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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 クッソワロタ、第6話。事ここに及んでこの緩みきったネタの連打。いいね、こういう空気の作品って、意外に無かったいいポイントだと思いますよ。

 前回のすったもんだで何とかフラメンコガールとの関係性も丸く収まり、サムメンコの回りには多少なりとも平和が訪れる……はずだったのだが、どうやら変態の回りには自然に変態が集まってくるのがこの世界。頭が沸いてるとしか思えないような連中が続々現れて、相変わらずマジなんだか漫才なんだか分からない展開を強要されるのである。

 今回はなんと言っても「狂気のマッドサイエンティスト」っぽい新キャラ、原塚の登場だろう。ずっとOPには顔を見せていたので一体誰なんだろうと思っていたら、まさかの博士ポジションに(勝手に)収まった。まー、確かに世の中には「ヒーローになりたい!」と暴れ始める奴が最低2人はいたわけだから、その回りに「ヒーローのサポートをして自分の開発した武器を試したい!」と思う奴がいてもおかしくはない。……いや、おかしいけども。しかもそれが文房具会社の社員というのもどこか抜けていて、サムメンコ最大の必殺技となったのはガハラさんもびっくりのホチキスヌンチャクによる拘束技。流石、サムライフラメンコは努力の人である。元々運動神経がそこまで良い方ではなかったと言っても、新兵器をもらった嬉しさから血のにじむような特訓をしたんだろう。マジでヒーローもので登場してもおかしくないレベルの必殺技に仕上がっていた。いや、正直言うと「ホッチキスをモチーフにした悪の怪人」が使いそうな技だったけども。その他、人がぶら下がっても安全で伸縮自在のメジャー、エアガン並の射出力を誇るボールペン、人体を支えられるのに簡単に剥がすことができるボンドなど、子供が憧れる夢のヒーロー用品がてんこ盛り。でもお高いんでしょう? 今ならケースも付けて!!

 もう、ぼちぼち細かいところに突っ込む必要も無い世界なんだな、っていうのが分かってきて清々しいですね。サムメンコもアホには違いないが、輪をかけてアホな仲間が勝手に集まってきて盛り上げてくれるのである。最初に集った要丈治が最も役立たずなのはナニだけども……いや、今回活躍していた羽佐間の基本的な体術はひょっとして彼が教えたものなのかもしれない。初期の頼りない様子からは想像も出来ないくらいに羽佐間がスマートに活躍出来るようになっているのが驚きだ。やっぱり習うよりも慣れかね。

 そして、もう1組の面倒な仲間(?)であるフラメンコガールズ。てっきり空中分解するかと思っていたのだが、ルビーの人もサファイアの人も案外乗り気で笑ってしまった。ルビーの人の方はあくまで友達とのお遊び、単なるエクササイズによるストレス解消くらいに思っている節もあるが、サファイアの方は完全に「ちょろい愛人」である。不審を抱いても、不満を持っても、キス一つで全てを許す。こんなアイドル、現実にも欲しいです。そして、台風の目となるフラメンコダイヤこと真野まりさん。多分1つのアニメの中でここまで執拗に男の急所を蹴り続けたヒロインは類をみないと思うが、その蹴り方、潰し方にも愛が溢れている(M目線)。彼女が性的過ぎることは、後藤に迫った時のあまりにも出来すぎた媚びの売り方なんかでよく分かる。流石に気味が悪いので引っかかる男が何人いるかは定かじゃないが、あそこまで露骨に誘惑されたら、もう据え膳で良い気がする。後藤はよくもまぁ、あんなに平然と袖に出来るもんだな。彼の一途さは今作で一番の美徳なのではなかろうか。

 その他、やっぱりちょっとどこかおかしいニュースサイト作成者や、やたら文房具に関する知識が豊富なチンピラなど、もう、世界全体が新喜劇でもやろうとしてるんじゃないかと思えるような整いすぎたコントの舞台。そうか、これってヒーローコントなんだな。そりゃ盛り上がりますわ。タイバニの後を受け継いだサムライフラメンコ。次なるミッションはいかなるものか。んー、とりあえずあれだけの事件になったんだから、少しは謹慎しといた方がいいと思うけども……。

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 イイハナシカナー、第5話。まぁ、全てが丸くは収まったのでいいと言えばいいのだが……やっておくこととしては前回で片付けておけよ、っていう。

 今回進行したのは大きく分けて3つの陣営がある。まずは当然羽佐間が頑張っているサムメンコの真の目標についてだ。レッドアックスのおっさんはハリウッドに呼ばれたとか言われてたからもう登場しないのかと思ってたが、あっさり帰ってきてた。サムメンコをパクってまで営業しなきゃいけないロートルの割には色んなところからオファーがくるもんである。てっきり本当に仕事がなくなった「過去の英雄」なのかと思っていたのだが、どうやら現役でもバリバリに活躍する存在のようだ。こうしてみるとますますもって藤岡弘、っぽいな。今回は羽佐間の部屋で偉そうにレッドアックスの映像を観て楽しそうにするだけの簡単なお仕事。まー、あの人の場合は別にレッドアックスが嫌いなわけじゃなくて、ド天然で全ての仕事を自分に良いように解釈しちゃうだけみたいなので、根本的には悪人じゃないんだろうけどさ。ちなみに、今回もたらされた新情報は、「レッドアックスは企画段階では相手を撲殺するレッドハンマーだった」という衝撃の事実。いや、確かに有るけどね、そういうことはね。サンバルカンがもともとプラズマンだったからオーロラプラズマ返しが残ってるとか、そういう話だろうけどね。何でいちいちそんな凄惨なヒーローばっかり思いつくんだよ。撲殺天使は確実に悪役でしかないだろ。しかもよりによってハンマーからアックスって、より猟奇度合いはあがっとるやないか。

 そんなおっさんは嵐のように去っていき、残されたのはガールのせいで生き甲斐(と知名度)を奪われてしまった羽佐間。全く活躍出来ないツーマンセルには辟易しており、後藤に泣きついてみるも「だから前回言ったじゃねぇかよ」という突っ込み待ちは確実。おかしいよなぁ、前回あれだけ苦渋の決断でガールと手を組んだのに、もうギブアップかよ。まぁ、だんだん危険の規模が代わってきてるから仕方ないんだろうけども。更に追い討ちをかけるように、せっかく決まった戦隊ドラマの撮影でも、憧れていた監督が非常にビジネスライクだったのでテンションが下がるという(非常に身勝手な)事件も。スタント無し希望とか、初対面の役者(モデルだけど)がいきなり脚本に手直しとか、そりゃアカンやろ、と言われるようなことしかしてないので、割と自業自得。監督の方も、「戦隊なんて子供のおもちゃ、遊びなんだから本気になるな」みたいな救いのない人物ではなく、あくまでも「自分の仕事の責務を果たすことに心血を注いでいる」という人なので、決して彼が悪いということでもない。むしろ、今回ガールと語らった「それぞれの正義」という概念が、監督と羽佐間の「戦隊観」にも現れた形でしかない。

