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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 ○「電波女と青春男」 4

 よっしゃー、これでようやく今期の新番チェックも終わり。一ヶ月の間お疲れ様でした、俺。4月以降に始まった番組を全てカウントするとその数32本。やっぱり今期は割と多いですね。既に切ってる作品も何本かあったりしますが……だって、32本全部見たとしたら1日平均4本以上見なきゃいけない計算なわけで。流石に身が持ちませんわ。

 で、そんなトリを飾る記念すべき作品だが、これがシャフトである。「まどか」が終了し、今期は「まりほり」とこれの2本か。いつの間にシャフトはこんな精力的なスタジオになったのだろう。大体において作画に粗が出たりするんだから、もうちょっと本数抑えればいいのにね。まぁ、回せるんだったら構わないけども。

 今作1話目を見る限りでは、「回せていない」という感じはしない。なんとキャラ原に西田亜沙子がつき、「化物語」の渡辺明夫に続き、なかなか嬉しい画面になっているし、シャフト的な要素は端々に残しながらも、思いの外見やすい画面になっている。「宇宙人」「電波」といった要素をちょっと捻った画面で見せるイメージのリンクも上手い。ヒロインの部屋のあり得ないような装飾なんかが分かりやすいし、深夜のコンビニに買い物に出た際のファーストインプレッションは、実に鮮烈な画面が得も言われぬ高揚感を表している。動画面でもジャイアントスイングの躍動感、ピザを食べる時の奇妙な動きなど、力を入れるところにはちゃんと入れて、抜くところは記号で処理するという、美味しいバランスが取れている。画面の質でいうならば、これまでのシャフト作品の中でも上位に入れてしまっていい作品なのではなかろうか。

 また、ラノベラノベしているとは言っても、導入のメインプロットは悪くないと思う。単純なラブコメになるだけなのだが、布団にくるまって生足だけを出した少女とのコミュニケーションというのは案外心引かれるものがあるし、一切布団から顔を出さない少女の攻略、というのは、今までに無かった設定。強引過ぎるキャラ付けとして、色々と活かしがいはありそう。最初の顔見せをクライマックスに持ってくるシナリオ運びは自然だったし、学園ものにありがちな「転校時の学校での自己紹介」みたいな流れが全部はしょられていたのも潔い。「この作品はあくまで引きこもった女の子をメインで書いていくんですよ」という流れが分かりやすく、飲み込むに充分な分量だったのではなかろうか。今後の展開で膨らみにくそうだな、という気はするが、導入の引っ張り方は及第点だろう。

 で、ここまでが全部褒め言葉であり、実際に悪くない部分なのだろうが、もう、決定的に脚本が苛つくのが最大の難点である。もっと具体的に書けば、主人公の台詞全てである(叔母さんもかなりレベルが高いが)。「遠回しなのは嫌いなんです」と言っている奴のモノローグとは思えない冗長すぎてクスリとも出来ない台詞回し、実際に音声にすることを欠片も考えていない、不自然な発話の数々は、中身がどうという以前にリズムや音感の時点で不快である。そしてこれが主人公の属性として与えられたものであるため、ず〜〜〜〜〜っと付き合わされるはめになるのだ。これは新手の拷問である。

 確かに、痛々しい台詞や、寒々しい言い回しでキャラを立てる作劇はラノベものだったらよく見ることで、実際に「化物語」の阿良々木だって充分鬱陶しいのであるが、そこは周りとのバランスと、あとは加減の問題である。「化物語」ならば、他のキャラクターも全員嘘みたいに(嘘なのだが)キャラがイカれており、そのイカれている方向性を示すために様々な「痛い会話」が繰り広げられるわけだが、それらは痛さのベクトルでキャラが付けられた上に、かみ合った時の効果を見越しての、全体を作り出すキャラ設定だった。他方、こちらの作品の主人公の場合、単に「とにかく台詞を引き延ばすために雑音を無作為に付け加えているだけ」としか思えない。そして、そんな痛さのベクトルが、叔母さんのキャラクターにも共通してしまっており、とにかく「同じ味つけの痛さ」が延々続く。要するに、痛いのは原作者であるということだ。単に作者の台詞作りのまずさが、全編にわたって、どのキャラの口をついても出てくるのである。いくらテーマに「電波」を掲げているとはいえ、これだけの不快感は頂けない。

 一応のフォローをしておくと、原作者はアニメ化を前提に作品を書いているわけではない。ラノベ媒体であの台詞を見たら、ひょっとしたら自然な流れに見えたり、そこまで行かずとも、読者の許容範囲に収まるラインのものである可能性はあるだろう。だが、それを実際にタイムラインのあるアニメにそのまま落とし込むことは出来ない。シャフトは「化物語」を作り上げた功績があるが、あの作品の場合、原作者が本当に心を砕いてアニメ用の脚本も監修し、整理していったらしい。この作品に、そこまでの心遣いは感じられない。「これが原作の味なのだから」という言い分もあるだろうから脚本担当を責める気も無いのだが、「これを受け入れられる層は限られたものになる」ということは意識せねばなるまい。ま、ラノベのキャパ自体がそんなものなのかもしれないが……きっついなぁ。

 ということで、作中の技法を使わせてもらうなら、西田亜沙子キャラで+1点、基本を守り、動画でも見せた秀作演出で+1点、そして台詞全般でー3点。トータルで、-1点である。これって慣れる日が来るのかねぇ……慣れたくねぇな。

 もちろん、とにかく台詞量が多いキャラをやっている中の人は大変。入野自由だから出来ることなのだろうが、本当にお疲れ様としか言いようがない。彼をして不自然さが無闇に残ってしまうのだから、いかに脚本が無体なものかがよく分かる。そしてメインヒロイン役は、ついに主人公クラスをゲットした大亀あすか。初期の舌っ足らずで何言ってるか分からないしゃべりは、逆に難度が高い演技になっていたので、なかなか見事なものだと感心した。かわいらしさも充分アピール出来ているので、この作品が成功すれば、代表作の1つにカウントされることになるのだろう。是非とも頑張って頂きたい。

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