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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 渡草……第3話。この街で善人がいるとするなら、きっとそれは渡草だけだ。

 ただでさえキャラの多いアニメだというのに、容赦無く追加キャラがぶっ込まれるという惨状。いや、覚悟してましたけど。それどころか、こんだけ間が空いたのにキャラどうしのつながりとか性格なんかも全部すんなり思い出せたし、新しいキャラが加わっても全然ややこしい感じはしないんですけどね。やっぱり分かりやすいアクの強さの賜物であるな。今回の新キャラ、聖辺ルリも、この街にぴったりの「問題だらけの女の子」である。表の顔は大人気アイドルらしいが、「特殊メイクアーティストだったのにスカウトされていきなりアイドル」という経歴からしてなかなかぶっ飛んでいる。幽もそうだけど、この世界の「アイドル」とか人気者ってのは、とにかくどっかネジの外れた連中のことを言うのだろうな。まぁ、一般市民が全員イカれてるんだから、偶像たるアイドルは更にどこかぶっ壊れてなきゃいけないのは道理である。

 そして、そんなアイドルの実体が連続殺人犯「ハリウッド」の正体だったというのも、ややこしさを簡単にひとまとめに出来る便利なセッティングである。前回から噂には登場していた「ハリウッド」。てっきりその正体を探ったり、殺したり殺されたりする話になるのかと思っていたのだが、全然そんなことはなかったぜ。そりゃな、あんまり命の危機に陥りそうな奴いないもんな。どっちかっていうと殺人鬼の方が命の危うい状態となり、新羅の診察を受けているってのもいかにも「らしい」状況である。ただ、「連続殺人鬼」とは言ったものの、どうやら聖辺ルリは単なる快楽目的の無差別殺人鬼というわけではないようで、回想シーンでも苦悩していた通りに、明確な目的を持って、特定のターゲットのみを狙っているようである。これまで池袋にいなかったタイプの、まっとうな(?)殺人者である。現時点でマスコミなんかはそういうターゲットのつながりについては言及してないのかね。よっぽど上手く隠しているのか、ルリちゃんの特殊メイクによる「猟奇殺人鬼」としてのイメージ作りが上手くいってるためなのか。確かに、異常性を高めれば動機の面は詮索されにくくなるからね。そこまで考えてあの素っ頓狂な犯行スタイルを選んだのだとしたら、この娘も案外知能犯かもしれません。まぁ、「目立ちまくる風体」「監視カメラに映り込むスタイル」と、普通に考えたら捕まる理由の方がずっと多いんだけど。事実、新羅の親父やらヤクザ者やらには正体がばれてるわけでねぇ。この世界の警察は色んな団体の下位互換でしかないよな。

 そんなルリちゃんの身柄を巡って、今回は平和島幽がメインで登場。オープニング映像にもはっきりと登場しているし、どうやら今期から正式にメインキャラとして参戦することは間違いなさそうだ。兄貴以上にぶっ壊れた性格をしており、殺人鬼だと分かっていても特に問題無く自宅にあげるし、相手の身を考えて殺人鬼というステータスはあまり問題にしないという。感情が平坦であると本人は言うが、仁義の心はあるようなので、どっちかっていうと単に図太いだけの奴なのかもしれない。いざルリを送り出す段になって、自分の芸能生命も一切顧みずに「一番簡単に脱出する方法」としてあんな作戦を思いつくあたりも壊れ気味。脱出は出来ただろうけど、このあと自分とルリちゃんの身辺はどうすんだろね。まー、相手は怪力無双の化け物娘だし、静雄ちゃん以外が相手ならなんとかなるか。幽が取られたと思って憤る舞流あたりと揉めなきゃいいけどな。結局平和島家に対抗出来そうなのって、この街では折原の家くらいなもんだろうし。あの双子、ノンケなのかレズなのか。あ、違うわ。本人が「両刀です」って言ってたな。なんて素敵な双子姉妹百合ップルである。透明な嵐でも吹き荒れればいいのに。

 今日の狩沢さん:ジャンプからのチョッピングレフトはいくら湯馬崎相手でも危険過ぎると思います。

 今日の薗原さん:服がいちいちエロいです。あの子、自分のプロポーションが人を駄目にするって分かってやってるよな。

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 90年代以降の魔法少女縛りだとどれくらいの時間保つだろう、と真剣に考える第2話。……えーと、「大魔法峠」はOKですか? 「これはゾンビですか?」は?

 相変わらず賑々しい展開。ただ、流石に開始2話目ということで視聴者への配慮は考えているようで、シナリオを進めながらも、要所で世界設定を復習してくれているのはありがたい。原作ではシームレスに繋がっている部分であろうから、おそらくそこまで親切な導入はないんじゃないかな。帝人とダラーズの関係性とか、杏里と罪歌の関係とか、そういうところは一応今回の導入が復習にもなっているのはそつのない出来。いや、やっぱり初見だとさっぱり分からないとは思うけども。残念ながら私も久しぶりに観るから細かい人間どうしのつながりについてはうろ覚えなんだよね。ワゴンチームと帝人たちが接点をもってるのはいいんだけど、帝人が顔をつないでるのってどのあたりまでだっけね。杏里と森厳は今回が初対面? 今回の様子だとそんな感じだね。何故あのおっさんがカラオケボックスで大事な商談してたのかは謎である。相変わらず神出鬼没で油断ならない奴だ。

 1期とのつながりがほとんど関係無く、今回のお話の中心になっていたのが、臨也のところのお騒がせ双子姉妹である。中の人絡みのせいでどうしてもどこぞのファイヤーシスターズに見えてしまうわけだが、キャラクターの作り方はあの姉妹に負けず劣らず実に阿漕。何ともラノベ的。ファイヤーシスターズは非常に観念的で、ラノベ設定としてもひねた作り方になっているのが作者の性格の出ているところだったが、こちらはとにかく人間関係をつないでつないで絡ませていくのが作品のアイデンティティになっているので、色んなところでやっかいごとを巻き起こせるように、様々な設定のパッチワークのような造形になっている。もちろん、その根幹にあるのは「折原の血」というすこぶる面倒臭いものであるので、設定が阿漕とはいっても一筋縄ではいかないようだ。