 誰を責めるわけにも行かないこの状況で落ち込みまくる羽佐間。もうサムメンコの存在自体がピンチかと思われたが、誕生日のタイミングで、死んだじいちゃんからの遺品が届き、そこには「じいちゃん痛すぎるよwww」とおののかずにはいられない大量の手荷物が。いや、間違いなく凄いんだ。孫のために作り出した「口から出任せヒーロー」にどれだけ真実味を持たせるかを追求した結果、じいちゃんは企画書から本気で立ち上げ、大量の脚本、設定を残し、孫の人生にそれを託すまでになっていた。考えてみりゃこんな無茶な家族も無いだろうが、このじじいにしてこの孫あり。じいちゃんのアツい妄想戦隊スピリットを正しく受け継ぎ、羽佐間が再び立ち上がったのであった。うん、やっぱり良い話だったのかもしれない。じいちゃんの教えも、仮面のヒーローという形を取っている点に目をつぶれば、割と真っ当な倫理観を訴えているだけのものであるし、羽佐間がピュアに育ってくれたおかげで、二十歳の誕生日であっても、そのスピリットは受け継がれたのだから。これでじいちゃんの中の人が百面神官カオス様でなければもう少し感じ入るシーンになってたかもしれないんだけどねぇ。サムメンコの生みの親がカオス様で、フラメンコガールがキャンデリラって、もう完全にデーボス軍じゃねぇか。

 さておき、そんな羽佐間の奮起が1つ目のキーだとするなら、2つ目の転換はフラメンコガールの方。相変わらず自由奔放なガールであるが、やっぱり下僕のサポートが無いとどうにも面白くない。今までは寸劇形式で上手いことヒーロー・ヒロインとしてやって来られたが、武力一途のガールだけだと、ブレーキが効かない分ますますヒロインというより暴漢に近くなっていく。あげく、不覚にもピンチなんかを招いちゃうし、やっぱりどれだけ凶悪でゴッサムな武器を作ったとしても、単体での活動には限界があったようだ。羽佐間の助けを借りて何とかピンチを脱し、繰り出すツープラトンはどこで打ち合わせをしたのかもよく分からないダブルフラメンコキック。羽佐間は「鍛えてるわりには運動神経が悪い」設定だったはずなのだが、実に見事なキックであった。多分、じいちゃんの手紙効果でメンタル面が成長したおかげなのだろう。

 今週も相変わらずガールはやりたい放題。作中でほとんど半裸もしくは全裸というとんでもないヒロインなのだが、何故か風呂シーンも特にエロくないという残念な属性を持っている。乳もある上に百合要素まで持っているのに、この殺伐とした残念さは一体何に由来するものなのだろう(一目瞭然)。まー、執拗に野郎の急所だけを狙い続けるヒロインはアカンわなぁ。冒頭の乱闘シーンでは、金的どころかズボンひん剥いて○んぐりがえし状態にしてましたけどね。あれ、ひょっとしてステッキを尻に突っ込んだのでは……ひぃぃ。

 そんなヒロインも羽佐間が決別宣言をしてくれたので活動目標を修正。一体どんな説得をしたのか、グループの残り2人を巻き込んで「ガールズ」にパワーアップである。フラメンコダイヤ、サファイヤ、そしてルビー。んー、宝石モチーフってことはゴーグルファイブかな? はたして残りの2人はヒーロー家業をやるような体力や気力や時間の余裕はあるのでしょうか。どう考えても人質になる未来しか見えないが……ひょっとして残り2本のステッキもあの世紀末仕様なのかしら。一体どれだけ時間かけて魔改造したんだよ。ちなみに、今回まりがレコーディングしていた「ラヴ・リザベイション」は、前回彼女が70曲作ってきた新曲のうち1つだったりする。結局あんなんが採用されたわけか。まりちゃん、レコーディングのくせに振り付け大きすぎるでしょ。マイクで音拾いにくいからちゃんと顔は固定して歌いましょうね。警察官抱き枕にしがみついて転がるシーンが無闇に可愛かったです。

 そして、今回変化した最後の1人は、フラメンコ軍団に迷惑かけられっぱなしの後藤さんである。「非認可正義行動相談室」という身も蓋もない見事なお役所的お仕事を任されてしまった後藤は、回りの先輩たち同様に「どないしたらええねん」ってな感じでの対応だったわけだが、後藤に構いっぱなしだったから彼女も最近素っ気ないし、羽佐間が頑張ってるのは知ってるので、警察側からも少しは協力してやろう、ってんで、対策といいながらも何とかサムメンコといい関係性を作るための企画案を製作し始めた。いや、普通に考えたら警察組織がそんな柔軟な対応に出られるはずもないんだけど……やってあげるだけでも大事よね。

 一応、これで少しは羽佐間にとっていい方向に向かうのかなぁ……正直、ヒーローオタクなんだから戦隊にゲスト出演出来ただけでも相当な幸せ者だと思うんだけどね。ちなみに、今回新たに出た新情報をまとめて置くと、現在放送中の戦隊は「無敵楽団アンサンブルー」のようだ。前々回ショーをやっていた「先手必勝ギャラガーファイブ」は去年の戦隊だったということか。「アンサンブルー」は、それぞれが楽器を持ちながら悪の集団バッドチューニングと戦う戦隊で、レッドの名前は「トロンボーイ」。戦隊レッドのくせに戦隊名も「レッド」もついていないという、非常に珍しいネーミングである。この名付け方だと、他の色の連中はどういう名前なのだろうか。ちなみに、持っている楽器は赤がその名の通りトロンボーン、青と緑がトランペット(的なもの)、黄色がチューバでピンクがホルンである。一体どうやって戦うんだろう。コクバンギギギーが可愛い怪人だったし、演出もギャグ寄りだったから、多分かなり軽いカーレンジャー的な連中なんだろうなぁ。ちなみに、すげぇどうでもいいついで情報だが、この世界におけるAmazon的な輸送業者の名前は「m9zama」という。もう、完全にプギャー前提の名前じゃねぇか。

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 変態戸松キター! 第4話。ほんと、戸松が魔法のステッキを持つと決まってろくな機能がついてないよな。

