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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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<キャラクター部門・女性キャラ>

 頑張って短くまとめ甲斐のある部門、それがこちら。男性キャラ部門よりもはるかに視点が散ってしまって大変なのだが、何とかスマートにまとめていきたいところ。

 いきなりキャラ単体で評価しにくいのが主人公部門。たとえばヴィヴィ(Vivy -Fluorite Eye’s Song-)はとても良いキャラだったのは間違いないのだが、この部門でさらに選出するのはどうなのかって話よ。他にも古見硝子(古見さんはコミュ症です。)さんもアニメ作品としては革新的な「美少女」だったが、彼女の魅力と作品の魅力を切り離して考えるのが難しい。看板を背負ってくれたメインヒロインは他にもたくさんおり、たとえばアリス(死神坊ちゃんと黒メイド)の阿漕すぎるヒロイン像は命を賭して貫き通す愛を与えてくれるし、同様に無性の愛を提供してくれる正妻には立花夕月(ユヅ)(大正オトメ御伽噺)もいる。ひたすらおうちで愛でていたいと思わせる存在。ちなみにおっぱいが共通項なのは偶然だぞ(ヴィヴィはそうでもない)。

 さらなる積極性を持つヒロインとしては、たとえば元気少女の赤城りん(逆転世界ノ電池少女)なんかもいい具合に弾けた正統派ヒロインだった。世の中のオタクは「オタク話が通じる幼なじみ」を求めておる。似たようなお馬鹿元気路線で近いのは根来牡丹(テスラノート)。作品が必要以上に馬鹿だったのでヒロインの彼女もとばっちりで馬鹿のイメージが強いな。そうそう、エミリコ(シャドーハウス)も忘れちゃダメだし、豊川姫乃(やくならマグカップも)も夢に向かって突き進む真っ直ぐヒロイン。どうにも歳をとるとシンプルに元気をもらえそうなキャラに惹かれるようになるのかもしれない。

 もうちょい複雑な立ち位置の主人公キャラとしては、たとえば作品世界全てを支え、語り継ぐ存在であるびわ(平家物語)も無視できない存在感を放っている。あれだけの物語を1人で持っていけと言われた少女ってのは大したもんだ。物語の中心に居座りながら、常に奇妙な浮遊感を伴う謎系ヒロインなら小熊(スーパーカブ)さんもいる。ひたすら具の少ないレトルト牛丼を温める系ヒロイン、怖い。孤独な戦いに挑み、最後の最後で報われたヒロインならヴラディレーナ・ミリーゼ(レーナ)86 -エイティシックス-)が印象深い。彼女の笑顔のために、頑張ってよかったと思わせるだけの存在。あと一応ヒロインといえばヒロインだったのが橘日向(異世界美少女受肉おじさんと)。まぁ、ヒロインは神宮寺だったんじゃないかという意見も甘んじて受け入れるが。最終的にメインヒロインだったと思われる隠れた存在としてクローディア・トゥアハーデ(暗殺貴族)さんもあげておきますね。可愛かったんだもん。主に声が。

 こうして並べるとメインヒロインだけでお腹いっぱいだな……。一応サブヒロインというか、ライバル的位置取りのキャラをまとめようと思ってたけど、長くなりそうだから巻きでいきます。主人公以上に引き立ったキャラの多かった作品からは代表して奈良田愛杉本紗和(かげきしょうじょ!!)の2名。まぁ、原作を読み終わった後だと圧倒的に「野島ァ! 聖ィィィィ!」って感想になるのだが、アニメ部分だけだとこの2人の同級生がさらさを引っ張る役割がドラマティックだったよね。作中でどうにも気になってずっと追い続けてたのはヒリング王妃(王様ランキング)。ほんと、ツンデレの極みみたいな人でねぇ。「実は全員善人」という作品世界の中でも突出して善人で、苦労人だったわ。2期になって一気に解像度が上がった名ライバルではエルマ(小林さんちのメイドラゴンS)も忘れちゃいけない。トールの一部を作ったのはエルマだし、エルマの一部を作ったのはトール。良い関係性だ。どっちがメインヒロインだか分からなくなっちゃったけど注目したいのは宮沢風花(白い砂のアクアトープ)。既存の「アイドル」というヒロイン像からは飛び出した強すぎる適応能力は他作品のヒロインには無い魅力になってたなぁ。

