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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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  チャイナ気分でハイテンション! な第6話。やっぱりP.A.作品といえばチャイナですよね。いのちなんだよね。ほんと、「true tears」「Angel Beats!」と固定ファンの多い作品を連発し、この「いろは」も話題沸騰のスタジオなのに、「CANAAN」だけは知名度が上がらなかったんだろう……名作なのになぁ。

 愚痴はさておき、しばらくはギャグだのエロだのとよく分からないサービスに邁進していた喜翠荘が、久し振りに初心に戻って商売と経営を考える旅館経営アニメに戻ってきましたよ。怪しげな経営コンサルタントのおねーさんに振り回されてお約束のサービスシーンを披露したりはしたが、皆さん真剣なのは間違い無いのです。そして、そんなに簡単に田舎の旅館の経営が上向いたら苦労はしないのです。ばあちゃんもそのあたりのことは承知してるからこそガタガタ言わずにどっしり構えているのだろうね。この手の「経営が危ないから頑張ろう」シナリオの場合、主人公たちが何か画期的なアイディアを思いつくパターンとしては、大体地元の名産を使った地味な新商品を開発したり、地の利を利用した名所名物を生み出して客を呼ぶのがお約束だと思うのだが、そう簡単に喜翠荘に名案なんか生まれてこない。それを、「昔女将が使っていた衣装」というものすごく身近にあるもので何となく決着させた着地点は、ほど良く納得出来る良いバランスだったと思う。

 この作品のうまいところは、あくまでドラマの流れを重視して無茶なご都合主義を引っ張りすぎないところで、例えば今回のシナリオなら、何となくハッピーエンドっぽく見せてはいるが、女将の古い衣装を純粋にプラス要素として喜んでくれたお客というのはほとんどおらず、家族連れは何となく険悪な雰囲気が解消されただけだし、衣装に気づいてくれた2組は、それが女将のものであると知っていた、いわば常連客である。そんな連中は別に営業努力をせずとも顔を出してくれるわけで、新規の顧客獲得には何の役にもたっていない。緒花のいう通り、これで「明日からお客が増える」なんて虫のいい話はないのである。ただ、それでも「緒花と女将の接点」としての衣装を引っ張り出してくる流れが自然に「良い雰囲気になった」ことを表しているし、前半のハレンチ衣装のインパクトがあったおかげで、その対比として出された地味な和装が、視聴者目線にはすごく由来のある、良いものに見えてしまうのである。冷静に考えればあんまり意味のない挑戦ではあるのだが、それを感じさせずに「イイハナシダナー」させてしまう構成は見事なものだ。

 また、個々のキャラクターの配置にも無茶をせず、着実に歩を進めている描写も上手い。具体的には、今回の「衣装案」は緒花の努力が実を結んで表に出た企画であるが、実際には、彼女の思いを受けた豆じいが提供してくれたアイディアである。つまり、旅館経営のド素人である緒花は、全体を見直すと、川尻コンサルタントのアホなアイディアに感心してとんちんかんな挑戦を試み、から回った結果、うまく落としどころを見付けただけなのである。なんでもかんでも「主人公が熱意を持って取り組んだから素晴らしい解決策が見付かったよ!」というご都合主義にならず、緒花なら緒花なりの、身の丈にあった解決レベルで収拾を付けてくれているのはありがたい。

 また、緒花は今回、何故かやたらとコンサルタントの川尻さんにこだわり続けている若旦那の縁とも関係性を深めた。店に愛着があり、何とか経営を上向きにしようと奮戦する縁だが、その方策はいささか見当外れ。それでも、緒花から見たら「失敗するとしても、やらないよりはやった方が良い」という精神は共感出来るものであり、積極的に彼のサポートに回ろうと奮起していた。そして、そんな二人を繋ぐ役割を果たしたのが、緒花の母親、皐月だったわけだ。同じ人物の弟と娘が、同じように振り回された経験から仲を深め、どこか似た部分を共有しあう。なかなか愉快な親族模様である。

 そして、そんな血縁の深さは、オチの部分であの頑固婆、女将とも繋がる。女将も、過去には喜翠荘を守るべく、「何か新しいことを」と悩んで悩み抜いたことがあった。その結果が緒花のたどり着いたあの衣装であったが、彼女のアイディアも、過去には旦那に反対された「斬新な案」だったようである。保守と革新のバランスというのはいつの時代も難しい問題だが、女将も長い人生の中で、絶妙なバランス感覚を養っていたようだ。女将→縁という親子関係と、皐月→緒花という親子関係の対比と類似が見事にオーバーラップして色々と想像させてくれるし、何故女将が皐月を勘当したのか、などの過去にも興味が持てる。細やかな人間関係に、まだまだ色々と面白さが隠されていることを予期させる、良いシナリオであった。

 一応他の連中にもちょっとだけ触れておくと、今回も素敵だったのは「中居頭」という立場をよく忘れそうになる巴さん。川尻さんの衣装作戦が失敗であったことを真っ先に見抜き、使えない従業員たちにとにかく頭を下げさせるためにひたすら平身低頭。若いのに大変なお仕事です。次回予告でなんだか大変なことになっていたみたいだが、彼女が暴れると作品の空気が変わってとても楽しいので、今後の活躍も期待したいところ。他は……前回までメインだった民子はホビロン役、菜子は……乳揺れ役。

 そういえば、今回コンテ演出を受け持った人物が許琮という(おそらく)韓国人なのだが、スタッフロールを見ると、今回は制作がほぼ海外委託という状態で、グロス請けをしているのがUNION CHOというスタジオのようである。調べていて気づいたのだが、P.A.作品はちょいちょい関わっていたところですな。一昔前なら海外丸投げの制作は「三文字作画」と呼ばれる粗悪品の代名詞みたいなものだったが、P.A.の管理体制が良いのか、それとも格段に技術が進歩しているのか、スタッフロールを見るまで一切気づかないくらいのクオリティであった。ふぅむ、隣国の技術も馬鹿に出来ないな。

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