 サブタイトルから「うわぁい! エロい回に違いない!」と小躍りするわけだが、実はこの「アイドル」が目的語ではなく主語だったというトリックにしてトラップ。同じようなサプライズは「血染めのユフィ」でもあったかもしれない(流石に一緒にするのはどうかと思った上にネタバレである)。今をときめくアイドルが容赦無く悪人もそうでもない人も片っ端からたたきのめし、タマ○ンを踏みつぶすというある意味ご褒美プレイ。流石に見ている方も背筋が凍る。そこまでゴールデンボールに拘る理由は一体何なのか。魔法少女ヒロイン恐るべし。

 というわけで、今回は爆裂ヒロイン真野まりのデビュー戦となる衝撃の1話。いや、前回のおっさん登場も相当衝撃だったとは思うのだが、おっさん、なんとわずか1話でハリウッドからのオファーが来ていなくなってしまった。てっきり冒頭部分の「師匠!」「弟子!」のやりとりからこのまま司令官ポジションみたいな鬱陶しいスタンスになるのかと思ったのだが、杞憂だった。あの人、基本的にいても邪魔なだけなので、さっさといなくなってもらった方がありがたいのは事実。まぁ、羽佐間はちょっと困ってしまう事態になったわけだが。結局、サムライフラメンコの「実力不足」は生兵法で解決するはずもなく、多少レベルが上がったからってすぐに新しいステージに突入したらそりゃぁ返り討ちに遭うに決まっている。イオを覚えたからってさまようよろいに戦いを挑むのは無謀、まずはアルミラージの攻略からだ。まぁ、ひったくり犯はそれなりにレベルの高いミッションだったとは思うけども。

 サムメンコの窮地をどのように見ていたのかはよく分からないが、颯爽とデカい車で登場した新たなヒーロー(ヒロイン)フラメンコガール。あの衣装でハンドルを握るミスマッチに乾いた笑いが隠せない。筆記で7回も落ちるような奴はちょっと危ない。衣装についても、サムメンコと違って顔はほぼ見えている。一応ウィッグでごまかしてはいるが、その特徴的な声は隠しようもないし、乳に至っては隠そうともしていない。いっそ露出した方が本業のアイドル活動とは印象が違うからばれない、っていう狙いなんだろうかね。まぁ、羽佐間だってあんな適当な変装でばれてないから、そういうお約束の世界なのだろう(いや、羽佐間はバレてるな)。サムメンコにあってガールにないものは「良識」。逆にサムメンコが持っていなくてガールだけが有しているのは「武力」。いつの間にか「大魔法峠」のような武闘派アイドル魔法少女が爆誕していましたとさ。

 真野まりの趣味趣向については、彼女の私室を見れば大体理解出来る。彼女の正体は「魔法少女オタク」であり、自らセーラームーンやプリキュアのような活躍がしたくて、サムメンコが作り上げた土台と名声をそのままそっくり強奪した形になる。あれ、でも彼女って確か撮影スタジオで羽佐間の「レッドアックス」を聞いて彼の趣味や正体に感づいたんだよなぁ。魔法少女オタクだけど、ある程度は特撮もフォローしているのか。ひょっとしたら単なる「東映作品ファン」とかか。プリキュアの片手間でライダーや戦隊を見ていても納得出来るけどさ。でも、その場合に杖に煙幕やスタンガン、モーニングスターなんかを仕込むものかどうか……ある意味田中ぷにえよりも極悪といえるかもしれない。一番近い魔法少女は……エスカリボルグのドクロちゃん?

 しかし、羽佐間は彼女の8割方脅しとしか言えないチーム契約を悩みながらも承諾し、いつの間にやらフラメンココンビはセット販売で(主にガールの方が)より凶暴な悪を撃つ危険な仕事に進出していく。ガールの無体な武力のおかげで何とか成立はしているが、確かに、このレベルまで来ると「正義のヒーロー」っていうか、「もうひとつの暴力団」みたいになってる。そりゃ住民から苦情も出てくるだろう。可愛い女の子キャラってことでごまかしてるけど、やってることは暴漢と一緒だからな。しかもタマ潰されるしな。もう、相手をボコボコにしてるときのガールの嬉々とした表情が恐ろしすぎてたまりません。「信用でっきなーい!」のところとか、もう、単なる戸松だけども。やっぱり戸松キャラは活き活きしてる。危険なエネルギーに充ち満ちている。

 そして今回のオチは、実はまりちゃんは制服フェチでした、という斜め上の方向性。おかげで、新曲は変だし後藤には惚れるし、エラい騒ぎだ。まりちゃん、惚れるのは構わないけど、そいつ飯食いながら片手で手紙読むような行儀悪い奴だよ。

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 名前はジョージなのに声は十郎太という矛盾を抱えた第3話。そこは嘘でもいいからジョージ中田じゃねぇのか。特撮キャラ的にも。

 相変わらずのユルさがずるずるとたまらないお話。ほんとに羽佐間のやってることも、それを取り巻く連中の思考も適当極まりないのだけれども、ぬるぬると通り過ぎるテンポが気持ちよくて、思わず笑ってしまう。今回出てきた要丈治なんて、やってることだけ考えたら本当にひでぇ奴だぞ。人の話聞かないし、割と露骨に商業目的でパクってやがるし。それなのに羽佐間が「ヒーローだった」と言ってしまうだけで、何となく尊敬されていた過去も分かる気がしてしまう。多分これって、日本に脈々と根付いた特撮文化の下地をこっちが勝手にイメージしてしまうせいなんだろうな。「特撮デビューして、アクションを売りにして現在もアクション俳優」っていうと、やっぱり大葉健二や春田純一イメージあたりなんだけど、17年前に特撮デビューってことは、年齢的に現在近いのは昭英とかになるんだろうか。まぁ、キャラ的には(ビジュアルも)ほぼ確実に藤岡弘、だけどな。あのド天然キャラで勢い任せにキャラパクりから返上までの流れをやられると、本当に「どさくさに紛れて」って感じで定番の「偽物エピ」を片付けてしまったということになる。

 基本的に、ジョージが言ってることも(倫理的に問題があるとはいえ)特に間違っているわけではない。「力こそが正義!」なんていうと悪役っぽいけど、本来羽佐間がやろうとしていた草の根正義運動を本当にやりたいのなら、知名度が高く、よりリアルヒーローに近いフィジカルを持つジョージがおおっぴらに活動した方が、いくらか効果はあるだろう。似たようなモチベーションでノリノリの大先輩がおり、そこにすんなり入れ替わりが成立するならば、マジでそのままフラメンコ名義を譲り渡してしまっても良かった可能性もある(まー、動画見てた一般人があの入れ替わりに気づけないはずがないとは思うが、今のネット文化なら「またマスゴミのねつ造か」で片付くだろうしな)。しかし残念ながら、羽佐間の目標は活動目標にあるのではなく、ヒーローとしての存在そのものにある。どれだけ無謀な勝負でも、どれだけ憧れの先輩が相手でも、やはりフラメンコを名乗り続けるしかないのである。「今のフラメンコにはそれしかできないから」という弱々しい訴えが何とも不憫であるが、これこそが、彼の現在の立場を一番よく表した台詞といえるのではなかろうか。