 ざっくりイロモノ枠でまとめておくがインパクトがデカかったキャラをいくらか拾っていくと、まずは何といっても2代目SSSS.DYANAZENON)。まさかあの子がこんなことに……という衝撃が先立つが、ふつーに働く女性として魅力的だったのよね。働く女性といえば、結局働いてたんだかどうかよく分からなかったあき先生Sonny Boy)。登場時から最後の最後までずっと目がガンギマリという危険すぎるキャラ。結局なんだったのかよく分からんけどインパクトは絶大。存在感があるんだか無いんだか、カオスすぎる存在はナレーション(ぐんまちゃん)。……女性キャラ部門でいいんだよね? 登場シーンだけでいえば数少ないのに一発で場の空気を持っていったナイスキャラだと地獄takt op. Destiny)なんかも強い。こちらも声が強い。

 残りは最終候補として残った悩まし乙女たち。直近だと恋愛描写で一気に好感度が爆上げした神ヒロイン・ジャンヌ(ヴァニタスの手記)。こんなに可愛い恋愛関係見たことない。同様に純愛の強さを見せつけてくれたのは志野亜貴(ぼくたちのリメイク)。シノアキはなぁ、構成する要素全部が可愛いんだよなぁ。純愛の強さがピンポイントで貫かれたのは嵐千砂都(ラブライブ!スーパースター!!)。怖いほどの慈愛。ラブライブキャラの秘めた想いっていちいち強すぎる。中の人要素も強いかもしれないけどグサグサ刺さったダウナー系ヒロインは飛鳥川ちせSSSS.DYNAZENON)さん。ニートに優しそうで優しくない、少し優しいヒロイン。中の人繋がりで渥美綾(大正オトメ御伽噺)さん。やっぱこういうやさぐれヒロインが強いなぁ。

 他にも好物としてはぶっ壊れ敵キャラ部門ってのがあって、代表選手はミク(平穏世代の韋駄天達)さんだろうか。主人公側がチート設定なのに遥か未来に至るまでの不安要素を忍ばせ続ける隠匿系の敵キャラ、怖すぎる。怖さでいえば圧倒的なのはやっぱりアリシア(フルダイブRPG)さんだろう。ある意味で世界を作った近距離パワー型、世界一デスボイスが似合うヒロイン。憎めない「元敵キャラ」なら山田仁菜BLUE REFLECTION/澪)さん。百合に翻弄されて心壊される女子高生、良き。心の壊れ具合なら何と言っても郡千景(結城友奈は勇者である -大満開の章-)さん。こちらも本当は強い子だったのだけども……真っ直ぐな悲劇もそれはそれで素敵。

 そして最後は……日曜朝の軍師キャラ2名、一ノ瀬みのり(トロピカル〜ジュ!プリキュア)先輩、そして今井ことこ(ミュークルドリーミー みっくす!)先輩。世界中の女児よ、眼鏡を光らせるのだ。

 

 




 