 まず、今回最大の見せ場となった謎の跳躍アクションシーンを披露したのが妹の舞流。設定は「活動的」「セーラー服」「あけすけエロ」くらいだろうか。「わざとパラメーターを両極端に極振りした」という能力値は身体の方に向けられており、意味の分からない身体能力は既に人智を越えている。まぁ、この池袋の人間連中は化け物も山ほどいるのでこれくらいではそこまで驚かんでもいいが。「身体」にステ振りしたんだったら頭は悪くてもいいはずなのだが、残念ながら結局は折原の者であるので、単なる筋肉馬鹿ではなく、「直感で動く危険因子」という、兄の面倒さに機動力が加わった形になっている。波江さんの言っていた臨也の「黒幕性」みたいな陰湿さは少ないのかもしれないが、その分だけストレートにおっかないというキャラ。キタエリズムの真骨頂である。

 かたや、姉の九瑠璃は「内向的」「体操服」「巨乳」というセッティング。わざとキャラを分けることで性格に差が出来るところまでは分かるが、プロポーションまでが双子で全然違うのは一体何故なのか。人体の神秘である。2人の通う学校はそこまで校則に厳しくもないのだろうが、ブレザー制服の中でセーラー服という異端と、体操服という異端。そりゃいじめられるだろうよ。あの乳のサイズで一日中体操服って、同じクラスの男子生徒の精神衛生上あまりよろしくない。しかも内向き文学少女だし。この世界の控えめな女の子はみんな巨乳じゃないといけない決まりでもあるのだろうか。もちろん、そんな「控えめ」はあくまでも外面でしかなく、決して舞流のように表立って暴れたりはしないが、その分兄の持つ「黒幕」性は強く受け継いでおり、ちょっかい出してきたクラスメイトの器物を破損、そして将来を破損することなどお茶の子さいさい。質の悪い高校生である。「どっちが積極的か」という問題で舞流と言い合っていたが、まー、あの様子だとどっちもどっちだよな。この2人も「人ラブ!」なんでしょうかね。

 そんな双子姉妹と自然に接点を持ってしまったのが、ちょっと不思議な造形で登場した新キャラ、黒沼青葉。安定のヒロ・シモノボイスなので単なるパンピーなのかと思いきや、どうも彼も随分したたかな人間のようで。積極的に帝人とダラーズに接触を持ち、これから何かしでかすつもりなのか、それとも単に好奇心と野心の旺盛な青年なのか。まだまだ見えては来ないだろうが、トラブルを起こす側に回る雰囲気は既に匂い立っている。ダラーズって既に1期の時点でその特性を活かした活躍はやりきってしまった気がするのだが、帝人はここからその力をどのように駆使していくことになるのだろうか。圧倒的力という意味では罪歌の方が強いからねぇ。おかげで今回も杏里さんはトラブルに巻き込まれるのは必定であるようだが。罪歌絡みだと贄川春奈さんには今後出番はあるんでしょうか。是非出てきて欲しいんだけどなぁ。

 そして、前回の事件でテンションだだ下がりだったセルティさん。謎の「繭」を精製し、いつも以上に熱烈に新羅とのラブラブを見せつけてくれる。落ち込んで甘える理不尽な女王様の愛らしいこと。新羅が尽くしたくなるのもよく分かります。あの繭、居心地は良いのだろうか……。

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 ネイキッドすぎワロタ、最終話! 最終的にこの作品で最も発信された言葉は「馬鹿」と「変態」っていう。……真面目に考えるだけ無駄っちゅうことやで!

 なんやこれ! な終わり方だろうか? いやいや、全てはシナリオ通りに。すごい勢いでスペースを縮小していくサムライフラメンコの活躍は、ひとたび「大宇宙さん」のところに到達したわけだが、気付けば「自分の身の回り」、更に「無二の親友」、最終的には「自分」へと帰着する。なんだか不思議な輪廻転生を見ているようで、「無限ループって怖くね?」という言葉が脳裏をよぎる。もし、最後に空き缶を投げ捨てた車の中に、また澤田みたいな奴が乗っていたとしたら……ガクブル。いや、世界が変質してしまっているから、再び悲劇喜劇が繰り返されることはないんだけどね。それにしたって、戻ってくるところが馬鹿過ぎるとは思う。

 今回も色々と衝撃だったわけだが、まず一番の驚きは澤田灰司が実在の人物であったということ。既に死亡しているが故の概念設定だと思っていたのだが、なんと過去の死亡届は偽造されたものであり、あの少年はちゃんとそこに「いた」ようだ。だとしたら先週までの神出鬼没な活動や、川の中州から消え去ったことについてはどう説明するねん、って話だが、多分そこは「考えるだけ無駄」。既に羽佐間の力によって世界はありとあらゆる部分がねじ曲げられており、その羽佐間の眼前に「謎」が降り立つことはもう謎ではなくなっている。理由付けはいくらでも考えられるだろうが、たとえば「羽佐間自身がサムライフラメンコ・ダークネスの存在を一度は考えたために産みだされた歪み」っていうのはどうだろう。先週まで散々「羽佐間の内面」という正義の及ばぬ領域について考えていたが、その一端が漏れ出し、澤田を形成した。そのため、彼は一人の少年を依り代にしながら、まるで霊体のように自由に活動出来る能力を手に入れたということ。それでもトーチャーさんの無謀な科学力とか、フラメンコ星人の存在に比べればよっぽど普通。

 ただ、もう少しスマートな「設定」を考えると、やっぱり澤田が自分で言っていたように「フラメンコと澤田はお互いに育てあってきた」っていう意見がすっきりする説明な気がする。あの日あの夜、フラメンコと澤田が出会い、そこから「フラメンコによる世界創造」が始まったわけだが、その裏では、「フラメンコの影」である澤田もゆっくりと醸成されていった。彼の行動はまったく目立ったものではなかったし、フラメンコが活躍すればするほどに大人しくなるという負の相関関係があったため、実際に動き出したのはフラメンコが一度停止した時だ(フラメンコが「動き出す前」には、澤田も同じように行動していたことは本人の供述通り)。そうして今、彼はフラメンコに致命的な影響を与えるまでに成長したのである。まぁ、その最後の一押しってのが、ヒーローとしての「愛」だったというのは誰の望みなのかはよく分からないが。今回も羽佐間は「誰も気にしなくても俺だけはお前を気にする」という、あの夜の殺し文句を澤田につきつけてショックを与えている。あれが「愛」だと表現されるのだとしたら、最終到達点である「愛」も、仕組まれた回帰の1つということになるのかもしれない。どうやらこの最終到達点としての「愛」はリセットボタンみたいなもんで、ネイキッドモードの羽佐間が後藤さんと愛を語らっていたシーンでは、澤田もどん引きしてましたけどね。