 結局、ジョージのよく分からないキャラのおかげで、ドタバタしながらもフラメンコの地位は羽佐間(と後藤?)のところに帰ってきた。古参ヒーローレッドアックスのお墨付きとなり、正式に「ヒーローの弟子としてのヒーロー」になったことでひょっとしたらステージを1つあがれたかもしれないサムライフラメンコ。結局身体能力などは一切変わっていない状態で、有名税ばかりが増えていく状況だが、羽佐間は今後も続けていくことが出来るのだろうか。最終的に、地上最大の敵が石原さんになりそうで怖えぇ。

 ちなみに、すげぇどうでもいい話だけどせっかくだからこの世界の特撮ヒーローを確認しておこう。冒頭で羽佐間たちがショーを観戦していた5人戦隊(赤・青・黄色・黒・ピンクのスタンダードな構成)が、「先手必勝ギャラガーファイブ」。メットには¥マークのシンボルがあることから、どうもお金絡みのヒーローのようである。作中時間である夏にショーをやっていることから考えて、現在放送されているのはこのギャラガーだと思われる。その他、テーマソングが用意されているのが今回話題になった「武装超神レッドアックス」で、こちらはジョージ単体の1人ヒーロー。時代不明だが同様に1人ヒーローなのが1話で羽佐間が盛り上がっていた「真剣介錯ハラキリサンシャイン」である。多分、この斧と刀のヒーローがこの世界の仮面ライダー枠だと思われる(そう考えると、ジョージが藤岡弘、リスペクトなのも納得がいく)。そして、Cパートで後藤たちがカレーを食っていた戦隊が「超楽団アンサンブルー」(赤青黄緑ピンクの5人)。タイトルから考えるとブルーが主役みたいに見えるが、マスクのデザインを見るとレッドが四分音符なので、やっぱりリーダーはレッドか。イエローのマスクデザインが三連符なので割と気持ち悪いデザインである。「マスクに音符が描かれた戦隊とかwww」と笑いそうになったが、冷静に考えると実在してたんだから恐ろしい。あと、カレー食べるイエローが少ないのも事実ですね。多分一番食ってたのってバルパンサーだろうけど、シリーズ中のカレーの総量だとアバレンジャーも互角ぐらいか?

 なんか必要以上に戦隊のコトが気になっちゃう作品ですね。アニメの話に戻すと……戸松が今回台詞ほとんどなかったのに出てたのがちょっと笑った。お菓子食べてる「もぐ」っていう音と最後の「違うッ!」だけ。まー杉田も着実に台詞が減ってる気がするんだけど、それでも一番おいしいところ持っていくから存在感は相変わらずなのでね。「やべぇ、チョー気持ちいい」。分かります。

 そして、ほんの一言でも確実に分かる、モブ・井澤詩織の存在感。特徴のある声って、声優業なら正義だよなぁ。

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 よっしゃ、ちゃんと面白い、第2話。1話目の散々腰が砕けるテイストがどのくらい続くのかはオリジナルもの故ハラハラではあるのだが、少なくとも2話目も充分アホだった。このヌルッとした雰囲気はいいオリジナリティだ。

 誰がどう呼んでみても格好悪いに決まっているサムライフラメンコ。羽佐間は一切躊躇せずにその名を声高に叫ぶが、当然誰一人としてそんな志を理解してはくれない。前回の中学生たちみたいに面と向かって反抗してくれればまだ大義名分の振りかざしようもあったのだが、冒頭のゴミ捨ておばちゃんみたいにのらりくらりとかわされてはどうしようもない(正義の味方だから暴力に打ってでるわけにもいかないし)。こうなっちゃうと、本当に単なる変態タイツ男。挙げ句痴漢まがいの誤解まで受けてしまっては、もう寄る辺がない。

 そんな窮状を変えるための第一歩が、今回の傘事件である。まず、居酒屋の一件で、冷めた目で見ていた後藤を仲間に引き込む。まぁ、多分に酔っていたせいもあるのだろうが、少なくともあの一瞬、後藤は羽佐間の主張に共感することが出来た。そして、「電車おっそ!」と突っ込まざるをえない圧倒的自転車爆走チェイスの果てにたどり着いた傘の奪還劇がネットに上がったことにより、多少なりとも羽佐間の熱意は市民に伝わることになった。これまでの1対1の対話では不審すぎてスルーされていた謎のタイツも、動画サイトにアップされる奇特人間として見ると、なるほど面白いかもしれない。どれくらいブームが続くかは分からないが、意外なところから報われる(?)形になったわけだ。

 そして、少なからず表に出始めたことにより、「サムライフラメンコ」周りはにわかにきな臭さが増している。一番怪しげなのは「ニュースサイト運営者」を名乗る軟派な男。おそらくあの撮影スタジオで1回見ただけだろうに、動画の情報だけからサムライフラメンコの正体に感づいたのである。流石にあれだけ親密にしていたマネージャーが気付かねぇ方が問題な気もするが、そのあたりは羽佐間の必死のイメージ戦略のおかげなのだろう。ヒーローオタクであると知らなければ、あんな変態と自社のイケメンモデルが同一人物だとは気付かなくても仕方ない……って、羽佐間は石原さんが「ヒーローものとかものすごく嫌うんです」と言っていたということは、一度は彼女にそうした品を見せているということではなかろうか……まぁ、たった一本のレッドアックスですぐにばれそうですけどね。石原さんは良いキャラだな。俺も顔面わしづかみにされたいです。

 さらに、一緒に仕事をしたアイドルグループ「ミネラル☆ミラクル☆ミューズ」の中心メンバー(仮称戸松)にも、緊張をほぐすための特撮ソングで感づかれた模様。あの子も特撮ファンなのねー。しかし、レッドアックスのテーマ、流石に物騒すぎやしないかね。「KILL & BREAK! KILL & BREAK!!」て。ちなみに、前回放送された「ハラキリサンシャイン」のメインテーマの歌唱は宮内タカユキ、今回羽佐間が歌っていた「その名はレッドアックス!〜武装超神レッドアックスのテーマ〜」の歌唱は串田アキラである(公式で視聴可能)。どこの世界でも特撮といったらやっぱりこの2人よ。ちなみに、「ミ☆ミ☆ミ」の中の人についても、1人はゴーカイイエロー、一人はキャンデリラの中の人なわけで、割と特撮に縁の深いグループといえるだろう(もう1人は新人っぽい)。

