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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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 突然思い立っての企画を実行に移す。新番チェックで大わらわなこの時期に何やってるんだろう、と思わないではないが、時季を逃すともう2度とチャンスがなさそうなので、どさくさに紛れて発進させることに。

 企画というのは、「地獄少女三鼎」の全話レビューである。この文書は、実は「三鼎」の放送当時(2009年に放送終了しているので既に3年前か)に、完全に自分に向けて執筆したものである。このブログを始めたのが、放送が終わった2009年の6月。ぎりぎり記事が載らなかったわけだ。実は、この全話レビューにチャレンジして書ききったことが、「もういっそブログ始めりゃいいじゃん」という踏ん切りになったという背景もあったりする。

 で、そんな記念すべき作品である「地獄少女三鼎」が、このたびAT−Xで再放送されることになった。そこで、せっかく書いた文書なんだから、一応あげておきたい、という気持ちが高まり、放送に合わせて1話ずつ載せていこうと思ったわけである。改めて読んでみると、本当に大好きだったことがよく分かる文面。週に1本だけの感想だとここまで身を入れて書けるんだなぁ、と懐かしく思う。今回、改めてブログ掲載するに当たって多少の修正などは加えるが、基本的には当時の状態をそのまま載せることになる。気合いを入れて書いているので、私のアニメ視聴のスタンスが一番よく出ている文書だ。多分、わざわざ見に来る人もいないと思うが、もし、なんかの機会に「三鼎」を初めて見る視聴者が現れた時に、うっかりこのページに引っかかってくれたら幸いだし、当時見ていた人は、懐かしい作品を改めて見直すきっかけになれば良いなぁ、と思う。


<以下の文章は、放送当時に執筆されたものである>

○前作まで

 まず、前作までの復習をきちんとしておこう。
 といっても、地獄少女という物語は、基本的に「二籠」で完全に幕を閉じている。1期では地獄少女「閻魔あい」が何故人間を恨み、復讐の手助けをするようになったか、という「生まれ」の話を中心に展開され、2期の「二籠」ではそれを取り巻く三藁(輪入道、骨女、一目蓮)の姿を描画しつつ、ラストエピソードである「ラブリーヒルズ」編(ひどい名前なので「紅林拓真編」の方がいいか)においては、「閻魔あい」が地獄少女としての職務から解放されるまでの「贖罪」の物語が描かれた。
 2期のラストにおいて、あいは現世での罪を許され、あいに関わった者たちと供にこの世を去ったはずだった。しかし、その後も「地獄少女」は活動を続けていたような描写がラストシーンで匂わされており、視聴者から見たら「地獄少女は次世代の誰かにバトンタッチした」というのが分かりやすい理解だったはず。
 しかし、今作においてはまごうこと無く「閻魔あい」が復活する。このあたりについては最終的に帳尻を合わせてくるのか、それとも純粋に作品作りの1要素として目をつぶればいいのか、現段階では判断しかねる。
 また、前作との大きな違いには、制作スタッフの変更があるのを無視は出来ない。具体的には、2期まで監督を担当した大森貴弘が「夏目友人帳」で忙しいため(?)に監督を降りて音響担当に回り、代わって前作までシリーズ構成・原作に携わっていたわたなべひろしが監督業についた。その他、2期までよく名前を連ねていた脚本の高橋ナツコの名前が登場していなかったり、総作監が前作までの岡真理子に加えて、何度か作監を務めていた秋山由樹子との連名になっている。これ以外には割と継続スタッフが多いので、作品の空気感は維持されると思われる。
 
 
 さて、以下に「三鼎」のエピソードを1つ1つ見ていくことにしよう。なお、個人的に避けて通ることの出来ない「キャスト面」についても、前回同様しつこく言及することを先に断っておく。3作目ともなると流石に過去のキャストと被る部分も増えてくるし、いくらかネームバリューも下がってきてるけどね。だからこそ面白い部分もある訳で。
 
