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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 やぁみんな久しぶりだね! 絶滅危惧種・P.A.WORKS大好きおじさんだよ! あ、でも最近はそこそこの確率で息を吹き返すようになったのでちょっと嬉しいよ。そんなわけで当然この映画も観に行くんだよ!! ただ、封切りから2週間くらいしか経ってないのに近所の映画館ではすでに1日1回しか上映してなくてマジで肝が冷えたよ……えぇ……そんなに早く収束しちゃう規模の作品なのぉ? うん、まぁ……幸か不幸か、私が行ったその1回の上映回はそこそこお客入ってましたけど。みんな、観られなくなる前に早めに行っておくことをオススメするゾ。

 折り返し前に短文感想を書いておくと……「決して悪いことはないけど、熱心な大好きおじさんとかウィスキーに興味がある人以外はスルーしても問題ないのかなぁ」くらい。ほんとに渋めの職人芸のアニメですね。

 

<というわけで折り返すので一応ネタバレ注意。>

 




 

 ん〜、短文感想って書いたけど、マジで感想はそれくらいなんだよな……今作は一応(場所によっては)P.A.WORKSの「お仕事アニメ」シリーズの1本という位置付けになっているのだが、「お仕事アニメ」と言われて出てきそうな要素がババっと出てきて、90分の枠内でなんとなく収束していく。すごく感覚的な印象では「なんか、実写ドラマっぽい」という感想。この「実写ドラマっぽさ」は2つの要素があって、1つは短めの尺の中で収めるドラマの筋運びが、本当にスタンダードな「ホームドラマ」のそれであるという部分。家族で経営したいと思っていた蒸留所が、不景気やら天災やらで経営危機に追い込まれ、それを絆の力やお仕事への熱意、それに人々の優しさなんかに触れていくことで乗り越えていく。まぁ、「お仕事ドラマ」ならそうなるに決まっている。そしてもう1つ「実写ドラマっぽい」と感じた要素としては、なんか画作りの気の遣い方が本当に「それっぽさ」を目指しているように見えたから。

 今作の監督は「有頂天家族」で結果を残した吉原正行氏なんだけど、「有頂天家族」の時と同様に、細かいモーションの取り方とか、メインの流れとは直接関係ない部分で見せる時間経過の表示なんかに、すごくリアル寄りの演出が混ぜ込まれている。視聴中に何度も目を引かれたのは、私みたいな人間からするとあまり縁がない「社会人仕草」みたいな部分で、例えば戸の開け立てとか人とのすれ違い方、対面の仕方に対話する時の目をむける方向まで、それぞれのキャラが「あ、お仕事中のモードだな」ってわかるような動きを見せる部分。そうしてリアルな「時間の流れ」みたいなものが感じられる部分に、「実写っぽさ」を感じたのではなかろうか。多分「有頂天家族」の時の演出方向も似ていたはずなのだが(未だ忘れられぬ寺町商店街の屋上よ!)、「有頂天家族」は何しろタヌキの話。キャラデザも久米田康治デザインでグッとデフォルメに寄っていたので細かく「リアル」を散りばめることがアニメ的な演出の範疇で効果を発揮していたが、今作の場合はキャラの等身も比較的高く、扱っているテーマもゴリゴリに現実寄りになっているため、なんだかアニメの枠を飛び越えて「実写ドラマ」に足を踏み入れたような感覚があったのだろう。

 この「実写っぽさ」については、終わってから考えると良し悪しはあると思う。もちろん「丁寧でリアルな描写だなぁ」と思えばプラス評価になるだろうが、「アニメっぽいけれん味」みたいなものを味わいたい場合にはどこか物足りないという評価にもつながりうる。それは、ある程度の写実性も要素として取り込んだ脚本にも同じことが言えて、そりゃまぁ、作中で3回も鬱要素を叩き込んでは回復する上下移動の激しいシナリオラインはどこまでいっても「ドラマ的」ではあるのだが、それに付随するキャラの動きなんかはすごく抑制的というか、あまり飾り立てた要素がない描出になっている。パンフによれば脚本家の人が「BLイラストでテイスティングノートを書く琉生」という設定を提出した際に「あまりにアニメっぽいというか、他の要素から浮いてる感があるのでボツかな」と思ったが通ってしまったという話があるのだが、個人的に脚本設定で面白みを感じたのがまさにその部分。確かに他のパートの空気感とは明らかに違うので「浮いている」という感覚はわかるのだが、どちらかというとそうした部分の方がより「アニメ的」で、アニメファンとしては刺激を受け取りやすい部分である。そういうものがバンバン出てくる脚本の方が単発映画としては楽しめる気がするので、どこか制御された感のあるシナリオラインはそこまで刺さるものにはならなかった。

