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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 どこから突っ込んでいいのか皆目見当もつかない第15話。いや、いつものことなんだけどね……。キルラキルなんかよりこっちの方がジェットコースターアニメなのは間違いない。ただ、ジェットコースターの安全性の確認がなされてないってだけの話で。

 前半は、フロムビヨンドとの対決が決着。当初の想定よりはやや長引いたが、大体予想通りの尺だったんじゃなかろうか。そもそも6万体越えた時点でまともに解決する気は無かったし、「どれだけでかい災害が起こってもその中心をぶっ叩けばたとえ世界中に広がっていても収束する」というのはお約束である(嘘だと思う人は今週東映youTubeチャンネルで配信されているメガレンジャー16話を見ると丁度良い)。ほんと、何故か間に合うから。まぁ、今回の問題は、その「根本」が何故倒されたのかも分かっていないということなのだけれども。意味深なこと言ってたし、今回の謎は流石に回収してくれるんだろうか。

 謎を与えること、そして謎をどうでもよくしてしまうちゃぶ台返しのスキルにおいて、この国に石田彰以上の適任者はいないだろう。未だ鮮烈に記憶に残る「何が綺羅星だ馬鹿馬鹿しい」、「京騒戯画」で世界をぶっ壊した「俺は実は神様なんだ」。そして、今回は「世界征服なんて何の意味がある」。もう、真っ正面からヴィニエイラ様に喧嘩を売っている形。しかし、これが全くもって正論なのが恐ろしい。6万体のフロムビヨンドという部分に恐れはしたものの、しょせん数十体のヒーローに駆逐される程度の戦力であるし、「たかだか6万で60億人を支配出来るはずがない」とのこと。そりゃそうだ。更にフラメンコビヨンドは、「結局正義も悪も何かに狂っているという意味では大差無く、違うのはその方向性と、程度である」となんかそれっぽい弁舌を振るう。この話はキングトーチャーもしていたものだが、「正義」を振りかざし続けるサムライフラメンコにとっては相変わらず悩ましい話だ。そして、何故かそのへんで面倒臭くなって自害してしまうフラメンコビヨンド。この辺のメンタリティは一切説明はない。「6万体のフロムビヨンドの意識の総体」である彼が自害したということは、フロムビヨンド自体が消失を望んでいたという解釈でいいのだろうか。まぁ、一応各地で劣勢にはなっていたし、ゴール自体にあまり意味が無いと考えはじめたなら、このあたりを引き際として散っていくのも「悪の美学」ではあるのかもしれないが。結局何がしたかったんだ。トーチャーたちよりも分かりにくい連中だった。

 そのくせ、日本壊滅装置だけは残していくあたりが質の悪いところ。装置は動き続けているのでもう軍に要請を出しても間に合わない……って、マグマだまり浅いなぁ! すぐそこやないか。あんな休火山放っておいたら、別に悪に攻められずとも日本なんか壊滅するわ。まぁ、とにかく装置は止めなきゃいけないので、装置のサイズから考えるとミジンコみたいな存在であるフラメンロボが何かしら頑張る。剣を刺す、ニードロップにエルボーまでかます。いや、そこは一番破壊力の大きい攻撃に特化しておけよ。なんで「これが効かないならこっちの技はどうだ?」みたいな反応なんだよ。プロレスじゃねぇよ。最後の最後、エネルギーが尽きかけたところで、「エネルギーの消耗が激しすぎる」ドリルを使用。最初からそうしろ。そして、多分実際の尺でも5メートルも掘ってないと思うのだが、ちょっとドリルを突き刺したらなんかしらんけど装置が停止した。どういう仕組みだ。それなら多分エルボーでももうちょいでいけたやろ。わけ分からん。しかし、時既に遅く、崩れてきた岩肌に埋もれてフラメンロボは哀れ富士に沈み……「こんなこともあろうかと!」。空飛ぶロケットパンチにダンガンロンパのお仕置きシーンを思い出すのであった。やっぱりグリーンは優秀だったなぁ。無事に世界を救い、解散するフラメンジャー。別れのシーンで5人が綺麗に分かれて去っていくのは様式美だが、ピンクたちが歩き出した方向には、多分壁しかないな。

 そんなこんなで平和になった日本だったが、ヒーローに休みはない。墓参りに行った羽佐間の下に突然現れる謎のヒーロー、ミスタージャスティス。CVは安定の安元だ。確かに声だけ聞くと要師匠・小杉さんに似ている気もする。立ち居振る舞いも似ている。突如追われる身となったフラメンジャーたち。グリーン、ブラック、ピンクはすぐにお縄になり、ブルーは総理大臣との直接対決に敗れ去った。フラメンレッド、羽佐間のみがジャスティスの助けを借りて逃亡を続ける。そのジャスティスから明かされた衝撃の事実は、これまでのヒーロー劇は全て政府の策略だったというもの。フロムビヨンドの裏で糸を引いていたのは日本政府? いや、すげえな。やっぱ国家って神だわ。アメリカも宇宙人なんかと繋がってるらしいし…………いやいやいや。どんな陰謀論やねん。もし事実だったとしたら総理大臣のこれまでの振る舞いはあまりにも役者すぎるやろ……って、どうやら本当みたいだぞ。総理強ぇぞ。ドラゴンボールみたいな強さだぞ。ヤツこそがラスボスなのか? 多分、突っ込むだけ無駄。

 一応フォーマットとしてなぞってみると、割と真っ当な路線を歩んでいたりするこのシナリオ。最初の敵が武力で攻め立ててきたキングトーチャー。彼との戦いはまだ真っ当なヒーローの戦いであった。次に攻めてくる「より巨大な敵」は、ラスボスが予想外の優男であり、小難しいセカイ系妄想を垂れ流す変化球。これも「2番目の敵」にはありがち。そして、「これまで戦ってきた世界がヒーローを裏切る」という陰謀論的な展開も、3作目くらいになってくると割とありがち。ヒーローものなら劇場版とかでこういう取り返しのつかないことをやるのも面白かろう。タイバニで言ったらマーベリックさんがこのポジションだった。でもなぁ、今作の場合は総理大臣のこれまでの言動に伏線なかったからなぁ……(無かったよね?)。再びフラメンコが町中で民衆に追いかけ回されるようになるあたりは、シナリオを考えている人の遊び心が見えて良いんだけどね。

