回候補としては最終話はあげちゃってる気もするけども。

 「1話目」ではなくトリッキーな構成で驚かせてくれたのは「デカダンス」第2話「Sprocket」。1話目で「滅びゆく世界の中で戦い続ける人間たち……」みたいなお約束の展開を見せてたと思ったら、突然襲いくる「なーんちゃって」のサイボーグ祭り。バカにしてるとしか思えないサイボーグ連中のデザインも含めて、この作品が見せたい斬新さが一気に開陳されたのがこの2話目であった。こういうトリックで話題をさらってくれるのは本当にありがたい。視聴者を出し抜く脚本という意味では毎度油断ができなかった作品からは、「GREAT PRETENDER」22話「CASE4_8」。高まる緊張感と、誰が誰を騙しているのだという疑心暗鬼の渦の中、「そんなわけあるかい!!」というとんでもないオチを見せつけられて、我々視聴者もジャパニーズヤクザやチャイニーズマフィア連中と一緒にぽかんと空を仰ぐしかない。

 トリックプレーとはちょっと違うが、同じく「真相解明」という中身ならふざけかたが堂に入っているのが「波よ聞いてくれ」第7話「私は哭きたい」。怪奇現象の答え合わせのためにミナレさんが屋根裏に突貫する話ですね。あまりにひどいその真相を無意味なくらいの臨場感で盛り立てるその様子はまさにラジオの時間。真相を見破るにしても一筋縄ではいけない作品からは、「無能なナナ」第7話「ネクロマンサーPART2」。作中でも割と凝ったトリックを使っている部分の真相をナナしゃんが導き出し、それをいかにして逆用するかを見せるという、今作の真骨頂のような1本。ひしひしと感じられるミステリ愛にも引き込まれる。

 もっと破天荒なタイプでみていくと、まず思い出すのが「BNA」第5話「Greedy Bears」。突然の野球回にして、地獄となるジャッキーのお目見え回。一応シリアスメインで進んでたのに突然丸出しのTRIGGERでフルスイングするのやめて。ギャグのテンションが作品を別方向に曲げた記憶でいうなら「プランダラ」第19話「浮気」。可愛いヒロイン勢が3名出揃い、それぞれに魅力をぶつけにくるという一種のハーレム回のはずなんだけど、酒を言い訳にして大体が壊れちゃうので収拾がつかない。2クールあると振り切ったギャグ回でも1話まるまる使えるのは贅沢でありがたいですね。作画テイストまで含めて突然覚醒しちゃった感があったのが「本好きの下剋上」第23話「収穫祭のお留守番」。普段が名作劇場みたいな素朴なテイストだったおかげで、実はちょいコミカル寄りにしてギャグ多めにするとめちゃめちゃ映えるデザインだったんだな、と分かるのが大きな収穫。あとはまぁ、ゆかちのテンション芸はいつの世も正義ってことで。そうそう、突然ショートアニメで申し訳ないんだけど「ガルパ☆ピコ〜大盛り〜」第9話「パズル☆ピコ」だけピックアップさせて。ガルパピコ、頭のおかしい話が多いので大好きなんだけど、このパズル回はガチのガルパファンにも訴えかけるネタの数々がやたら濃密だったのよ。変なとこ入ってがっかりされる紗夜さん本当好き。

 もうちょい真面目な方向も見ておきましょう。いろんな部門に選出したかった「とある科学の超電磁砲T」からは2本、第6話「開戦」と15話「やくそく」。前者は湾内さんと泡浮さんのバトル回ですね。何度も書いてるけど、この2人はアニメ版の超電磁砲を代表するキャラだと思っているので原作の時からずっと楽しみにしてたバトルだったんですよ。活躍できてよかった。15話はドリー編の事実上の最終回。世の中がどれだけ荒廃していても、食蜂さんが幸せになれる世界なら大丈夫。各話ではっきりとデザインが分かれる「ラブライブ! 虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会」からは6話「笑顔のカタチ(〃><〃)

と11話「みんなの夢、私の夢」。前者は今作の方向性の正しさが確認できた璃奈ちゃん回。ライブシーンが必ず最後に来るってわかっているが故の安心感。そして11話は上原歩夢覚醒回。いやぁ、あんなものを見せつけられるとちょっと……。同様(?)の路線でいうと「ゲキドル」第6話「人形の家」もマジでインパクト絶大だった。どう考えてもアイドルアニメの主人公じゃないやんけ、っていうことに気づかされた上に「そうだよ、これはアイドルアニメじゃねぇんだよ」という宣戦布告でもある。人間、簡単に記憶改変されがち。

 じわじわと集まる感情の高まりでいうと「BEASTARS20話「光を浴びたらシルエットの違いを笑おう」あたりも癖になるデザイン。本当ならレゴシVSリズの沸騰するような関係性を描いた話の方がメインなのだろうが、今作はあらゆるところに地雷が潜んでいるため、このお話のように各方面に話を振ってもらった方が致命傷が多くて良い。