第3位

‘10 「会長はメイド様!」より「鮎沢美咲」

‘11 「47都道府犬」より「愛知犬」

’12 「しろくまカフェ」より「笹子さん」

’13 「サムライフラメンコ」より「真野まり」

’14 「デンキ街の本屋さん」より「先生」

’15 「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか」より「ヘスティア」

’16 「響け!ユーフォニアム2」より「吉川優子」

‘17 「ヘボット!」より「ナグリ・ドツーキ女王」

‘18 「SSSS.GRIDMAN」より「新条アカネ」

’19 「バビロン」より「曲世愛」

‘20 「メジャーセカンド2」より「沢弥生」

‘21 「不滅のあなたへ」より「ハヤセ」

 今年度の「やべぇ敵キャラ部門」で見事トップに輝いたのはこちら、その愛がまさに不滅となった究極ヤンデレ、ハヤセさんである。

 そもそもの話、「不死の主人公」っていうテーマ自体がめちゃめちゃ難しいはずなんですよね。不老不死ってバトル漫画なら最強の能力だし、主にボスキャラに付与されるべき属性なのに、それを「成長型の主人公」に当てはめるというのがまずは無茶苦茶。そこから物語を綴る上で、今度は主人公を見守る周りの環境も用意しなきゃいけなくて、周りに固定キャラを置いちゃったら「不滅」という主人公の特性が霞む。そうなるとやっぱり今作のように「次々に変わる舞台」が正解なのだが、固定キャラが少ないとどうしても物語が散逸的になり、大きな叙事詩にはなりにくい。どのパートでどのようにキャラを絡めていくかは難しい判断が求められる。フシと一番長く接したのはビオランだと思うが、実はほぼ同じ期間フシのことを知っており、影から追い続けたのがハヤセ。彼女って、元は本当に真面目な公僕だったんじゃないかと思うんですよね。村のルールを守るために実直に任務をこなしていただけなのに、そこにとんでもないイレギュラーのフシが現れて彼女の人生が狂ってしまった。文字通り、「狂った」。不老不死なんて存在がいれば、そりゃ大なり小なり周りの人間の価値観にも影響は与えるだろうが、それが最もダイレクトに「生き様」に響いてしまったのがハヤセだった。彼女の変化が、それすなわちフシの物語そのものと言えるのかもしれない。いつしか恐怖心や敵対心が興味に、忠誠に、信仰に、そして愛になり、彼女はひたすらにフシを追い求める。これもまた、1つの愛の形……。まぁ、フシからしたらたまったもんじゃないし、やってることは本当にとんでもないのだが……イカれたクソ女好きにはたまらない活躍。2期ではどういう存在になるのかなぁ。

 

 

 

第2位

‘10 「刀語」より「否定姫」

‘11 「花咲くいろは」より「四十万スイ」

’12 「人類は衰退しました」より「“わたし”ちゃん」

’13 「戦姫絶唱シンフォギアG」より「雪音クリス」

’14 「selector spread WIXOSS」より「蒼井晶」

’15 「下ネタという概念が存在しない退屈な世界」より「アンナ・錦ノ宮」

’16 「クズの本懐」より「皆川茜」

‘17 「メイドインアビス」より「不動卿 動かざるオーゼン」

‘18 「ポチッと発明 ピカちんキット」より「ギバさん(柳葉ヤバ美)」

’19 「グランベルム」より「アンナ・フーゴ」

’20 「アサルトリリィ BOUQUET」より「楓・J・ヌーベル」

21 「明日ちゃんのセーラー服」より「明日小路」

 直近の作品なのでインパクトは絶大。そして、作品全体の構造を考えれば、やはり「明日小路という女が凄まじかった」と結論づけてしまっていいのではなかろうか。

 個別の感想でも作品自体には触れているのでここで改めて小路という1人の少女について書くこともないのだが、今時ここまで真っ直ぐで、眩しいヒロイン像ってのも珍しいんじゃなかろうか。単なる田舎の女子中学生。彼女がプリキュアになるでもなく、世界を救うでもなく、単にクラスメイトと放課後を満喫して、部活に、休日に、体育祭に精を出す。それだけの風景がどうしてこんなにも輝いて見えるものか。作品の視聴者は彼女自身の美しさに見惚れてしまうが、きっとこの輝きは、彼女自身が見ている世界の姿の表れなのだろう。

 おっちゃんもこの歳になると、本当にただ真っ直ぐな若者を見るだけで目が潰れそうになってしまうよ。若者達よ、かけがえのない青春を、強く生きてくれ。

 

 

第1位

‘10 「けいおん!!」より「田井中律」

‘11 「よんでますよ、アザゼルさん。」より「佐隈りん子」

’12 「中二病でも恋がしたい!」より「凸守早苗」

’13 「魔法少女まどか☆マギカ新編 叛逆の物語」より「暁美ほむら」

’14 「PSYCHO-PASS2」より「霜月美佳」

’15 「ガールズ&パンツァー劇場版」より「ドゥーチェ・アンチョビ(安斎千代美)」

’16 「この素晴らしい世界に祝福を!2」より「ダスティネス・フォード・ララティーナ」

‘17 「魔法使いの嫁」より「羽鳥智世」

‘18 「リズと青い鳥」より「傘木希美」

’19 「まちカドまぞく」より「シャミ子(シャドウミストレス優子)(吉田優子)」

’20 「戦翼のシグルドリーヴァ」より「六車・宮古」

21 「劇場版 少女歌劇レヴュースタァライト」より「大場なな」

 …………しょうがない。今年は本当にしょうがない。ほら、振り返れば過去に3回も劇場作品から受賞者が出てるし……(まぁ、かつては「タイトル部門で選べないからここで選出する」っていう扱いだったのだが……)。