 確認しておこう、合い言葉は「考えるだけ無駄」。暴走不可避のジェットコースター、振り落とされずにどこまでついていけるかな? 今週のハイライトは、鼻歌を歌ってくれる安元だ。星条旗は永遠だ。ミスタージャスティスの適当過ぎるアメリカっぷりは良いよな。「うらぶれた田舎の酒場っぽい廃墟」が日本のどこにあるんだ、とか、このタイミングで山盛りのシリアルかよ、とか。機動隊が駆け込んできた時に「日本の警察はどこに隠れてても見つけ出す、流石に有能やなぁ」とか思ったのだが、表に駐車してあるトレーラーがでかすぎて笑った。隠れろ。

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 ニッポン壊滅装置を使うとニッポンが壊滅してしまう! 第14話。フロムビヨンドって、四天王が一番強そうだった気がする。なんで宇宙からのインベーダーがあんなに地球の、っつうか日本の食べ物やら施設がモチーフの怪人ばっかりなんだよ。ぜひ6万体全てのデザインを見せてほしいもんだね(あるわけ無い)。

 Aパートは割とマジ寄りのお話。羽佐間がつい漏らしてしまったフロムビヨンド襲撃の事実で、首都近郊はパニックになるかと思われた。更に敵側からの一斉電話作戦もかさなり、日本のピンチは衆知のこととなってしまう。実際にそれなりのパニックにはなったみたいだが、これって「パニックになってもしょうがない」話なわけで……多分震災のときのパニックの方が大きかったんじゃないかな。「各地で暴動などは起きておりません」って、暴動起こしてもしょうがないしな。いや、ここで大人しく避難指示に従うのが普通って思ってしまうあたりが、平和ボケした日本人の発想なのかもしれないけど。ビバ平和。まぁ、この統制は、まかり間違ってもあんな適当な羽佐間の動画配信のおかげだとは思えないんだけどな。パニックに際して交通規制はしいているのに報道規制はされてないのな。どこぞの動画配信サイトだろうけど、ああいうところはちゃんと機能してるんだ。そして、スマホで見られるんだ。日本のインフラ恐るべし。

 そして、もっと恐ろしいのは、それをも凌ぎかねないフロムビヨンドの統率力である。何しろ6万人規模の組織なのに、ぼっちになったのが64人しかいないくらいの集まりだ。その6万人が、一斉に電話を手に取り、一斉に要人やマスコミ界隈に電話をかけるという一斉テレフォン作戦がすげぇ。だって、「要人とマスコミ界隈」の名簿を作って、1対1で担当を決めて、ぴったり同じ時間に電話かけるんだぜ。ものすげぇ下準備をしないとこんな作戦が成功するはずがないじゃない。多分、四天王と64軍神を除いたフロムビヨンドは完全に1つの意識体となっているのだろう。まぁ、実際に襲ってきた怪人を見たら、下手したらヤキゴテピラニアより弱そうなのもいっぱいいたけども……なんで飛行能力もろくにないくせに空飛んでる飛行機に襲い掛かってくるんだよ。

 しかし、そんなヘンテコ怪人でも、数の力はやっぱり脅威。無闇な力を前に、フラメンジャーも、そして一般市民も大ピンチに。後藤さんが画伯ボイスのマイアミバレリーナに亡き者にされかけたその時、駆けつけたのはみんなが憧れた「本物のヒーロー」だった。ハラキリサンシャイン、レッドアックス、それにアンサンブルーたちまで! 要師匠曰く、「実は彼らは本当に戦っていたのだ!」 ……マジでか! つまり、これまでもトーチャーとかフロムビヨンドみたいな悪の組織が次々に襲ってきており、それを阻止し続けていたのが、歴代ヒーローだったということか。なるほどなぁ、それなら要さんが総理大臣直々に防衛長官に任命されたのも頷ける……って……いやいやいや、んなアホな。過去にもフラメンジャーと同じような組織がいたのだとしたら、なんでそいつらはフラメンジャーみたいに明るみに出なかったんだよ。ほんとにいたならトーチャー戦のときに助けに来いよ。そして、どれだけ集めてもやっぱり6万体は多すぎるよ。スーパー戦隊全部集めても200人ちょっとやぞ。まぁ、巨大ロボ系がここに加われば質的優位は分からなくなるけども……。ひょっとしたらキョウリュウジャーもトッキュウジャーも、今頃どこかで本当の侵略者たちと戦ってるのかなぁ。だとしたら、東映って本当に日本を守る英雄みたいな企業だな。

 いや、相変わらずこの作品に真面目に突っ込んだら負けなのだが……なまじ感動展開だったのでね、無駄に気合いが入ってて強引に笑わされてしまったような気がする。ハラキリサンシャイン、ほんと強かったなぁ。アレを見た後だとフラメンコダイヤなんてカスみたいなもんですわ。せっかくお仲間が迎えにきたのに、マリちゃんブチ切れてて切なくなった。そろそろ友達の優しさに気付いてあげようよ。後藤さんがいい人過ぎるから、甘え癖がついてしまったのかもなぁ。

 そして、最後の最後にまたまたどんでん返し。トーチャーが速水奨だったわけだが、次に来るのは一体誰かといえば……そうか、最後のシ者がきたか。羽佐間の弟を名乗る謎の存在の正体とは? もう、どうなってもいい気がしてきたぞ。

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 オープニングの曲はおもろいが、エンディングの映像もなかなか癖になる、第13話。あの雰囲気からM・M・Mの曲に行かれると腰が砕けるのも前期と同じよね。いっそあのマリの号泣バージョンを延々流しても良かったかもしれんな!

 えーと、ついにバトルが無くなって生臭い話ばかりになりました。今回戦ったのって、ひょっとして要と青島だけなんじゃなかろうか。ずっとこの番組の録画タイトルに「真のヒーローになるまでの物語を描いた……」って出続けてるんだが、もう名実ともにヒーローにはなってるんだよな。しかし、何故かヒーローになったら今度はバトル以外の部分で考える部分が増えてきてしまったという。羽佐間はいっつも何かしら悩み続けているので人生が本当に大変そう。まー、これだけ激動の生涯を歩んでいたら仕方ないとは思うが……本当にどこかで夢オチとして目ぇ覚めてくれないかな、って未だに心のどこかで願ってるんだけど、今回作中で夢オチ使っちゃったからなぁ。更に寝てるパターンはもう無理だろうな。ギャグの要素が無くなってくると、一体どこへ行くのか皆目見当がつかないんだよ。