 規定では反則だけど「アサルトリリィ BOUQUET」第12話「ブーケ」は単品エピソードとして外せない存在感を持つ。Aパートがなりふり構わぬアクションパートで見せ、Bパートはうって変わってじっとりと心情描写を掘り下げた沼すぎる演出でゴリゴリに百合要素を固めるという冷水浴みたいな話数。アニメで伝えたいことがあるなら、それをどのように振り分けるかというリソース配分が大事、というお話。そして最後まで上位選出で悩んだのが「放課後ていぼう日誌」第9話「備えとアオサギ」。大野さんの可愛らしさを描いたAパートから転じて、Bパートでは「釣り」という趣味の良い部分も悪い部分も考えよう、という教育的な内容になっている。「暗くなりそうだし、萌え要素少ないから削ろうか」という判断もあり得たと思うのだが、そうした事象から逃げずに全てを作品の魅力であると理解して丁寧に作り上げる姿勢はとても良いものに見えた。こうして単品でもしっかり味わえるアニメというのは、やはり良いものなのである。

 さて、残り3本。

 

 

 

第3位

‘10 「侵略!イカ娘」 第5話Cパート「飼わなイカ?」

‘11 「ベン・トー」 #10「それは昔祖母の家で食べた温かで優しい味わい。心にも体にも優しい和の料理。梅とちりめんじゃこご飯と季節の野菜たっぷりの煮物弁当 480kcal

’12 「戦国コレクション」 COLLECTION-19 「Vengeful Fang-IS

’13 「ワルキューレロマンツェ」 第7話 「風車の下で」

’14 「ユリ熊嵐」 第9話 「あの娘たちの未来」

’15 「OVERLORD」第9話「漆黒の剣士」

’16 「ふらいんぐうぃっち」第5話「使い魔の活用法」

’17 「18if」#8「THRESHOLD

’18 「少女☆歌劇 レヴュースタァライト」 第5話「キラめきのありか」

‘19 「鬼滅の刃」第10話「ずっと一緒にいる」

‘20 「ストライクウィッチーズ ROAD to BERLIN」第6話「復讐の猟犬

 温故知新、すっかり「お約束を守るための舞台」となったおかげで鮮烈さとは無縁の作品になってしまったかに思えるストパンであるが、第3期となった今回だって、決してその刃は衰えた訳ではない。ここまで長い長い歴史を刻んできたストパンファンたちを喜ばせるために、常に新しい驚きや感動を届けてくれる。今回はそんな古参兵の熟練の戦いの中でも、見事に度肝を抜いてくれた1本を名誉賞込みで選出させていただきたい。

 どうしてもこうした「女の子わいわい作品」は個別のエピソードを切り取ると「お当番回」という様相が濃くなり、今作においてもかなり明確に「今回のお当番はルキシャリ」とかいうことが分かるようにデザインされている。ただでさえ501の人間だけで話数はいっぱいいっぱいなので1話で1人なんて余裕もなく、大体はコンビ(もしくはカップルともいう)での処理になり、この第6話はカールスラント勢、いや、お姉ちゃんとハルトマンのお話である。「お当番回の1つ」と言われればなんだか重要度も下がってしまいそうだが……今回ばかりはそうもいかない。ミーナ、バルクホルンという「年増組」がそろそろ兵役を終えて引退も見えてきたというこのタイミングで、何一つ変わらないバルクホルンさんの姿を、信じられない方法で叩きつけてくれたのだから。

 正直、今年度一番気に入ったバトルシーンはどれだったかと聞かれたら、多分このバルクホルンVS高速機動ネウロイのマッチをあげるだろう。とにかく破天荒で、ダイナミックで、勢い任せである。これまで様々な銃火器や魔力を使いこなしてきたウィッチたちが万策を封じられ、最後に見せたのはなんと筋力。日々の鍛錬を欠かさないマッスルバルクホルンだからこそ出来た、掟破りの背負い投げ。今作は突き抜けた馬鹿をやることでも知られているが、馬鹿をやるのは7話目だったんじゃないのか。その前にバルクホルンさんがここまでやっちゃっていいのか(まぁ、7話は7話でちゃんと完全にぶっ壊れてたので問題ないですけどね(??))。

 こんなに汗臭そうな女の子の活躍、なかなか見られるもんじゃございません。「まだまだ現役」、バルクホルンさんにもストパン自体にも、そんな気概がほとばしる1本であった。

 

 