 というわけで、最終的にたどり着いたのはホモの境地。いや、多分本人たちに友情以上の感情は絶対にないんだろうけど、羽佐間も後藤さんも犯罪レベルのキチガイだったもんだから、不可解な愛情表現は微妙に成立してしまっている。童貞こじらせたどうしが「愛ってなんだ」「知るかそんなもん! 俺の知ってる愛はこれや!」「それアカン奴や!」とぶつけ合ってるだけで、結局生産性は皆無。今回の顛末で何が解決したかといえば、あくまで本人たちの自己満足のみである。そう、実は何一つ表立って解決したことは無くて、羽佐間は相変わらずおかしな正義感を持ったままだし、後藤の彼女だって「旅に出た」が、これまでと何一つ変わらない存在感でそこにいたりする。何故ニカラグアに行った。後藤の中で彼女って一体どんなキャラやねん……結局、そこはさっぱり変わらないので、多分、後藤さんの携帯早撃ち技能がどんどん充実してるくらいの変化しかない。よくあれだけの短時間で別れのメール打てたよな……まぁ、学生時代から肌身離さず二刀流でメール打ってればあれくらいは出来るようになるのかも。

 そして、この「自己満足の極み」こそがこのお話の原点回帰、胎内回帰、無限ループ。あれだけおかしな力を手に入れ、一時は平気で空を飛んだり宇宙人をやっつけていたサムライフラメンコも、ネイキッドという行きすぎた回帰を経て、また単なる変態野郎に戻ってきた。悪を取り除いたと思われた世界も、「またぽつぽつ事件が起こり始めてる」らしいので結局元通りだ。この一回りのループの中で得られたものは、男同士の裸を越えた薄気味悪い友情のみ。正義馬鹿と、分裂症ストーカーの傷のなめ合い。これが……愛かッ! そりゃまりちゃんだって愛想つかすわ!

 いやぁ、すごい話だった。まるまる2クール使ってここにたどり着くとは、まったく思っていなかった。しかし思い返してみれば、ギロチンゴリラが出現したあの衝撃の展開の時に、誰もが思った、「ずっと町内を守るヒーローであればよかったのに、どうしてこうなった」と。よかったな、みんなが望んでいたあのときのサムメンコがここにいる。はたして、みんなが今でもそれを望んでいるのかは定かじゃないが。この物語は、一人の男がヒーローになるまでの過程を描いた物語だ。すごくすごく遠回りしてきたけど、羽佐間もほんのちょっとだけ、成長出来たのかもしれません。詳しいことは石原さんに聞いて下さい。多分、知らないって言われる。

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 サブタイトル通りだったよ、第21話。最近の中ではあまり動きのない回だったが、それだけにこのアニメが迎えようとしているゴールがうっすら見えるような気もする。どうやったって無茶苦茶には違いないが、最後の最後に一体何を謳って終わるのかで最終的な印象も変わってくる。愛だろ愛。愛ってなんだ。躊躇わないことさ。

 澤田灰司の正体に迫るのが今回の目的かと思っていたのだが、どうもアイツの存在は今後もふわっとしたまま行くようで。一応前回の感想で彼の存在する意義、動機などについての分析(というか正当化?)はしたので、まぁ、その延長線上に今回のお話が有るということにしておこう。澤田灰司は「いるけどいないもの」であり、「悪の無くなったこの世界において、羽佐間の内面から産みだされた最後の『悪』」である。ただ、これまでほとんど他人の目に触れることの無かった澤田が、今回は後藤とはっきり会話しているし、12倍良く見えるアックスアイによって一応目撃もされているようだ。つまり、前回羽佐間が懸念していたような「羽佐間にしか見えない脳内妄想」というわけではない。まぁ、現時点で目撃してるのは、最初から妄想狂の気がある要と、脳内彼女とよろしくやっていた後藤ってのは気になるところなんだけど。もしくは外界の中でも一番羽佐間との関係性が密だった2人ともいえるな。

 改めて定義するとまた覆されそうなので澤田の詳細に言及することは避けるが、ひとまず「羽佐間の内面から生まれた悪」という設定は良しとして、そこに「澤田灰司」という一個人が存在していたことも事実として認めるべきなのだろう。サムライフラメンコがデビューし、世間に現れたあの夜、羽佐間の説教は世界を変える力を持っていた。それは、最終的に「大宇宙さん」に繋がっていく「羽佐間が作る正義」を打ち立てる橋頭堡であったことに加え、「羽佐間が存在することの強さ」を刻んだ日でもあった。彼の正義が大宇宙さんにたどり着いたとき、羽佐間が望んだ1つの完成形であるサムライフラメンコが終わりを告げたわけだが、あの日歪み、新たな道を歩み始めた世界が、その「終わり」を拒否したのだろう。サムライフラメンコの正義を下敷きにした世界だったのに、それが無くなってしまっては基盤が揺らぐ。その「揺らぎによる困惑」を体現した存在が澤田であり、「サムライフラメンコは居て然るべきだ」という揺り返しが彼の悪を呼んでいる。「世界を是正する力」の依り代となったのが、あの日羽佐間に世界を変えられ、「愛を教えられた」澤田という少年だったのである。

