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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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第3位 

’10「刀語」 ‘11「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。」 ’12「黄昏乙女×アムネジア」 ’13「有頂天家族」 ’14「月刊少女野崎くん」 ‘15「えとたま」 ‘16RE:ゼロから始める異世界生活」 ‘17「3月のライオン(第2シーズン)」 ‘18「ひそねとまそたん」 ‘19BEASTARS」 ‘20「無能なナナ」 ‘21「小林さんちのメイドラゴンS」

’22「メイドインアビス 烈日の黄金郷」

 先にバラしておくと、今シーズンのベスト3は全て原作ありのアニメになった。別に珍しい事態ではないのだが、過去に遡ると2019年以来となる。なんとなくの感覚でしかないが、「鬼滅」フィーバー以降、ジャンプアニメを代表とし、「ちゃんとした原作をちゃんとしたアニメにすればウケる」という当たり前すぎる認識が業界にも伝播しているような気がしている。そして、そんな「ちゃんとしたアニメ」の代表例の1つとなったのが、こちらのメイドインアビスである。キネマシトラスが第1期時点でガッツリとその基盤を作り上げ、衝撃の劇場版、そしてさらなる衝撃のこの第2期へと、着実にパスを繋いできた。まるでゴレンジャーハリケーンのように、そのお鉢が回れば回るほどに破壊力は着実に増している。

 クレジットこそ「2期」だが、どちらかというとこの作品においては「第六層」と言い切ってしまって良いのかもしれない。考えてみりゃ1クール目では「穴の上→第四層」を全部やってるわけで、同じ長さで扱ったのが第六層のみというのだから、そりゃぁ密度もゴリゴリである。より混沌を増し、およそ生き物がまともな形で描かれなくなった成れ果ての村。そのあまりに珍奇な風景がさも当たり前のように描かれ、そこでリコたちが出会うあらゆる「新しいもの」が異質さをそのままに、それでいてどこか当たり前に息づいているかのような不思議な感覚。すでに人間性が失われてしまった彼らの様子を見つつ、回想アニメを挟むことで「いかにして奈落が人を失わせていくか」というドキュメンタリーが残酷な形でしれっと描かれる。そこに残されたのは絶望と慚愧の物語のみだが、リコ、レグ、ナナチがそこを訪れ、新たな希望を灯して去っていく。リコたちの行き先は「下へ、下へ」のはずなのに、不思議と向上も救済も同時に存在しているという奇妙な現象。これを許すのがアビスのアビスたる所以。

 こうした現実感の乏しい世界に色をつけたのが製作陣であり、息を吹き込んだのがキャスト陣。レギュラーの面々は言わずもがなだが、やはり今期を支えたのはファプタ役・久野美咲、それに平田広明、寺崎裕香、斎賀みつきという「過去」の面々(あと、マアアさん)。本当に皆に愛され、尽くされた作品であった。3期もいつかきっと作られるのだろうが……いつになるのか、そして、どんな物語になるのか。

 




 

準グランプリ

’10STAR DRIVER 輝きのタクト」 ‘11「花咲くいろは」 ’12「人類は衰退しました」 ’13「銀河機攻隊マジェスティックプリンス」 ’14「四月は君の嘘」 ‘15「昭和元禄落語心中」 ‘16「ふらいんぐうぃっち」 ‘17「宇宙よりも遠い場所」 ‘18「風が強く吹いている」 ‘19「まちカドまぞく」 ‘20「ウマ娘 プリティーダービー Season2」 ‘21Vivy -Fluorite Eye’s Song-

’22「よふかしのうた」

 こうして並べてみると、評価の高さは最初のイメージとのギャップも大きく影響しているのかもしれない。例えば上の「メイドインアビス」の場合、1期や劇場版の評価もあったので「すごいものが出てくるだろうな」とある程度期待していたところに、本当にすごいものが出てきたというパターン。そしてこちらのサンデー漫画原作アニメの場合、「だがしかし」の作者の作品だってことは知ってたので、「いうてサンデーアニメやろ」くらいの感覚で視聴を開始した作品。そんな中に、本当に私の好きなものがいっぱいいっぱい詰まっている、欲しいところにカチッとハマっちゃうアニメになってくれた。

