ドラフト通信No.117 5/10

５月１０日　ドラフト模様（DGM,GTC,RTR）

ピック順　【Sangriter】→【Thraxi】→【Alessi】→【Serra】→【Mei】→【Metallica】→

 

　DGM２戦目。そして一週空けての６人戦。やはり新パックは剥いてナンボである。まだまだしばらくは暗中模索が続くと予想される環境。各人自分なりの研究に余念が無いようで、今回も様々な思惑が入り乱れているのであるが、結局のところパックが運命を握っていることにかわりはないわけで。ホントね、この世界は決め撃ちしかけようとするとろくなことが無いわね。一応、２回やってみて見えてきた要因としては、しつこいくらい言われている「環境の低速化」が顕著で、それだけに活躍出来るカードのステージが１段変化している。これまで弱かったカードについて、先入観を捨て去って全面的に見直す必要がある。そして、色の組み合わせ方、つまりギルドの組み合わせ方については、あんまりギルドギルドしない方が無難なんじゃないか、って気もする。まぁ、今回の優勝デッキは随分ギルドギルドしいデッキでしたが。

（●は累積パック数）

　　　　ＡＬ　ＳＥ　ＴＨ　ＳＡ　ＭＥ　ＭＴ

ＡＬ　　ー　　×　　×　　×　　◎　　◎　　２ー３　４

ＳＥ　　○　　ー　　×　　×　　◎　　×　　２ー３　３　●

ＴＨ　　◎　　○　　ー　　×　　×　　×　　２ー３　６　●●

ＳＡ　　○　　○　　○　　ー　　◎　　×　　４ー１　１　●

ＭＥ　　×　　×　　◎　　×　　ー　　◎　　２ー３　５　●●

ＭＴ　　×　　◎　　◎　　◎　　×　　ー　　３ー２　２　

 

１位　【Sangriter】　赤青白（イゼット）　＜のたうつ苔犬　身分詐称　守護者の木立ち＞

　１引きカード群を見ても全くどんなデッキか予想がつかないが、今回一番デッキが固まったイゼットである。恵まれていたのはDGMのパックの時点でかなり強めにイゼットが流れており、既に「変転充填魔」×２，「ニヴィックスのサイクロプス」×２「瓦礫帯のマーカ」×２と、クリーチャーが鉄板の堅さになっている。実はピックを巡ってちょっとトラブルがあったので実際にどの程度の棲み分けが出来るかは不安だったようだが、その後もイゼットには特に波風も立たず、最大の正念場である３パック目ではめでたく「どぶ潜み」と「凍結燃焼の奇魔」を確保出来た。タッチカラーの白もカードパワーは高く、ピンポイントで除去を務める「トロスターニの裁き」や、１枚で制圧しちゃうときすらある「空印のロック」、トリックとしての「軍部の栄光」とバランスが良い。もちろん速いデッキというわけではないが、白の持つ打撃力を上手いこと純度の高いイゼットに混ぜ込めた形。新しいカードが存分に使えた上に、本人曰く「RTRの時にも出来なかったイゼット」とのこと。そういえば、RTR最終戦は「暴れ玉石」を「瞬間移動門」でぶち抜くしか勝ち手段が無いデッキとか組んでたなぁ。今回暴れ玉石が１４引きってのも色々おかしいけどな。

 

 

２位　【Metallica】　緑青赤黒（シミック）　＜化膿　神出鬼没の混成体　秘密を盗む者＞

　前回いなかったので今回が初参戦。知らないカード山盛りのところに体調不良も重なり、ピック中は（いつものように）酩酊者のような状態で、とんでもない失態を犯したりしていたわけだが、節操のないデッキで結果は２位。この世界の懐の広さというか、無茶苦茶さを分かりやすく見せてくれたデッキになっている。一応ギルドマーキングにシミックと記述はしたが、特にシミック的なギミックが多彩なわけでもなく、緑を中心軸として、その回り３色からとにかく使えそうなパンチ力を集めて来た形。特に青から参加した「神出鬼没の混成体」や「シュラバザメ」、そして「混成体の培養」あたりの仕事が光った。他の色合いは、赤は「ゴーア族の暴行者」に一撃必殺「残忍な精霊信者」、そして一気に評価が上がりっぱなしの「破滅のワーム」。黒は「化膿」のタッチ。この触り方なのでなんの抵抗もなく「飛行術の探求」が取れて、「野面背のサイ」がどうしようもない化け物になったりも。とにかく肉肉殴る殴るが元気なデッキであった。色事故さえ起こらなければ問題無いデッキだろう、と思ったものだが、やっぱり相性ってあるんだなぁ。

 

 