 ん、まぁ、よく分からないし、多分に妄想なので脚本の倉田さんは全然違うこと考えてそうだけど、こうして世界設定に勝手な理屈をつけていくのって視聴者の特権だからね。今回は、そんな「正義」の問題に加えて、新たに「愛」という軸も提唱されている。Aパートは要師匠の病室がメインで、フラメンジャーの面々と要の奥さん、それに原塚さんなどによる「羽佐間の回りの人コント」が繰り広げられる。もうこのアニメも終わるので、そろそろ回りの人間たちの関係もまとめて行くってことなのだろう。しかし、レディアックスこと要の奥さんもなかなか強烈な人だよな。ピンクとの小競り合いは胃に穴があくレベルなのだが、あの中で平然としていられる要師匠はやはり大物だ。そりゃ目も耳も常人離れしてるに決まっている。更に、要家にはいつの間にかグリーンが養子に誘われていたことも判明。確かにあの夫婦は子宝に恵まれなかったみたいだから寂しいのかもね。ブルーは馬鹿だから養子候補にならないって……案外下世話ですね、奥さん。

 そんなコントに紛れて大切なことを教えてくれるのが要丈治という男。誰にも頼れず、どんどん回りの人間が傷ついていくことに苦しむ羽佐間が「ヒーローがピンチの時は誰に頼ればいいのか」と尋ねると、「ヒーローは誰にも頼れない」と答える。ヒーローの最大の敵は孤独なのだと。しかし、同時にそれを乗り越える方法も教えてくれる。それが愛なのだ。確かに師匠の回りには(色々問題はあるが)愛が溢れているし、かつて地球を救ったヒーローは必ず愛を語った。愛と勇気だけが友達のやつすらいた。最後にヒーローを救ってくれるのは、愛という随分怪しげなものらしいのだ。しかし、残念ながら羽佐間にはそれが分からない。「幼い頃からヒーローのことばかり考えていたので愛を知らない」。これはこれで問題だ。最終的に、「愛を知らない」という1点において、羽佐間は自分と澤田が同質の存在であると結論づけた。確かに、羽佐間には人間的に何かが欠けていたのは事実なのだろうし、純粋正義の対極にある純粋悪(純粋反正義)は、絶対値を取れば同じものなのかもしれない。そして、そんな澤田の羽佐間への思いも、1つの愛であるという。澤田との関係性に決着をつけるためにも、羽佐間は自分なりの「愛」を掴む必要があるようだ。

 そして、愛といえば後藤さん。そして恋多き女性集団ミネミラの面々。まぁ、うち3人は澤田の手でぶっ倒れちゃったけども。このアニメは相変わらず作画がしんどいのであるが、何故か萌たちがぶっ倒れたときの白目フェイスだけは丁寧に描かれるという謎サービス。どこにニーズがあったんだ。大切な仲間を2人も傷つけられたまりちゃんが次週どのように動くのかが最大のポイントであり、彼女の「愛」は後藤の凝り固まった「愛」を打ち砕くのに必要なパーツであろう。もちろん、萌たちチームメイトへの愛だって煮えたぎっているかもしれない。ただ、一方のごっちんこと後藤さんは相変わらず。彼の携帯の中にいる「彼女」は、「このままでいいのか?」と後藤に問いかけていた。究極の自作自演であるが、一度外界に切り離された存在であるが故に、「彼女さん」は後藤の本心に問いかけるくらいの能力はあるようだ。これまで彼女からどんなメールが来ていたかを見直して見ると色々面白いかもしれない。

 そして、最後に大事なお仕事をこなしたのが石原さんである。正直言うと、師匠に「愛だ」と言われた後に「いや、でも羽佐間って彼女いないよな。まりちゃんは後藤一筋だろうし、あと回りにいる女性っていうと……石原さん? ……ナイナイ」とか思っていたので、今回石原さんが割と積極的に羽佐間のために動いてくれたのはかなり意外だった。「最初っから知ってたわ」発言などで羽佐間にショックを与えると、彼に「愛」を手にするためのとっかかりも提供してくれた。彼女自身が羽佐間に対して恋愛感情を持っているかというとかなり微妙なところだが、何らかの「愛着」があるのは事実。また、羽佐間は今回の事件で一度後藤にフられた後なので、石原さんは「後藤にすら無視された案件を聞いてくれた唯一の人間」でもある(師匠も聞いてくれてたけど、彼がどの程度マジだったのか定かじゃないし)。最終的に、愛に目覚めた羽佐間が石原さんと何となくいい感じになって終わるのも綺麗かもしれない。でもなぁ、やっぱり羽佐間は後藤さんとくっついているイメージが強すぎるんだよなぁ。

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 まさかのこれまでで一番鬱展開、第20話。今まで冗談で済んでいた部分が、だんだん洒落じゃなくなる怖さ。いや、今までも充分洒落になってなかったけども。ギロチンゴリラとどっちが酷いか。

 「最後の悪」を名乗る澤田灰司という謎の存在。それは「いつか見た少年」には違いないのだが、どうやら直接的に「中学生」がラスボスというわけではないようだ。その存在自体は1年前に消滅してしまっているようだし、実際の活動内容を見る限り、単なる中学生であるはずがなく、もっと言えばおそらく人間ですらない。原塚の言葉を借りれば「四次元人」かもしれないし、最後の羽佐間の言葉を借りれば「妄想が勝手に作り出した幻影」である。つまり、「非実在の悪」である。

 これまで様々な「悪」がサムライフラメンコと対峙してきた歴史があり、その全てがサムメンコのために用意されたものである。「大宇宙さん」の言葉によれば、サムメンコが戦い続けたければエンドレスで「悪」を送り出すことも可能だったはずなのだが、その悪の無限連鎖については、羽佐間が大宇宙さんに申請して終了した。この世には大小あらゆる意味で「悪」が無くなったはずなのだ。しかし、唯一「悪」が残っていたとするならば、その存在自体が世界を構築し、外界を改変し続けた羽佐間正義そのものである。「悪」が無くなったことは間違いなかろうが、羽佐間の中に「悪を求める心」はいくらかでも残ってしまい、それが「外界に極力影響を及ぼさない範囲で」現れることで、事態は最悪の物となったのではなかろうか。つまり、「世間には悪にあらず、羽佐間にとって最大の悪」となるのが、今回の澤田灰司だ。彼の存在は他者には認識出来ず、極力羽佐間に悪い影響をあたえる行為だけを行っていく。おそらく、ブルーの家を荒らしたのも、ブラックの祖父を殴打したのも、グリーンの六法全書を千切って子供と接触したのもの、ピンクの髪を切ったのも、原塚を押したのも、要を轢いたのも、全て「澤田」という存在ではない。画面には見えてこないが、おそらく原塚を押したのは施設内の誰かであるし、ピンクの髪を切ったのは通りすがりの誰かだ。これまで存在しなかったはずの「悪」が羽佐間に関係するフィールドに限定して、同時多発的に発生することになってしまったのである。