 今年のグランプリは本当に悩んだ。この部門の受賞候補がたくさんいた。まぁ、そのたくさんってのは愛城華恋、神楽ひかり、天堂真矢、星見純那、露崎まひる、西條クロディーヌ、石動双葉、花柳香子との9択だが……。個人的な好みからいえばやっぱり筆頭は花柳香子さんなんですよ。「おもてぇ出ろや」の一言だけでも3年分くらいの受賞権利がある。ただ、作品の中での際立ちを考え、「スタァたちの関わり合い」を考えると、やっぱりこの映画を象徴するのは誰かっていうのを考える必要があって……華恋? ひかり? いやぁ、それは一面的な見方でしょう。普段なら私はここで星見純那を持ち出していた。「ダメな奴の克己」が最高のドラマだってのは、これまでの選出でも繰り返し触れている部分だ(7年前もそうだし、ある意味3年前もそうです)。しかし、どれだけ言葉を重ねようとも、この女には通じないんだよ。この1年間、目を瞑った時にどれだけ「皆殺しのレヴュー」冒頭の彼女のステップが脳裏に蘇ってきたことか。大場なな。お前こそが、本当のスタァだ。

 偉人の言葉を振りかざす純那ちゃんを誅するバナナは、その一言一言が本当に重すぎて、口から出る全てが名台詞となった。「みんな、しゃべりすぎだよね」に始まり、「強いお酒を飲んだみたい」「がう」「あぁ、泣いちゃった」と経て、「お前は何者だ」まで。舞台の上では、彼女の言葉は全てが台詞。観客へ向けてのメッセージ。我々はその全てを飲み込んで、見届けなければいけなかったのだ。

 列車は必ず次の駅へ。そして、舞台も。

 

 

 

 

 

<声優部門>

 これこそが1年の総決算、声優部門である。結局私のアニメ視聴のモチベーションというのはここが原点であるから、きちんと真摯に向き合っていきたいとは思っている。まぁ、なかなか最近は集中できてないという現実もあるのだが……思考を停止して自分がもともと好きな声優ばかりを見ていては老害一直線だ。何とか、現代声優シーンに則った認識の更新を続けていきたい所存。だからこそ、すでに過去に受賞歴がある人間の名前は出しません。出しませんよ。今期冬クールを見て「どこを見てもM・A・Oネキしかおらん……」とか思ってもブレませんよ。顔文字ネキ、私がここで選出したのが2014年なんだが、もう10年近くも権藤権藤雨権藤ばりの活躍を続けてるの異常じゃないですか? あと、去年「もうここが頂点で間違いないから!」と自信をもって押し出した花守ゆみりワールドにまだまだ先があったのも度肝を抜かされている。怖いよう、声優怖いよう。

 というわけで新しい名前を見ていきたいとは思っているが、それでもやはり、実力が充溢してきたラインナップと考えるなら過去に候補としてあげた名前が出揃うのは仕方ないことだと潔く認めよう。1年に3名という狭き門なのでなかなか選出タイミングがなく、いつもここで触れるだけに終わってしまう人が多いのは本当に申し訳ない。去年もあげた名前から確認しておくと、着実に業界での位置を固め存在意義を確固たるものとしたのが大西沙織。今年度もメインにサブにと八面六臂の活躍を見せたが、彼女の真のステージはまだ来年以降にもありそうなのでステイで。同様の枠だと瀬戸麻沙美も今年選んでもよかったのだが、結局瀬戸ちゃんの頂点の先が見定められていないので決断に至らなかった。あとほんとに絶対出てくる名前に大空直美ってのもあって、この辺はもう、名誉枠とかでいい気もしている。

 扱いの難しさでいうと今年めっちゃ悩んだのは田村睦心。確認して驚いたのだが、むっちゃんはまだグランプリ選出したことがなかったのだな(去年藤原夏海を選出してたのでごっちゃになってたかもしれん)。今年は「れい君・ジョン・エルメェス」の三拍子揃ったタイミングなので引っ張りあげちゃおうとも思ったのだが、流石に部門被りが激しいので除外させてもらった。そして毎年悩まされる和氣あず未の扱い。本当に「気づけばそこにいるメイン級」なので大空直美同様に「主演があっても当たり前すぎて取り上げづらい」というありえないジレンマに陥っている。もう、複数選出ありにしちゃえばいいんだろうか。