○第1話「奪われた少女」
 脚本・金巻兼一 絵コンテ/演出・わたなべひろし 作画監督・秋山由樹子/小谷杏子


 <あらすじ>
 地獄に通じる鳥居を抜けて現れるスーパーボールのような奇妙な球体。それは青く光る奇妙な蝶を伴いながら、時に漂い、時に弾みながらある田舎町のうらぶれたおもちゃ屋にたどり着く。「昆虫採集セット」に蝶はとまり、球体の消え去った天井からは、ゼンマイ仕掛けのおもちゃに向けて蜘蛛の糸が降りてくる。おもちゃに憑依したきくりが第一声をあげる。
 山奥のホテルで働いていた一目蓮を山童が、工事現場で重機を扱っていた輪入道をきくりが、そしてバーで働いていた骨女を青い蝶(あい)が召集する。
 舞台はかわって、田舎町の中学校。市立賽河原第四中学校では、生徒と教師の間にちょっとしたいざこざが起こった。ヒロインである美景ゆずきが授業中にメモを回してふざけていたら、数学教師、丹下に見つかって叱られてしまう。丹下は生徒の行いを手帳にメモし、「内申書に書いておく」といつものように戒める。女生徒の1人、平石逸子はそんな丹下に反発するが、丹下は冷ややかにそれを無視し、黙々とメモ帳を記入する。逸子は丹下の行動がいちいち気に入らない様子で、「このままでは中学浪人してしまう」と回りの人間に助けを求める。
 その頃、召集を受けた三藁たちは学校の教職員として赴任して様子をうかがいながらも、あいの真意が分からずにぼんやりと時を待つ。あいは蝶の姿のまま渡り歩き、そのままゆずきの家の風呂場にたどり着く。驚くゆずきに「開いて」と一言つぶやき、あいはゆずきの「中」へ。
 友人の協力が得られなかった逸子は、ついに強硬手段に出る。丹下をラブホテル街に呼び出し、自ら関係をにおわせることで弱みを握ろうという寸法だ。しかし、丹下はそんな逸子の思惑などあっさりとかわし、逆にホテル街に逸子の両親を呼び出してしまう。
 自分の悪巧みが親にばれて完全に決裂する逸子と丹下。逸子はその夜「地獄通信」にアクセスすると、閻魔あいから契約の藁人形を受け取る。いつも通りに藁人形の契約を説明するあいだったが、その情景の一部始終は、あいの目を通して全てゆずきの視界にも伝わっていた。
 翌日、すっかりふて腐れた逸子は授業中に大音量で流していたオーディオプレイヤーを没収され、放課後には丹下から「あんなものは捨ててしまった」と言われ激昂。その場の感情で糸を解いてしまう。丹下は消え去り、逸子は「みんなのために仕方無かった」と自分に言い聞かせる。
 しかし、その直後に逸子に突きつけられたのは、友人に返却されたオーディオプレイヤーと、名前どころか文字一つ書かれていない丹下のメモ帳だった。
 平石逸子は、翌週転校した。
 