 澤田は何度かキングトーチャーの名前を挙げて、自分の存在と比較していた。確かに、過去にサムメンコが対決してきた存在の中で、純粋に悪を名乗ったのはトーチャーさんだけだった。フロムビヨンドは「もう1つの正義の可能性」だったし、奥崎総理も「歪んだ大義」、フラメンコ星人も「相対化された意志」であり、積極的に「悪」ではなかったのだから、「悪」を名乗る澤田が自分と比べられるのはトーチャーだけである。トーチャーの場合、悪を目指した動機は純粋存在への憧れであった。羽佐間が妄信的に正義に憧れたことの対極に、トーチャーがいるという位置づけだった。しかし、実はこの場合の「悪」も、真逆というわけではなく、「正義」と共通する部分がある。それは、1つの信念のもとで世界を統一的に管理するという目的意識だ。極論ではあるが、羽佐間が全てを成し遂げた後の「悪のない世界」と、トーチャーが実現したかもしれない「完全独裁の統一的征服世界」は、1つの法の下で平等化されるという点においては同じ理念である。それはそうだ。トーチャーの憧れた純粋悪とは、正義と競い合い、高めあう存在だったのだから。

 しかし、澤田のそれは決して「正義」と志を同じにしない。何故なら、その目的が純粋に「羽佐間のみ」に向けられている「悪」だからだ。これまでの「悪」の中では最も小さいスコープではあるのだが、だからこそ純粋であり、厄介である。その「悪」には終わりがなく、羽佐間自身の存在が消滅でもしない限り、永遠に悪は活動を続けられる。羽佐間が正義を振りかざせば振りかざすほどに、この「内面的悪」は輝きを増し、純度を高めていくのだ。よく「己の敵は己」なんてことをいうものだが、羽佐間の場合、正義志向をこじらせすぎて、最も面倒な敵を産みだしてしまったことになるわけだ。ビヨンドフラメンコも「もう1つのフラメンコ」ではあったが、それはあくまで外界であり、それ故に羽佐間にも干渉が可能だった。しかし、今回はそうもいかない。「悪が存在しないはずの世界に残された最後の悪は、正義の裏側に潜んでいた」。ふむ、まぁ、こういう衒学的な方向で落ち着くよなぁ。

 この禅問答のような敵の図式も、それだけが立ち現れれば「ま〜たやってるよ」と苦笑い1つで受け止められるナンデヤネン設定で済んだのだが、この脚本のいやらしいところは、澤田の登場前に、わざわざ1話使って後藤さんの悲劇に切り込んでいるところである。「非存在」は、それが「悪」に還元されるだけならば「羽佐間がしっかりせぇよ」と言われておしまいなのであるが、後藤の彼女というもう1つの「非存在」が存在しているせいで(ややこしい)、「無いものを否定することが救いを奪うことにもなる」という両面性を持たせてしまっているのだ。これにより、羽佐間は自己に内在する悪の可能性に気づき、恐れながらも、後藤の姿を見ているおかげで否定しきれずにいるのである。もちろん、一度「非存在」の切実さを見せつけられたせいで、視聴者側も「なんやねんそれ」と無下に言いづらい空気が作られている。いや、「なんやねんそれ」には違いないんだけどね。そもそも大宇宙さんが「なんやねんそれ」の極みだったもんでね。結局、「否定」は後藤との軋轢を生み、羽佐間が何よりも求めていた友情を失ってしまうという悲劇を引き起こしてしまったのである。

 さて、結局澤田は実在するのかしないのか。そして、どうすればこの「悪」を駆逐出来るのか。最後に迎えた鬱々とした山場を、僕らのなんちゃってヒーロー・サムメンコは打開することが出来るのだろうか。そして、ブラックのおじいちゃんは大丈夫だったんだろうか。人的被害が出てるブラック・要の2件だけ極端に凶悪性が高いのが酷い。まぁ、一番実質的被害が少なかったグリーンのところも、事実上強迫されてるようなもんだし、恐怖感はより一層強いとは思うんだけども。どうせだったらミネミラのとこにも行って何かエロいことしてくれれば良かったのに。まりちゃんたち、まだ温泉で飲んだくれてんのかなぁ。

 ちなみに、今回ゲストキャラとして澤田の元クラスメイトが「中学生A・B・C」と3名登場しているのだが、何故かキャストが石川界人、花江夏樹、村瀬歩と無闇にしっかりしている。微妙に贅沢やな(ちなみにグリーンのところの幼女は井澤詩織である)。

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 この期に及んでシリーズ最大のサプライズを連打、第19話。話数から考えて流石にこれが最後の一捻りだと思うのだが、世界は一体どこへ向かうのやら。

 前回「宇宙の意志」が伝えた世界のゴールは、夢オチでも何でもない紛れもない事実。しかも、羽佐間だけがその終わりを認識したのではなく、世界中が「サムライフラメンコによる終焉」を認識しているという。この世界に起こった全ての出来事は事実であり、この世界はたった1人のヒーローによって救われた後の世界だったのである。「悪」と呼ばれる存在が無くなり、英雄となったサムライフラメンコも事実上のお役ご免。そこには理想化された素晴らしい世界が待ち受けており、おばちゃんはちゃんと朝になってからゴミを出すし、羽佐間を見れば誰もがにこやかに声をかけてくれる。羽佐間が裸一貫の「正義」から成し遂げたがった世界がここにある。しかし、そんな理想郷を前にしても、羽佐間はなんだか「もやもやしたもの」を残していた。表面的には「正義の執行が出来ないことによる物足りなさ」がまりに近い感情として残っているのかとも思ったのだが、羽佐間はそうしたエゴイスティックな感情はあまり持たないタイプの人間。純粋に、この世界に違和感を残しているようである。