 多少新鮮味のある名前にも触れていきたいのだが、去年あたりから一気に注目が集まり始めたのは長谷川育美。今年も堅実にキャリアを重ねており、起用の幅広さでは既に一線級の風格。もうひと伸びありそうなのでさらなる期待を。これまでだって充分メイン級だったがついに最強の武器にたどり着いたな、と思ったのは千本木彩花。もともと器用な子だったとは思うのだが、そこから一歩伸ばした個性がついに結実した印象。今年は並べてみるとこの辺りの世代が躍進している気がする。具体的には高橋花林村上奈津実河瀬茉希・前田佳織里・遠野ひかるなんかが同世代に入っている(選出済みなら藤原夏海、赤尾ひかるあたりも)。多分現代声優界のホットスポットなんじゃなかろうか。

 ピンポイントのお仕事でいえばこの1年で一気に駆け上がってきたのは日岡なつみ。もともと武器となる声を持っていたが、ようやくそれを使いこなせるだけの準備が整った印象。業界での使われ方という点では松田利冴・颯水姉妹も着実に版図を広げる存在。まぁ、ここでもニコイチで表示してしまっているのは申し訳ないのだが……ごめん、正直私はまだあんまり区別が……。でも、それこそが個性と言える気がするよね。個性といえば、去年も名前をあげたけどグルリと反転してまた元の着地点に戻ってきているのが篠原侑。去年の「黒岩部長すげぇ! こんな役もできるのか!」から何事もなかったかのようなエミリコ役。これだから声優ファンはやめられねぇぜ! 声質の妙というなら近藤玲奈も面白い見せ方ができる役者。低音の使い方が上手い人は生き残りやすくてよいですよ(内山夕実ファンなりの感想)。

 一応去年まで出してなかった若い名前を多少なりとも回収していくと、直近だと明日小路役でインパクトを残した村上なつみ。まだまだ伸び盛りといった感じではあるが、まっすぐな中にちょっぴりのクセを混ぜ込んだ発声はハマれば中毒患者も出せるスペックに見える。子役あがりの強かさで勝負するのは若山詩音。こうして並べると、悠木碧・黒沢ともよのように、子役上がりってどこかふてぶてしさを感じさせるたくましさがある気がするね。まだ仕事の数が少ないが個人的に気にしちゃったのは玉城仁菜。ここからどっち方面へスキルを伸ばしていくのかが気になる。そして声質だけで一目(耳)惚れしちゃったのは羊宮妃那。若いくせに既に基礎が出来上がっている上に所属事務所のおかげでガンガン現場にも出てきているので、このまま全力で贔屓されてほしい、今期ダントツで期待している若手である。

 さて、ここからは最後までベスト3選出で悩まされたラインナップ8名。3人を選んだので惜しくも選べなかった5名を見ていくと、まずはその硬軟織り交ぜたスキルの伸びに驚かされた白石晴香。去年の時点で「こんなに幅が広がるとは思わんかったわ」と驚いていたのだが、今年もその路線を維持し、1つに印象を固めないで自由に芸幅を広げている。普通に考えたらトップで選出してもいいくらいには評価しているのだが、かつて事実上のデビュー作である「山賊の娘ローニャ」の時に「なんて棒だいッ!」とこき下ろしたことが私の中でチクチクと刺さっている。同様に刺さっているものがあるので申し訳ないのが石川由依。かつてのミカサ→ヴァイオレットの流れの時は絶対になんか足りないと思いながら聞いていたのだが、いつの間にか「足りなかった」部分が埋まり、ピタリと役に当てられるだけの精度をものにしていた。実に良いキャリアの重ね方になっており、こういう姿を見ると私は恥も外聞もなく手のひらをクルクルさせることにためらいはない。

