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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  数寄と戦と第6話。今までは「数寄者パート」と「戦国パート」っていう分化が行われていた気がするのだが、今回あたりからだんだんその区分すら無くなってきたような気がする。左介が絡んだら全部そうさ。

 前回は秀吉がメインみたいなところもあったわけだが、今回は左介が純然たる主役。「信長が天下統一するまであとわずかしか無いので、その間に武功を上げておかなければ大茶会も開けない」、と焦りを見せる。普通の武人ならば「主君のため」「お家のため」「自尊心のため」に武功をあげようと努めるわけだが、この男の場合、最終目標はあくまでも趣味の世界。何が動機でもそれが活力になるのなら問題無いとは思うが、戦のためのツールとしても器を持ち出してくるシンプル過ぎる思考パターンはいかがなものだろうか。

 武功をあげるための第一段階は、戦線を切り開くための小城の突破。窯元を訪れた時に思いついた作戦、偽井戸茶碗で突破。敵方との交渉役は既に対松永など何度も経験してきた左介だが、偽の茶碗で堂々と交渉を押し切ってしまう胆力は一体どこから来るものなのだろうか。相手が「見る目のない奴」だと基本的になめてかかるスタンスなのかね。そして、再びの武功チャンスは、残念ながらそんなに簡単にはいかず、命がけのチャレンジとなってしまった。数寄を競うライバルたる織田長益が先に武功を挙げたと聞き、「数寄では劣っても武勲で敗れるわけにはいかぬ」と、これまた意地の張り合いみたいな理由での決戦である。既に先んじて向かった交渉役が命を落としていることは知らされており、失敗が死に直結することは明らか。そんな状態でも、これ以上長益に劣る部分を見せるわけにいかず、更に事態が天下統一に向かっているとするなら、自分に残されたチャンスはあとわずか。命を賭しても、挑むべきミッションなのである。

 悲しきかな安易な偽物作戦は、器を焼いた窯元自身が「質では明らかに劣ります」と言っていたような代物。矢面の小城を任されたような下っ端武士ならだまくらかせても、位が上になればそうもいかない。城主仁科盛信の奥方だろうか。薙刀片手に勇ましく挑みかかる女性は、左介の持参した器を偽物であるとあっさり看過。失敗したかと思ったが「しょせん女は欲には勝てぬ」というよく分からない流れになり、そのまま痴女をスルーである。まぁ、あそこできちんとコトに及んでいたら更にどうなっていたか分からないが……ほんと、左介は肝心なところで使い物にならないものをお持ちで。

 そして最後、「出世への階段」となるべき天守への階段を上りきった左介を出迎えたものは、実に見事なケンカキックでありましたとさ。無様に落下していく左介を見て、今回のサブタイトルが「武田をぶっとばせ」であったことを思い出す。ぶっ飛んだのは、お前だ。やっぱり左介は格好悪い。偽物戦術も本当に安易な思いつきだし、それが一度うまくいっちゃったもんだから味を占めて繰り返すあたりも情けない。そして、何とか命がけの戦場に挑んではいるものの、その動機が何ともしょっぱいのも本当に彼らしい。しかし、本物だ。

 「戦と数寄」という2要素が絡んで分けられなくなったのは完全にこいつのせいなわけだが、2つの要素が実際面以外にも色々と絡み合った描写がなされているのがまた楽しい。左介の周りでいうなら、女性に迫られて「拙者のろくろさばきを……」と勢い込んで脱いだ左介が挑みかかる画から切り替わり、織田軍が進軍を始めるシーンなんかが印象的。織田の軍旗が次々と掲げられ、ホラ貝による号令が飛び交うシーンを見ると「おぉ、左介もきっと高々と自分のものを掲げあげ、さぞかし立派な戦果を上げたに違いない」と思わせるのだが、再び画面が切り替わって戻ってくると、なんと、自分のものを勃たせることすら叶わなかった様子。まぁ、命がけの戦場、しかも敵親玉の直前で欲情しろって言う方が無茶な相談だが……

 他にも、間抜けさが際立つ左介とは対照的に、既に秀吉の心中を知っている利休が様々な場所に手を回し始める描写でも、彼は常に天下の趨勢を「茶の湯の話」として語る。「今焼き」の是非を問う細川藤孝に対しては「信長への忠誠心が揺らいでいるのか?」と揺さぶりをかけている。その直前で、城の見物料を徴収から取り立てるという、一国の大将とはとても思えない信長の破天荒な振る舞いが、その見方に拍車をかけているだろう。これは「今焼き」という昨今の流れを、新しいもの、エキセントリックなものに目がない信長と対比させての物言いであり、自然に「信長の振るまいは自分の目指す道とはそぐわないものである」ことを藤孝に伝えている。更にその手は明智家にも及ぶようであり、秀吉の働きと合わせて、少しずつ包囲を固めている印象だ。

 視聴者は、この利休の策が最終的に本能寺の変という形で成されることを知っている。そして、利休は現時点での情勢をほぼ完璧に把握している。いわば全てを理解した上での、「数寄」の追究という状態。対して、主人公の左介は完全に世の趨勢を見誤っており、「間もなく信長が天下を統一する」と焦るばかり。見ている方向が全く同じであり、挑む精神も本物の2人であるが、かたや黒幕、かたや道化。この2方向の書き分けが実に見事な対比を産んでおり、相変わらずの利休の黒さを浮き彫りにし、同様に悪い笑みを浮かべてみる左介に、どこか憎めない印象を与えているのである。「目で語る作劇」という言葉を何度も使っているのだが、何を考えているか分からない利休の細目と、ことが起こるたびにドギマギと泳ぎ回る左介の目は、本当にこの作品の両極を表しているようではないか。本当にこの男、大成するのか?

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