 そして、事態を動かすのはもう1人の主人公、後藤であった。世界が平和になり、ようやく激務と不思議空間から解放された後藤は長年の願いだった彼女とのデートにこぎ着けるが、そのことに反感を抱いたまりの強引なストーカー調査により、そのデートが後藤の抱えた最大の傷であることが明かされてしまう。これまで幾度となく作中に登場し、ターニングポイントで後藤を支えてきた「彼女」の存在は、何と後藤の自作自演による架空の存在であったという。もう、どうしていいか分からないサプライズだ。まさかの「独り相撲」オチはこれまでの後藤のキャラクター像からあまりにかけ離れた、絶望的な事実である。あれだけ常識人であり、あれだけの人情をもって真っ直ぐに羽佐間と対話してくれていた「世界の中心」であった後藤が、まさか一番「世界を見ていない」人間だったとは。彼の普段の言動は、たった1点での心の闇を臭わせることなど無かったために、この衝撃はかなりでかい。改めてシリーズ全部見直さないことには確認も出来ないが、あのときも、あのときも、あのときも、全て後藤は一人で悩み、一人で答えを出し、一人騙し、騙され続けていたのである。あまりにも悲しくて、あまりにもやるせない真実ではないか。

 結局、世界に「悪」は無くなったが、「悲劇」が無くなったわけではない。後藤の彼女が巻き込まれた神隠しの真相は明らかにされていないが、事故にせよ、事件にせよ、過去に起こってしまった不幸は今更取り返しがつかない。そして、過去に傷ついた人の心に対して、羽佐間は何も出来ない。これまでずっと自分を助けてくれた「親友」の一番の悲しみに何も出来ていなかったことを知り、世界を救った英雄はひどく傷つくのである。もちろん、どうしようもないことではあったのだろうが、結局単純な「ヒーロー」が振りかざす正義と、人々の幸せはイコールでは結ばれないことなのだ。そんな当たり前の事実を今更確認することで、これまで重ねてきた「正義」の多重構造は、あっさりと意味を失ってしまう。一体どこまでいけば、羽佐間は自分の求める「正義」にたどり着けることだろう。

 そして、最後にはもう1つのサプライズも用意されていた。意気消沈しながら帰途につく羽佐間の前に、1人の少年が現れる。握手を求められたので羽佐間が素直に接触すると、突如として少年は長口上を語りだす。そう、第1話でサムライフラメンコが立ち上がり、正義への道を駆け上がることになった全ての起点である、あの公園での説教の文言だ。一字一句違わずに「サムライフラメンコ始まりの言葉」をそらんじた少年は、「久しぶりだ」と語り、澤田という名を名乗る。彼はあの夜、確かに羽佐間が対峙した若者グループの中にいた1人であった。改めて1話のシーンを振り返ると、あからさまに素性の悪そうな若者集団の中に、微妙に浮いた雰囲気の澤田の姿が確認出来る。彼は羽佐間をボコボコにする若者たちとは微妙に距離があり、一切動かずに立ち尽くすだけの存在だったのだ。あの日は、最後に後藤が駆けつけた際に仲間に手を引かれて退場しているが、どうやらあの場でサムライフラメンコに対して「何か」を感じた存在なのは事実らしい。彼の自己紹介と時を同じくして、付近のビルが爆発する。「悪」が存在しないはずのこの世界で、何故またそのようなことが起こったのだろうか。

 「悪」でないならば、澤田と名乗った少年と、爆発の原因は「悪以外の何か」ということになる。「正義の対極」として真っ直ぐな悪を志したキングトーチャー、別軸のフラメンコとしてもう1つの可能性を提示していったビヨンドフラメンコ、国を守るために正義をねつ造した奥崎総理、個体を消し、同化を行うことで悪の相対的な消失を狙ったフラメンコ星人。たくさんの敵が現れては消えていったが、次なる「正義」は一体何なのか。もう、考えることに意味は無い。羽佐間正義の最後の戦いを、刮目して待つべし。

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 ??? ……第18話。常套句なんですが、改めてこの言葉を使わせてもらいますね、「なるほど、分からん」。バックスクリーンも遙かに超える超長距離の投げっぱなしが来ましたわ。

 いや、どこかで「収束」はあるものだと思っていたが、なんか、全部が全部一回りくらい早いよ。思えばこの世界が変わったのはあのギロチンゴリラから。その登場にしても、「1話くらい何か抜けてるんじゃね?」と思うほどの急展開だった。その後のキングトーチャー編はかなりしっかりと「地に足がついた」展開ではあったものの、間を抜いてラスボスのトーチャー基地へ向かったのは事実であるし、フロムビヨンドも流石に数の多さに比して滅び行くのが早すぎた。国民の支持率は急降下して総理が駆逐され、フラメンコ星人はワンパンチで哀れ宇宙の彼方である。「なんでやねん!」と聞かれたら、世界はこう答えたのだ「羽佐間がそれを望んだから」と。

 ……これがセカイ系って奴なんでしょうか。ある意味、圧倒的多数が予想し、そう願った「夢オチ」と言っても差し支えない展開であり、羽佐間自身も何故か割とすんなり納得している様子。いや、お前が納得しちゃうとさ、こちらとしても文句が言いにくくて困るんだけども……内心では気付いてたのかな、「この展開無茶だな」って。「嘘くさいな」って。作中の主人公と視聴者が同じ感想を持ってしまったら、そりゃぁあとは「ゴール」に収束して何事も無かったことにするしかないわけだが……どうにもこうにも。まーねぇ、ここまで「全てのヒーローを描いたフィクションを駆け抜ける」お話だと、最終的にはメタフィクションに着地しなきゃいけないのは必然ではあるからな。一番生々しいな、と思った説明部分は、「君の活躍は娯楽として閲覧されることになる」っていうトーチャーさんの語り。まぁ、そりゃ売られてますけどね、ブルーレイがね。まさか作品世界の中でまで「その目的」が共通していたとは……。現代アニメの販売形態は、宇宙の意志すら認めた方法ってことだヨ!

