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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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やっぱりエグいところにくるな、第5話。もう少しゆっくり回してくれよ、とも思うのだが、やはり1クール作品のスピードだとこうなってしまうものか。「キュッ」ってなるね。

 始まった「あの夏」、始まった映画撮影。しかし、檸檬に任せたもんだからその進行はとんでもない方向に向かっている。ここまできたら、檸檬はイチカのすべてを知っていると考えた方が楽にこの作品が見られそうだ。そりゃもう、イチカの生い立ちから家族構成まで、何でもかんでも知ってますよ。イチカ先輩は女系家族。そうだね、みずほ先生も妹がいたものね。そして、最初は哲朗を挟んで適当に進めていた物語ではあったものの、檸檬の策略か哲朗の気遣いか。いつの間にか唯一動かしちゃいけない気がする海人のカメラマンの仕事までうやむやになってしまった。宇宙人ヒロインと地球の普通の男の子のお話は、朝の何気ない光景にも煩悩を戦わせる大変なものになっている。

 今回は2つの要素に触れよう。1つは、「檸檬が映画を撮る」というゆがんだ二重構造について。「檸檬はある種メタ視点からの観察者(しかもおもしろ半分の)」であると考えると、この作品の構造は実にご都合主義なものであるといえる。本来ならばもやもやとややこしい色恋沙汰の異星人コミュニケーションラブストーリーが、檸檬の投じる「本当設定」のおかげで、いやでも前進するのだ。イチカは「もしも」のお話で海人に本心を尋ねられるし、すれ違いはありながらも、一般的な地球人たちにもこのトンデモシチュエーションが受け入れられるようになっている。そう考えると檸檬はイチカの手助けをしているともいえるが、どちらかというと、「話を早く進め、視聴者の手助けをする」役といえる。ここまでダイレクトにメタレベルの介入を許している構成というのも珍しく、これを可能にしているのは、檸檬という危うい存在をぎりぎりレベルで認めている、本作と「おねティ」の関係性ということになる。10年がかりの、大きいんだか小さいんだか分からないネタだ。

 そして2つ目の要素は、なんといってもドロドロの恋愛関係。イチカと海人の間の初々しいいざこざについては、一応前回の騒動で片がついたことになっている。イチカがド天然であることが幸いして、あんだけ気まずい思いをしたはずなのに何となく片付いた空気になっており、それが不思議と違和感になっていない。冒頭の海人の「近い」なんてのも、これまでの経緯を考えれば本当にいろんな意味がこもっているはずなのだが、イチカは一切そんなことを気にしないのである。ずるい。

 しかし、イチカは気にせずとも周りはそうもいかない。初々しいはずなのにエラい所帯じみた会話も展開する熟年夫婦のようなカップルを見て、このままではまずいと勇気を振り絞って動き出す柑菜。雨の日でも負けずに通い妻を演じるも、あまりに自然に作られてしまった家庭の風景に心をぼっきりと折られてしまう。その結果、自分を卑下することになる行動に出てしまうわけだ。とはいえ、「先輩はいつ帰るんですか?」という質問は、確かに海人からすれば直接ダメージになる発言だったのかもしれないが、イチカに聞くのは別段おかしなことでもない。突然異国からきた留学生っていうだけでもおかしいんだから、帰国日程くらい聞いたっていいだろう。イチカも、単に「嘘をついている気まずさ」こそ感じていたが、その質問の持つ「とげとげしい意味」については気にした様子はない。

 ただ、やはり言った本人からしてみれば、その発言の「嫌らしさ」は見過ごせないようだ。とぼとぼと雨の中を歩くシーンでは、柑菜が自分の足下を見ながら歩く、ちょっと珍しいカットにそれがよく出ている。下を向きたくなる、前を向きたくない、そんな心境だ。そして、そんな柑菜の「前」には、「横」には、哲朗がいるのである。今回、哲朗の行動は一貫していない部分がある。柑菜を励まし、柑菜の恋路を応援するような動きというのは純粋な好意によるものであるから問題ないのだが、その前の段階で、彼は自ら映画から退場し、イチカと海人がくっつきやすいセッティングをしているのだ。これは、「柑菜の味方」という立ち位置から見れば裏切り行為ともとれる。ただ、この二方向のベクトルについても、哲朗のどうしようもなく自己犠牲的な、義侠心から自然に出てしまった行動であるとも考えられる。柑菜は女友達、海人は男友達。それが(表面上でも)本当ならば、彼はやはり、「そのための」行動をとってしまうに違いない。

 そして、だからこそ、最後の行動が彼のどうしようもない「本心」であることも否定できない。わざわざイチカを避けてまで海人の家に赴き、なし崩し的に柑菜との関係性を動かしにかかる。「変わってしまうから告白なんてできない」という柑菜の気持ちを考えれば、これは一種の裏切りでもある。哲朗は海人のイチカに対する思いは知っているわけで、そこに単に「事実」を投げつけるだけでは、柑菜のフォローとして不充分だろう。しかし、「動かさないこと」を受け入れるだけの余裕は哲朗には無かったのだろう。今の状態が続けば続くほど、哲朗は柑菜の苦しむ姿を見続けなければならない上に、どうあがいても自分が介入する余地が無いのだ。それならば、海人を信じ、柑菜を信じ、多少の荒療治でもことを進めなければならない。そこにあるのが、純粋な善意だとは決して言うまい。海人が柑菜に対してどのように動くのかは予想できないが、柑菜が幸せになれるか、それとも柑菜が傷ついて自分の介入する余地が生まれるか、どちらかしかない。打算の上でも、哲朗は動くべきだったのだ。果たしてどこまで考えての行動なのかは分からないが、これまでの舞台裏での行動に比べると思い切ったことは確かだ。そこに彼の強い思いがあるのは間違いないだろう。

 気まずい。これ、来週どうなるんだろう。あーあ、りのんがかわいいなぁ。

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