 別な理由で悩んだあげくに一旦保留させてもらったのは伊藤彩沙。本当に好きな役者になったし、多分今後も食いっぱぐれないだろうという確信があるのだが、どうにも響声優というのは他の事務所と違ってフィールドが特殊すぎて評価が難しい。今年だけでも「大正オトメ御伽噺」なんかの活躍もあるので問題ない気はするのだが、やはりブシロード系列を飛び出してからの評価を待ってからでも遅くないという判断である。選出タイミングが難しすぎて頭を抱えているという意味では石見舞菜香も同じかもしれない。絶対選ぶべきだろ、と思っていた昨年度は「でもそれだとグランプリ全体が単なるライスシャワー大好き記事になってしまう」というので断念。今年だってフルバの完結とか、いくらでも持ち上げられる要因はあるのだが、「でも、あそこで耐えたんだからもうちょっといけんじゃね?」というよく分からない欲求が出てきてしまう。よし、もう一歩先に行こうじゃないか。そして今年度ラストクールに怒涛の追い込みをかけて「まだ選んでないじゃん!」という驚きのアピールを仕掛けてきたのが高橋李依。確認してびっくりしたのだが、実はまだグランプリで選出してなかった……。こういう漏れがあるから難しいのだよなぁ。多分冬クールの「高木さん・ニニム・つぐみ」のトライアングルだけでも受賞の貫禄があるとは思うのだが、もうここまできたら我慢比べじゃ。わたしゃいったい何と戦っているんだろうね? でも、まだ3人残ってるんだからしょうがない!

 

 

第3位

’10「日高里菜」 ‘11「伊瀬茉莉也」 ’12「茅野愛衣」 

‘13「種田梨沙」 ’14「大久保瑠美」 ‘15「小澤亜李」 

‘16「水瀬いのり」 ‘17「黒沢ともよ」 ‘18「久野美咲」 

‘19「市ノ瀬加那」 ’20「赤尾ひかる」

21 「古賀葵」

 この名前がここで出てくるのはちょっと意外かもしれない。私が自分の記事の中で古賀ちゃんに触れた機会があんまり多くないからだ。世間的に彼女の知名度が一気に上がったのはもちろん「かぐや様」でのことなので2019年。その時あたりから一応ちょいちょい触れてはいるのだが、「かぐや様」は完全に小原好美に持っていかれたこともあり(個人の感想です)、そこまで強く推そうと思うものではなかったのである(そしてその小原もまだ未選出なのか……)。では何故今年になって改めてかというと、ピンとこない人は是非とも古賀ちゃんのWikiにでも飛んで見てほしい。明らかに、2021年は彼女のメイン級の仕事が増えた1年だったのだ。主演に限るなら古見さんだけかもしれないが、事実上メインヒロインだった「ぼくたちのリメイク」が一番印象深い。まぁ、ぶっちゃけていえばシノアキがとにかく可愛かったという話である。男の欲望を煮詰めたような童顔巨乳甲斐甲斐しい人妻ヒロイン。娘まで可愛いとなればフルコンボ。そこに乗った声が古賀ちゃんボイスならもう役満。それくらいにキャラに「乗った」声になった。

 そもそもの声が可愛いというのは問答無用の説得力であり、他にも「ビルディバイド」の後輩ちゃんのバカっぽさは格別であったし、似たような路線でも要所で物語を締めるシリアスも相まった「時光代理人」のヒロイン・リンちゃんも非常に収まりが良い。主軸を「とにかく可愛い純正萌えキャラ」に置きつつ、派生がきちんと機能しているというのが今年1年で古賀ちゃんが見せてくれた最大の魅力だったのだ。春以降もさらに「かぐや様」が待っているし、古賀ちゃん旋風はしばらく続くんじゃなかろうか。

 

 

 

第2位

’10「喜多村英梨」 ‘11「豊崎愛生」 ’12「金元寿子」 

‘13「佐倉綾音」 ’14「M・A・O」 ‘15「安済知佳」 

‘16「小松未可子」 ‘17「上田麗奈」 ‘18「種﨑敦美」 

‘19「富田美憂」 20「藤原夏海」

21 「田中美海」

 さらなる意外性の選出かもしれない。みにゃみ、快進撃。

 田中美海といえば、何と言ってもWUGでデビューした時から見ている人材。デビュー直後はWUGの中でも異彩を放つ立ち位置で、一番の「萌えキャラ寄り」のスタンスで「大きく転ぶか、他のメンバーから抜きん出て頭角を表すかのどちらかだろう」みたいな印象だった。様子が変わったのはデビューからちょっと経ってから、「賭ケグルイ」で芽亜里役を任されたあたりだろうか。正直、原作ファンだった私は「いや、芽亜里はもっといいキャストあるやろ」と不満に思っていたのだが、実際のお仕事を見てたら「あれ、意外と無難にこなしてるやん」ってんでやいのやいの言うことはなくなった。今確認したら、その翌年がいよいよ「ゾンビランドサガ」のスタート、星川リリィとの出会いである。