３位　【Alessi】　青白赤（アゾリウス）　＜霊気種　死教団のならず者　矢来の巨人＞

　２戦続けてのアゾリウスに本人はまじおこらしいが、爆弾レア引いといて文句言うなって話である。もしくは色を固めていく方向性を改めてしまえば、もっとたくさんの色を楽しむことができますよ！　弱くなるかもしれないけど！　しかしまぁ、２戦続けて「風のドレイク」でペチペチ殴るのが主な戦略ってのは確かにフラストレーションが溜まるのかもしれない。今回は他にも「臣下の魂」に「死教団のならず者」「鍵達人のならず者」と回避能力を有するクリーチャーが多く、前よりも更にアゾリウス風味が強い。タッチの赤は「天才の煽り」などの数枚の除去のタッチ。そこまで含めて完全に前回と一緒。多分次は別な色に行くんでしょう。オンラインで憂さ晴らしする可能性はあるけども。なんにせよ、次は席順が違うことを祈る。

 

 

４位　【Serra】　黒赤緑（ラクドス）　＜狂気の種父　死の接近　穴開け三昧＞

　１引きは巷で評判の「狂気の種父」。１パック目はここから緑をサブに見てどの程度のスピードになるかを模索しつつ、最終的には３パック目で「穴開け三昧」を連続でピック出来たこともあり、割と前のめり方向のラクドスに落ち着いた。「死の歓楽者」「リックス・マーディの落とし子」に「逸脱者の歓び」などの懐かしいラクドスが並び、これに緑から「真似るスライム」「乱打する混成体」「腐敗農場の骸骨」などの序盤からの高打点を活かすギミックを追加。火力がそれなりに多いために序盤戦一辺倒にならずに済むので、「死体の道塞ぎ」や「雇われ拷問者」といったちょっとズレたカードも無駄というわけではなかったようだ。個人的には「雇われ拷問者」のダメージが結構鬱陶しかったのが意外である。

 

 

５位　【Mei】　赤黒白（ラクドス）　＜ラクドスの魔女、イクサヴァ　最前線の衛生兵　流血の家の鎖歩き＞

　１引き「イクサヴァ」さんで、こちらも２試合続けて同じようなデッキになっているが、１パック目では紆余曲折もあり、３色目が決まったのは２パック目のレア１引きからである。まぁ、これくらいの振れ幅を持つのが普通なんだろうな。１パック目の「イクサヴァ」から始まってディミーア→セレズニア→シミックという怒濤の３，４，５引きであっという間に５色になっているのは潔くて良い。もっとも、その時点でもイクサヴァさんを使いたいという狙いは固まっていたのだろう、２パック目でボロス、３パック目でラクドスという理想的な速攻デッキへのルートをひた走り、割と在りし日のラクドスが再現出来たくらいのデッキにはなっている。おそらく最速で回せれば誰もついてこられないくらいの速度になっていたとは思うのだが、まぁ、３色デッキでそんな綺麗にはいかないというお約束である。まぁ、マリガン自慢が趣味みたいなので、楽しそうで何よりであった。

 

 

６位　【Thraxi】　青黒緑（ディミーア）　＜夜帳の憑依者　破滅小径の仲介人　屑肉の刻み獣＞

　気付けばマッチの関係で最下位である。しかしまぁ、今回は仕方ない気がする。何しろピック中に２パック目が終わった時点で、マジでどうやって勝ったらいいのか検討もつかなかったのだから。ぶっちゃけ、今回は決め打ちぎみである。ディミーアを強めに引き、何か時間稼ぎが出来る色にタッチして、狙うべきはライブラリの底、という目標だった。そのために３パック目に備えて防衛持ちはキープしていたし、「夜帳の憑依者」×２が大きく守りに貢献してくれるだろう、という思いだったのだ。２引きした「ヴォレル」さんはやっぱりレアは使ってみたい、という心のゆるみだが、どうせ３色目に触らなきゃならないのだし、それならゴルガリ＝シミックのカウンター載せラインが楽しそう、という目論見。結果的に、２パック目にシミックらしいカードは見あたらず、ライブラリを削る手段も無い。３パック目に突入した時点で「ライブラリで勝つのはまず無理」という結論にはなっており、そこから慌てて打撃系のカードをかき集め始めたのである。ゴルガリがそこそこ強かったのは本当にラッキーだった。「決め撃ちイクナイ」は分かっちゃいたことだが、やはりとりあえずやってみて「いい加減お前さんはライブラリ破壊から自立しなさい」という天の声を聞かないことには次にいけないのでね。もうディミーアなんてしないなんていわないよぜったい。

 

 

今回のピック表

 

　【Sangriter】（赤青白）→【Thraxi】（青黒緑）→【Alessi】（青白赤）

　　↑　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　↓

　【Metallica】（緑青赤黒）←【Mei】（赤黒白）←【Serra】（黒赤緑）