 なるほど分からん。そしてここから先もどうなるか分からない。「フラメンコに深い意味は無い」とかぶっちゃけられてしまったし、今までの出来事も「別に夢や幻ではない」とも言われた。「敵がいなくて平和な世界」が訪れるというが、それはあくまで羽佐間にとってのものである(羽佐間が望んだ世界が実現し、それに回りの人たちが巻き込まれたのだから他人の意志は関係無いはずだ)。ひょっとしたら、また新しく「だれかの意志」を含んだ物語が立ち現れるかもしれないが、次週のサブタイトルを見る限りではそういうことにもならなそうだし……今週何となく思ったんだけど、実は本当のラスボスって後藤さんなんじゃねぇかな。「羽佐間の物語」ってどこまでいっても「後藤の物語」でもあるし、結局どっちが「主人公」なのかはっきりしてない。となると、キャスティングボートを握る権利は後藤にもある気がするんだよ。流石にこのまま後日談だけでこのアニメが終わるとも思わないので、それこそ「裏次元に四次元、深層心理の世界」まで想定される中に、「後藤の世界」があってもおかしくないような……考えすぎかなぁ。分からない……分からないけど、俺が受け入れかけてるってことは、間違ってない!(暴論)

 今週はフラメンコ星人役の安元が楽しそうで何よりでした。「興奮、激高、我々にはほど遠い感情だ……」とか言ってた割にはその後すぐキレててワロタ。落ち着いてSit Down

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 わろうた、第17話。ひょっとして、脚本の倉田はこの回がやりたかっただけなんじゃねぇかって気までする。今まで通りの悪のりテイストでしかないのだが……馬鹿だなぁ!

 前回の全編シリアスはどこへやら。せっかく「無二の親友である後藤に助けを求める」っていういいシチュエーションになったのに、その後藤さんは「OK,じゃ、あとは原塚さんに任せよう」ってんでぶっちゃけあんまり仕事してない。最後のダブルフラメンキックのところはさも大活躍したみたいに見えるが、最後に勢いでのっただけである。まー、シリーズ序盤から考えると後藤さんの身体能力も随分向上したけども(羽佐間はフィジカル面で強くなりすぎているが、既にフロムビヨンド編で人外レベルになってしまってるので気にしない)。「初期の仲間が勢揃いして巨悪に立ち向かう」っていうのは本当なら超燃える場面なのだが……ギャグだなぁ。原塚さんは「より凶悪に」なったらしいですよ。車で逃走してる人間が画鋲ばらまいたからってどうなるっちゅうねん。

 羽佐間・後藤・原塚・今野・そしてミスタージャスティスが結集し、天下の悪法の制定前にギリギリで議事堂に乗り込むというのが(今回の)最終ミッション。具体的に乗り込む過程に関しては恐ろしいほどばっさりカットされているのでどうやって指名手配犯が議場内まで余裕で侵入できたのかはよく分からないが、とにかく総理との直接対決が実現。多分ミスタージャスティスがものすげぇ強かったんだろう。前々回出てきたときはそうでもなかったけど。羽佐間だけならまだしも、一般ピープルの後藤・今野組まであっさり入れてたところを見ると、議事堂の警備、かなり雑だ。議場内のSPも大して迫力無いし、他の議員も含めてたった1人のコスプレ野郎の乱入を見て逃げるだけ。まぁ、フラメンコの活躍はそれ以前に散々煽っていた「メディアの強さ」があるので、ひょっとしたら総理以外の人間には実際以上の「巨悪」に見えていたのかもしれぬ。ただ、総理の側近みたいな大臣は「例の兵器」のことは知ってたけどな。

 総理はフラメンブルーを叩きのめした前歴を持つが、その正体は、「国民の支持率を力に変える」という、生まれながらの元気玉みたいな属性持ち。あのヘンテコ聖衣を装着する時に議事堂の歴代総理の写真が光を放ったことを考えると、代々日本国の総理大臣に引き継がれ続けた聖なる力なのだろう。その証拠に、彼の炸裂させる必殺技は日本の国難を打ち破ったものばかりである。「神風」はかの元寇を撃退した技。そして……そこからさきの時代は伝家の宝刀「遺憾の意」や「アイムソーリー」も日本の武器だ。必殺技は日本の象徴、富士の山だ! 微妙に今週のジャンプの磯兵衛の「水無月富士参り」と被ってて笑ってしまったわ! 強いぞ総理! すごいぞジャパン! ……国粋主義の人間に殺されるぞ。まー、ここまで散々「ギャグ悪役」を積み重ねた上での、ために溜めた「国家運営ギャグ」だからな。石井康嗣の熱演とも相まって、総理のキャラクターは実に素晴らしいものに仕上がった。この作品にしちゃぁ戦闘シーンもかなり頑張ってたし。テレビ中継してる時にリアルタイムで支持率が上がっていくのには笑ってしまったわ。すげぇシステムだな。

 しかし、そんな国家支持率システムも、羽佐間の頑張りと今野の悪知恵によりあっさり瓦解。ものすごい勢いで支持率を失った総理は、「たった1回の失言だけでぇ〜〜!」と捨て台詞を残して撃墜。この辺も身体を張った「国家ギャグ」だよな。失言ってのは怖いねぇ、理不尽だねぇ。後藤さんは「国民も馬鹿じゃねぇんだよ」って言ってたけど、あの総理に騙されて、あんなんで手の平返す時点で充分馬鹿だと思うよ。あー、でも、リアルに「国会運営バトル」見せられたら盛り上がらないって保証は無いけど。安倍晋三なら歴代総理の中では割とガタイがいい方だし、それなりに若いからそこそこ強そう。もう完全に「ムダヅモ無き改革」やないか(でもリアル小泉はそこまで強くなさそう)。

