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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「へうげもの」 6

 2年ぶり、なかなか珍しい方向から攻めてきた感のある真下耕一の新作。原作は未読。真下監督との付き合いは「NOIR」からなので、こうして明確な原作ありの作品をアニメ化するのはほとんど初めて見るジャンルだったりします(一応「Phantom」は原作有りだけど、ゲーム原作だからいじり甲斐があったからねぇ)。

 正直、あまり期待していない作品だった。真下監督の独特の演出技法っていうのはあんまり他の媒体との相性が良くないと思えるし、原作がちゃんとした漫画であればあるほど、真下演出の色が消えてしまうか、もしくは無理矢理あの空気を生み出した結果原作の味を殺して自己満足になってしまうか、どちらかになるだろうと思っていたのだ。実際、最初の方のカット構成は「普通の」流れが支配的で、あまり真下的な要素が見られないものだった。しかし、そんなことくらいで彼は負けない。松永久秀と古田左介の対峙シーンあたりから、画面が次第に重みを増し、「目」による演出が際立ってくる。人と人とのインタラクションがその密度を増すにつれ、アップのカットと止め画で見せる真下演出は力を持ち始める。松永の死後も、秀吉と信長の対峙、信長と左介の対峙、そして港での再びの対峙と、少ない動画数でガッツリと見せ付ける演出が、実に合理的にシナリオを盛り上げてくれた。

 とにかくきらびやかに、賑やかにを良しとする現代日本アニメとは一線を画すビィートレインの静かなコンテ構成。その力はこうした「地味な」テーマを持った作品とのマッチングが良く、「予想以上にいい題材を見付けたもんだなぁ」と感心してしまった。原作ファンから見たらどういう感想が出るのかは想像も出来ないが、全く原作を知らない身としては、「アニメが終わったら原作を読んでみようかな」という気にさせるだけの完成度だったことは間違い無い。

 多分、これって原作も面白いんだろう。主人公古田左介のキレ気味のキャラクターが良い味を出しているし、既存の歴史上の人物のアレンジも、馴染みやすくなっているのにベタベタという程でもない。アニメ風に落とし込まれた絵柄も動かすとバランス良く原作の絵がイメージ出来るし、今後もこのくらいのペースで進行してくれるならば、シナリオ面も映像面も合わせて、なかなか楽しめそうである。

 中の人の話もちゃんと。主人公・古田左介役の大倉孝二という人は知らない人だったが、どうやら一般の俳優業の方らしい。くせのある声色が「数奇者」としての左介の味としていい具合にマッチしており、なかなか面白い。また、信長役に小山力也、秀吉役に江原正士、松永役に飯塚昭三などの骨太の配役も安定感抜群で、特に猿の役に徹した江原さんの演技が楽しい。粗製濫造のアニメ業界で、こういう作品がポッと出てくるだけでも良い口直しになります。大丈夫、NHKのアニメだよ! そういや、ビィートレインって思いの外NHKと仲が良いんだよなぁ。

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