 2話目だというのに色々と刺激が多くて退屈しない展開。相変わらず馬鹿馬鹿しくてついていけない人は引っかからないシナリオな気もするが、こういうどうでもいい事を真剣にやれる脚本は大好きです。「しょうもなさ」を前面に押し出すために、日常の些細な描写にいちいち気を遣っており、居酒屋のシーンなんか、普通のアニメでは間違いなく飛ばすであろう「入店してまず飲み物を聞かれる」描写とか、「ボタン押して店員呼んで生中追加する台詞」とか、いちいち時間を使って書いている。こういうどうでも良さが、後藤さんや羽佐間との距離感を縮めてくれているのである。おかげで後藤さんが本当に「一般人代表」に見えるんだよね。夜のゴミ出しはね……いや、駄目なんだけどね……。

 そうそう、ゴミ出しは「ごめんなさい……」と思って見てしまうが、一つ「ええんかい」って思ったのは傘なんだよなぁ。今回メインテーマになった傘のお話。流石に私も「他人の傘を取るのが怖いから傘をささない」なんて生活は出来ないが、後藤さんがサラッと「傘を取るくらいなら誰でもやる」みたいなこと言ってたが……いや、アカンやろ。ゴミ出しはしてしまう私だが、傘はとれんぞ。自分の傘がなくなってたらしょんぼりしながら最寄りのコンビニに駆け込むわ(自転車がなくなってたら雄叫びを上げる)。窃盗までいくといきなりハードル上がるだろ。その辺の倫理観で何が「一般的」なのかはよく分からないけどさ。そういう意味では今回のお話はどっちかというと羽佐間目線で見てしまった。「緊張したら特撮ソング」も実は割とあるシチュエーションなんです。なるべくアホで恰好いい歌詞の方が良いので、こういうときに便利なのはダイナマンです。

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  サイモンうるせぇ、第25話。テレビ未放送でDVD特典として収録された今作、故あって割と早めに見ることが出来ました。いやぁ、久し振りのデュラワールドに、お腹いっぱいです。

 物語としては、本編で巻き起こった激動の事件の後日談。(かりそめの?)平和が戻った池袋を舞台に、これまで登場した大量のキャラクターたちが元気いっぱい、常識皆無の状態で暴れ回っている様子をただただ描き続けるだけの、本当にお祭り騒ぎのエピソードだ。内容が内容なので本編の時に見せたような張り詰めた緊張感や、思わず唸ってしまうような見事な伏線なんてものは見受けられないが、その代わりにあるのはあまりにも賑やかな大量のキャラクターによる群像劇のごった煮パーティー。これだけのキャラクターが野放図に走り回っているにもかかわらず、シナリオラインとしては全く破綻を来さず、見事に「ある休日」のお話になっているあたりは、この作品のスタッフの手腕を褒める以外に無い。ホント、よくこの作品の脚本で統制がとれるものだ。

 まず、ほぼ全てのキャラクターに出番があり、ワンポイントの登場でもばっちりイカれた雰囲気を出してくれているだけでも驚嘆に値するもの。流石に紀田の出番だけはあんまりなかったけど、個人的にはちょこっと出てきただけなのにマッドな雰囲気がインパクト充分な矢霧姉弟がお気に入り。波江さん、そのテレビは臨也の家のものだよね……そして張間美香さん、日本には放送コードというものがあって……って、こいつらに何を言っても無駄だわな。

 他にも最後の締めで美味しいところを持っていった葛原や、全国のDVD購買層である腐女子の意見を代表して受けだの攻めだの連呼してくれた狩沢さんを含むチームダラーズ。相も変わらずいちゃいちゃっぷりが目に毒なセルティ・新羅夫妻も愉快。もう、新羅はセルティのタイプした文字列なんて一切見てる描写が無いんだよね。絶対に声が聞こえてるんだわ、あれ。ラブですなぁ。そして、そんな中でも一応主人公らしく最愛の人との関係性を発展させたのが、一般人代表の帝人。テレビのインタビューに対して気が利かないってレベルじゃない応対だが、その木訥な態度は園原さんにも高評価。園原さんがやたら可愛らしかったので、こちらのカップルも素直に祝福したくなります。急なピンチにちょろっと覗く罪歌もご愛敬。

 そして狩沢をして「池袋一のベストカップル」と言わしめた臨也・静雄のコンビ芸。世間のニーズを鑑みてか、この2人の怪獣大戦争が一番尺を取ったシーンになっており、なおかつ動画の質もかなり充実したいかにも映像特典らしいパートである。本放送の間はある程度守られていた「ギリギリの現実感」は今回全く機能しておらず、大量の交通標識を突き刺して展開される脅威の空中戦は馬鹿アクションの極み。静雄の馬鹿力スキルは前にも色々と描写があったが、臨也の一体どこから湧いてくるのか分からない謎の投擲術は、もう格好良さだけを優先させたあり得ないネタになっている。刃物連打でどんなものでも破壊するって、どう考えても臨也の方が静雄よりも強いよな。もちろん、冒頭で静雄が言った「ダンプに轢かれて〜〜」のくだりを臨也が踏襲してみせるあたりが、この2人のいつも通りの流れである。そういや突如新キャラ(だよね?)の臨也シスターズが登場していたが、特に何もしないまま終わってしまいました。ま、百合百合しいパートがあったから良しとするか。中の人が喜多村英梨っていう時点で化物語のファイアーシスターズを思い浮かべるのだが、片割れが井口ではなくてひーちゃんだった。井口だと思ったら金元……ハッ、これはイカの呪いじゃなイカ?