 最終的には復活したフラメンコガールズ(リボーン)のサポートなどもあり、サムメンコ側の完全勝利。「今の国民の希望はフラメンコのみ」だそうですが……はい、お約束の時間ですよー、次の敵ですよー。今まで味方だと思っていたものが敵。天丼ですね。パワーインフレを起こしながら敵を増やしていくシステムなので、国家の「内憂」を打倒したら、当然次は「外患」である。正体を現したミスタージャスティス。彼は総理の「支持率システム」を恐れるフラメンコ星人だったのだ! ……いや、既に外世界からの侵略者はフロムビヨンドでやったじゃんよ……。「ついに宇宙人まで出てきた」って、トーチャーズのギロチンゴリラとかフロムビヨンドのMMM34とかの方がよっぽどおかしなデザインしとったわ。しかし、羽佐間にとって気がかりなのは、かの「フラメンコビヨンド」に続いて三度現れる「フラメンコ」の名前。その秘密は一体何なのか。謎は深まるばかり。あと、この先日本国内の政治は誰が管理するのかも気がかり。要さんが新しい指導者として立ち上がりそうで怖い。あの人に政治を任すのは流石にまずい気がするぞ(女性スキャンダルですぐ失脚しそう)。

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 一週間ぶりのご無沙汰、第16話。これ、関西だと一週休みだったのに、その他の放送圏では普通にやってたんだよな。ただでさえ1週遅れに近い状態だったのに、どんどん差が開いていくのは大丈夫か。

 さておき、一週空いても割と切り替えに困らないのがこの作品。何しろ毎回やってることが突飛なので、前回のテンションを覚えていなくても多分問題無い。今回は今回で徹底的にダウナー。ほぼギャグ要素無しのシリアスだけで展開したのって、ひょっとして初めてなのではなかろうか。それだけに、ここが最後のターニングポイントってことなのかもしれない。ちなみに、切り貼りのために作画がしんどかったオープニングにもようやくオリジナルの画がついた。曲調に反して割とどっしりした映像だが、変身前・変身後が重なる映像はこの世界のあれこれを端的にまとめてあって割と好き。

 今回の要点は大きく2つ。1つ目は、延々地に潜り続けていた真野まりのようやくの覚醒、MMMの復活である。もう、この瞬間をどれだけ待っていたことか。やっぱりまりちゃんはウジウジしてるよりもあかんくらいにはじけていた方が可愛い。今回はメンバーとのノーガードの殴り合いもあって、実に溌剌としていて見応え充分だった。これまで隠遁生活を続けていたのは、てっきりファンの前で醜態をさらしたあの伝説のライブや、自分の不甲斐なさに対する総合的な鬱のせいだと思っていたのだが、直接の原因は萌との確執にあった。まさか、あのストーリー的には踏み台の1つでしかなかったキングトーチャーが、1人の少女にここまで大きな影を落とすことになっていたとは。窮地でブチ切れてみっともない本心をぶちまけるまりちゃんの悲壮さがゾクゾクするくらいに情けなくて、可愛い。それに対する瑞希の対応、そして一切ぶれない萌の懇願。どれもこれも、本音でぶつかり合っている親友だからこそ出来るコミュニケーションだ。まりの激昂、萌の必死の説得と、何度も泣かされそうになってしまった。結局、彼女たちも自分に無いものを他人に求め、うらやんだ結果の確執だったんだよね。まりは萌の純心に打ち砕かれ、その萌は呆れるくらいにまりのことを崇拝している。瑞希だって、まだ常識的だけど根っこは萌と同じだ。みんなメンバーが大好きなだけである。痴話喧嘩みたいなもんですがな。そして、オチに持ってくるのはゲロまみれのキスシーンってんだから心得てらっしゃる。戸松は今期無闇に百合百合しいなぁ。ブチ切れテンションの戸松、ほんと好き。

 そして、そんなハッピーエンドの裏では総理の陰謀による包囲網は着実に固まりつつある。残りのヒーローは全て捉えられ、収容所の中でそれぞれに思い悩んでいる様子。特に「首謀者」たるレッドアックス要は拘束具でグルグル巻きにされる念の入れようだが(まぁ、本当に超人的能力を持っているなら妥当な措置だが)、その女房にまでは手が回っていないのが彼の天性の悪運といったところか。政府は「全てのヒーローを捕らえた」とほくそ笑んでいたわけだが、おそらく「レディアックス」は過去にレッドアックスと共に活躍し、現在は引退しているヒーローなのだろうね。レジェンドの手引きで、残りのヒーローたちも虎視眈々と復帰を狙っているのではなかろうか。まぁ、その中にフラメンピンクが含まれるかどうかは微妙なところだが……要さん、やっぱり不倫関係はあかんよ(なお、本人にその意識はあまりなさそう)。

 唯一、未だ逃亡を続けていたもう1人の主人公、羽佐間。しかし、その忍耐もそろそろ限界。元々彼は正義のヒーローになりたくて頑張ってきたのだ。突然逃亡犯になってしまっては、心身共にやつれ果てるのも無理はない。テレビに引かれてふらりと入ったパン屋でも、最後の最後まで窃盗犯に身をやつすことを悩んでいたようだが、どんな状況においても、彼は法を犯すことなど出来ないのである。石原さんと一緒に移動していた今野が「彼は悪役が出来るほど頭が良くない。せいぜい正義のヒーローどまりですよ」と言っていたのがなかなかの慧眼である。どれだけ総理の悪行に怒りを募らせても、羽佐間は「法の執行者」と戦うことが出来ないのである。様々な戦いを続けてきたヒーローの最後の相手は、自分の中の矛盾との戦いなのだ。

 満身創痍の羽佐間はホームレスの老人に助けられ、迷い、挫けたこのタイミングで、憧れのヒーローサムライフラメンコの活躍を聞く。フラメンジャーを名乗り、政府の支援を受けたヒーロー活動を続けていても、彼の根源は、祖父の考えたなんちゃってヒーロー「サムライフラメンコ」に他ならぬ。そして、そのヒーローは、世界など救えなくとも、目に見える範囲で人のために働いてきた。今一度原点を振り返り、羽佐間は目を啓かされた。自分と同じ志をもって、頼れる仲間、助けてくれる友人がいることを思い出した。夜明けの町の中を、一路後藤の家へと駆ける羽佐間。今再び、サムライフラメンコ復活の時である。

 素直に良い話だったので非常に達成感があるのだが、唯一気になったのは、警察に事情聴取を受けた原塚さんの言動である。彼は元々製品開発にしか興味のない男ではあったが、彼は今のフラメンコについて何を思っているのか。最後の最後には協力してくれる立場になるのかなぁ。

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