 そんな不安に襲われながらも見守るしかない、フロムビヨンド戦。四天王の後の64軍神までならギリギリ笑える範囲だったが、ついに現れた256将軍。まだ56軍神残ってるのに。このままの規模で増え続けると総勢6万を超えるらしい。どういう計算だ。どこのバルタン星人だ。ここまで来ると本当に向こうさんも統率取れてるのかどうか怪しいけどな。だって64軍神が「ぼっちの集まり」だもんな。ぼっちだけでも64人固まれたなら大したもんだよ。とにかく、相手はすげぇ戦力ってことらしい。これまでは1体を5人でボコってたから何とかなったらしいのだが、一斉攻撃されたらひとたまりもないらしい。確かに、戦隊の敵キャラは幹部クラスの一斉攻撃はほとんどしてこないからな。するとしても、大体復活怪人の総出演どまりだから10人くらいが限度だし。6万越えはどうしようもない。今まで誰もやらなかったのが不思議なくらいにどうしようもない。普通に考えればゲームエンドなわけだが……そこから明後日の方向に問題はスキップしてしまった。

 勝てるかどうかは置いといて、とにかく「国民に知らせるかどうか」で揉めまくっている。すっかり司令官づらが板についてきた要は、ある程度フラメンジャー隊員の意志を汲みながらも、もっと大きな視点でものを見なければならない、と抑制しているらしい。総理大臣も、政治家としてベストを尽くした結果がやや人道的に問題のある決断になったという。この場合、誰が正しいかなんてことは決めることが出来ない。それこそ「正義」の有り様は個人で違うとしか言いようが無い。だからこそ、上層部の決断も間違っていないし、それに異を唱える隊員たちも正しい。そして、ついにカミングアウトしちゃった羽佐間のスタンドプレーも、決して「正義として」間違っているわけではない。ただ、その後のことを考えられないあたりが限度なのである。これ、来週のタイトルが「ニッポン壊滅」なんだけど、羽佐間発言のパニックで壊滅するんじゃなかろうな。本当にくるかな、6万人。

 羽佐間の悩みはよく分かるし、そこに行き着くまでの上層部とのやりとりなんかも、ある意味では「決断を迫られるヒーロー」のお約束型ではあるので、そこまで大筋に無理はないのだが、突然土下座をはじめる総理の存在とか、なんやらよく分からんところもあるよな。一番ざっくり説明されたのはフラメンジャー隊員個々のエピソードだけどね。各人、それぞれにドラマはあるんだろうなぁ(桃井の家がどうなってるのかが一番気になるわ)。そんな中、我々が唯一理解出来るのは、羽佐間の身の回り。「5人だけ救える」でピックアップされるのが、筆頭は当然石原さん。元々おじいちゃんが亡くなって身寄りが無い羽佐間なので、多分これまでの私生活で一番お世話になったのは石原さんに違いない。そして、今ではすっかりソウルメイトとなった後藤、あとは後藤の彼女、そして原塚さん……なんや、ここ数ヶ月で会った奴がほとんどじゃないか(後藤の彼女に至っては会ってすらいないけど)。羽佐間のこれまでの人生ってどんなんだったんだろうね。今回の要の失踪もあわせて、意外にメインキャラの素性って分かってないところも多いんだよなぁ。

 結局、後藤の家にマリがいるのを発見してしまったためにあっという間に5人のキャパオーバー。要に相談し、「誰にも言わない」に決心が傾きかけたのだが、まさかの失踪により、精神的に不安定になった羽佐間は衝動を止められなかったのである。うーむ、こんなにも翌週の展開に予想がつかないアニメもなかなか無いな……やきもきさせられる。そして何より、「これ、収拾つくんかな……」という不安で胃がキリキリする。ここからすげぇ綺麗な着地とか決めたら、伝説になるかもしれんぞ。そして、倉田脚本に未だ淡い期待を抱いてる自分がいる。伝説を見せてくれよう。

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 オープニングとエンディング変わってる! 第12話。12話目だとまだ1クール分のはずなんだけど、ノイタミナ枠って話数が少ないからここでスイッチするのね。オープニングは最初聞いててもFLOWだとは思わなかったわ。すげぇ曲だな。

 今回の内容を一言でまとめると、「サブタイトル通り」である。確かに、ドキュメントでフラメンジャーが紹介されていた。フラメンジャーのテレビ露出はあっという間に拡大しており、スタジオパーク……違う、スタジオピークにも出ていたってことは、多分NHKも登場済みだ。まぁね、そりゃ実際に悪の組織が出てきて、戦隊が出てきたら、こういう扱いになるよね。ただ、過去にスーパー戦隊でニュースに出たのって、カーレンジャーくらいじゃねぇかなぁ(あとゴーオンジャーもテレビに出てたけど、あれ嘘番組だったからな)。ああいう世界って、戦隊ヒーローが戦ってるのを日本中の人が観てるはずだけど、マスコミからはどういう扱いを受けてるんだろうね。

 というわけで、今回も順調に「笑ってはいけないスーパー戦隊」ネタを重ねている。絶妙に「お約束を守る部分」で安定感と「何故そんなことをするんだ!」っていう不条理感を出しつつも、肝心なところではセオリーを破って「そこは自分勝手か!」という突っ込みを待つという、なかなかずるいスタイルである。カレー食べるのはセオリーといえるかどうか微妙だけども。ただ、冷静になって考えてみると、これって戦隊ファン以外にとってアピールするポイントってあるんだろうか……画が相変わらずショボショボなのよねぇ。今回オープニングが新規になったのに、前回までの映像の切り貼りがほとんどで、更にフラメンジャーの活躍シーンについては11話からの引用がほとんど。そりゃまぁ、実際の戦隊だって出動シーン、ロボ起動シーンなんかは全部バンクなんだから、その辺も「お約束」といえばそうなんだが……ロボのギミックについてはもう少し恰好よく描き直してくれても良かったのにね。これが低予算ゆえの処置なのか、それとも「安っぽさ」を強調するためのネタなのかは判然としないのである。でも、エンディングはきっちり描き下ろしで、しかも良いデザインになってるのよ。そう考えるとやっぱりオープニングはネタかなぁ。