 ま、冗談はさておき、最後に残された1キャラは、本編でそこまでスポットが当たらなかった静雄の弟、羽島幽平。今回の「バカ騒ぎエピソード」を1本のシナリオとしてまとめる際に、彼が最も重要な基盤をなしているのが、脚本の上でのポイントである。要所要所でチープな煽り文句を挿入することで、池袋の街中で起こった様々な超常現象が「テレビの中のフィクション」に落とし込まれるという演出が、今回特有だった「現実感のなさ」に免罪符を与えることになるし、幽平のナレーションによって1つ1つの騒動が区切られることにより、本来ならば収拾が付かないはずのバカ騒ぎの多元構造が、いつの間にか「1本のテレビ番組」として収斂するような錯覚を与えるようになる(もちろん、実際は無茶苦茶なのでちゃんとドタチンが突っ込んでいる)。この「テレビ撮影」というシチュエーションを完成させた時点で、このシナリオは成立したわけだ。お見事である。

 今回のコンテは、「禁書」で罰ゲームエピソードなんかを担当してちょっと気になっていた川面真也という人。こういう賑やかなものを強引にまとめる手腕に長けているのだろうか、今後も注目してみたいところだ。そして、様々なテレビ番組のパロディを繋いでも1つの世界観を維持し、最終的には「結局いつもの池袋」という不思議な親近感に帰着させてくれるのは、やはり大森監督のディレクションの力と見ていいのではなかろうか。様々なテレビのつぎはぎというと、最近だと「海月姫」のオープニングでも見せてくれた印象的な手法。このあたりの「落とし前の付け方」が本当に上手くて、賑やかさだけを前面に押し出した頭空っぽ状態で楽しめる画面作りが徹底しているのが嬉しい。今回はアクションシーンを中心にキャラクターのデザインもかなり崩し気味の表現になっていたが、「崩れ」というよりもどこかユーモラスな「崩し」になっているのも意図的な部分なのだろう。この作品ならではの、面白い変化球である。

 今回のエピソードでもって、一応このテレビシリーズは完結ということになる。だが、どうやらまだ原作は残っているようだ。今後、またこの胡散臭くもどこか近しさを感じる池袋の街に、ご厄介になる日が来るかもしれない。それまで、我々は交機に気をつけながら待ち続けるのである。

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 日常に帰る、最終話。何が起こるかと目を見開いて見ていた最終回でしたが、実に見事に、何も起きませんでした。何も起きないからこそ、大団円というのかもしれない。

 「紀田が組み 法螺田が増やした黄巾族 座りしままに潰すドタチン」。帝人・紀田・園原の三つどもえが収束した集会場で事態をぶち壊したのは、ギリギリになって法螺田の正体に気がついたドタチンだった。

 「今だ! 裏切れ!」というよく分からない合図を皮切りに、偽りの黄色をまとったダラーズたちが、同じように黄色く擬態したブルースクウェアを駆逐していく。あの状況ならばセルティがいたので仮にドタチンが気を利かせずとも帝人たちは無事だったろうが、一瞬で問題の中心である法螺田の武力をぶち壊したのが「色がないが故に忍び込むことが出来た」ダラーズであったというのは、帝人を中心とした物語の終点としては分かりやすいもの。まぁ、過去と現在の事件を見る限り、結局一番男前だったのがドタチンだった、というエンディングなんだけどね。「狩沢と湯馬崎は目立ちすぎるから置いてきた!」とのことだが、それだと平気で連れてこられた渡草が「お前は地味だから来い!」って言われたのと同義だった気がする。そして、実際モブっぽかった。

 逃げ切ろうとする法螺田を追い詰めたのは、まずはセルティ。黒バイクのいななきは、池袋という街の「怪しさ」そのもの。法螺田の狼狽ぶりには同情すら覚える。続いて出現したのは、狙撃されたことを全く意に介していない静雄。標識によるマサカリハンティングは、池袋の持つ「暴力」の象徴であり、ダラーズの武力の結集。

 そして、心神喪失状態の法螺田にとどめを刺したのは、ひさしぶりに登場した葛原警官。「法規をなめんなよ」の決め台詞とともに、きちんと悪に対して「決着」を叩きつけてくれました。結局、法螺田という害悪を排除したのは、黄巾族の武力でも、ダラーズの結束力でもなく、池袋という街そのものが持つ自浄作用であった。「都市伝説」→「街の最強」→「公僕」という連繋により、それがくっきりと浮き彫りになったかたち。このカーチェイスのシーンの法螺田の表情は、この作品では珍しいくらいに崩れたデフォルメでグダグダになってて、シリアスな空気にはそぐわなかったのにちょっと笑ってしまった。

 そして、法螺田が処分出来たら、残されたのはこの街最大の悪意(愛情?)、折原臨也。黄色が無色に飲まれて消えて、残された「色」といえば、園原の目の放つ鈍い「赤」と、臨也のトレードマークのコートの「黒」になった。薄闇の中で、拳銃の回収を理由にして、臨也は“罪歌”園原と初対面を果たす。これまでのような受け身の態度とは違い、「あなたを斬ります」と意志を明確にする園原だったが、このあたりまではあくまで臨也の想定の内。「罪歌の愛情なんかよりも、自分の愛情の方が上だ」というよく分からない人ラブ合戦の宣戦布告をし、臨也は闇に消える。臨也にとっては、紀田が(というか沙樹が)手元を離れ、ダラーズも帝人やセルティの警戒心によって扱いづらくなる今後は、罪歌も無視できない脅威となるであろうことは想像出来るわけで、それを見越した面通しといったところだろうか。結局、臨也は今回の騒動を全て自分の盤面の中で動かしきり、表舞台において「負け」の要素を掴まなかったわけだ。

 でもまぁ、それはあくまで上っ面の話。先週、臨也の命令を受けず、個人の意志によって行われていたのは2人の女性の手による電話。矢霧波江は、ダラーズの真実を法螺田に伝えることで、最後のトリガーを引く役割を果たしていた。波江さん、大人しく引き下がったようにみえて、やっぱりダラーズが気に入らなかったご様子。そして、本当のイレギュラーは、ついに自らの意志で臨也を裏切った、三ヶ島沙樹によるサイモンへの電話。池袋を愛するサイモンは、臨也の度の過ぎたお痛を許す気にはならない。でも、優しいロシア人は、全身全霊のワンパンチで臨也を解放した。臨也がぶっ飛んだ先にあった「LOVE」の文字が、2人の価値観を浮き彫りにした奇妙な腹の探り合いを象徴しているようで面白い。

 三ヶ島沙樹の反乱は、悪夢から解放された紀田に伝わる。ベッドに横たわった紀田も、それを見守る沙樹も、身にまとっているのは「真っ白」な病院の治療衣である。2人の間には、もう黄巾族も、臨也の影も残ってはいない。許し合い、理解し合い、2人はそのまま姿を消した。

 どれだけ本人の意志に反していようとも、流石に黄巾族が池袋で暴れた事実は消え去るものではない。なあなあのままで3人の日常に戻るのではなく、紀田がけじめをつけて池袋を離れたことは、素直に評価したい結末である。そして、そんな紀田の自分勝手な決意に対して、「待つ側」に回った帝人と園原も、ちゃんと理解を示している。確かに寂しくはなるだろうが、紀田はいつだって、自分たちの知っているあのいい加減な紀田正臣なのだ。いつかひょっこり、最愛の女性を連れて戻ってくるに違いない。

