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最近のアニメや声優、Magicに対する個人的な鬱憤を晴らすためのメモ程度のブログ。
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WHITE ALBUM2」 5→6

 今期最後の感想はこちらの作品。やきもきしたままで年をまたいでしまったが、最終話を見てもやきもきは残り続けるという酷な作品である。いやしかし、あっぱれでもある。

 ギャルゲ原作ってことだけでちょっと敷居が高いと思っていた作品なのだが、1話から最後まで、一切ダレることなく見ることが出来た。ここまで「狭く、強い」作品っていうのは本当に久しぶりな気がする。何しろ主な人間関係はたった3人だけで回しており、その脇にいるキャラクターはほとんどが補助装置みたいなもの。どうしてもギャルゲというとハーレム展開なものをイメージしてしまうのだが、今作の場合は下地から違っていた。こうなると、あとはメインとなる脚本の勝負ということになるが、全くもって解きほぐされる気配もなかった三角関係は、しっかりと息づいたままで物語を引っ張り続ける。最終話が終わった後にまで引っ張られるのは流石に辛いところではあるが、やきもき続きで「結局こいつらどうなったんだよ! うわぁん!」と思ってしまった時点で負けである。聞いたところによると原作ゲームはここから先もまだまだあるとか。何とかこいつらの人生の結末を知りたいところではあるが……いや、知らない方が平和なんだろうか……。

 三角関係がテーマの恋愛ドラマなんてもんは、昭和どころか中世、古代の昔からあるレベルでベタな中身である。本作における関係性だってそりゃベタなもので、下世話な「くっついた」「別れた」だけと言ってしまえばそれだけなのだが、余計な要素を省いて徹底的に3人の関係性だけを描いたドラマは、非常に濃い。何しろ全てのパーツが「3人の心情を表す」ためだけに使えるのだから、ここまで煮詰めればどれだけベタな物語でもパワーを持つものになるだろう。アニメーションとしての製作理念が非常に骨太なものになっており、単なる惚れた腫れた以外の部分からも、3人の人間性が浮き立ち、嫌と言うほどに気持ちが伝わって来てしまう。ある意味ものすごく「地味な」物語のはずなのだが、それをがっちりと掴みながら引っ張る演出・構成は見事なものだ。

 1話の時点で「春希がモテるのは何か納得出来るから、両手に花でちやほやされてもあんまり腹は立たない」みたいなことを書いたのだが、春希君の場合、なんかもう、それどころじゃなくなってしまった。何しろ2人の「すげぇヒロイン」の間を揺れ動き、「どっちも好きだしどうすりゃいいのさ」と思っているその贅沢な悩みが、いっそ同情すら伴って共感出来るのである。いや、そりゃ「もげろ」とか「爆発しろ」とか思う部分はあるが、彼は一切浮ついた気持ちでヒロインズと接していたわけじゃない。雪菜に対する時も真面目だったし、かずさとくっつくときだって苦しいくらいに本気だった。もちろん、こいつが悩んでるのが悪いのは間違いないのだが、じゃぁどうしたら良かったのかと聞かれたら、誰も答えは返せないのである。

 生まれながらの性根のおかげでブレずにがんばろうとしていたのが、冬馬かずさというヒロインである。基本的に駄目人間要素が強い彼女だが、最終的にヒロインとして「勝ち残った」のは、彼女の放っておけない魅力、不器用で真っ直ぐな人間性によるところが大きいだろう。確かに面倒な奴だし、あわない人間にはとことん反発するだろうが、理解出来たらこれほど魅力的な女性もなかなかいない。間違いなく「良い子」なのである。あまりの不器用さに本当に泣けるシーンが多かった。そして、あまりに器用、というか、あまりに「良い子」過ぎたために難しい立場に立ってしまったのが、小木曽雪菜という女性。彼女も、あり得ないくらいに魅力的だ。非常に安易な「男の考える理想の彼女像」を固めたようなパーフェクトな女性で、終盤に身を引くところまで含めて、あまりにも都合の良すぎる立ち回りではあるのだが、それでも、彼女の人間性が欠けるということはない。あまりにも優しすぎる彼女の友情は、言葉を紡げば紡ぐほどに悲しさが増して、彼女自身の思惑を他所に、どんどん放っておけなくなってしまう。最終回で何度か繰り返した「かずさほど本気ではなかった」という言い訳も、聞いていて本当に辛いものだ。「春希への思い」なんて数値化出来るはずのないものを無理矢理自分から決めつけて後じさる理由を作ろうとする彼女の姿は、あまりに優しすぎて苦しい。結局、彼女もあり得ないくらいに不器用なのである。

 「友情」と「愛情」のバランスという永遠のテーマが、これ以上無い密度で迫ってくる本作。こうした関係性を描くときの「迫力」で言えば、トップレベルの見せ方だったのではなかろうか。1つさじ加減を間違えば単なる痴話喧嘩に見えかねない繊細なシナリオをしっかりと映像に繋げたスタッフの手腕は、間違いなく「良い仕事」であった。ものが「恋愛」なのでなかなか突っ込みどころが難しいのだが、一度こういう「太い」物語を描くときのアニメ演出っていうのもしっかり見て、しっかり考えて見たいところだね。今後、今作で監督を務めた安藤正臣氏という名前を見つけたら気をつけてみようと思う。

 中の人については、もう、メインの3人にお疲れ様、としか言いようが無い。だいちゅうさんは本当に「イケメンと駄目男の間」を絶妙に抜いてくるよね。米澤円によるヒロインは「RDG

なんかでちょいちょい見た程度だったけど、今作の雪菜は、正統派な上に歌までお見事という、本当においしく、大変なお仕事。良い物を見せてもらいました。そしてナバね。ほんと、ナバは「恰好いい」と「可愛い」を軽々と使いこなす。新たなナバヒストリーに記録しておきましょうね。

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