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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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引き続きライフ0,第3話。まぁ、元々スライムなみのHPしかないんだけどさ。これで成仏出来るなら一片の悔い無し。今期は最悪週にこれ一本でも食いつなげる。

 さて、ストーリーの方はゆっくりしっかりがこの作品。前回で倒れてしまった六花さんとそれに絡む亮介に対して、ついに島尾のパワーが覚醒するのが最大の見せ場である。これまではチープトリックのごとく「囁く」だけしか能の無かった浮遊霊が、本気になるとポルターガイストまで引き起こせるようになるという。これは、邪魔なんてレベルではないパワーアップである。実質、亮介は島尾邸の中では身動きが取れない状態なのだから。もっとも、島尾も単なる悪霊ではないので、常時能力を起動し続けているわけではなく、感情が高ぶり過ぎた際にのみ妨害行為に及べるということらしい。生者と死者が直接インタラクション出来るようになったこの状態、今後どのように変化していくのだろうか。

 ということで、この作品の大命題の1つであり、今回フィーチャーされたテーマは「生者と死者」という2人の主人公の関係性である。「死んだ人間とのさや当て対決」というテーマはこれまで少なからず生み出されてきたモチーフであり、実際に中の人的には「ハチミツとクローバー」で完全に同じようなシチュエーションが展開されていた。この場合、お話としては基本的に生きている人間が勝つ。その方が「前を向いて生きている」ことになるし、感情移入する方も過去の人間よりも今を生きる者に頑張ってもらった方が気持ちが良いからだ。過去の記憶、思いは決して嘘ではないが、それを乗り越えて、新しい出会いと関係を大切にしていこう、というのが、基本的な結論になる。

 この作品も、もちろん最終的にはそうなるのだろうと思うが、ここで普通と違うのは、「死人に口あり」なところである。死んだ人間は、思い人にとって大きなアドバンテージとディスアドバンテージを持っている。前者は「思い出が綺麗」であるところ。「死人が相手じゃかなわない」と匙を投げるシーンなんかもよくあるもので、どれだけ生きている人間が説得したとしても、既に死んだ人間の美化された思い出はどうあがいても覆らないもの。あがるばかりでさがりようのない「綺麗さ」は、死者の側の最大の武器といえる。実際、六花さんが思い出すのは島尾の恰好いい姿ばかりで、彼女の思い出が本当の気持ちだったことが伝わってくる。

 他方、ディスアドバンテージは、やはり「死人に口なし」である点。どれだけ綺麗な思い出を残そうとも過去は過去。新しい人生からの強いアプローチがあれば、動かぬ思い出だけではいつか退く時も訪れる。「動かないこと」は、最大の利点でもあるが、弱点にもなり得るのだ。そして、この作品の死者は「口がある」とはいうものの、この「口」が機能するのが思い人当人ではなく、相手の亮介だけ、というのが実に面白い。島尾→六花という直接的なインタラクションが取れないばかりに、彼が出来るただ1つの選択は、「生者の心を折る」ことだけなのだ。

 そう、島尾は結局、亮介の邪魔ばかりしている。これまでもちょくちょく冗談めかして妨害してきたわけだが、結局はその嫉妬心、未練は根深いものだったらしく、六花が幸せかどうか、などという相手のことは考えない一方的な思いが、ついに暴走してしまった。ポルターガイストはその最たるものであり、彼の隠しきれない本心が亮介に暴かれてしまった形になる。そんな「理不尽な嫉妬心」から亮介の妨害を働く島尾であるが、もちろんその気持ちは分からなくもない。目の前で最愛の人が転げようとしているのだから、冷静に見ていられるとしたらそれはそれで人間じゃないだろう。自分が死んでしまって役立たずになったことが受け入れられるようなタマなら、そもそも残留思念がさまよったりしないだろうし。

 「心折られる側」の亮介は、どうやってそんな障壁を突破すればいいのか。今回感心したのは、亮介は単なるぶっきらぼうなフリーター風情だと思っていたのだが、いざ動き出すと案外機転も利くし、根性もあるってことだ。六花の寝室での一幕も不測の事態に冷静に対処出来ていたし、島尾の「悪行」に対し、正面からたしなめる姿勢を貫いている。そして、ミホさんから見せられた思い出の写真に一度は心を折られかけたわけだが、そこから逆転してむしろ「思い出の上書き」にチャレンジしようという気概はお見事である。「旦那がかつて最高の笑顔を作った同じ花屋敷で、自分はそれを塗り替えて新しい笑顔を作ることが出来るか」。かなりハードなチャレンジには違いないが、あの性悪旦那を打ち砕くには、これくらいの「ギャンブル」に出る必要があるということだろう。ドライフラワーか鉢植えか。異質な勝負はまだまだ続く。

 蛇足とは思うが、今回画面を構成する上で効果的に使用されたツールとして、「手」というモチーフがある。六花にとって、亮介にとって、「手」というものは「何かをするための道具」として現れ、それはつまり「生きている者の証」として機能している。六花は思い出の中で生きている頃の島尾を振り返り、彼に背負ってもらった時の「手」の記憶に「生きた島尾」を集約させている。同様に、島尾の身体と対比して「生きた人間」である亮介を感じ取ったのも「手」だし、亮介は、「土を掘り、種をまくことが出来る」武器として自分の手を見上げた。対する島尾の「手」は、亮介を掴もうとしてもすり抜けるばかりだし、いざ直接関与しようとした時には、一切手を動かさずにポルターガイスト現象を起こして暴れるだけである。こうした分かりやすいモチーフを中心にテーマを描いてくれると、見やすい上に色々と読み込みが出来てアニメとしての満足度も高い。今回のコンテは神保昌登氏。相変わらず良い仕事をしている。

 中の人のことは……もういいかな。酔っぱらい演技が板についているのは面目躍如。何故だろうね。我々はさぁやが本気で酔っぱらった時にどうなるか、割と知ってるんだよ。そんな声優、なかなかいないと思うのだが。そういやミホさんはオリゼーの中の人である。オリゼーと長谷川さんがノイタミナ枠を通じて出ずっぱり。確かにこの作品も、色々とかもされそうである。

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