 とりあえず、今回は「四天王が2週目で全員撃破」というネタがメインである。ヒートノイドさんは北海道を燃やそうとしているとこを、登場後即大技という掟破りで瞬殺(ただ、大技のバズーカも、どう見ても強力じゃないひょろひょろビームである)。一応巨大戦もやったけど、「敵の最大必殺技を受けてもなんとなく平気で強引に斬る」も当然セオリー違反。相手の火炎を浴びたら、ロボットは普通、何故か分からないけど爆発しながら吹っ飛ばなきゃいけないのだ。確かに、改めて考えると「衝撃じゃなくて単なる火炎放射だから、あたっても熱いだけで痛くはない」っていうのは正しい気もするんだけど……酷いな。そして、このヒートノイド戦は「フラメンジャーのチームワークの悪さ」を確認するための戦闘でもあった。各人があっという間に自分のポジションを見つけて個性を発揮しはじめたのは素晴らしいが、その個性は全員が明後日の方向を向いており、まだちぐはぐである。これを、ピンチを乗り越えることで克服していくというのは、超王道。そのために、次なる試練が「より強力な四天王2人同時」なわけだ。MMM34(ミヤモトムサシ)とキリング・ジョークによる五輪の書完成作戦は、グリーンの戦略眼、ブラックの武器プロフェッショナル感、ピンクの外面の良さ、そしてブルーのなんかそれなりに身体張ってる感などの個性をまとめ上げたレッドによって打倒された。相手がまさかの34人ユニット(初音ミクっぽいの入り)というのは予想外だったが、最終的な勝利手段が「みんなで力を合わせるんだ!」というのは、当然の展開である。当然の展開であるのだが……実際にやってることがすげぇこすっからいのもフラメンジャーならではの部分である。普通、「力を合わせるんだ!」の後には新しい合体必殺技が産みだされたり、チーム間の連携を使った殺陣が導入されるものなのだが、こいつらの場合、「5人で固まって遠巻きに敵を狙撃する」という、およそテレビ映えしない作戦で相手集団を撃滅したのである。すげぇ格好悪い。力あわせなくてもそれくらい出来るだろ。

 そして、最後の巨大戦は「敵にロボを破壊される」からのロボパワーアップイベント。これも王道中の王道、玩具を発売するための商業刺激として欠かせない行程だが、残念ながらフラメンジャーは実戦重視であり、商品展開は二の次である。股間から勇ましく伸びるアタッチメントに、何を連想させたいのか分からない卑猥な必殺武器。これは売れない。一番くじでフラメンロボがあたっても、ウッディー使ってネタ画像撮るぐらいしか使い道が無い。でも、強い。結局、四天王全滅までわずか2週間のこと。被害に遭った地域は多いのでトーチャー戦のようなどうでも良さはないはずなのだが、それでもギャグにしか見えない悲しい世界である。まぁ、まだ64体いますから……。

 羽佐間が必死に身体を張って戦隊ギャグをやっている脇では、その他のサブキャラも頑張って生きている。後藤さんは結局交番勤務に復帰。羽佐間は充実感の足りない仕事場での愚痴も兼ねて助けを求めに来ていたが、「夢ならちゃんとやれ」と追い返してあげた。この辺りの大人な対応は後藤さんらしい。ほんと、趣味を仕事にしちゃいけないってのは正しいのだろうね。で、そんな後藤さんの家にはなんとまりちゃんが転がり込んでいた。芸能活動を休止しているというM・M・M。まりが行方不明になっているので活動のしようがなかったのだ。そりゃな、あんな羞恥プレイに晒されたら、アイドルとしては立ち直れないよなぁ(良い歌だったけどなぁ)。仲間の所にいくのも辛かったようで、結局頼るあては後藤だけだったってことなのかしら。まぁ、単に惚れた男のところにどさくさで飛び込んだだけにも見えるけど。男といちゃついてたら萌ちゃんが悲しむやないか。っつうか、後藤さんも相手がいるはずなのに女の子連れ込んでていいのかよ。後藤さんの彼女は随分理解のある人みたいだけど、どんな人なんだろう。瑞希なんじゃないかっていう疑惑があったけど、今のところはっきり分かる描写はないなぁ。

 その他、羽佐間がカミングアウトから「表のヒーロー」になってしまったのに、そのままマネージメントを続けている石原さん。ヒーローとしての活動は親方日の丸なんだから公務員扱いな気がするんだけど、何故か事務所に所属したまま、「モデルで俳優の羽佐間正義」としてテレビに出てるんだよな。トーチャーにボコられて海外逃亡した今野も、そんな日本の様子を愉快そうに眺めている。このおっさんも最後に何か一仕事やらかしそう。

 むー、ここから一体どういう風に進むんだろう。次回が「決戦前夜」ってことは、多分フロムビヨンドもあと2話で倒すよね。その後は……もう、わかんねぇな。

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 まさかのサムライ戦隊2代目! 第11話。もう笑うしかない展開だよ。いや、しばらく前からそうだったけども。今回だけで一体何人の命が奪われたのだろうか。ギロチンゴリラなんて可愛いもんやで。

 随分前からだが、もうこのアニメを見るときのみんなの気持ちは「この夢はいつ覚めるのかなぁ」だと思う。夢オチだったらどれだけホッとするだろうか、ギャグにギャグを重ねてもう止めることが出来ないところまで来ている。一応起こっている現象としては「インフレ」なんだけど、もうそんな言葉では言い表せない状態だよな。だって、羽佐間って最初はその辺のチンピラにもボコられてたんだぜ。一応原塚さんの武器とかあったけど、フラメンコスーツは単なるコスプレ。それでキングトーチャーを倒したのだから、格段に身体能力が上がっているはずなのである。そして、今回はいよいよそのトーチャーに技術提供していた黒幕が姿を現したという。その名はフロムビヨンド。何か事を起こす時には、わざわざ電波ジャックしてハリウッド映画っぽいPVを流してくれる親切極まりない宇宙生命体だ。あの手作り感溢れるPVが真実なら、その母体は宇宙から来たスライム状の生命体ってことになるか。まぁ、ひょっとしたらそういう「モノ」が飛来することもあるかもしれませんね。

 しかし、問題はそんな敵組織の方じゃない。あの要丈治が、地球を守るために秘密裏に結成されていた秘密組織の司令官として現れたのだ。どうやら前回原塚さんを救出してくれたのもレッドアックスに扮した彼だったということになるのだが……いや、おかしいだろ。このへんで夢オチの限界だろ。いくら何でもこれまでの師匠の言動と、今回の設定はかみ合わせがおかしすぎる。あのおっさんがそんな複雑な腹芸を使いこなせるとも思えないし、そもそもこれまで何も活動をしていなかったはずのフロムビヨンドに対して、政府が万全の対策を打っているのがおかしい。いや、ひょっとしたら羽佐間たち民間人が知らなかっただけで、水面下では政府と敵組織の骨肉の争いが繰り広げられていたのか? いやぁ、でも「トーチャーの事件を期に動き出した」って言ってたしなぁ……どういうことだよ。そして、そんな重要組織に「単なるヒーローオタク」でしかない羽佐間が召集されるのもどういうことだよ。全てが師匠のノリで展開するギャグ世界になってしまっており、前回「ニューナンブで敵怪人を殺す」という何とも現実的な解決をみたトーチャーの事件から、また一段メタレベルが上がった、どうしようもない世界になってしまった。