 最大の功労者はやはり総指揮の板村さんということになるだろうか。個別の感想で何度となく触れたことだが、もはや「今は亡き」と言ってしまっていいかもしれない、栄耀栄華をほしいままにした新房シャフトのあの血脈。それが板村さんの手によって、ライデンフィルムの地で改めて息を吹き返した。印象的な止め絵での見せ方と、独特な構図とカットつなぎの呼吸。ともするとひたすらに動画演出ばかりに目が行きがちな現代アニメの土壌の中、アニメーションというのが単なる枚数勝負ではないことを教えてくれる。

 そして、そもそも今作の監督に板村さんを起用してこの演出方向に定めたというのがプロデューサー陣の功績と言えるのかもしれない。原作時点で動きをあまり必要とせず、ただ「夜」の空気感に浸ることを第一にした作品である。アニメーションにしたときのペイはあまりなさそうに見えるところを、しっかりと「アニメの旨み」に変えられる演出家に任せられたのだ。印象的な夜の色彩。決して過度に煌びやかにはならないが、それでもどこか憧れを含んだ「綺麗な夜」。そこにあけすけな中学生男子のボーイミーツガールが溶け合い、唯一無二の味わいを醸し出す。原作者の産み出そうとした世界は間違いなくこれなのだと思えるし、アニメ製作陣が見せたかった風景がここにあることも疑いようがない。

 何事にも適材適所はあるだろう。アニメの楽しさは本当に多角的なもので、これだけの本数が作られているなら、その11本に違った美しさがあって然るべき。コテコテのアニメばかりに流されないで、一度立ち止まって、なんとなく夜空を見上げてしまうような感覚で、この作品をゆっくりと眺める時間が欲しい。

 

 

グランプリ

’10「けいおん!!」 ‘11「へうげもの」 ’12「ヨルムンガンド PERFECT ORDER」 ’13「凪のあすから」 ’14「ユリ熊嵐」 ‘15「響け!ユーフォニアム」 ‘16「昭和元禄落語心中 -助六再び篇-」 ‘17「宝石の国」 ‘18「リズと青い鳥」「やがて君になる」 ‘19「この音とまれ!」 ‘20「ミュークルドリーミー」 ‘21「オッドタクシー」「劇場版 少女歌劇 レヴュースタァライト」

’22「ぼっち・ざ・ろっく!」

 まぁ、そうなるやろ。こればかりはしょうがない。

 「メイドインアビス」が期待通りの出来、「よふかしのうた」が予想を超えての心を砕いた演出での佳作。そして今作は……「きららアニメってこの辺に着地するよね」という想定をはるかに飛び越え、辿り着いてはいけない彼岸に足を踏み入れてしまった、怪作。

 こちらの作品も毎回痺れまくって感想を漏らしていたので今更説明は不要かと思うが、「きららアニメの進化」の1つの到達点として、どこかの専門家が一回歴史を総括して欲しいという気持ちはある(できるかどうかは知らんが)。「ゆるくて可愛い」さえ揃っていれば別にいいだろ、というある種差別的な見方すらあったきららの地盤に一石を投じたのは個人的には「はるかなレシーブ」あたりだと思っているのだが、最適解を見つけたとは言えない状況に思い切り風穴を開けた「まちカドまぞく」の存在があり、「あれが許されるならば」と溜まっていたフラストレーションを一気に爆発させた最大震源地が今作である。そう、アニメは自由なのである。自由すぎるのである。

 もちろん、吹っ切れたからといって独りよがりな自己満足の垂れ流しになっては元も子もない。タガが外れたように見えて、きちんときららスピリットの根幹にある「ゆるくて可愛い」精神を忘れないようにしているのが重要なところ。普段の後藤ひとりが壊れれば壊れるほどに、ふとした瞬間に戻ってくる何気ない感情の揺れが一際輝くのである。そのためにはすべてのシーンを視聴者に真剣に見てもらう必要があり、常にファイティングポーズを強いるような、今作の挑発的なスタイルがいわば「呼び水」になっていた形だ。もちろん、真正面から構えていると背後から棍棒を振り抜かれることも込みで。

 バンド、アイドル、陰キャ、百合、承認欲求モンスター。変化し続けるオタク文化をことごとく飲み込みながら、ぼっちは進化し続ける。そしてきららアニメも、日本のアニメも進化を止めない。

 

 

 

 

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