第2位

’10 「けいおん!!」 #20「またまた学園祭!」

’11 「BLOOD-C」 第11話「たれをかも」

’12 「中二病でも恋がしたい!」 EpisodeXI 「片翼の堕天使」

’13 「げんしけん二代目」 第11話 「いい最終回だった」

’14 「少年ハリウッド HOLLY STAGE FOR 49」 第5話 「エアボーイズ」

’15 「ハイキュー!! セカンドシーズン」第24話「極限スイッチ」

’16 「響け!ユーフォニアム2」第9話「ひびけ!ユーフォニアム」

‘17 「プリンセス・プリンシパル」#11「case22 Comfort Comrade

‘18 「ゾンビランドサガ」第2話「IHIPHOP SAGA

‘19 「BangDream! 3rd Season」第4話「タコさんウィンナーだぎゃあ」

‘20 「魔女の旅々」第9話「遡る嘆き

 こちらも凄絶な動画モーションが見どころとなる1本。そして、ギャグありシリアスありと変幻自在のシナリオ展開を見せるオムニバス作品だからこそ可能となったテンション乱高下のギャップの妙。何が飛び出してくるか分からずにこちらもガードが固められないために、特大の一撃を叩きつけられると無防備にぶっ飛んでしまうのである。

 例えば「タイムワープ」とか「過去改変」とか、そういう言葉で言ってしまえば別に驚くような筋立てでもなかろうし、「衝撃の真実」だってそこまで新しい仕掛けでもなかったはず。それでも、「この作品でそんな救いのない展開はさすがに来ないだろ」と気楽に構えてしまっていたせいで、ど真ん中に豪速球で投げられるストレートにも手が出ない。全力で陰鬱、全力で凄惨。その全てのエネルギーで胃の腑をえぐる。途中でどれだけ「もうやめて!」と叫んだことだろうか。製作側もそうして視聴者のガードが下がっているだろうと分かっていてこのタイミングでのエピソードであろう(前のお話は髪切り通り魔オークション話である)。平均的にクオリティは高かった作画リソースに関しても、このお話の鬱を見せつけるために一気に集約させてきた。1つ1つのシーンの重みが尋常ではなく、「魔女」という普段はイレイナさんが冗談半分でいじっているような要素が、どれだけ罪深く、どれだけ強大すぎるものなのかを改めて認識させられる。このエピソードがあればこそ、ここから先の締めに向かう展開でもちょっとした緊張感を持ってイレイナさんたちを見守ることができるようになっている。そういう意味では、今作全体を決定づける最初で最後のエピソードだったのではなかろうか。

 

 

第1位

‘10 「探偵オペラミルキィホームズ」 第4話「バリツの秘密」

‘11 「花咲くいろは」 第十七話「プール・オン・ザ・ヒル」

’12 「スマイルプリキュア!」 第23話「ピエーロ復活! プリキュア絶対絶命!!」

’13 「有頂天家族」 第六話 「紅葉狩り」

’14 「四月は君の嘘」 第6話 「帰り道」

’15 「響け!ユーフォニアム」第8話「おまつりトライアングル」

’16 「RE:ゼロから始める異世界生活」第18話「ゼロから」

‘17 「宇宙よりも遠い場所」第5話「Dear my friend

‘18 「やがて君になる」第6話「言葉は閉じ込めて/言葉で閉じ込めて」

‘19 「戦姫絶唱シンフォギアXV」第7話「もつれた糸を断ち切って」

‘20 「ウマ娘 プリティーダービー Season2」第8話「ささやかな祈り

 そして当然、最後に待ち構えているのはこのお話。わかりやすく言うなら「ライス回」である。

 何度も何度も書いているが、「ウマ娘」というアニメは極論すれば徒競走してるだけのアニメである。まぁ、その言い方だと「野球やってるだけのアニメ」とか「部室で飯食ってるだけのアニメ」とかもあるだろうが、とにかく「ただ走ってるだけ」という競技性は、映像としても、シナリオとしても魅せるのは容易ではない。それをやるためには、とにかく「走る」ことの爽快感や重量感を生み出す作画技術が不可欠であるし、その「走り」に意味を持たせるためのシナリオ構成にも技術が要求される。そして、悔しいことに今作はそのどちらの面においても完全に視聴者の見たいものを提供してくれているのだ。

 「作画リソース」と言っても、別に信じられない枚数を割いた作画とか、見たこともないようなトリッキーな技法をつぎ込んだ空前絶後の動画とか言うんでもない。あくまで我々の理解の範囲内での映像作品になっているはずなのだが、そうして理解が及ぶだけに、作中に生み出されたあらゆる要素が画面からシンプルに雪崩れ込んでくる。ライスシャワーという1人の少女の激情がほとばしってくる。漆黒のステイヤーと称されたライスシャワーという実在の競走馬の人生を取り上げ、誰がこんなシナリオに仕上げられるというのだろう。その走りに、その叫びに、我々はただ圧倒されるしかない。何度見ても涙がこみ上げてくるたった数分の「競争」の一幕、このわずかな時間に、アニメーションの持つありとあらゆる力が籠められている。

 

 

 

 

 

 

 

 

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