<解説>

 記念すべき1話目、ということで、ある意味一番緊張感のあった回。脚本はチーフディレクターの金巻が務め、当然コンテ演出も監督自らが務める。作監は、過去2作の1話目は岡真理子が受け持っていたのだが、今作はもう1人の総作監である秋山由樹子が受け持っている。まぁ、流石に1話は鉄板の布陣だ。
 まず、どうやってあいの帰還を描くのか、というのが第一のポイントであったのだが、現段階ではその動機については説明は無かった(輪入道によれば、きくりも知らないらしい。尤も、きくりは閻魔の使い「人面蜘蛛」とは別人格なので、本当に何も知らない可能性はあるが)。
 1つずつポイントを見ていこう。まず、何といっても三藁の召集からあいの帰還まで。この1話だけはオープニングで流れる映像が異なっており、イメージとしてはきくり+あいが地獄から戻ってきて、賽河原市をふらふらと歩き回っているような映像。電車を乗り継いでたどり着く田舎町、そして大鳥居に首無し六地蔵と、この町が舞台となることが分かるツールがゆっくりと紹介される。
 そして、三藁がそれぞれどこで何をしていたかが僅かながら判明する。「二籠」のラストで「しばらく現世でゆっくりする」と言っていた三藁だったが、それぞれがあまり妖怪らしくない普通の生活を営んでいたようである。まず一目蓮はどこぞの旅館(「ホテル純愛」という名前だった)の大浴場を掃除していた(口ずさんでいるのは1期エンディングの「かりぬい」)。偵察任務が主である一目蓮が風呂、というだけで既にややエロ要素が介入しそうだが、そこに現れた山童は全裸。金魚のおもちゃで大事な部分だけは隠していたが、カメラの寄せ方なんかは実に思わせぶりである。ちなみに、一目蓮は「お前は……誰だ?」と言っていたので、山童は三藁とは初対面らしい。「二籠」であまり折り合いの良くなかった三藁ときくりの間に立つ緩衝剤として新たに閻魔にスカウトされたのだろうか。公式ページの紹介には「四藁はあいとの信頼関係がなりたっている」と紹介されているが、本当なのだろうか。
 輪入道は相変わらずの車好きのためか、工事現場でショベルカーを運転しているところをきくりに呼び出される。「呼び出しだ〜」と言われた輪入道は、矢も盾もたまらず仕事をほっぽり出してショベルカーできくりの後ろを爆走する。よっぽど会いたかったようだ。
 そして最後の1人、骨女は「スナック骨」という店で店番をしている。お世辞にも良い名前の店とは言えず、案の定、客は1人もいない。一目蓮と輪入道はバイトだったかもしれないが、骨女は店の名前や立ち位置(どうもママさんをやっているように見える)からして、自分の店を経営しているように見えた。このあたりの違いも、妖怪としての性質の現れだろうか。彼女が暇そうにもてあそんでいたカクテルのアメリカンチェリーに青色の蝶がとまり、そこにはあいの影が映る。もちろん、この桜桃は、二期のラストであいが浄化され残ったものがモチーフとなっているのだろう。
 こうして無事に全員集まった「チーム地獄少女」だが、この時点であいには「実体」が無い(他の妖怪は現世で妖怪をしていたので身体があるし、きくりはおもちゃに憑依した)。そこで行われたのが、女子中学生「美景ゆずき」への憑依である。この憑依シーンがこれまた半端でなく官能的なものになっており、風呂場で全裸のゆずきとあいが絡みあい、口づけをかわすところから「合体」するというもの。作品が作品ならば画面中に大輪の百合が咲き乱れるところだろうが、この作品では当然のごとく奇妙な色の彼岸花が咲き乱れるという演出になっている。以前までのあいのイメージカラーは瞳の色と同じ真紅だったが、この時の蝶や彼岸花は全て青で統一されている。まだ完全なる顕現でないことを意味しているのだろうか。余談であるが、監督のわたなべひろしはどうも「そういう」評判の人なので、とあるインタビューでも「僕が監督したら多分、随分エロくなると思われています」と語っていた。1話からまったく自重する気がない。
 さておき、このゆずきへの憑依であるが、今のところ「何故ゆずきだったのか」という問いに対する答えは無い。視界の(強制)共有という現象は1期の柴田つぐみでも起こったことだが、これはつぐみがあいの恨みの相手である柴田仙太郎の末裔であったための意趣返しであった。ゆずきは今のところそうした因縁もなく、この「賽河原市」という町を中心としたあいの活動拠点としてたまたま選ばれてしまったように見える〈現注:もちろん、この2人の関係についてはラストまでにきちんと明らかになる〉。
 拠点と言う意味では、何故今回の物語が「賽河原市」から外へでないのか、というのも謎のままだ。中学校に赴任した三藁たちも、これまでのように一時的に現世にとけ込むのではなく、完全に教師として定着している(名前は以前と同じ、曽根・石元など)。まだまだこの時点では謎がてんこ盛りである。
 話はかわって1話で行われる「地獄流し」の方であるが、まぁ、流石に最初ということでそこまで凝った作りにはなっていない。最後に依頼人が自分の誤解を悟ってしまうあたりが流石の「史上最大の鬱アニメ(自称)」であるが、過去に40種類以上の地獄流しを見てきた視聴者からしたら「まぁ、そうだよな」というエンディングである。一応、学校で生徒が教師を流す、という構図は過去にも何作かあったものだが、今回の場合は「二籠」の1話目「闇の中の少女」をなぞった構成を意識していると思われる。「二籠」では教師が完全に悪役だったパターンで、こちらはその裏返しだ。サブタイトルも「奪われた少女」「闇の中の少女」で合わせてある。
 毎度お馴染み地獄コントであるが、今期はあいの状態のおかげで導入が変わっており、以前までの「依頼人が糸を解く」→「あいが自宅で禊ぎをして襦袢を着る」→「輪入道に乗って出動」というくだりがなくなり、代わりに糸を解く瞬間をゆずきが見てしまい、彼女の背中が割れてあいが顕現する(おかげで今回はあいの祖母がまったく登場しない)。毎回毎回夜中でも叩き起こされてエロい悲鳴をあげるゆずきは大変である。また、その後のアホさ加減は相変わらず、というか明らかに間抜けの度合いに拍車がかかっており、正直言うと、ひく。このあたりの演出が大森監督とわたなべさんの大きな違いだと思うのだけども、ネタを優先してそれまでの鬱々とした雰囲気がぶっ飛んでしまうのだな。今回はターゲットが数学教師ということで、「数字で遊ぼう」。2の形のインド象にぶん投げられ、8の蜂コスプレのあいに刺され、地獄流しの船上では延々円周率の暗唱をさせられる。まぁ、二期の1話も「理科の実験」だったから、発想は似たようなもんか。
 色々と気になることが残る第1話ではあるが、前作までのファンには嬉しいサービスや小ネタが所々にちりばめられており、きちんと興味を引かれる内容になっていた。
 以下はキャスト話。まず、メインヒロインのゆずき役には若手の佐藤聡美を抜擢。本格的に聞くのは初めてだったが、その声質には惚れ込んでいるので今後が期待される〈現注:まさかここまでハマるとは、この当時は思いもしなかった〉。
 他には、彼女のクラスメイトのレギュラーにはリアルドライブな沖佳苗、弾けるレモンの香り伊勢茉莉也、そして我らがヒーロー阿澄佳奈と、若手がこれでもかと詰め込まれている。そして今回の依頼者、平石逸子役はこれまた若手から豊崎愛生。このご時世なのだから当然ミュージックレイン組は来るだろうと思っていたが、その先駆けは彼女だった。豊崎にしちゃ声が抑えめの珍しい役どころだったが、まだ地声以下の音域は要精進な感じではある。そして流される数学教師、丹下役には石川英郎。いかにも流されてそうなイメージ(本人が)だったけど、まだ使ってなかったんだね。あれ、オッキーこと置鮎もまだか? 青二はまだ割と面白そうなのが残ってるなぁ。
 あ、あと山童役には、なんと椎名へきる。……えーと……まだいたんだ。何か滑舌がおかしいんですが。

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