 まぁ、この作品に対して「どうなってんねん!」と突っ込みを入れるのは完全に思うつぼなんだろうなぁ。もう、何もかも諦めて楽しむしかないんだろう。何もかもを諦めれば、こんなに綺麗な戦隊もの第1話もなかなか無い。唯一おかしいのは羽佐間が既にレッドとして活動していた下地があることくらいで、回りのセッティングは、何度も何度もスーパー戦隊シリーズで見てきた「第1話」そのものである。せっかくなので、秘密基地に集った様々なファクターを確認していこう。

 まず、全員がレッドになるために集められたという仲間達。最後まで羽佐間とレッドの座を争ったのが青島蒼一(CV森久保祥太郎)。もう、名前からしてブルーになるしかない男で、「レッドに対する反感」というサブリーダーの素質を持っている。割と熱血漢タイプだし、確かにレッドっぽいキャラだ。要丈治の付き人として10年のキャリアを持つ立派な「ヒーローマニア」であるが、28歳というとゴーバスターズのリュウさんと同じで、現代の戦隊ではややロートル気味。まぁ、リュウさんもブルーだったからちょうどいい設定かも。搭乗するマシンはフラメンホークで、フラメンロボの背部ウィングおよび腕となる。

 続いて、マスクに「Ⅲ」が刻まれているのはフラメンピンク。中の人は紅一点の桃井桜(CV田村ゆかり)。女だてらにレッドになりたがった強者で、どうやら要丈治の情婦あたりか、もうちょっと穏当にいってこっちも付き人的な立ち位置かと思われる。何故か常に縫い物をしており、必殺技にも特技の裁縫を活かしたものが確認出来る。性格はクール系だが、割と毒舌。搭乗するマシンはフラメンエレファント、ロボの胴体部分となる。

 マスクナンバーⅣはフラメングリーン。中の人は緑川碧(CV豊永利行)で、何故か六法全書を手放さない法律マニア。スーツ姿でも常に眼鏡をズリあげる仕草を続けて知性キャラアピールを欠かさず、どうやらチームではここが参謀ポジションのようである。マシンはフラメンファルコン、ロボの脚部となる。

 そして最後にマスクナンバーⅤはフラメンブラック。中の人は黒木闇児(CV:KENN)。これ、名前なんて読むんだ。常に支給された武器を手放さない武器マニアで、自分で改造しているような描写も見られたのだが、その後実際にぶっ放した時は「どういう仕組みだ?」といぶかしがっていたよく分からない奴。基本的に武器が使えればいいようなので、あんまりレッドに対するこだわりは無いみたい。マシンはフラメンスネーク、合体時は足首部分になる。ちなみにフラメンロボの必殺技はシンプルなソードだ。こうして全員を並べると、チームカラーは赤・青・黒・緑・ピンクで、現役戦隊キョウリュウジャーと同じ色配分になっている。「よくある配分」と思われるかもしれないが、イエロー不在で黒・緑・ピンクなのは、戦隊史上キョウリュウジャーが初である。

 ついでに敵組織であるフラムビヨンドも見ておくと、多数の局員を殺戮しながらも、割とあっさりフラメンジャーに敗北した第一の刺客は「毒毒毒(ぶすどくポイズン)」。なんと、単なる一兵卒かと思ったら「四天王」(そして当然一番の小物)だった。残りの四天王は何か燃えてる「ヒートノイド」(CV堀川りょう)、剣豪キャラらしい「MMM34(みやもとむさし、と読む)」(CV梁田清之)、デザインがぐちゃってる「キリング・ジョーク」(CV上田燿司)の3名。んーーー、弱そうだったな……この時点で四天王ってことは、その奥にいるラスボスを仮定してもフロムビヨンド打倒まで2,3週で足りるような気も……。あ、でも最低限追加戦士くらいはあるかなぁ。

 何がひどいって、こんな完全ギャグ展開なのに加えて、作画も限界を越えてぐだぐだなこと。途中で乗り込んでいた巨大ヘリのデザインとか、移動時の地下坑道とか、本当にネタとしてやっていると思わないとキツ過ぎるレベル。もう、本当にソードマスターヤマトをやってたギャグ漫画日和と同じじゃないかな。この本当に情けない作画までもがギャグだとしたら、流石に罪作り過ぎる。ある意味、キルラキルよりも命賭けてる作品かもしれんぞ。

 しかし、フラメンコガールとは何だったのか…………。

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 第1部完! 完? 第10話! 今作のオリジナリティ、「どこをどう突っ込んでいいのか分からないこのヌルッと感」!

 いきなりセッティングされた最終決戦。羽佐間側からしたら願ったり叶ったりの展開で、敵の目的もよくわからねぇし、マンネリ気味になってきたせいで世間に忘れられ、後藤にまで愛想を尽かされ、このままずるずる行ってたらサムメンコのヒーロー性が非常に危ういところだった。そんなタイミングでわざわざ敵のボスが「最終戦やろうぜ」って言ってくれたんだから、そりゃぁ渡りに船ってもんですよ。しかし、実はその裏では今作最大の陵辱劇が繰り広げられていたのであった。先週悪にたぶらかされていた今野。彼が石原さんを通じてフラメンコガールズを呼び出しており、ほいほい着いてきちまったダイヤ・サファイヤがトーチャーの手に落ちてしまった。そして、ここではあくまで自分が正義だと謳うダイヤに対し、トーチャーからの執拗な精神攻撃が繰り広げられる。自分が誇り、目指してた正義がへし折られ、実力を踏みにじられ、他人よりも勝っていると考えていた全てを粉々にされたダイヤ。親友(恋人?)のサファイヤの覚悟にすら打ち負かされ、彼女は完全に生ける屍と化してしまった。その過程でトーチャーは容赦ない拷問の実力と、それを支える最大級の「美学」を見せつける。圧倒的悪というには色々と足りないはずのキングトーチャーであるが、筋の通った美学には、確かな侠気と格好良さがにじみ出るのである。