 その他の面々は、また再び日常へと戻っていく。静雄はいつものように自販機を放り投げ、湯馬崎と狩沢は渡草のバンに等身大ポップを担ぎ込んでいる。矢霧誠二と張間美香はこの後も離れることはないだろうし、それはもちろん、新羅とセルティにも同じことだろう。そして、帝人と園原も……

 

 エンドロールはなんと4分割の画面でこれまでのシーンがプレイバックされるという実に忙しい画面。数多くのキャラクターが入り乱れて築き上げた群像劇なだけに、このエンディングは「全員が主人公である」ことを示唆するものであろう。毎度毎度視点がコロコロ変わるこの作品の締めとしては、一貫性があって実に分かりやすい。

 正直、今回のラストエピソードの「何も起こらない」という展開はちょっと肩すかしではあった。もちろん、何度も言うように「後日談はたっぷり時間を取って」という理想の展開だったので文句を言うつもりはないが、法螺田が最後にあがきもせずにやられるべくしてやられ、臨也もそんな現状にただ満足して身を引いたのが予想外だった。結局セルティの首を巡る「闘争」とは何だったのか、という部分は一切解決することなく、池袋大決戦は幕を下ろしてしまったのである。まぁ、原作は続いている作品だし、首の問題は最後の最後まで残るべきものであろうから、この幕引きは必然的なものだったのだろう。特に尻切れトンボというわけでもなく、事件は事件として解決を見たので、落としどころとしては及第点だと思う。ま、帝人達3人の絡みはもう少し時間を割いて見せて欲しかったという気はするんだが、ありきたりの友情トークをダラダラ流されても蛇足になるだけだしね。友情を確認するパートは、チャットの「ルート3点」くらいのバランスで丁度良かったのかも。

 最後に狩沢さんの活躍シーンがなかったのは不満だが(いや、当たり前なんだけどね)、個人的にはセルティが最後の最後で意味の分からないサービスをしてくれたので結果オーライ。どうするよ、みゆきちボイスで「誘ってんのよ」なんて言われた日にゃぁ。あの後晴天の下で新羅達2人が何をしたのかは考えないことにします。

 終わってみれば、案外後腐れもなく、後味もそこそこにすっきりと消えていく、そんな印象の最終回。あたかも色を無くしたままに日常に回帰するダラーズのごとく、この作品は終わっても、池袋の日常は続いていくのだろう。そんな、ちょっといびつな「日常系非日常」はこれにて閉幕。今はただ、スタッフ一同にお疲れ様と。 

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 決意が集う、第23話。水は低いところに流れるとはいうが、まるで神の手のなせる業のように、3つの戸惑いは決意に変わり、気付けば一所に収束している。迷いに迷った水の行く先は、「ブルースクウェア」という名の青い決戦場である。

 端的に言ってしまえば、次回の最終回のために助走を付けるエピソード。これまで散々迷い、謀られていた3人の「首領」たちは、法螺田という名の大きな悪意を前にその全てを捨て去り、自らの信じる道を歩むこととになる。

 まずは帝人。他の2人が激動の世界に身を委ねている中、彼だけは自宅の布団で耳を塞いでいた。前回行った「ダラーズの解散」という判断は彼なりに真剣に考えた結果のようであるが、やはり「色の無いダラーズは、こうしてまた色を失っていくべき」という彼の言い分は詭弁に聞こえてしまう。結成された状態、つまり前回の園原を逃がすパートのような状態でも、ダラーズは色を持たないままであったはず。それを、ここで改めて「色を無くすために解散する」というのはいささか都合が良すぎる。確かに、解散宣言を出したことはおそらく黄巾族には伝わるだろう(ダラーズとの掛け持ちメンバーはいるだろう)が、それは消極的な対策を講じることで完全に暴力に屈してしまったことになり、あれだけダラーズを守ろうとしていた帝人の行動としては情けない。

 ただ、あの判断は彼が「何も知らなかった」が故のものであることは考慮しなければならなかった。「自分が作ったダラーズなんてお遊びのせいで園原や街の人間が傷ついている」という大きすぎる問題を抱えた時、帝人は正直何もできやしない。せめてもの抵抗として、「解散」という選択肢を選ばざるを得なかったのは確かであり、そうできたのは、彼の勇気の表れである。

 そして、今回そんな彼にもたらされたのは、セルティの持ち込んだ「全ての真実」。園原のこと、そして紀田のこと。ダラーズを解散した今、帝人に出来ることは何も無い。力も、数も、今まで使えたものは全て捨てたのだ。それでも彼は、悩むそぶりすら見せず、セルティに従って走り出した。「自分の問題」と思っていた悩みは、紀田や園原といった「他人」も全く同じように抱えていたことを知ったのだ。これは既に、ダラーズが自分だけの問題じゃないのと同じように、池袋の全てが、園原の問題でも、紀田の問題でもなくなったということ。全ては、3人の問題になった。「どんなに嫌なものでも見る覚悟がある」との返事は、何も出来なかった不甲斐ない自分に、ようやく何か出来るかもしれないという、かすかな望みだ。

 静雄の来訪によって、黄巾族が遂に一線を越えてしまったことを知った園原も、これまでのような「額縁」を生み出すことなく、いつの間にやら走り出していた。彼女の頭にあったのは、紀田への絶望感のみ。自分のこれまでの行いで、紀田は遂に行くところまで行ってしまった。こうなっては、今更罪歌の子供のこと、自分のことを気にしている余裕は無い。「自分の問題」の枠を飛び越えてしまった紀田を何とかせんと、園原も単身、「罪歌」としての使命を果たしに向かう。すんでの所で紀田の命を引き留めた「罪歌の命令」は、園原の信念が通じた起死回生の一手。

 そして、法螺田の反逆ののろしに、「過去の追従」を決心した紀田正臣。サイモンには今生の別れを告げ、彼は歩き出す。あの日、三ヶ島沙樹を目の前にしながら動けなかった自分、そんな過去から逃げだそうと背中を向けていた自分。過去に押しつぶされぬよう、真っ二つに引き裂いたブルーの波の中を、一歩一歩踏みしめるように歩いていく。あの日は歩けなかった。それでも、今は真っ直ぐに歩くことが出来る。

 法螺田を殺す決意、つまりブルースクウェアを殺す決意というのは、自分が死ぬ覚悟をするとともに、あの日果たせなかった沙樹への贖罪と、過去の自分をも殺さんとする、二重の死の決意。一度は頭に一撃を食らった彼が一瞬のこととは言え立ち上がれたのは、その決意に、後ろを向くという選択肢を与えられなかったため。自分が死ぬとしても、守るべきは今の仲間たち。貫くべきは、過去に朽ちた勇気。紀田の決意は、最も確実に、たった1点の突破口を見据えている。