 ただ、だからと言ってつまらなかったかと言われたらそんなこともなく、短い尺での起承転結はしっかり成立していると思うし、「ウィスキー作り」というあまり見慣れない要素を主軸に置きつつも、何もわからない人間でも飲み込める程度に要素を抑えて、それでいて有名無実にならない程度には「お仕事要素」「地元要素」を出し続けるという出力は悪くない。パンフ情報によれば「本当にウィスキー作りのハウトゥー的な要素を描き出したらキリがないし、それを描いたつもりになってしまうのは実際にお仕事をしている人に失礼になりかねないので、ウィスキー作りのリアルな行程の要素は多少薄めつつ、ファミリードラマ・お仕事ドラマの要素を強めに描くようにした」とのことで、広く受け入れてもらうための方策としてはそれが正しかったのだろう。私のような門外漢からすれば序盤のちょっとした紹介だけでもある程度勉強になるのだし、「ブレンダー」という存在すら知らなかった身としては、中盤以降の「お仕事描写」だけでもそれなりに独自性は出ていたんじゃないかと思う。

 惜しむらくは、そうして作中のキャラたちが一丸となって作り上げたウィスキーの素晴らしさというものを、私が1ミリも理解できないということ。こちとら酒は1滴も飲まんし、ウィスキーは中でも苦手な部類。別に飲めないわけじゃないから色んな酒を状況に応じてちびちび舐めたりはするのだが、以前知り合いに連れて行かれたバーで舐めたウィスキーは味も匂いもキツくて数少ない「ご遠慮願いたいお酒」になってしまった。そんな状態なので、今作で描かれた蒸留所の努力も一番肝心なところで感じ取れてない気がするのは勿体無い。いや、そこは別に必須要素ではないのだろうが……普通に考えたら、やっぱりお酒が好きで、ウィスキーを愛好している人の方が今作のコアとなる要素は受け入れられるのではなかろうか。

 私の場合は仕方がないのでそうした「酒造り」要素は「お仕事の1因子」として割り切って受け入れることになる。そうすると「お仕事アニメ」としては至極普通の展開だからね。これは流石に1クールアニメとかに伸ばすのは無理だったのかねぇ。90分だとやはりバタバタしたイメージになっちゃったし、1クールに伸ばせた方がトータルでの質は上がった気はするが……でもなぁ、今のアニメ視聴者の性質を考えると、この作品を1クールで作っても1話2話あたりで離れる客が多そうなのがなぁ。ピシッと90分でまとめるにはいささか地味な媒体、それが「お仕事アニメ」なのである。

 ちなみにこれまたパンフ情報だが、公式(?)に「お仕事アニメシリーズ」にクレジットされているのは「花咲くいろは」「SHIROBAKO」「サクラクエスト」「アクアトープ」の4作とのこと。えっ、「アキバ冥土戦争」は入らないんですか!?(入らんやろ) ほんで面白いことに気づいたのだが、こうして並べた「お仕事アニメ」の全作に共通するのは当然「経営難」で、経済的に困窮した主人公たちのお仕事が、なんと50%の確率で廃業しているという事実。「花咲くいろは」では喜翠荘は最終的に営業を終了しており、「アクアトープ」でも最初に主人公が守ろうとしていたがまがま水族館が閉館している。「SHIROBAKO」におけるムサニは窮地を乗り切ってスタジオとして存続成功、「サクラクエスト」の場合は間野山という地方自治体が舞台なので流石に「廃業」っていう概念はない。改めて見ると、「お仕事頑張ってるけど結果的に潰れちゃった」パターンが半数なのである。この度の駒田蒸留所に関しては、正直火事騒ぎの辺りで「これもう無理じゃん……」と諦め、琉生が泣く泣く買収を飲もうと提案したあたりで「廃業パターンか……」と思ったが、そこは映画作品としての爽快感を優先したおかげだろうか、最終的にKOMAの復活と蒸留所の営業継続に成功した。この辺りの筋のまとめ方も、地上波アニメだったらもしかしたら変わっていた部分かもしれない。まぁ、どっちが良いということもないのだろうけど。

 何はともあれ、この90分でお仕事アニメにはまた新しい1ページが刻まれた。ちなみに最後に触れることになったが、今作が既存のお仕事アニメシリーズと一番違ったところは、蒸留所の話をメインにはしているが、実は「お仕事」の模様を事細かに描写されていたのはもう1人の主人公である高橋サイドの「ウェブライターというお仕事」の方だったりする。女の子主人公ではなく、ヒロインと野郎主人公のお仕事2本だてというのが、ほんとは一番エポックメイキングなところだったのだ。でも最後にちょっとだけしか触れてないのは、そこまで既存の作品との差を感じなかったからなんですけどね。高橋の最初のグダグダした感じとか、現代の働き方への姿勢を考える上では面白いサンプルですけどね。多分、今の時代には高橋サイドに共感する人の方が多そうだもんねぇ。

 みんな、明日に希望を持ってお仕事してくれ。おっちゃんはアニメ見ながら寝るよ。

 

 

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