 最終決戦の舞台で対峙するトーチャーとサムメンコ。トーチャーは悪のお約束として、しゃべる必要も無い諸事情を全て語って聞かせる。サムメンコとトーチャーは、スタート地点が同じ、目指すものが同じ、夢見たものも同じ。「平和と笑顔のために」彼らは自分の小さな信念をこれまで貫き通してきたのだ。しかし、決定的に違っていたのは、サムメンコが「正義」に憧れ、トーチャーが「悪」に憧れたということ。どちらも最終的に目指す世界は同じはずなのに、「正義」という名の脆弱な理念を受け入れることが出来なかったトーチャーは、力と、自由を手に入れるために悪に心酔した。そして、「悪による平和」を目指すために、これまで日々精進を重ねてきたのだ。一つ間違ったら、彼はサムメンコと同じように、「ご町内の悪」として時の人となっていたのかもしれない。

 しかし、思想は相容れない。「正義の美学」を持つフラメンコと、「悪の美学」を持つトーチャーは、根本的な教典は同じであるが、その教典には「互いに戦うべし」と書かれてしまっているのである。決して相容れない2人の、どこか切ない最終バトル。圧倒的な科学力と精神力で迫るトーチャーを、何とか後藤の協力で打倒することが出来たサムメンコ。いや、どっちかっていうと8割方後藤さんのおかげで世界は救われたのである。多分、最終決戦のくだりは突っ込まなきゃいけないポイントの数が両手でも足りないくらいある気がするので、その辺は全部スルーする。しいて1つだけ気になる点を確認しておくなら、結局原塚さんを助けたのって誰だったんだよ、ってことだ。あれってレッドアックスの衣装だったのかな。じゃぁ、師匠が助けに来た? いやぁ、あいつ絶対本当のピンチに駆けつけないタイプだろ……。

 様々な謎が解明されたと思いきや、実際は特に解決していないお話。トーチャーの理念は何となく理解出来る部分もあるし、怪人たちが決死の覚悟で悪をやっていたことも分かったのでそれなりにトーチャーたちの存在にまとまりは見えたが、だからといって先週までの流れが全部納得出来るわけでもない。トーチャーさんはかなり拷問に造詣が深く、それを1つの柱として組織を作っていた感があるので手慣れた拷問スタイルは納得出来るが、だからといって自分の手首をぶった切ってチェーンソーを付ける理由にはならない。もちろん、彼の持つ人智を越えた科学力についても、一切の下支えはない。次週のタイトルが「フロム・ビヨンド」ってことで、多分もっと大きな存在がどこかから姿を現すことになるとは思うのだが……あ、そういえば結局トーチャーはとーちゃんじゃなかったですね。単に羽佐間と同じように「ヒーローに憧れたその辺の人」だった。ということは、2クール目以降に改めて「真のフラメンコ」を争って父親が出てくる可能性があるが……でも、フラメンコは正体を明かしちゃったんだよね。もう、ここから先続けようが無い気がするんだけど。

 いっそ、今週のエンディングで全部持っていったフラメンコガールズの方で物語を進めるのはどうだろう。何せこれまでは単なるキチガイレズだと思われていた萌ちゃんのキャラクターが、これ以上無い形で固まったのであるから。そして、まりちゃんもプライドをズタボロにされて良い具合にメンタル面に隙が出来ている。堕とすなら今だぜ。「アルペジオ」のコンゴウさんのところでも書きましたが、「完璧で居丈高な女性が堕とされて絶望する様子」ってすげぇツボ。廃人になったまりちゃんを萌ちゃんが好き放題に愛する薄い本希望。

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 緊張感溢れ……るのか? 第9話。いや、あんまり……

 相変わらずつかみ所が無くて笑い飛ばせばいいにしても、どのメタレベルで笑えばいいのかが分からず、身構えてるのに「お、おう……」みたいな変なテンションになるお話。基本はギャグなんだよ。それは分かっている。今週は冒頭、「今日のわんこ」並の軽い扱いで処理される可愛そうなヤキゴテピラニアさんからスタートして、「なんだかよく分からないけどフラメンコなら勝ててしまう」という予定調和が完全にマンネリ化したことが語られる。既に前回の時点で大体そうなることは分かっていた気がするのだが、思った以上に展開が早く、今週前半の時点で既に「ノルマ」は満たされていたようである。しかし、(作中の)原塚さんのまとめサイトを見ると、先週倒した怪人の後に1つだけ怪人(キャット)を挟み、すぐに冒頭のピラニアに繋がっている。つまり、先週と今週の間にほとんどタイムラグは無いのだ。ギロチンゴリラから数えてわずかに7週分、これで慣れてしまうのだから世間は冷たいものだ。でもまぁ、ピラニアの作戦、シャリンオロチに負けないぐらいしょぼかったからな……鼻をかむだけで枝毛になる毒薬はすごいと思うけどさ。既に黒十字すら上回るどうでもいい集団になりはててしまったトーチャー軍団。

 マンネリ化によって何が引き起こされたかというと、1つは外野の停滞。世間も既に興味が無くなっていたわけだが、当事者だって流石に同じような業務を単調に繰り返すだけではやる気も起こらない。真っ先にガールズが脱落し、まりちゃんは期待に添わぬ悪役にブチギレ模様。更に、回りが次第に離れていったら真面目に対応している国家権力だってだんだんアホらしくなり、少しずつ増長してしまった羽佐間を見て、ついに温厚な後藤さんもキレた。途中でガールとサムメンコの間で三角関係みたいになっていたのだが、後藤さんだってアホ連中に付き合っている余裕が常に有るわけではないのだ。先立つ信念もなくただ「与えられた仕事」として何とかつとめていたのだから、これでもよく保った方であろう。結局、ついに警察にも見限られたことで、完全に「ノルマ」で調子に乗っていた羽佐間はクールダウンすることになってしまった。