 結局、全ての決意はこの場所に集まった。紀田を止めようと駆けつけた園原が見たものは、血に伏した彼の姿。その一瞬で、彼女も全てを悟っただろう。そして、最後に登場したのは帝人。彼の思い、紀田への友情と園原への愛情。この2つだけは、何が起ころうとも変わらぬものであり、絶望にうちひしがれた2人を救うことが出来る唯一のものであろう。また学校に戻って、あの日常を送れるようにするために。

 もう、野暮なことは言わずに次回を待ちたいですね。今回強いて面白かった点をピックアップするなら、例えば撃たれても元気な静ちゃんの姿。気付け気付け。そして、セルティに電話をする新羅、というのも地味に面白い。完全に一方通行の通話って、ものすごくストレスが溜まりそう。セルティもメット被ったまま携帯持ってて伝わるものなんでしょうかね。また、これまでしつこすぎるくらいに気にしてきた「色の問題」も、今回は収束の様相を見せた。3人が集まったブルースクェアの集会場は、黄巾族の黄色を基調としつつも、法螺田の後ろの照明などは、黄緑色に発色している。黄色が緑に変わるということは、当然そこに「青」が混色されていることを表している。

 残されたファクターは、臨也の野望と、それに呼応したセルティの首の問題。来週で解決出来るのかどうかは分からないが、とにかくおさめるべきは現在の動乱だ。さぁ、最終回は何を見せてくれるのか! 刮目して待て!! 

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 カズターノ! カズターノじゃないか! な22話。あんな怪しげな外国人(?)を警備員でやとって大丈夫なんでしょうか、あのビル。

 追い詰められた園原さんを救い出そうと立ち上がったのは、これまでの鬱憤が溜まっていたダラーズのメンバーたち。帝人からのGOサインを契機に、過去の栄光に立ち返り、「色が無いこと」を武器として一致団結して杏里救出作戦を決行する。今回のAパートはカズターノやらスケッチブックのおねーさんなんかが結託して園原を逃がすことに時間を割いているのだが、どれだけ逃げても逃げても法螺田たちは振り切れない。「これだけ応援してもらってるんだから逃げ切れそうなもんだが……」と不思議に思っていたのだが、途中で、「逃げられないこと」自体が園原の心理状態をそのまま表していることに気がついた。そもそも、最初に法螺田に絡まれた時点でも、園原は相変わらずの「客観視」を崩しておらず、顔色一つ変えなかった。様々な見知らぬ人(ウサギ含む)の助力を得たとて、それが客観的に見たら「不可解な現状」であることは変わらないし、何よりも「自分は逃げていいのか」という迷いが、彼女に状況判断をさせないようにしている。

 そして、そんな葛藤が極限に達して前半のクライマックスとなるのが、紀田と遭遇して雨にうたれるシーンである。「紀田が黄巾族の将軍で、町中でダラーズを痛めつけている悪の親玉である」ことは事実であるし、「園原が黄巾族を探るため侵入した異分子であり、目下敵勢力であると思われる首無しライダーと繋がっている」のも事実。都合の悪い事実だけは、お互いに伝わってしまっている最悪の状況。そして、紀田にだけ追加された余計な情報が、「帝人はダラーズのトップである」というもの。紀田にとって、一時は「全てをなげうって守るべき対象」であったはずの園原杏里が、現実と過去の悪夢を繋ぐ「黄巾族」の闘争の渦の中に巻き込まれてしまっている状態だ。帝人が信用できず、それならば杏里も信用できない。紀田は、勝手に袋小路に迷い込み、園原の前でも決定的に間違った言葉が口をつく。

 そんな紀田を理解してやれるほどの余裕は、今の園原も持ち合わせていない。「自分は化け物である」という負い目、そして「親友にそれを隠している」という負い目もありつつ、それでも錯乱した紀田の言動には許せないものがあった。二の句を待たずに頬を張る園原。徹底した「客観」という彼女のパーソナリティが、ついにここにきて完全に決壊した。それが証拠に、再び法螺田に絡まれ、一時はその目に罪歌の赤を宿しかけたが、「他人の安否」という自分に深く関わるファクターを臭わされたところで、「罪歌への依存」を解除してしまっている。もう、彼女は「無関心な人間」ではないのだ。

 このまま最悪の方向へ流れる可能性もあったのだが、臨也にとって唯一のイレギュラーである静雄のファインプレーにより、園原は何とか窮地を脱する。借宿としたのは、全ての事情を知るセルティと、そのパートナーである新羅の家。そこで園原も、最後のパーツである「帝人の真実」を手に入れた。もう、彼女も止まることは出来ないのだろう。

 そして、未だ持ち合わせる情報が最も少ないのが、「数と連繋」を武器としていたはずの帝人だったというのも皮肉な部分。園原の無事だけは確認出来たが、彼女が窮地に陥ったのは黄巾族とダラーズの抗争のせいであるとしか思えない。彼が仲間を守るために採れる唯一の手段が、「ダラーズの解散」だった。苦しい判断であるが、既に自分の手を離れてしまったダラーズの因縁を消し去るには、もう、こうするしかない。「知らない」からこそ、彼も悩み続けている。

 ダラーズが帝の手を離れ、それに呼応するかのように、黄巾族も完全に紀田の手を離れる。法螺田の主導の下で過激派たちが動きだし、遂に最大の武力である静雄が狙撃された。もう、洒落や若気の至りでは済まされない、臨也の望んだ「闘争」の形。3人の少年少女たちは、この状況を打開する術を持ち合わせているのだろうか。もう、今から次週が気になってしかたないです。

 今週も、相変わらず「色の陰影」がきれいな画面構成に惚れ惚れする。序盤は積極的に動く園原と、それを追う黄巾族を象徴する黄色と赤のせめぎ合い。夕方の町並みをバックに続いた鬼ごっこは、最終的に園原の目の赤に収束し、消えた。後半はずっと雨に濡れる薄闇の中。赤は潰え、黄色は離れ、無色すら無くなってしまった。見えるのは、不穏な青ばかり。

 そして、今回は久し振りにセルティと新羅の掛け合いががっつり見られたのも眼福。セルティ、ゲーム弱いんですね。怒るとすぐに謎の暗黒物質の中に放り込む彼女がお茶目。お茶を飲みながらの園原との対談は、池袋を代表するセクシー美女2人の夢の共演。これも眼福。園原さんは「布団の中で目が醒める」シーンがやたら多い気がします。

 今週の一言。「寿司ネタにするよ」。怖い。 

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