 リリィという看板を手にし、WUGからフランシュシュへの見事な避難(?)。これで業界的にもしばらくは安定して萌えキャラ仕事ができるかなぁ、と思ってあまり気にもとめておらず、せいぜい「WUGでちゃんと声優業で残ってる方のメンバー」くらいの認識だった期間があり(ちなみに生き残り組は奥野・青山という認識)、そして今年、突然目の前でみにゃみが弾けた。ご想像の通り、「やくも」のヒットが一番の要因ではあるのだが、同時期に「ゆゆゆ」の放送も重なり、楠芽吹という勇者と、多治見の女子高生・姫乃のコンボが私の中でいい具合にクリティカルした。姫乃は田中美海ボイスでなかったらここまで伸びなかった気がしているし、芽吹の勇者像を打ち立てる仕事は、ぱるにゃすによる友奈ちゃん、へごによる乃木若葉と並んで、立派に「時代を作った」働きであった。そしてさらにここに帰ってきたフランシュシュ、リリィの怪作ラップへとつながり、三方向から同時に全く別種の衝撃を食らわされたようなもんである。こうして地道にステップアップを続け、確実に「声優」としての実力を見せつけてくれる活躍。私が一番好きなタイプの道のりであった。

 もともとWUGのことは嫌いじゃなかった私からすると、こうしてしぶとく、図太く強くなったアイドルの姿を見るに、あのプロジェクトも無駄に終わってないな、という一縷の安心感を得るのである。

 

 

 

第1位

’10「藤村歩」 ‘11「福圓美里」 ’12「内田真礼」 

‘13「内山夕実」 ’14「早見沙織」 ‘15「山本希望」 

‘16「日笠陽子」 ‘17「井澤詩織」 ‘18「本渡楓」 

‘19「鬼頭明里」 ’20「花守ゆみり」

21 「ファイールズあい」

 ま、ここは何の意外性もないです。もう、今年はファイルーズイヤーという認識で問題ないでしょう。問題がある場合は、筋肉でねじ伏せましょう。

 彼女の場合も去年一昨年あたりからブレイクしていた事実はあるのだが、私は基本的に慎重派というか、臆病なのでなるべく一発当てたくらいじゃここに名前は出さないようにしてるんですよ。一目惚れした場合って、本当に衝動的なばかりで実際を伴わない危険性もあるのでね。「たまたまキャラの珍しさから出てきただけかもしれん」と思ってこわごわ見守っていたファイルーズタイフーンだが、この2年でその風力が衰えるどころか増しに増しての台風の目。こりゃもう、今年度トップで問題ないでしょう。こうしてみると去年がキュアコーラルで今年がキュアサマーなのか……トロピカってるなぁ(ちなみにローラはなんと11年前に選出されている)。

 今更私が振り返る必要もなさそうなファイルーズヒストリーだが、強烈なインパクトの割に実は本人のキャラがすげぇ真面目で、お仕事に対してもとにかく真摯に当たってくれている様子がよくわかるというのが最大の魅力なんじゃなかろうか。特に本人が前から散々アピってた大好き作品であるジョジョに携われたってんで嬉しさがほとばしってる様子がねぇ……ジョジョファンとしてはそれだけでも嬉しいんですよ。ほんで徐倫のキャラもきっちりハマってくれてるしねぇ。

 個性の強さ、多趣味さがキャラにもしっかりと活かされており、何と言っても強烈だったのはもう1つの代名詞になるんじゃねぇかっていうアリシア。エンディング歌唱でのデスボイスも強烈。さらに一転、「電池少女」のりんちゃんは非常に分かりやすい「アニメヒロイン」像。堅実にフットワークが軽く、「クドいのにどこにでも合わせられる」というほんと便利な「看板」である。あと、これは単なる宣伝なんだけどデスボイス&超おバカハイテンションキャラというファイルーズ贅沢パックみたいなぎゃらこっていうキャラがSHOW BY ROCKにいるので、ファンの人はゼロティックホリックで検索して曲だけでも聞いてみてください。ちなみに、ゼロティクのキャストには田中美海も含まれています。

 私からは以上です。

 

 

 

 

 

去年のグランプリ記事の文字数が約4,4000文字。そして今年は……約4,7000文字。……あれ? おかしいな?

 

今年も、良きアニメに巡り会えますように。

 

 

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関西在住の、アニメを見ることを生業にしてるニート。必死で好きな声優を12人まで絞ったら以下のようになった。
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