 で、このまま本当にどうしようもないなあなあの関係性が続くのかと思いきや、ここまでの怪人(まぁ、8匹だけだけど……)は全て「お約束を埋める布石」、ノルマであった。世間に怪人の存在が馴染んだことで、原塚さんのいう「空想の世界」が成立してしまった現世において、キングトーチャーは次の1手を打ち出して「展開を進める」ことになったのである。そして、この「展開」が突然ハードなのが、どういじっていいのか分からないもやもや感の要因である。キングトーチャーはどこから関係性を聞きつけたのだろうか、今野を拉致監禁し、拷問に次ぐ拷問を加えて最終的にはサムライダイヤの居場所を聞き出してしまった。この拷問の様子が、一切ギャグなど入らずにマジもんの拷問である。元々「拷問機具+動物」という形でデザインされたアニマロイドたちも充分恐ろしいものであったはずで、ムチウチセイウチあたりはもう全然そんな気もしないけど、ギロチンゴリラは実際に人を殺めた処刑道具。キングが本気を出せば、そりゃぁ一般男性なんて一撃でコロリな拷問が出来るはずなのだ。

 結局、今野はトーチャーの不可思議な勧誘に折れ、彼なりの「楽しさ」を追求して「最終決戦」の後押しをおこなった。ここでキングがダイヤに対して施した緊縛も割とマジもん。この作品、本当に作画がへなへなでどうしようもないカットが多いのだが、何故かダイヤの緊縛シーンだけは突然主線の強さが増し、がっつりエロさをアピールする仕上がりになっているのが謎である。まー、とにかく最後の決戦を敵軍の秘密基地で行うのは「ノルマ」の1つ。トーチャーもそうした「お約束」を押さえる旨の発言は当然しており、どこまでマジでやっているのかがよく分からない。これ、羽佐間は当然原塚さんの新武器を持っているのだから勝たなければならないだろう。ここまでの怪人の爆死を「ノルマ」の一言で片付けるならば、この後の最終決戦で「悪が敗れる」のもノルマの1つなのだから。はたして、キングの目的は一体どこまでなのか……うー、わからねぇなぁ。

 とりあえず、この世界には「ジュラシック5」っていうキョウリュウジャーっぽい戦隊があることは分かったので、今回はそれで良しとする。いや、何一つ良くないけども。アンサンブルーは何代目の戦隊なんでしょうかね。

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 どこから来て、どこへ向かうというのか、第8話。いや、冷静になって考えると、別に向かってる方向性は一切ぶれてないんだけども……どうしてこうなってる? これ、作画がもう少し安定してくれれば適当に笑ってられるんだけどなぁ。

 結局、「シリアス突入だー!」は前回の一瞬でおしまい。夢オチやドッキリオチにたどり着いてくれればそれでも問題無かったのだが、なんと、前回のギロチンゴリラのくだりは全て現実であり、その上でいつもの温度に戻りつつあるという脅威。この世界にキングトーチャーは間違いなく存在しているし、彼は上空に謎のビジョンを浮かべたり、突然全てのテレビを電波ジャックしたり、人間(?)を改造して恐ろしい怪力や、目にも止まらぬスピードを与える科学力を持っている。でも、何故か世界は恐慌に陥らない。いや、そりゃ警察官があれだけ犠牲になっているのだから、当初は政府だって全力で迎え撃つ覚悟だったわけだが、気付けば相手のしょうもなさばかりが目立ってきて、特に対策する必要も無く……って、すげぇ展開だな、オイ。

 間違いなく世界矛盾を孕んでいるわけだが、これ、もちろん多分シナリオの手落ちとかそういうレベルの話ではないよね。全てに何か意味があるんだ。いや、「何か」っていうか、もう一度状況を考えてみようじゃないか。怪人は実在する。そしてギロチンゴリラで知らしめた人外の力も持っている。でも、いの一番の脅威だけで収束し、あとは週一回(これ大事)のペースで新たな怪人を送り出し、毎回、「なんだか微妙に人類の脅威になりそうもない」作戦で町を混乱させる。そして、綺麗にサムメンコの開発した武器で倒されやすいような形にもなっている。今回のトーチャーの蜂起で一番特をしているのは誰か。トーチャー以後の世界で、最も私生活が充実しているのは誰か?

 まー、トーチャーさんも本気は本気で攻めてきているようなので、全てが1つの意志の下で動いている事件とは思わないが、やっぱりこれって「羽佐間の理想」を具現化した世界。もう少し突っ込んで言えば「サムライフラメンコの世界」である。羽佐間のじいちゃんは間違いなく他界しているわけですが、その上で、サムメンコの理想を理解し、活躍させるための最良の場を提供してくれているキングトーチャン、もとい、トーチャーとは一体何者なのか……。まー、多分、「アキバレンジャー」におけるツー将軍みたいなものだと思うんですけどね。ヒーローも悪の組織も、双方が「ヒーローものの美学」に憧れた戦いを演じ続けるだけの世界だ。だからこそ、最初は脅威を知らしめるためのギロチンゴリラだったが、そこから少しずつ怪人がコミカルになり、回りの人間に害を及ぼさなくなっていったのだ。うーん、だからって最初の蛮行は許されるもんでないし、ギャグにはなりきらないのが問題なのだが……やっぱりゴリラのくだりだけ絶対に浮いてるよなぁ。あれさえなければなぁ……

 トーチャーさんが繰り出す怪人は一応禍々しくも「処刑機具」しばりのアニマロイドで統一されている。そして、初代戦隊ものである金字塔のゴレンジャーよろしく、あっという間にコミカル路線を強めた。カマユデライノはCV藤原啓治の時点でもう出落ちみたいなところもあるが、「サイに比較的興味はねぇか?」などのいちいち小粋な台詞が笑いを誘う。空からの狙撃という脅威を見せつけたチュウヅリトンビは鳴き声がいちいちトンビである。三角木馬は細かく馬ネタをねじ込んでくる紳士だし、シャリンコブラは作戦が「果物を買い占めて人心を殺伐とさせる」という、かつてどんな悪の組織も思いつかなかった極悪な作戦に出ている。ついでに「先週引き分けた」なんて設定を親切に視聴者に教えてくれるおまけ付き(確実に週1で襲ってきていることがよく分かる)。うーむ、完全にギャグだな……いや、一応攻撃方法はガチのはずなんだけど、いつの間にか無敵のボディを手に入れたかのようなサムメンコにもガールにも効かないんだよな。「打撃攻撃は痛そうにするけど命は取られない」というのが特撮のお約束だからなぁ。もしくは、原塚さんがものすげぇショックアブソーバーとか開発してるのかもね。

 結局、羽佐間中心に世界が回っているので、いくらなんでも世界はそれにつきあいきれなくなってきている。サポートに回っていたガールズにまでだんだん退屈に思われてきているようで、この辺りで正しい戦隊ものならばてこ入れをしなければならん。新製品によるパワーアップは既に何度も経験しているみたいなので(地味だが)、次は追加戦士か、それとも新メカか……「抗えぬノルマ」って一体何なんでしょうね。心配なのは、変な方向に吹っ切れてしまった羽佐間のイデオロギーであるが……サムメンコの本懐を忘れてしまうと、今後のトーチャーとの連携(?!)も危うい気がするのだが、はたして大丈夫なのだろうか……。そして、このアニメの品質も大丈夫なのだろうか……

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 どうしてこうなった、いや、どーしてどーなった? 第7話。ラスト5分までは相変わらずの空気でなんだか良い話だったんだよ。それが……もう、どこへ行きたい作品なのやら。

 サブタイトルの意味は、てっきり前半パートのことだと思いながら見ていたわけだ。前回まででサムメンコ追跡劇は一段落し、世界はヒーローとしてのサムメンコを受け入れはじめていた。おそらく前回羽佐間が助けたサラリーマンがその代表としての存在だったのだろう。奇異の目で見るだけの対象で、今野の策略により金目当てで追いかけっこをするだけの、まさに「変態」がサムメンコ。それが、羽佐間の情熱がようやく実を結びはじめ、彼の真っ直ぐな「正義観」はいよいよ世界を変えた。町中から悪は減り、あれだけ扇情的に世論を煽っていたマスコミもいい加減に飽きたと言って注目しなくなった。まぁ、世間一般の異物に対する反応なんてえてしてこんなもんだろう。フレッシュなうちは持てはやしたり、さげすんだり、様々な反応を示すが、少しでも鮮度が落ちれば「まぁいいんじゃね?」というのでその存在は受け入れられる。ご町内で認められるヒーローというのは、一応羽佐間が目指していたはずのものだ。

 ただ、そうした容認だけでは片付かないのが面倒なところ。羽佐間の望んだように認知度があがり、世間も興味を薄れさせはじめ、ヒーロー性は次第に薄くなる。そりゃそうだ。世間はサムメンコを「ヒーロー」ではなく「変態」として観ているわけで、慣れてしまえば「容認」ではなく「無関心」になってしまうのだ。加えて、この町はちょっとヘンなのでサムメンコが暴れるせいで実際に悪の数まで減ってしまったという。いや、どう考えてもそりゃおかしいとは思うんだけど、そうなっちゃったんだから仕方ない。おかげでサムメンコはますます忘れられ、フラメンコガールもイライラは募るばかり。要は「正義の心があれば答えは自ずと見えてくる」なんて適当なことしかいわねーし、原塚も自分の開発した品の出来にしか興味は無い。どうやら、ヒーローという存在は現実世界では機能不全を起こしてしまうようだ(まぁ、当たり前だけど)。

 結局、世界は平和になり、サムメンコが無くても全てが順風満帆に回っている。羽佐間の実生活は充実し、ヒーロー番組ではまさかの再出演の要請まで。最初の出演のとき、監督は鬱陶しそうにしていたように見えたが、どうやら羽佐間の熱意はそれなりに認められてもいたようである。ほんと、サムメンコのことをさっぱりと忘れればいい事ずくめの状態。しかし、このタイミングで、祖父の残した遺志が働いてしまう。羽佐間の両親が、実は海外で強盗に襲われて死亡していたという事実が明かされたことだ。確かに羽佐間の言うように、「ヒーローものとしては」これ以上無いセッティング。過去に親を悪に殺された主人公なんて掃いて捨てるほどいるし、この憎しみが、大きなモチベーションとなるのは疑いようもない。サムメンコがフル回転しているタイミングならば、これも貪欲な羽佐間の脳内ヒーロー設定で大活躍したに違いない。

 しかし、実際はそうもいなかない。サムメンコの熱も収まっていたタイミングであるし、現実でははるか昔に記憶もおぼろな両親に起こった事件が感情を揺さぶることなんてそうそう無いのだ。設定だけを突きつけられてもキャラが活きてこない。それでも、これまでのヒーロー観に突き合わせるなら、羽佐間は「怒りに燃えなければ」いけないはず。そんな理想と現実とのギャップに懊悩する羽佐間。まぁ、馬鹿馬鹿しい上に不謹慎な悩みではあるのだが、同時進行でヒーローのありように悩んでいたタイミングなのだから仕方ない。幸い、こんなアホな悩み方でもきちんと理解して相談に乗ってくれる後藤がいたおかげで、一人のヒーローは立派な変態としての任務を果たすことが出来たのだ。「自分でも何がなんだかよく分からないが」という切実な現状を口にしながらも、悪を憎むというその一点にかけては、羽佐間は本物であった。過去の怨念は一応の設定程度に押しとどめ、きっとこれからも、身の丈に合った「ヒーロー的変態」として、羽佐間は生きていくのだろう。

 

 というのが、終了5分前までのシナリオ。うん、ご町内ヒーロー成長物語のシナリオとしては非常に興味深い、良いお話だった。でも、その後が謎過ぎた。もう、視聴中はずっと「これ夢オチだよね、どこかで目が醒めるよね」とひたすら待っていたのだが、まさかのそのまんまエンド。なんだコレ。凄いことになったぞ。ヒーローのお話としては、急すぎるレベルアップだ。ようやくムーンブルクについたあたりで突然ロンダルキアにたたき落とされたような状態だ。いやいやいや、これアカンやろ。今までの世界観はどうしたらええねん。必死で成長してきた羽佐間のあれこれはどうしたらええねん。次週、誰かが目を覚ましてくれるオープニングだったらいいのだが……うぅん?

 いやー、でもギロチンゴリラの無茶苦茶な造形とか、相変わらずのサムメンコセンスも活きてるんだよなぁ。大ボスとして現れたCV速水奨のキングトーチャーも不思議な存在感だし。別にこれはこれで面白そうではあるのだが……かみあわねぇなぁ。いやいや、多分怒濤の展開になるんでしょう。ヒーローテンプレの流れなら、どう考えてもキングトーチャーの正体は殺されたはずの実父だったりするんでしょう。この「何が出てくるか分からない感」は凄まじい。やっぱりアニオリは油断出来ないな。

 ちなみに、そんなトンデモ展開ですっかり忘れてしまいがちだが、今作で最も重傷なのはフラメンコガールのサファイアの子である。最近流行りのクレイジーレズですからね。確実にまりちゃんがはき出して床に散った花びらは貪り食ってますよね。早く本番シーンも見せて下さいよ。ノイタミナなら余裕だろぉ(サイコパス調べ)。

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